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あのガラ空きごっつぁんゴールが余計だったか!

本日はお出掛けの記録です。「何故?」と聞かれると困る感じのセレクトではあるのですが、ご近所でサッカーを見てきました。25日、味の素スタジアムで行なわれた、J1リーグのFC東京VSファジアーノ岡山の試合です。優勝争いとはまったく関係なく、残留争いというほどの緊迫感もなく、「38分の1の試合」という感じの一戦。まぁやってるほうと応援しているほうはそんなことはない真剣勝負なのでしょうが、外野としてはお散歩気分でのお出掛けです。

↓あいにくの雨もほどほどの賑わい!
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お散歩気分での訪問ですので、早速散策など楽しんでいきます。本来ならこの日はハロウィン直前の試合ということで、スタジアム内に子どもたちを招待してハロウィンパレード的なことも予定されていたようですが、天候悪くパレードは中止にしたとのこと。そんなこともあってかスタジアム周辺のイベントスペースはいたって穏やかなもの。参加型のイベントも待たずにすぐ参加できる感じで、サクサクこなせます。

↓ハロウィン用のフォトスポットがありました。
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↓参加したらアイシングクッキーをくれました。
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↓イオンのペイを使っている人に配っていたカードをもらいました。
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↓入場時にはキティちゃんのクリアファイルと色紙をいただきました。
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いざ入場しますと、場内もほどほどの賑わいでゆったりとしています。自席の周辺にも基本的に人がおらず何ならひとりで3席くらい荷物置きに使えるんじゃないかくらいのゆったり感ですが、それなのに目の前のちょうどピッチに被るあたりのところにやたら長身のお兄さんが座っていたりして、本日も座席運は末吉くらいの感触。まぁ絶対に撮りたい写真があるということでもないので、座席運の貯金と思ってのんびり過ごします。

↓アウェー側は「アウェーだしな…」という感じの少数精鋭。
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↓ホーム側も「まぁ雨だしな…」くらいの集まり具合。
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↓サッカー界名物、サポーター間の衝突を避けるための緩衝地帯。
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↓サッカー界名物、応援団が掲げるチェ・ゲバラ等の英雄の肖像。

「さすが岡山の英雄はゲバラではなく桃太郎か…」「サポーターチームの名前はきびだんご団のようだな…」「応援歌も桃太郎の歌だな…」などと思いながら、よく覚えてないけれどたぶん初めて見る実物のファジアーノ岡山を新鮮な気持ちで見守りつつキックオフを迎えるわけですが、実は僕にはひとつ隠しアイテムがありました。この試合に向けて、すべての試合の熱さを三倍マシマシくらいにしてくれる魔法の紙、スポーツくじを買ってきたのです。しかも今回はできるだけ長い時間試合を熱く楽しむために、入念なプランをもって。

まず試合に先立ち、両チームの戦力や近況などを見ましたところ、FC東京のほうが力量上位であろうと見たてました。そのうえで「FC東京の2-1勝利」という予想にベットをしたのです。「強そうなほうの2-1勝利」にベットをすると何がいいかというと、最初の1点がどちらに入っても「想定内!」という気分で一切ハズレ感を出すことなく熱い観戦が維持されるのです。さらに「強そうなほうがポンポーンと2点取った」とか、「1点ずつ取り合った」とかでも予想のド真ん中の範囲ですし、よしんば試合がドロドロの「0-0」で推移しても、「最後の5分くらいで一気にドバドバ入るかもしれんし…」と希望を持って見守れるという寸法。「0-0」とか「1-0」とかを買っていると、試合の早い時間帯でハズレが確定するケースがありますし、「0-0」のくじなんて持ってると「どっちもミスしろ!」みたいなイヤーな観戦になるでしょう。その点、「2-1」のハズレを確定させるには結構時間がかかりますし、両チームの得点を願わないといけないので応援も前向きになるということで、我ながら完璧な買い目と思っている次第です。

↓これがあれば試合は常にマシマシで熱くなる!
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そして始まった試合。前半は互いに固いというかリスクを取らないというか、あまり動きのない試合です。岡山はガッチリと守りを固め、たまに縦の長いボールで裏に抜けようと狙うくらい。FC東京はボールを長く保持して相手守備を崩そうとしますが、崩し切るほどの速さも正確さもなくキレイにまわしてまた戻す、みたいなサッカーがつづきます。折からの雨と冷え込みで「ダウン着てくればよかったな…」と思うくらいの気候ですが、ピッチ上もなかなかの冷え込みよう。うーむ、前半のハイライトはことあるごとに山下良美主審を取り囲むFC東京側の執拗さだったかもしれません。

↓キャプテンオンリーのルールを導入したとか言ってた気がするが気のせいだったかもしれない。
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ハーフタイムにはハロウィン中止のぶんまで取り返していくように、ハロウィンのお化けっぽいキャラクターたちが大集合し、フィールド内を練り歩き始めます。お膝元の調布市では11月に水木しげる先生の功績を讃える「ゲゲゲ忌」なるイベントを開催しているそうで、その縁からゲゲゲの鬼太郎とねこ娘が来てくれたのだとか。さらに、ハロウィンのコスプレをしたチームマスコットの東京ドロンパなども現れ、場内を盛り上げてくれます。相手方を意識して「鬼ヶ島」にちなんだイベントなどを用意していたこの日のFC東京ですが、桃太郎に鬼太郎をぶつけてくるのは楽しい仕掛けだなと思いました。ともに鬼を倒す側なのか、桃太郎が鬼太郎を倒しにいくのか、展開も読み切れないですからね。

↓桃太郎ならぬ鬼太郎がハロウィンにやってきてくれました!
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↓犬!猿!キジ!は来ませんでしたがネコが来ました!
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↓地元のタヌキもハロウィンで盛り上がっています!

迎えた後半、早速試合が動きます。狭いところを通したパスを受け、佐藤恵允さんがエリア内で右足を振り抜くと、相手DFの股を抜いたボールはゴール隅へコロコロ転がり込みました。もう少しGKの反応があればという感じのシュートではありましたが、タイミングよくいいコースに飛ばしたナイスコントロールショットでした。



これで一気にFC東京の流れになるかと思いきや、ファジアーノ岡山も選手交代でチームに活力を注入し、反撃に出ます。交代で入ったルカオさんのところでボールがおさまるようになり、ようやく攻撃らしい攻撃を始めたファジアーノ岡山。押し気味に試合を進めた後半28分には、コーナーキックからヘッドでズドンと決めて同点に追いつきます。

こうなると僕も俄然熱くなってまいります。手元にある「FC東京2-1勝利」のスポーツくじ。目の前の試合は後半28分を過ぎて1-1。「FC東京が勝利を狙って残り時間攻勢に出て、1点取って勝ち切るは十分あるんじゃない…?」とにわかに目の前にお金がチラつき始めました。途端にFC東京の応援歌など歌い始め、応援にも明らかに熱と邪念がこもります。

そして迎えた後半43分、FC東京は右サイドから縦に送って、佐藤恵允さんが裏に抜け出しました。DFとの競り合いを制し、前に出てくるGKよりも先にボールに触った佐藤さんは、GKをかわして中央に切り返します。若干コントロールし切れず大きく転がったボールの先、エリア内中央には何故かFC東京の俵積田晃太さんしかおらず、ファジアーノ岡山のDF陣は棒立ちになっています。まさかまさかのゴール前総ガラ空きで、FC東京が美味しく勝ち越し!そして僕の手元にある「FC東京2-1勝利」のスポーツくじが黄金色に輝き始めました!

↓後半43分に「FC東京2-1勝利の状態」に到達!勝った!これは勝った!


いやー……今までに見たFC東京の試合のなかでも、一番盛り上がったのがこの日のこの時間だったかもしれません。もう残り時間は5分くらいで、意気消沈した岡山にはおそらく反撃のチカラはなく、FC東京ももうリスクを冒す必要はなく、このまま2-1で終わりだと思いましたよね。紙のスポーツくじで当てたことがないもので、「紙ってどうやって換金するんだろう!」「やっぱり売り場に持って行くのかな!」「オッズ5倍くらいついてたよな!」とか思いながら、夕食のメニューのランクアップまで考えてたんですよ。本当に夢心地で。

そしたらですね……そのわずか2分後くらいですよ、FC東京はまたしても佐藤恵允さんがボールを持ちますと、エリア外からズドンと打ちよりまして。それが決まりよりまして。そんな簡単に決まるような距離ではなかったんですが、ちょっとDFに当たった?のと、GKの反応がいまいちなのと、シュート自体の強さとかバウンドとかが全部悪いほうに重なりまして、夢から一転ハズレ確定の3-1になってしまったのです。なんかさっきまで見てた夢が全部消え失せまして、目の前の紙は輝きを失ってただの紙に戻りました。今まで見たFC東京の試合で、一番落ち込んだのはこの瞬間だったかなと思います。ほら、僕、FC東京が勝とうが負けようが特に何の感情もわかないタイプなので、上がりも下がりもしてこなかったんですよね、これまで!

↓えーーーーーーーーーーー…………!


ただ、それで胸の炎が消えたかというと、むしろ燃え盛るのですから人間というのは不思議なもの。残された時間とアディショナルタイムの5分間、僕は手の平をクルッと返して猛然とファジアーノ岡山を応援し始めました。もはや邪念100%という感じですが、この外し方は悔し過ぎるので、岡山がもう1点取って大ハズレにしてくれと。「どの道ダメだった」と思えるようにしてくれと。その結果、特にその後何も起きはしませんでしたが、最後の1秒まで僕は試合に没頭し、熱く盛り上がることができました。

そして思いました。一瞬夢を見させてくれた、あのガラ空きごっつぁんゴールのほうが余計だったんだなと。あんなゴールが決まってしまったことで、このクジは外れたんだと。本当なら、最後の佐藤さんのミドルズドンで歓喜の大爆発を迎えるはずだった運命が、あんなア…あまり見られないようなゴールが決まってしまったことで一手ズレてしまったのだと。

こんな感じで人生にもいろいろなズレがあるんだろうなと思いましたよね。一見すると幸運に見えるような出来事が、その後の大ハズレの布石になっているようなことがあるんだろうなと。ひょんなことから大バズりした人が過去の悪事を発掘されて社会的に抹殺されたりとか、そういうことが。そんなことで、思いがけず人生の真理にたどり着いたような気がするお散歩観戦となりました。熱くて楽しい試合をありがとうございました!

↓僕に夢を見させ、そしてその夢を摘んだのはあなたですね!顔を覚えたぞ!
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↓あと、カラスの巣を見つけたのでお知らせします!
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ハロウィンっぽい不吉さを演出する巣!


当たったつもりでランクアップご飯を食べて、いい休日になりました!