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「よく知らないけれど、大体こんな感じだろう…」精神。これが僕が長年さまざまな大会を見てきたなかで最終的に感じる韓国運営の精神的根っこです。悪意…も多少あるかもしれないけれど、大半においてはそれは小さな問題であり、「大体こんな感じ」でやった結果「意外とそうでもなかった」と判明するというオチ。やり始めてから「えぇっ!?バドミントンの競技会場ってエアコンの風が影響を与えたらダメなんですか!?」と気づくみたいな。言うならば初体験ならではのドキドキや微笑ましい失敗談みたいなものです。「ファーストキスで前歯を当てた」的な。
今回、そんな素敵な初体験を見せてくれているのは韓国・光州で行なわれている世界水泳。世界のトップスイマーが集い、真剣勝負を繰り広げる大舞台は、日本の誇る競泳陣も金メダルならば東京五輪内定が決まるということもあってガッチガチの大本番として臨んでいる大会です。しかし、韓国側では今回も「よく知らないけれど、大体こんな感じだろう…」が発動してしまいました。
問題となっているのは競泳・背泳ぎ用のスタート装置。背泳ぎではスタートする際にプールに一旦沈み、飛込み台のバーに手をかけ、「レッジ」と呼ばれる台に足を引っ掛けて水上で待機します。その状態でヨーイドンとなり、背面から飛び込むと。しかし、その「レッジ」とやらのこと、正直知らないですよね?名前も初耳だし、「そんな装置があったんですか?」というのが一般的な認識でしょう。韓国もそうだった。それが必要なのだということ、大体こんな感じということは聞き及んでいたけれど、「大体」で駆け抜けてしまっていた。
↓レッジに「チカラをかけると落ちる」事態が散見されているそうです!
入江も被害 スタート装置がトラブル 世界水泳背泳ぎhttps://t.co/fm4s7zqh5P
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2019年7月22日
→スタート時に足をかける装置が「力を入れると落ちる」(入江)事態が散見され、スタートに手間取る組が続出
→いったん公式記録が出た後に、レースのやり直しが認められる選手も出るなど混乱 pic.twitter.com/XMLqlAQn7W
「思ったより選手のチカラが強くて…」
「我々が手で引っ張ったときには大丈夫でしたよ?」
「これって絶対必要なものです?」
↓日本の入江さんはスタート前に手で引っ張って確かめたら、「引っ張るな」と言われたとのこと!
入江え、ずれてる?機械の不備か「今までない」経験#世界水泳 #入江陵介https://t.co/FuGx5ZpYPf
— 日刊スポーツ (@nikkansports) 2019年7月22日
「あーダメダメ」
「それ引っ張っちゃダメ」
「やめてください!」
「怒りますよ!」
↓そのレッジというのは、こんな感じのモノです!
Massive thank you to @wedg_ie! The backstroke ledge is helping all our swimmers to develop and improve using your fantastic equipment ???????? pic.twitter.com/pz4TdoRLVc
— Dunmow Atlantis SC (@DunmowAtlantis) 2017年1月27日
スタート台につけた装置から伸びているヒモ!
壁につける足引っ掛け台!
ヒモの長さを調整するパーツ!
当然引っ張ったり縮めたりして調整できるのがウリなわけですが…。
↓で、韓国の用意したヤツを引っ張るとこうなります!
ダメだわこれはwwwww
そりゃ「引っ張るな」って怒るわwww
スタート台からヒモのようなものが伸び、踏ん張りやすい場所に足引っ掛け台を設置し、水上で待機しておくための装置が、調整部分が緩かったためにズルッと滑ってしまうという現象。当然ズルッと滑ったままスタートしてしまったりするケースも発生しており、そうした場合には「もう一回泳いでいいよ!」という救済措置で対応しているとのこと。このあたりは「どうせ毎日何キロも泳いでるんでしょ?」「一本くらい増えたって大丈夫大丈夫」「高校野球だって194球くらいなら普通に投げてるから」とワイルドなタフネスで押し切っていく考えです。
スタート台のほうはある程度しっかりというか、見た目通りの形で作れば「まぁこんなもんかな…」という妥協もできるでしょう。多少、何か上っ面に貼ってある素材に違和感があったり、微妙に飛び込むときに角度が急だなぁと思ったりしたとしても。しかし、パーツがいろいろ複雑になってくると話は別。仮に既製品であったとしても、買ってきたときは大丈夫でも日頃のメンテナンスであったり、使い方などでいろいろなトラブルは生まれ、そして「大体こんな感じ」なのでそれが放置されていく。
「今大会で使う装置だ」「引っ張って足を掛けるヤツだ」「絶対に必要なヤツ」と言われたら、全部を一度は設置して「本当に大丈夫かな?」とガシガシ引っ張って調べるのが一般的な感覚だと思うのです。ぶっ壊れるんじゃないかぐらい足で引っ張って、それでガシッと止まって、ようやく「大丈夫だな」と。そこを2つくらい手で引っ張ってみて「大丈夫そう」とGOサイン出したり、「まぁよくわからんけど買ってきたヤツだし大丈夫やろ…」でGOサインを出していくと、こんなトラブルも生まれるのかなと思います。実際、ほぼほぼ大丈夫でしたし。
↓たまーに、トラブルの影響で「ひとりでもう1本」泳がされたりしますけど、大体大丈夫です!
Try, try and try again...
— AFP Sport (@AFP_Sport) 2019年7月22日
Italian record holder Simone Sabbioni had to attempt his world championship 100m backstroke heat three times -- twice on his own -- after the timing block at the start gave way at #FINAGwangju2019 pic.twitter.com/XZPttfPFiQ
「滑ってしまったな」
「すまんすまん」
「もう1本泳いでええぞ」
「おぉ…また滑ってしまったな」
「すまんすまん」
「もう1本泳いでええぞ」
「よし、これで大丈夫!」
「よかったよかった」
結局予選で3本泳いだイタリアのサッビオーニ選手は無事に準決勝に進出!
準決勝では「余計な調整」はナシでレッジ固定ということになったので、無事にスタートできました!
「暑い寒い」とか「韓国運営」とか前提条件が同じなら頑張るしかない!