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東京で日の丸と君が代を見ました!

熱戦つづく東京2025デフリンピック。平日は給料仕事があって僕は忙殺されていたわけですが、そんななかでも大会は大変な人気だそうで、会場によっては入場規制で観戦まで時間が掛かるところや見られずに撤退する人も出たとか。この週末は3連休ということで、運営側からは「3連休は大きい会場に行ってもらったほうがいいかも…」的なアナウンスが出たほどです。改めてこの大会を包む熱気を感じるようです。

↓公式からの、3連休は大きめの会場を推すアナウンス!


混雑情報で怯む僕ではありませんが、検討の結果この日は、東京アクアティクスセンターで行なわれる水泳競技を観戦することにしました。9月には世界陸上で陸上三昧をしておりましたが、まだ東京で世界の水泳を見ていないなと思ったのと、やはりせっかくなら「金メダル」を見てみたいなと思ったのです。日程表(結局PDFが一番見やすい/公式サイトも頑張れ!)でこの日行なわれるメダルマッチを凝視して、ここだなと思ったわけです。

↓ということでやってまいりました東京アクアティクスセンター!
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いつ来ても空いていることでおなじみの東京アクアティクスセンター。個人的にも大会などで何度か足を運んでいますが、立地なのか競技性なのか敷地面積なのか、会場に向かうときには「本当に今日試合あるのかな?」と不安になる感じで人口密度の低さを覚える会場です。それがどうでしょう、入場口へ向かう階段を上がるとそこには夜の部の入場を待つ観衆が行列を成しているではありませんか。

入口から伸びた行列は建物に沿って折れ曲がり、さらに奥へ奥へとつづいています。アクアティクスセンターは5000席を備える規模感ですので、入場できないということはさすがになさそうですが、それにしても想像外の集まりです。この列を見ると「FC町田ゼルビアの天皇杯決勝に観衆が大して集まらなかったのは、東京のスポーツ好き浮動層がデフリンピックに行っていたから説」を提唱してもいいかなと思うくらいです。

↓アクアティクスセンターの前に行列だと…!?
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↓奥へ奥へと人の列がつづいている…!
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行列につづいて入場しますと、さすが最新の大規模会場ということでモニター類やらの備えも多く、会場内は字幕による誘導でさまざまな情報が表示されています。入場口や案内デスクでは「私は手話でコミュニケーションできますよ」という動きの方が出迎えてくれており、必要があればすぐに助けを求められそうです。音声認識で字幕を表示する装置もしっかり稼働しており、デフリンピックに限らずいろいろな会場にいつも置いておいてくれたら便利だなと思いました。

↓係員さんが会話で応答しても即座に字幕化&翻訳してくれて便利!
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↓江東区観光キャラクターのコトミちゃんも目で訴えかけてくる!
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↓観戦時の諸注意や試合情報などもモニター並べてアチコチで表示してくれていました!
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場内は5割ほどの入りでしょうか。メインスタンドは丸ごと関係者席に充てられているようで埋まり切っているわけではありませんが、選手団・関係者などが応援に熱をあげています。一般客が入るバックスタンド側はプールサイドの低層席はほぼ埋まっていた模様。僕も出入りを繰り返したわけではないので実態はわかりかねますが、誰かが帰るとそこに誰かがやってくる、という感じで常に席が埋まっていましたので、もしかしたら僕が入場したあとで入場規制などが掛かっていたのかもしれません。まぁ、単に目ざとく空席を見つけた人が前方に移動してきただけかもしれませんが。

この会場は観客席から見えるプール上方の大型モニターと、選手のスタート位置から見える大型モニターがあり、表示する場所は十分にありますので、競技進行は基本的に字幕表示でわかる感じになっています。さらに、競技開始前にはデジタルヒューマンのKIKIが国際手話を教えてくれる時間もあり、僕も「拍手」に加えて「おめでとう」や「がんばれ」を習得し、さらに応援の幅を広げることができました。

↓これで「おめでとう」になるそうです!
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↓選手向けの情報も字幕で表示されていました!
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そしていよいよ競技開始となったわけですが、この会場では大型モニターに競技の模様だけでなく、手話通訳の方を2人同時に映すというやり方をしていました。内容がわからないので推測になりますが、やっている内容はそれぞれ違うようでしたので、ひとりが日本語手話でもうひとりが国際手話とか2ヶ国語同時に出していたりしたのかもしれません(あるいはひとりは国紹介、ひとりは名前紹介とか内容での区分けかも)。それを踏まえてなのか、選手たちも場内音声での名前呼び上げではなく、モニター上の手話での案内が終わってから動き出していたりして、そのタイミングの違いに、いかに自分が音声の世界を当たり前に思っているかを改めて感じたりしました。

場内では笛がピーピー鳴っていたりもしつつ、選手向けにはスタート台のあたりに3色に光るランプが備えられています。白いランプのときはオン・ユア・マークスで、赤いランプのときがセット、青いランプに変わるとゴー、といった感じのよう。これも最初からスタート台とかプールの機構に組み込んであってもよさそうなものですが、そうではないあたりがデフアスリートにとってはやるせなかったりするのかなと思ったりしました。

↓競技映像と手話を同時に映すのは、いつもあってもよさそうなものですね!
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↓スタート台の横にある3色のランプで選手はスタートしていました!
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すると夜の部最初のメダルマッチである女子100メートル自由形決勝では、何といきなりデフ世界記録が飛び出しました。優勝したイタリアのヴィオラ・スコット・ディ・カルロさんは、イタリア代表としてパリ五輪では100メートルバタフライ(※池江璃花子さんの出場種目)とメドレーリレーに出場していた選手だとのこと。カルロさんはこの種目の競技に臨んだあと、4×200メートルリレーの表彰式で金メダルを受け取り、今しがた勝った100メートル自由形の表彰式で金メダルを受け取り、さらに50メートル背泳ぎ決勝に出場して再びデフ世界記録&金とする大活躍で、出たり入ったりで忙しいの何の。パリ五輪では出場した2種目でいずれも違反失格となるなど苦い思いをしたとのことですが、そのぶんまでいい大会になっているようであればいいなと思います。

↓競技中ももちろん手話実況つき!
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↓デフ世界記録誕生の瞬間を見ました!
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↓表彰式も手話実況つきです!
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↓デフ世界記録&金!1日で3回金メダルもらいました!
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↓ちなみに表彰式では国歌が流れている間、こんな表示に!
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世界に負けじと日本勢も、栄えある自国開催ということで大活躍を見せます。女子100メートル平泳ぎでは串田咲歩さんと久保南さんが決勝に進出し、串田さんが見事に銅メダルを獲得。女子背泳ぎ50メートルでも平林花香さんが決勝に進出し、8位入賞としました。

↓世界の3位、おめでとうございます!
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そして何と言ってもこの日のハイライトは男子200メートル個人メドレーです。この種目には今大会200メートル自由形で金、400メートル自由形で銀を獲った茨隆太郎さんが出場するのです。ここまでデフリンピック通算21個のメダルを獲得してきた日本の大エース、前回大会金のこの種目はもちろん金が目標となります。会場には茨さんへの熱い応援と期待感が広がっており、応援バナーや応援うちわなどを掲げてそこかしこで盛り上がっています。茨さんが会場を鼓舞するように入場すると、「拍手」はもちろん歓声さえも上がりました。このあたりはむしろ一般の観衆よりも関係者席のほうが大きな声をあげて盛り上がっていたように思います。

迎えたスタート。力強く飛び出した茨さんは、1種目めのバタフライと2種目めの背泳ぎではじっくりとチカラを溜めるように前の選手を追っていくと、3種目めの平泳ぎで一気にまくって先頭に出ます。最後の自由形は今大会でメダルを獲った種目でもあり、そのチカラはここでも圧倒的。ラスト50メートルでほかの選手をグングン引き離し、最後は身体ふたつぶんほど差をつけて堂々の1着。見事な金メダル獲得となりました!

↓会場を盛り上げながら入場してきた茨さん!
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↓圧倒的な強さで男子200メートル個人メドレーの金メダルを獲得!
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その後の表彰式。茨さんに金メダルが授与されると、大型モニターには日の丸が表示され、会場には君が代が流れました。モニターの字幕には「ただいま国歌が流れています」的なことが英語で表示されるなか、茨さんは表彰台の上で手話を始めました。その手話を知っているわけではありませんが、これはもちろん君が代の手話でしょう。たとえ会場に流れる音が聞こえていなかったとしても、同じ時間に同じ思いを重ねることはできる、そんなことを思う特別な君が代となりました。「全出場国の国歌を手話映像であらかじめ用意しておく」とかができたらもっとよかったのかなと思いますが、そこまでリーダーシップを発揮してくれるあたりはさすが日本の大エースという見事な表彰式でした!

↓表彰式で金メダルとぬいぐるみを掲げる茨さん!
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↓日の丸が一番高い場所にあがりました!
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↓金メダリストによる君が代の手話!
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この日の最終種目となった混合4×100メートルメドレーリレーでも日本が決勝進出を果たしており、最後まで熱い戦いに盛り上がった観戦。日本チームが銅メダル争いを演じ、最後の最後のタッチまで競り合った末の4位は熱くて惜しくて燃えるレースでした。もしかしたらあまりよろしくないのかもしれませんが「拍手」だけではコチラの感情が出しきれず、いつものように声で「行け!」「差せ!」「頑張れ!」など叫んでしまいましたよね。

東京で日本の代表を応援し、金メダルを見て、日の丸が上がるのを見て、君が代を聞く。個人的にもいつか叶えたかったことが叶う日となり記憶に残る観戦となったわけですが、さらにそのうえ「君が代」を見るという体験までできるなんて。我ながら見事なセレクトだったなと自画自賛したくなるようです。僕が叫んだかどうかはあまり関係ないかもしれませんが、そのぐらい盛り上がっている会場の光景が、選手たちにとっても嬉しい記憶になっていたらいいなと思います。いいものを見せていただき、ありがとうございます!

↓この日の会場ではイギリス応援団のおじが盛り上げ上手で大人気でした!
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各国関係者が盛り上げ上手揃いでした!

東京も負けていられない感じです!


あとは「団体球技の金」が見られたらいいのですが、どうですかね!