スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

テニス

大坂なおみさん、全豪オープン優勝&アジア人初のシングルス世界1位!「日本」を頂点に連れて行ってくれたことに心から感謝の巻。

07:00
なおみを誇りに思います!

遠い世界の物語であったテニスの天上世界、グランドスラム。その頂点に、日本の心と誇りを連れて行ってくれた選手、大坂なおみさん。狭い日本にとってはまだまだ新しいタイプのアスリートかもしれません。育った場所や暮らした環境が似ていない、ということに日本に住む僕らは不慣れです。けれど、彼女と僕らは同じ日本という国でつながっている。世界のスターであることは承知のうえで、僕らのスターとして一層の強さで誇りたい。大坂なおみが全豪オープンに勝ったぞ、世界ランク1位になったぞ、と。

全豪オープンの決勝、対戦相手はペトラ・クビトバ。左利きの選手ということで、慣れないボールが返ってくるやりづらさがあります。グランドスラムの制覇は都合2回。最高ランクは世界2位。大坂さんも昨年の全米オープンを制したとは言っても、この舞台には格上しかいません。手強い相手です。

そして、クビトバの強さはテニスだけのものではありません。2016年、自宅で強盗に襲われ、利き手である左腕に重傷を負ったクビトバが再びこの場所に立っている。テニスはおろか日常生活を同じように送れるかも危ぶまれた怪我を乗り越えてここにいる、その事実だけですべての敬意をもって相対しなければいけない強敵であることがわかります。簡単に勝てるはずがありません。

↓ここまで来ると偶然や間違いなんて選手は誰もいない!強者だけがここにいる!

勝たせてあげたい気持ちもわくけれど、それはそれ!

テニスの勝負はテニスでつけましょう!



試合展開としては大坂さんが押し気味です。両サイドのワイドへと打ち込むサーブは非常に強力で、ファーストサーブが決まればほとんどすべてがポイントにつながります。ストローク戦に回っても、左右に振って仕掛けていくのは大坂さんで、常に深いところへと打ち込みクビトバの前進を許しません。

第1セット第7ゲームでトリプルブレークのピンチを迎えた際も、セカンドサーブからの攻防でクビトバを左右に振り回し、見事にピンチを脱しています。強打でラクに決めるのではなく、振って、振って、相手を動かしてから「その逆を突くように手元でクッとコースを変えて」仕留める。サーブでもラリーでも得点を奪えるトータルパッケージでの強さがあります。

クビトバのサービスゲームでも、左利きからワイドにスライスしていくサーブにはやや手こずるものの、試合のなかで修正し、第1セット中に「ワイドに逃げていくボールを待ち構えて、逆に相手のバック側へのダウンザラインでリターンエースを奪う」ところまで対応してみせました。

ストローク戦で優位に立つ大坂さんに対して、クビトバとしてはまずサーブで攻めていかないと勝負になりません。大坂さんはそれを待ち構えていることがわかっていても、より厳しいコースへ打ち込んで主導権を取らないといけない。自分の強みで相手を打ち砕く、返せるものなら返してみろ、そんな戦いぶり。「女王」を争おうという戦いだけあって、「退く」というところがありません。

第1セットは互いに一度もブレークを許さずタイブレークまでもつれますが、勝負所で大坂さんはクビトバのワイドへのスライスサーブを読み切ってリターンで仕留め、相手の「強み」ごと打ち砕きました。サーブでもここぞという場面でのエースが生まれ、このセットを大坂さんが取ります。何もないフラットな状態で戦えば大坂さんのほうが強いだろうな、という手応えを覚える見事な立ち上がりでした。

↓このリターン、狙って決めた!タイブレークを制する大きな一本!

タイブレークではクビトバの強みを完封!

全豪優勝、世界1位まであと1セット!


個人競技はどれも孤独なものですが、テニスのシングルスというのは一際そうです。1万人からの大観衆の中心で、2時間あるいは3時間とたったひとりで戦います。コーチから指示や激励を受けることもできず、すべてを自分で律しなければいけない。ミスも、際どいジャッジも、不運も、観衆のため息も、すべてを自分ひとりでじっくりと噛み締めるようにして受け止めなければいけないという厳しさがあります。

サービスゲームは「ほぼ勝って当たり前」というゲームバランスも、心の乱れを生む要因です。「勝って当たり前」と思ってしまっているゲームを落とせば、それは単に1ゲームを失ったというだけではない意味を持ちます。痛恨、悔恨、失着。ミスや不運を引きずって、別のゲームにまで影響してしまう。テニスでよく見られる「流れ」という不思議な現象は、あらゆる名選手を飲み込んできました。

その意味で「何もないフラットな状態では上回る」ことは、必ずしも試合の勝敗とは一致しません。ひとつのプレー、ひとつのミスで心は乱れ、フラットではなくなってしまうのです。ましてやここはグランドスラムの決勝。すべてが異次元であり、「普通」なものなど何ひとつとしてありません。ミスは「普通のミス」ではなく「生涯のミス」であり、不運は「よくある不運」ではなく「天にも見放された不運」となります。ひとつひとつが重苦しい。

そして大坂さんは試練を迎えます。

第2セット、優勢に進める大坂さんは順調にゲームを積み重ねていきます。「第1セットを取った試合は59連勝中」というデータも紹介されました。第2ゲームこそ初めてとなるブレークを許しますが、すかさず第3ゲームでブレークバックすると、第4・第5・第6ゲームもつづけて奪い、第8ゲームを終えた段階でゲームカウント5-3とリードします。

迎えた第9ゲームはクビトバのサービスゲームですが、ネットに当たったボールが相手側に落ちるようなツキもあり、「ここぞ」で狙っているスライスサーブのリターンでのダウンザラインも決まり、40-0とリード。ここからの3ポイントのどれかひとつでも取れば、全豪オープン優勝&世界ランク1位となるトリプルチャンピオンシップポイントを迎えます。

油断や慢心はなかった…とは思いますが、ここまで状況ができあがったことで、大坂さんは勝ちを意識してしまったでしょうか。「サービスゲームを0-40から逆転でキープ」というのはテニスではよくある場面であるにもかかわらず、実際にそれが起きたとき当たり前のこととして受け止められず、急に苛立ちを見せ始めてしまいました。「キープすれば優勝」となる第10ゲームでは、それまでの粘り強いラリーが見られなくなり、一発ですぐに決めたいという焦りの打ち回しが目立ちます。ダブルフォールトを犯した場面ではラケットを足に打ちつけ、ゲームを落とした際にはボールを地面に叩きつけました。

さらに第11ゲームでは、ようやく流れを切るいいプレーとなりそうだったポイントが、クビトバのチャレンジの結果アウトに判定が切り替わるというイヤな展開も。流れを切りたい、しかし切れない。粘るクビトバは、第9・第10ゲームにつづいて第11ゲームも取ると、第12ゲームでは再び大坂さんのサービスゲームをブレークし、逆転で第2セットを奪います。

↓上手くいきそうなときに上手く行かない、苛立ちが苛立ちを呼ぶ展開!

決まったと思ってからのチャレンジでのアウト!

「ラケットを壊したくなる」のはこんなときなんでしょうね!


↓イライライライラする大坂さんをさらに煽っていくクビトバの顔!

口開けてからが予想の倍くらい長いwwww

世界基準の煽りGIFじゃないですかwwwww




タオルをかぶってトイレットブレークをとる大坂さん。ココが女王とそうでない人をわける分岐点だな、と思いながら僕は見守ります。テニスに限らずスポーツ・勝負はえてしてこんなもの。ずっと上手くいくなんてことはありません。女王とか王者というのは、上手くいかないときにそれでも勝つ人のことです。苦しいときでも強いから、ずっと頂点にいつづけられるのです。

確かに第2セットは悔しい展開でしたが、冷静になれば1セットずつ取り合って第3セットに入るだけの話です。「互角」の状況を、さも自分が何かを失ったかのように勘違いして勝手に崩れるようなら、それはそこまでの器だったということ。大坂なおみの器が試される、女王にふさわしい人物かを試される、そんな第3セットです。

第3セット第1ゲーム、クビトバはサービスゲームをキープ。大坂さんはチャレンジに失敗し、ひとつ権利を失いました。まだまだ苛立ちや焦りの色が見えます。しかし、第2ゲームはエースも決まって久々にゲームを取りました。心が苦しいときに強い身体が助けてくれた、そんなゲームでした。

そして第3ゲーム、大坂さんは自らが犯したエラーを、いつものようにうつむいて静かに受け止める「平静」を取り戻していました。そういうこともある、という静けさ。少し時間はかかりましたが、「グランドスラムを逃した」という失意をコントロールして、強い大坂なおみが戻ってきました。このゲームをブレークして優勝&世界一へと再び前進します。

すると動きもガラリと変わって軽やかになり、相手のセカンドサービスを前に出て叩きにいくようないい意味での積極性も甦ります。早く決めたい焦りのプレーとは違う、積極的に奪いにいく攻めのプレー。クビトバの流れを断ち切ると、試合は一気に大坂さんに傾きます。ダウンザラインのショットが次々に決まり、大事なところでのサービスエースも生まれます。ゲームカウント4-2とし、勝利が見えてきました。

第7ゲーム、まるで第2セットの繰り返しのように「トリプルブレイクポイントのチャンスからゲームを取れず」という惜しい場面もありましたが、大坂さんの「平静」は変わりません。静かにうつむいて、受け入れる。悔しくないわけではないのでしょうが、それもまた試合の一部として、一喜一憂せずに淡々と過ごす。それはいかにも「日本的」だなと感じる大坂さんらしさかもしれません。吠えて叫んで強くなるタイプもいれば、静けさのなかに凛として強さが宿るタイプもいる。侍、あるいは撫子。そんな佇まい。

大坂さんの試合になる、それを確信したのは第8ゲームの2ポイント目。すでに二度チャレンジに失敗しており、このセットはあと1回失敗したらチャレンジの権利を失うという場面で、大坂さんはためらいなくチャレンジをしました。「あと1回しかない」という不安よりも、「決まった」という自分の確信に寄り添った勝負のチャレンジ。「自分を信じる」という、当たり前でとても難しいことをこの場面でも遂行できた。これならもう大丈夫。勝ち負けはともかく、もう自分で勝手に崩れることはない。さぁ、この第8ゲームをとってゲームカウント5-3、あと1ゲームです。

クビトバがひとつしのいで、ゲームカウント5-4で迎えた第10ゲーム。第2セットは自らの苛立ちで逃した「サービングフォーチャンピオンシップ」の機会が再びやってきました。1ポイント目、素晴らしいコースへのサービスエース。2ポイント目、この日よく決まっていたフォアハンドのウィナー。3ポイント目、相手のボディを狙って決めた。そして最後の1ポイントは、ド真ん中に打ち込んだ強烈なサーブ。この試合のなかで大きな試練を迎え、それを乗り越えて強くなった「女王」誕生の瞬間でした。

↓大坂さんは叫ぶでも拳を突き上げるでもなく、感極まってうずくまると静かに泣いた!

スタンドの全員が立ち上がるような場面でうずくまる!

そんななおみらしさ、とても愛らしいです!


↓厳しい試合を乗り越えて、「女王」の器を示した日本の大坂なおみ!


ありがとう、なおみ!

日本をそこに連れていってくれて!




メンタルに課題がある、そんな自覚もあるといいます。それを克服したからこその今がある、そんな分析もあります。確かに恐怖や不安を打ち砕いていくような、わかりやすい「強さ」を備えるタイプではないかもしれません。しかし、大坂さんには静かにそれを受け入れる別の意味での強さがあり、それが発揮された決勝だったなと思います。「しなやかさ」とでも言えばいいでしょうか。ミスや不運もあり、それに翻弄された自分もいるけれど、「そういうこともある」と静かに受け入れることができる…曲がりはするけれど折れてはしまわないような強さが。

大会期間中にはスポンサーのCMをめぐって、試合とは無関係な騒動に巻き込まれもしました。そのとき大坂さんが発した「次は私に相談をするべき」というメッセージもまた、しなやかさだったと思います。憤りはあるでしょうし、そのことについては苦言を呈してもいるわけですが、すべてを断ち折るのではなく「私に相談をする」という道を示してくれている。ミスや失敗はあっても、その先にも道があるのだというマインドを、大坂さんがごく自然に自身の性質として持っているからこそ出てきた言葉のように僕は思うのです。

女王は一度なって終わりというものではありません。

今まさに始まり、そしてこれから長くつづいていくものです。強い挑戦者があらわれ、世界のライバルに研究され、ときに強すぎる女王には「負けろ」という反発まで向けられます。その道は孤独で辛いことも多いでしょうが、大坂なおみはそうした試練を乗り越えていくことができるのだと、この決勝の戦いぶりは示していたように思います。不安はありません。そして希望ははてしなく大きい。

心技体のトータルパッケージの強さをもってすれば、もっと大きな夢が見られるかもしれない、今はまだまだ通過点、そう思います。2020年は日本の東京で五輪があります。シュテフィ・グラフ以来の「四大大会と五輪を同年に制するゴールデン・スラム」だってないとは言えない。極めて困難ではありますが、グラフという名前を挙げることを恥じらう必要がない、それぐらい大きな可能性を感じさせる選手だと思います。

選手たちが入場し、帰っていく通路「ザ・ウォーク・オブ・チャンピオンズ」。

壁に掲示されたセリーナ・ウィリアムズやシュテフィ・グラフ、クリス・エバート、マルチナ・ナブラチロワといった歴代の名選手たちの名前の列に、来年からは「ナオミ・オオサカ」が加わります。その栄光が一時のものではなく、長くつづくものになるよう祈りたいと思います。テニスという天上世界を我が事としてともに歩める選手を持てたこと、そのてっぺんからの景色を見せてくれる選手を持てたこと、日本人のひとりとして感謝します!




世界中になおみ、素晴らしい君のその名よ轟け!

にわかにテニス熱が盛り上がってきたので、大坂なおみさん出場の東レパンパシフィックオープンの大坂さんがいない日に行ってきた件。

12:00
本人はいないけど大坂さん祭りでした!

今日はお出掛けの記録です。にわかに自分のなかでテニス熱が盛り上がり、ちょうどご近所での開催ということもあったので東レパンパシフィックオープンテニスに行ってきました。話題の大坂なおみさんはいません。大会自体には出場しますが、僕の日程と噛み合わず、大坂さんの出場しない日に行くことになりました。

向かいましたは立川市の立飛という場所。通例ですと東レパンパシは有明での開催なのですが、今年は改修工事中ということでアリーナ立川立飛という別会場での開催。こちらはBリーグのアルバルク東京がホームアリーナとして使用していることでも知られる場所です。ご近所のスポーツ環境がジワジワと充実しています。イイ感じです。

↓見た目はプレハブっぽいですが、映っているのはサブ会場のほうです!
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なお、奥にあるメイン会場もプレハブっぽかったです!

豪華なプレハブ!



手早く作ってちゃんと使えるローコストアリーナというのがテーマらしく、2棟あった建物はどちらもプレハブ感強め。会場周辺には工事中みたいな砂利が広がっていたり、公園の柵みたいな金網で区切られていたり、まるで駐車場のなかにいるような気持ち。

駐車場そのものの広場にはいくつかのブースが出展されており、お楽しみイベントなどが開催されています。客足は少ないというか、やや閑散とした雰囲気。食事関連はもちろん、体験イベント的なものも並ばずにこなしていけます。大坂さんの出ない日なのでこんなものですかね。

↓取り立てて名物感はない屋台の群れ。
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↓今日買うかな?といつも思う「スポーツイベントの会場にある」用具店。
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↓協賛企業が何か出展しないといけないとなったときに出してくる記念撮影のブース。

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↓協賛企業も協力するピンクリボンキャンペーンのブース。乳がん検診を実施中。
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↓ヨネックスさんは大坂さん優勝の記念パネルと商品見本を展示。
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↓当日の観戦チケットがあるとひけるクジ。当選以外はスカという厳しめの設定により、「スカでした」「どうもありがとうございます」で終了…。
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↓砂利の上にポンと置かれた大坂さんのパネル。
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素っ気ないw

「顔見てわからない人はわからなくて結構」くらいのポン置きwww



うむ、やる気がなくてよろしい。ここまでくる人はそもそもテニスに興味があるわけで、周辺イベントで盛り上がるはずもありません。質実剛健、骨太なイベント運営の姿勢です。そんなことより選手こそが一番の見どころ。この大会は全米オープンと中国での大会との間に挟まれて若干日程的にスキップしたくなるようなところもありますが、伝統ある大会ということもあって世界トップの選手も多数参加してくれています。

現在WTAランク2位のキャロライン・ウォズニアッキ、4位のキャロリン・ガルシア、7位の大坂なおみ、8位のカロリナ・プリスコバなどなど。この日はシングルス1回戦ということで、ランク上位の選手はシードされていましたが第4シードまでに入らなかった選手でもトップランカーが多数参加してくれています。こうした選手を見てこそのイベント。砂利の広場をあとにしてメイン会場へと向かいます。

↓プレハブ感のあるメインアリーナへ!
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↓会場内には「2018年の全米覇者とウィンブルドン覇者が来るぞ!」というパネルの展示も。※なお、右のケルバーさんはやっぱりこないそうです。
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↓まるでテニス中継のような、とても立川とは思えない仕上がり。
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↓客入りは6割くらい。チケットは完売と聞いていましたが、大坂さんもいないのでこんなものか。
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体育館のフロアの上にシートを貼って設えたコートには、「世界」の緊張感が漲っています。観衆の静けさもあって、弾むボールの音は大きく響き、ラケットで叩く音や選手の息遣いも聞こえてきます。静けさを保つために選手のプレー中は移動をしないといったマナーも徹底されており、それがまた「立派なものを見ている」という気持ちを高めてくれます。

逆に静けさゆえにコチラのため息も聞こえてしまいそうで、「凡ミスにため息をつく日本の客はなってない…」という伊達公子さん(※元クルム)の説教も思い出されます。僕はどっちが勝ってもどっちでもいい精神のもと、1ポイントごとに勝った側の気持ちになって拍手だけで応援していきます。勝った側の気持ちになればため息は不要ですからね。

↓この日もっとも注目となったのは昨年のウィンブルドン覇者、世界14位のムグルサ!
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会場外で選手のサイン会が行なわれていた影響か、ムグルサの試合の時間に逆に客が減ったのには若干の驚きもありましたが、世界のプレーを近所で見るというのはとても贅沢な時間でした。メインアリーナとサブアリーナを行き来しながら、シングルスとダブルスを交互に観戦し、半日たっぷりと楽しむことができました。1試合めから3時間を超える熱戦になるなど、まさに「たっぷり」と。やはり日本選手の試合のほうが盛り上がるのか、ダブルスで行なわれていた今西美晴さんのペアの試合などは勝利の瞬間には大歓声がサブアリーナに響き、個人的にも大いに盛り上がりました。大坂さんの試合の日は「お静かに」なんて言っていられないくらい大変なことになりそうですね。

ちなみに、こちらの会場のそばにはららぽーとがあり、そちらでも関連イベントが実施されていました。メインとなるのは大会の歴史についてのパネル展示と、優勝杯の展示。漆塗の飾り皿といういかにも日本的な優勝杯はとても美しく、「てにす優勝」などと日本語で書いてあるのもオシャレです。ただのアクリルケースにおさめられており、なんならそのまま持って帰れそうな気安い展示ですので、大会観戦とあわせて見てみるのもいいかもしれません。

↓優勝杯の展示。
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↓近くには大坂さんのパネル。この地域、大坂さんのパネルだらけだな…。
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↓全然関係ないけど食品売り場では便乗してスポンサー日清さまのラーメンを特売。
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↓完全にテニスに寄せてきてる。
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↓「東レパンパシのポスターとラベルが似ている」ということなのか、何故か金麦も特売!
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乗れるものには何でも乗ろうという精神!

立川もまぁまぁ商魂たくましい!



大坂さんは見てませんが、たくさん見た気分になったので満足です!

新女王・大坂なおみ誕生!世界のセリーナ・ウィリアムズのゲームと心とラケットをブレイクし、歓喜のグランドスラム優勝。

07:30
大坂なおみ、新女王戴冠です!

「史上初」の歴史へ向かって。超満員総立ちのセンターコートに入場してきた大坂さんは、世界の女王セリーナ・ウィリアムズを前にしてもまったく怖気づくような素振りはありませんでした。子どもの頃から彼女と戦うのは夢だった、けれど「負けるような夢は見ない」と言い切った、その堂々たる態度。ときに現れる新たな女王、世代を更新するニュースター。その存在感が今もっとも似合う存在、大坂なおみ。それは日本人とか日本にアイデンティティを感じるということだけでなく、世界のテニスが求めていたもの。次代を担う「スター」です。

トータルプレイヤーでなければつとまらないテニスのトッププレイヤーですが、大坂さんはそのなかでも強烈なサーブという強みがあります。重く、速い、サーブ。パワーゲーム化をつづけてきた女子テニスにあって、それは「女王」に求められる資質のひとつでもあります。相手の身体を狙って真っ直ぐに打ち込むボディへのサーブ、野球の真っ直ぐであり、ボクシングのストレートである「真っ向勝負」がはたしてセリーナに通用するのか。20歳の新鋭が、相手のホームで、女王本人を倒す。セリーナの後継者を狙うならば、これ以上ない舞台設定です。

↓ビッグチャンスをつかめるか、大坂なおみさん堂々の入場!

倒しにきているファイターの目!

思い出は、勝った思い出しかいらない!

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静かに、かつ熱気高まるなかでの試合。サーブを選んだセリーナのファーストゲーム、まず最初のポイントはバックでの長いガマン比べに勝って、相手のミスを誘った大坂さんが奪います。さらにダブルフォールトで30-0。ここからセリーナもサービスエースやネットプレーなど、ファーストサーブの強打から連続ポイントで30-40へ持ち直します。大坂さんも負けじと深いバックへのリターンでデュースに持ち込みますが、さすがにいきなりのブレイクにはいたらず。

サーブ権替わって大坂さんのサービスゲーム。今度は逆にセリーナがリードして0-30という状況に。それでも大坂さんはしっかりとサーブを打ち、バックからのクロスの打ち合いでも相手のエラーが出るまでじっくりと構え、チャンスと見えればダウンザラインへの攻撃を仕掛け、ポイントを着実に重ねていきます。0-30からの始まりでも、まったく危なげのないサービスキープ。「互角」の立ち上がりです。

第1セット第3ゲームでは早くもこの日初めてのブレイクポイントを握った大坂さん。ここはセリーナが2本のサーブを強く打ち込みますが、ダブルフォールトに。まだファーストサーブがしっくりきていない状態なのに、サーブで攻めにいったのはセリーナの余裕なのか、焦りなのか。大坂さんは死力を尽くさない段階で、女王からブレイクそしてリードを奪います。

しっかりとリードを固めたい返しのサービスゲームでは、挨拶代わりの強打で入ると、その後のポイントでは強烈なバックからのダウンザライン、フォアからのストレート、そしてサービスエースと、「決めの3ポイント」をセリーナがコート上で「諦める」という状況で奪いました。エラーではなくウィナー。もらうではなく奪う。グランドスラムを懸けた戦いにふさわしい、女王と新女王の激突です。

第5ゲームではどちらが女王かわからなくなるようなプレーぶり。攻めに出るセリーナの前進を、大坂さんはライン後方に下がっての粘りのストロークでしのぎ、逆に自分のペースに引き込んでしまいます。相手の動きが見えていて、読めている。最後は相手のミスも引き出し、連続でのブレイク。これで早くも4-1と大きなリードです。

↓ナチュラルなウエメセから女王セリーナを見下ろすような戦いぶり!

ゲームを支配しているのは大坂さん!

さぁ、どこまでいけるか!


第6ゲームはセリーナが「ここが勝負所」と見たか、強烈なダウンザラインへのショットと前に出てのボレーなどで反撃の構え。「カモン!」の声も飛び出し、自分を鼓舞するかのような姿勢です。しかし、女王の気合入れを大坂さんはサービスエース一発で黙らせます。相手のブレイクポイントもしっかりと凌ぎ、主導権を渡しません。これは世界のトッププレイヤーが見せつけてきた「強者のテニス」です。

結局このセットは第1ゲームと第7ゲームのサービスキープを許しただけで、大坂さんが6-2で奪取。セットポイントは得意のボディへ打ち込むサーブの強打で決めました。チャンスにもたつくようなところは微塵もなく、ガブリと一気に噛み砕いた大坂さん。強い、これは強い。

大坂さんは奇策を用いたわけでも、死力を尽くしたわけでもなく、持ち味をいつも通りに活かして戦っただけでしたが、それでも女王セリーナを「完封」する戦いぶり。もちろんセリーナは非常にサーブが低調で、ほとんどファーストサーブが入らないというような状況ではありましたが、それでも「全米の決勝まできたセリーナ」です。弱いはずがないのです。つまり、大坂さんが十二分に「強い」のです。

↓頂点まであと1セット!頂点に近づいても、いつもと何も変わらない!

一方セリーナは元気がない!

「上手くいってない」顔で第2セットへ!

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第2セット、まず最初のゲームはセリーナがキープ。しかし、まだまだ上手くいっていない感じ。ロブのボールを目測誤ってしまったり、コーチの小さな身振りによってコーチングの警告を受けたりとドタバタした試合になっています。真実は「マジでドタバタしている」なのでしょうが、あえてドタバタさせているのではないかと見ているコチラは不安にさえなります。かきまわして、相手を動かして、何かが変わるキッカケを探っているのではないか。プレーではネットに出て攻めるように、プレー外でも攻めていこうということではないのか。「単にドタバタしているだけであってくれ…」と祈るばかりです。

第2セット第3ゲーム、大坂さんはバッククロスの攻防でセリーナを凌駕しました。深い返しで相手をジワジワと動かし、反撃の隙を与えずにポイントを奪う。ジャブで崩して顔面ズドンといった正面突破の試合運びは「完璧」でした。それでも、勝負を決めてしまいかねないブレイクポイントを握られたセリーナは、女王の奥深さを見せてこのピンチを凌ぎます。この試合一度も見せていなかったまさかのドロップショット。強打の打ち合いから一転して繰り出した見事な緩急は、このピンチを凌ぎ、流れごと変えてしまいそうなスーパープレーでした。さぁ、女王が上がってきた。どうする大坂さん。

返しの第2セット第4ゲーム。このゲーム、大坂さんは初めてのブレイクを許します。ポイントを奪うごとにセリーナを熱烈に後押しする全米の観客の声は、女王のピンチに熱を帯びています。必死です。しかし、大坂さんはタフです。ピンチの場面であえて笑顔を作って自分をコントロールするような姿も見せます。ラリーの攻防から打ち抜いたダウンザラインやサービスエースは、ピンチではあってもしっかりと自分のプレーをできている証です。ブレイクを許してからどう耐えるか、それもまたテニスです。

まさにその通りの戦いぶりで第2セット第5ゲームをすかさずブレイクバックすると、セリーナはラケットをコートに叩きつけてブチ壊しました。ひしゃげたラケットは二度目の警告を呼び込み、そのまま次のゲームで大坂さんに1ポイントを与える結果となります。さすがに警告を受けてまで精神的な安定を図ろうとする選手はいないでしょう。マジギレでマジブチ壊しだったとすれば、そのラケットの姿はそのままセリーナの心。大坂さんが女王を圧している。セリーナは「先ほどのコーチングの警告」に対して蒸し返しの激昂に至り、大文句大会に突入します。審判にキレ、責任者を出せとキレる。そうやってセリーナがキレている間に大坂さんはポンポーンとラブゲームで第6ゲームをサービスキープしていました!

そしてこの試合のハイライトとなる第2セット第7ゲーム。大坂さんは相手の心とラケットだけでなく、サービスゲームも「ブレイク」します。ゲームポイントは「いいショットが打てた!」「よーしネットへ出るぞ!」という相手の前進を読み切ったうえでの、粘り腰のパッシングショット。完璧に相手の思惑を読み切って、想定を上回るプレーで乗り越えた。これはもう「新女王」の姿そのものです!

↓第8ゲーム、セリーナはブチギレによりゲームペナルティ!大坂さんは戦わずしてキープ!

普通にブチギレwwwwwwwww

「責任者を出せ」で上の人を呼びつけたwwww

アメリカもドン引きwwwwwwww


↓ちなみに先ほどのブチギレで壊したラケットはこんなんです!

めちゃパワーwwwwwwwwww

グチャグチャwwwwwwwwww


ゲームカウント5-4。このゲームを取ればグランドスラム初優勝となる第2セット第10ゲーム。大坂なおみは相手のブチギレにも、大観衆のセリーナへの後押しにも、大舞台の重圧にも負けず、歴史を打ち抜きました。サーブ、サーブ、サーブの強打の連打。最後はセリーナがリターンすることもできない強打で、歴史を砕き、再構築しました。日本人初のグランドスラム優勝、いやそれ以上に「セリーナを超える新女王が誕生した瞬間」として刻まれる歴史的勝利。これが時代を作るスターなんですね!圧倒、圧巻、ファンタスティックです!

↓決めた、勝った、大坂なおみ!20歳でグランドスラム優勝の新女王誕生!!もちろん日本選手初!!

日本に生まれてくれてありがとう!

日本をアイデンティティとしてくれてありがとう!

死ぬまでに出会えないだろうと思っていた瞬間に、出会えました!


↓最後はセリーナも「ブーイングはもう止めて」と観衆を静め、新女王を祝福!
「散々キレといてなんだが、もう黙ってもらいたい!」の心wwww

ここはさすが世界の女王、一応大人です!

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試合後、泣きながら大坂さんはバナナを食べていました。「今、バナナ!?」と世間はザワつくような動きでしたが、それこそ大坂さんの強さでしょう。大坂さんは最後まで何も変わりませんでした。普通なら震えるような試合すら、ただの1試合のようにいつも通りの戦いをし、大坂さんらしい試合で勝ちました。すべてがルーティンであるかのような「平常運転」。

だからこそ、セリーナのブチギレというアクシデントにも動じなかった。ときに「流れを変える」ために繰り出される珍事は、経験豊かなベテランと王者を利するものですが、大坂さんはむしろそれすら自分の優位へと転換していった。相手がキレている間のラブゲームキープ。相手がキレていただいた戦わずしてのサービスキープ。そしてそのままつかんだチャンピオンシップ。そこに「壁」はありませんでした。

壁を作るのは相手ではなく自分。

だから、乗り越えるべき人は簡単に乗り越えていく。

本物の「女王」はこうなのだという姿、見せていただきました。

生きている間には見られないと思っていた日本人のグランドスラム、その瞬間に立ちあえて光栄です!




日本もアメリカもハイチも世界もみんなで新女王誕生を祝いましょう!

錦織圭さんが対ジョコビッチ14連敗で日本勢アベック決勝進出は逃すも、大坂さんがいるのでWOWOWは元気ですの巻。

11:30
よし、あとは大坂さんに任せた!

日本選手が揃ってグランドスラムのベスト4に進出、さらに大坂なおみさんは女子選手として初の決勝進出という快挙。2018年の全米オープンテニスは日本テニス界にとってのビッグチャンスとなっています。WOWOW方面からの「全米オープンだけはNHKにも中継させないことになってるんやで…(ニヤリ)」「これは加入するしかありませんなぁ…」「全米を見たければWOWOWで!」という喜びの声も大音量で響いてくるかのよう。

特に女子は顔合わせといい、舞台といい、新しい時代の幕開けを告げるようなチャンスです。世界の女王であるセリーナ・ウィリアムズを下して頂点に立つことがあれば、そのプレースタイルや若さから言っても「次代の女王」「後継者」と認められるような舞台設定。そろそろアメリカから「返せ」と言われそうな気もしないでもないですが、ぜひこのチャンスに歴史を刻んでしまって欲しいもの。

そして日本時間7日にはアベック決勝進出を狙う錦織圭さんが準決勝に登場。思い返せば4年前、日本初&アジア初となるグランドスラムの決勝進出を決めたのはこの全米でした。あのとき下した相手はジョコビッチ、そしてこの日の対戦相手はやはりジョコビッチです。あれから4年、13度の対戦があった両者ですが、すべてジョコビッチが勝っているという「相性最悪」の対戦相手。グランドスラムに勝ちたければまずジョコビッチに勝ちなさい、そう告げられているかのような関門、門番、ラスボスの登場は、逆に「14連敗の相手に勝って決勝進出なら、いい加減勝てるんじゃないか」という気にもさせてくれるというもの。

↓結局ジョコビッチにどこかで勝たないといけない、今回も巨大な壁が立ちはだかる!

どうせなら決勝で会いたかったが…!

2014年の全米を再現するぞ!



そして始まった試合。第1セット立ち上がりはジョコビッチが強いサーブからポンポーンと得点を重ねて、まずは最初のゲームをキープ。一方で錦織さんはファーストサーブが入らないところから、ジョコビッチの粘り強い守備によってじょじょに向こうのオフェンスへと引き込まれ、いきなり0-40からのブレイクピンチに。早速の勝負所となったこのゲーム、2本のいいサーブで40-40に追いつくも、二度の相手アドバンテージを握られて最後は粘り負け。いきなりのブレイクを許す苦しい立ち上がりとなります。

解説席の松岡修造さんの小声がいらつくような展開のなか、第4ゲームでサービスゲームをキープしてリズムをつかみ始めるも、ジョコビッチもそれ以上にゲームになじんできており、第7ゲームなどはラブゲームでアッサリとキープされます。日本の視聴者は松岡修造さんの小声にますますイライラしますが、コート上では苛立つとか燃えるとかそういった状態にすらならないようなテンポのよさで、あっという間に第1セット終了。錦織さんにはミスとしか表現できないようなアウトも多く、さらにゲーム終盤には足首も痛めてしまい、「やっぱりジョコビッチの壁が…」と唸るような第1ゲームです。

↓「吸ってー」「はいてー」の謎動画が不安な空気を加速させていく!

いるかな、この動画?

はいてるだけで吸ってないように見えるし!


3-6で第1セットを落としての第2セットは錦織さんのサーブから。錦織さんの厳しいはずの攻めを全部受け止めて、倍返ししてくるジョコビッチのスタイル。似たようなスタイルで、一回りスケールの大きいジョコビッチが錦織さんを包み込んでしまう…またもブレイクポイントを握られる苦しい展開です。とにかくファーストサーブを決めていくこと、先に攻めていかないと追い込まれるばかり。

錦織さんは待っててもしゃーないとばかりに果敢に前に出て行くような動き。一方ジョコビッチも「出させん」と深いリターンで逆に押し込んでくる。早くもお互いに「ここを獲れば…」と思うような勝負のゲームとなりますが、15分に迫る激闘の末に、何とか錦織さんがサービスキープ。するとつづく第2ゲームでは40-40の場面でジョコビッチに初のダブルフォルト、すなわち錦織に初のブレイクポイントが飛び出します。

ここは惜しくもブレイクこそなりませんでしたが、ようやく試合にもなじんできたか。前に出て、相手の苦しいショットを引き出し、ジャンピングボレーで決めることの連続で、苦しいキープから余裕のキープへと、同じサービスキープでも第1ゲームとは内容も変わってきます。0-40とピンチを迎えた第5ゲームでも、ネットプレーでデュースまで巻き返す粘りも。結局はブレイクされたので一緒と言えば一緒ですが、第1ゲームほどのアッサリ感はありません。納豆をかきまぜ始めた段階くらいには粘れています。

↓第6ゲーム、ネットプレーの応酬からポイントを奪った場面では雄叫びをあげる!

「こんにゃろ!」(前進)
「こんにゃろ!」(前進)
「こんにゃろ!」(前進)
「こんにゃろ!」(前進)
「シャーーー!」

という盛り上がりからのガッツポーズ!


ゲームカウントで3-5で迎えた第9ゲームでは解説席の松岡修造さんが「これをキープすると4-5なんですよ!」と的確な解説で、錦織さんの粘りを後押しします。そうだ、3-5で迎えた第9ゲームをキープすれば4-5だ、僕の心にも勇気がわいてきます。その言葉どおりに4-5で迎えた第10ゲームでのブレイクはなりませんでしたが、セットカウント0-2からでも1セットとれば1-2で、2セットとれば2-2になるのです。まだまだ!

↓このまま一気に決めるぞとばかりにジョコビッチは観衆を煽っていくスタイル!

くそー、修造が客席にいれば煽り合いでは負けないのになぁ!

修造が客席にいればなぁ!



第3セットに入ると、第3ゲームでまたも先にブレイクを許す苦しい展開に。「先にブレイクして、そのまま逃げ切る」というジョコビッチの戦いは僅差のようで遠く離れていくような感覚にもなります。先行有利のボードゲームで、先手番の選手が小さなリードを保ったまま最後まで走り抜けてしまうような感じ。誰だ、さっき「0-2からでも1セット取れば1-2」とか言っていたヤツは。

「いつもの錦織VSジコビッチ戦やのぉ…」

ひとつ何かが起きれば変わりそうな感触もありつつ、最後まで何も起こさないのがジョコビッチの強さでしょうか。ついにブレイクを一度も許すことなく、ブレイクポイントすらほとんど握らせずに「完勝」でジョコビッチが勝利。もしかしたらと思った「日本勢のアベック決勝進出」はなくなり、既視感バリバリの負け方で対ジョコビッチ14連敗となりました。「節目の15連敗まであとひとつ!」と逆に前向きになるような完敗でした。

とは言え、2年ぶりとなるグランドスラムの準決勝進出は期待も高まる結果。休養となった昨季を経て、今季はウィンブルドンでの準々決勝進出もあり、マスターズ1000クラスでの決勝進出もあり、錦織さんは再び世界のトップの位置まで戻ってきました。いっそ先に大坂さんに優勝でもしてもらったら、日本からのいろんな念とか欲とかが消えて、スコーンと勝てるかもしれません。先に大坂さんに勝ってもらって、来年の全米でほかの誰かがジョコビッチに勝ってくれる展開を期待しましょう!

↓最後みんなお通夜みたいな感じで14連敗目を見ていた気がしたけど、WOWOWからは「感動をありがとう」の声があがった!

感動をありがとう!

そして加入者をありがとう!


↓WOWOW的に感動はもういただいたので、勝利は大坂さんの決勝でいただく算段です!


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大坂さんの決勝は日本時間9日午前5時!WOWOW加入はまだ間に合う!

8年前に11時間5分の史上最長試合を演じたイスナーさんが、6時間36分の高度プロフェッショナル試合を再び熱演の巻。

12:00
テニスのお疲れ様!

錦織圭クンも敗れて、世界の強豪同士の戦いをボンヤリ眺めていたテニス・ウィンブルドン。世界の人々の気持ちとしては、「さぁ、今日はジョコビッチとナダルによる神々の戦いだ」と、再びチカラを取り戻してきたBIG3同士の対戦に胸躍らせる、そんな感じだったでしょうか。

しかし、そこに立ちはだかった男たちがいた。

南アフリカのケビン・アンダーソンさんとアメリカのジョン・イスナーさん。長身からの強烈なサーブを得意とする両者の対戦は、4セットを終えて2-2の五分。1セットから3セットまではタイブレークにもつれこむ接戦で、すでにその時点でグランドスラム以外の大会なら「目一杯」もつれた感じの展開となっていました。

そして、突入した第5セット。そこには高度プロフェッショナル制度の権化のようなロングゲームが待っていました。残業、残業また残業。卓球の11-11を通過し、バドミントンの21-21を通過し、最後はバレーボールのような「26-24」までゲームカウントは進みます。「クッソ長い…」「帰りたい…」「オシッコ行きたい…」という観衆たちの想い。「ジャイアンリサイタルで一番うれしいのは終わったときだ」という名言も思い出されるブラック大熱戦となったのです……!

↓このあとどれだけやらされるかも知らずにコートに入る両選手!


テニスのお疲れ様:「ご飯食べたか?」
テニスのお疲れ様:「トイレ行ったか?」
テニスのお疲れ様:「お弁当持ったか?」
テニスのお疲れ様:「6時間36分やるから」

2倍金欲しいwww

いや、3試合ぶんくらいあるから3倍金欲しいwww



タイブレークなく決着がつくまで延々と戦うことになる第5セット。強烈なサーブを打ち込む両者は、自分のサービスゲームを頑として落としません。先行するのはアメリカのイスナーさん。しかし、追うアンダーソンさんも「落とせば終わり」の自分のサービスゲームをキープしつづけます。

その安定したサービスゲームを前に、中継も、実況席も、ここウィンブルドンで行なわれた8年前の試合のことを思い出していました。テニス史上最長、日没サスペンデッドを2回はさんで「3日に渡る」死闘となった一戦のことを。総試合時間11時間5分、第5セットのゲームカウント「70-68」という完全にバスケットボールですどうもありがとうございましたの歴史的ブラック試合のことを。

↓ウィンブルドンに掲げられた残業の証拠みたいなプレート!労基が見たら一発で詰めにくるブラック労働の証!

テニスのお疲れ様:「アレも長かったのぉ」
テニスのお疲れ様:「あのときのブラック労働者は…」
テニスのお疲れ様:「フランスのニコラ・マウと…」
テニスのお疲れ様:「アメリカのイスナー…」
テニスのお疲れ様:「アメリカのイスナー…?」
テニスのお疲れ様:「アメリカのイスナー…!?」
テニスのお疲れ様:「またお前か!」


↓テニスのお疲れ様:「またお前か!!」

あー、あのときの!

あったあった、8年前にそんなことが!


当時の史上最長試合時間6時間34分に突入したとき、選手自身も笑ってしまっていたあのロングゲーム。テニス界のレジェンドが「オシッコもれそうじゃない?」と心配し、一流選手同士の戦いなのに普通に空振りし、スコアボードは数字を表示できなくなって暗転したというあの伝説の一戦の戦犯…じゃなくて立役者が、再び自分の記録に挑戦するイヤーなチャンスを得た。

しかも、あのときは1回戦だったけれど、今度は準決勝という檜舞台で。ジョコビッチとナダルの試合を見にきて、外で待っている人にとっては迷惑以外の何物でもありませんが、応援せずにはいられません。僕は家にいて、途中でお腹空いてきちゃったのでドンタコス食べて、試合中にトイレも行って、試合中にお風呂も入って、「朝まで生テニス」を決め込んだ、完全に他人事ですから「徹底的にやれ」としか思いませんけど!

↓少しでも休みたいので、ゲームを取ったあとその勢いのままベンチに座るイスナーさん!


1秒もロスせず座ったwwwww

少しでも早く座りたいから、そっち側に動きながら決めたいの心wwww


↓観客席からは「Come on guys!We want to see Rafa!!」というクソヤジが飛ぶ!

テニスのお疲れ様:「ナーダール!」
テニスのお疲れ様:「ナーダール!」
テニスのお疲れ様:「ナーダール!」
テニスのお疲れ様:「ナーダール!」

※この時点でまだ13-13です。
※最終的に26-24までいきます。
※まだ半分の段階です。
※試合終了の見込みは立っておりません。
※いましばらくお待ちください。



試合途中には両者とも持ち込んだ食料をパクパク食べ、スタンドの陣営からは警備員を通じて追加のドリンクを投げ渡そうとする動きも。疲労、空腹、膀胱すべてが限界まで追い詰められていきます。プレイとしても大変厳しいものとなり、遠いボールや難しいボールは結構早めの段階で「やってらんねー」で諦めるようになっていきます。そのことがさらに「いいサーブがきたら諦める」という展開に走らせ、両者をサービスゲーム絶対キープマンにさせていきます。

それでも、じょじょに押し気味となっていったのはアンダーソンさん。相手のサービスゲームでたびたび30-0などの2ポイントアップの状態を作り、あと少しでブレイクというところに迫ります。イスナーさんも強烈サーブの連打で何とか凌いではいきますが、重圧は否めません。そのビハインドを跳ね返すために一段ギアを上げたプレーをせざるを得ず、それがまた疲労・空腹・膀胱へとつながっていく。ジワリジワリと苦しくなっていきます。

持ち込んだお弁当の量も両者の差を生み出していきます。イスナーさんが足元にペットボトルを並べてノドの渇きを潤している間、アンダーソンさんはカバンから無限に出てくるバナナを次々にたいらげていきます。これにはイスナーさんも「何本バナナ出てくるんや…」と驚愕したことでしょう。バナナ食べずに6時間と、バナナ食べながら6時間の差。もしかしたらバナナが最後のひと粘りを生み出したかもしれません。

迎えた第5セットの49ゲーム目。イスナーさんの強烈なサーブを受けたアンダーソンさんは、足がもつれて尻もちをつきます。ラケットも手から離れ、完全に大の字になるほどの転倒でした。もちろんイスナーさんはこれはチャンスと強烈なショットを相手コートに打ち込みます。しかし、アンダーソンさんはまだ生きていた。素早く立ち上がると、利き手ではない左手にラケットを持ってこれを相手コートにリターンしたのです。起き上がりこぼしリターンからのポイント奪取。勢いに乗るアンダーソンさんは、このゲームをこのセット初めてのブレイクで奪います。

↓やってるほうも、見てるほうも、「もうこれで決着でいい」と思った奇跡のショット!

テニスのお疲れ様:「帰ろう!」
テニスのお疲れ様:「もう帰ろう!」
テニスのお疲れ様:「これでいいよな!」
テニスのお疲れ様:「終わっていいよな!」
テニスのお疲れ様:「試合は終わりだー!」


↓6時間36分、グランドスラム史上2位のロングゲームを制したのはアンダーソンさんでした!

アンダーソン:「終わったー!」
イスナー:「終わったー!」
関係者:「終わったー!」
芝生:「終わったー!」
客:「終わったー!」

終わってよかったwwww

このまま終わらないかと思ったわwwww



そして生まれた感動。讃え合う両者と鳴り止まない拍手を送る観衆たち。両者はその声援に応えるように、「1秒でも早く帰りたいんだけど」などと漏らすことはなく、観衆からのサイン攻めにたっぷりと応えていました。これぞスポーツマンシップという名場面でした。実況席も賛辞を惜しみません。一生忘れられない試合になったことでしょう。本当にありがとう。素晴らしい両者の戦いに拍手です!

↓なお両者は、この感動の試合のあと「タイブレークがないのはクソ」とめっちゃ怒っていました!

「最終セットを延々とやる価値がわからない」
「次の試合は今日中に終わるのか?」
「(8年前の)あの試合はバカげている」

あー、やりたくてやってたわけじゃなかったかwwww

日本では「やり甲斐搾取」って名前がついてるヤツだったwwww

高度プロフェッショナル制度絶対反対不可避wwww

ホント、こんなに働かせてすんませーんwwww


おめでとう!お疲れ様!勝者にはもう1試合働く権利をプレゼントします!
sports








































婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)

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