スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

バスケットボール

48年ぶり自力!団体球技最速!パリ五輪出場権を獲得したバスケ日本代表アカツキジャパンが見せてくれた、虚構を超えた現実の巻。

08:00
超えることなどないと思っていた虚構を超えた!

試合終了のあと、会場の観衆たちは大合唱していました。流れるのは映画「THE FIRST SLAM DUNK」のエンディングテーマ「第ゼロ感」。「不確かな夢叶えるのさ」というサビのフレーズにつづけて轟く「オーオオ オーオー!」の大合唱。映画のなかでは主人公側である湘北高校が、最強の座に君臨する山王工業に対して逆転への反撃を開始するときに、湘北メンバーと観衆の心の高まりに合わせるように流れていました。いけ、走れ、撃て、勝て。大歓声が心に火をつける、そんな歌として共有されました。

あの歌が、あの虚構が、このチームにはよく似合う。格下の立場であっても自分たちに自信を持ち、世界の強豪を倒すためにやってきたこと。とっておきの飛び道具で、苦境をひっくり返してきたこと。チビの生きる道はドリブルなんだと、スピードとクイックネスで世界の壁をすり抜けてきたこと。どうしても苦しいとき、それでもアイツならアイツなら何とかしてくれると仲間たちが信じるエースがいたこと。頑健な土台となってチームを支える大黒柱がいたこと。そして、諦めたらそこで試合終了だと知っているから、誰もが最後まで絶対に諦めなかったこと。虚構のなかで描かれた「日本バスケにもこんなチームがあったらいいのにな…」が、ついに現実に現れた。「第ゼロ感」が似合うチームを現実の日本が手にした。誰もがカッコよくて、誰もが最高でした。君が好きだと叫びたい!

↓男子バスケ日本代表、ワールドカップで初めての3勝!48年ぶりに自力で五輪出場権獲得!パリ行き決定!


↓この物語はパリ五輪でつづきが描かれる!まさか男子バスケが団体球技で最初の五輪切符を獲るとは!


試合前、僕は刻一刻と動く状況に応じて、細かい計算を重ねていました。日本はどうなったら五輪に行けて、どうなったら五輪に行けないのか。検討を重ねた結果、「カーボベルデに17点差以上で負けたらパリ五輪はナイ」と覚悟しました。勝てばもちろん100%で決まるパリ行きですが、これだけの劇的勝利を重ねてきたのに、まだ普通に敗退の道が見えていることに震え上がりました。この美しい勝利が、ぬか喜びになったらどれだけの落胆になるだろう。怖くなりました。勝てばいい、勝てば問題ない、勝ってくれ、もう一度祈るように試合を見守りました。

迎えたティップオフ。日本は最初の攻撃でジョシュ・ホーキンソンさんがファウルを受けます。今大会、ずっと苦境を支えてきてくれたホーキンソンさんのフリースローが2本決まって、日本は幸先のいい立ち上がりです。返しの相手の攻撃にダブルチームを仕掛けるなど、今日の日本は「第4クォーターのような戦いが何故最初からできないのか」という課題に向き合うように初っ端からガツンといきました。

しかし、カーボベルデもさすがの強さです。コートのなかでもひときわ大きい2メートル21センチのタバレスさんがゴール下を支配し、ポートボールでもやっているかのようにボールを受けてはさばき、味方の得点を生み出していきます。そして、カーボベルデはスリーポイントの本数も成功率もなかなかのものがあります。ヘッドコーチも第1クォーターからヘッドコーチチャレンジを使ってくるなど、向こうも最初からガツンと主導権争いにきたでしょうか。結局第1クォーター終えて17-19とリードを許す格好に。「負けてもまだ大丈夫」な試合であるとは言え、17点差など離されるときはあっという間の点差です。大丈夫ではあるが、まだまだ安心はできない、そんな立ち上がりです。

↓渡邊雄太さんのダンク!バスケットカウントでアンドワン!盛り上がっていきたい!

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そんな揺蕩う勝負の流れをここぞでグッと引き寄せるチカラが、今大会の日本にはありました。トム・ホーバスHCが明確な指針として示した「スリーポイント」で勝つというチカラ。スラムダンクの三井寿のように、格下のチームが苦境をひっくり返す切り札を、日本は持っていた。当たりの日とハズレの日がある切り札ですが、同じ切り札を何枚か持っていればひとりくらい「当たりの日」が出てくるもの。フィンランド戦では河村勇輝さんが、ベネズエラ戦では比江島慎さんが、そしてカーボベルデ戦では富永啓生さんが「極大当たり」を引いてくれた。

河村さんやホーキンソンさんが順調に得点を重ねて逆転、そしてリードを築くなかで、その攻勢を決定づけるようにコートに仁王立ちした富永さん。すでに第1クォーター最後にスリーポイントを1本決めていたところに加えて、スリーポイントもう1本、さらにスリーポイントもう1本、おまけにスリーポイントもう1本。ここまで4本放って4本決める「成功率100%」を叩き出し、一気に日本はリードを広げます。そして、この人のスリーポイントが決まると日本が沸きます。とうとう気づきましたよね、僕らはスリーポイントが好きなのだと。豪快なダンクもいいけれど、美しい放物線を描いてシュパッとネットと擦れる音だけがする「スウィッシュ」がとりわけ好きなのだと。このチームは強いだけでなく、好みなのだと。まさしく「swish da 着火 you」なのだと!

↓ケイセイ100%が日本の心に火をつけた!


第2クォーター終えて50-37、13点差の大きなリードを築きました。その勢いは第3クォーターに入ってもつづきます。カーボベルデの反撃を十分なリードを保ったまま凌ぎつつ、ホーキンソンさんは自陣ゴール下から相手のゴールまで自ら運んでバスケットカウント・アンドワンで3点プレーを決めてみせ、富永“ケイセイ100%”さんは今日5本目と6本目となるスリーポイントを成功。ホーキンソンさんと富永さんが第3クォーター時点で20点を超える大量得点で、一時は20点差をつける試合運び。「16点差負けまで大丈夫」と思っているなかで20点リード、これなら第4クォーターで1点も取れなくてもパリに行けそうです!

↓ゴール下でリバウンドを取ってから相手のゴールへ自分で攻めていく!何という献身、何という万能!


「もう大丈夫だ」と内心で緊張が緩んだ第4クォーター、漫画のようなことを起こしてきたチームが漫画のようなことを始めます。急に、何故か、まったく点が入らない。完全に決まったと思ったシュートもことごとく落ち、何と、第4クォーター「7分14秒間」にわたって日本は1点も取ることができませんでした。「第4クォーター1点も取れなくても大丈夫だろ」とは言いましたが、それは冗談であって、本当に1点も取らないとは思いもしませんでした。負けたら五輪が消えるわけではないものの、負ければ最後の試合が終わるまで切符は確定しません。23時過ぎまで?確定を待たないと?喜べない?それは辛い!

気づけば点差はグングン詰まり、73-68の5点差になっています。もう完全に射程圏です。現実的に逆転が起きる範囲です。ホーバスHCは静かな声で選手を落ち着かせようと努めています。ようやく日本が得点を動かしたのは残り2分46秒、相手がくれたテクニカルファウルでのフリースローでした。相手は判定を巡って少しフラストレーションが溜まっていたところもあり、そうした苛立ちが生んだテクニカルファウルでした。助かった。相手のヘッドコーチが第1クォーターの「わりとどうでもいい」ところで使ったヘッドコーチチャレンジも、こうなってみるとありがたかった。

しかし、その1点では相手の勢いを止めるには至らず、さらに点差が詰まって一時は3点差にまで迫られます。もう「1プレーで逆転」まであり得る範囲です。そんな最後のピンチを花と添えるかのように、今大会のMVPに最後の活躍の機会が巡ってきました。5試合ほぼ出ずっぱりで、ビッグマンの少ない日本のインサイドを支えてきたホーキンソンさん。怪我をしても、疲れ切っても、ファウルで退場となっても、ホーキンソンさんがいなくなってしまえば日本代表はバスケにならなかったでしょう。守備面だけでも欠かせない存在であるのに、守ったあとの反撃でもよく走り、よく決めました。ゴール下から決めるだけではなく、スリーポイントもいくつも決めましたし、フリースローは正確無比でした。

「5試合ほぼ出ずっぱり(※カーボベルデ戦は40分フル出場!)」の選手が「フリースローをチームダントツの45本獲得し40本成功(88.9%)」というのは、激しいゴール下の競り合いのなかでも自分はファウルをおかさず、攻撃では果敢にシュートを放って相手のファウルを受けてきたということです。大和魂と言いたくなるような、侍と呼びたくなるような、美しい戦いぶりでした。どれだけの消耗があるか計り知れませんが、そのチカラと献身がなければ日本はパリ五輪には行けなかったと思います。日替わりのヒーローは何人も生まれましたが、毎日ヒーローはホーキンソンさんただひとりです。

試合時間残り49秒、ホーキンソンさんは相手ゴール下の密集地帯で何人もの壁が立ちはだかるなかでシュートを決めると、ファウルで得たフリースローも決めて再び点差を5点に広げます。そして、残り15秒では今大会の日本代表を象徴するかのように「ジョシュ・ホーキンソン」が「スリーポイント」を決めるという形で、点差を9点に広げました。もう勝った、もう間違いない。日本はゆったりとボールを保持すると、最後の5秒は「抱き合って喜ぶ」ことに使いました。今大会3勝目、そしてパリ五輪出場決定、目指していたすべてを手にする最高の大会の有終の美を飾りました!

↓何て美しい大会なんだ!この5試合を見られて本当によかった!

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河村さんは保持したウィニングボールを涙のような雄叫びをあげる渡邊雄太さんに渡しに行きました。渡邊さんには日の丸も届けられました。「このチームでパリ五輪に行けなければ自分は代表を去る」と背水の陣を敷いて、自らの全身全霊を絞り出してきました。NBAで5季戦ってきた日本の大黒柱が、誰よりも熱く、誰よりも本気でこのチームを勝たせようとしてきました。その背中がみんなを引っ張り、みんなを支えてきました。みんなが認めるリーダーがいて、その人が誰よりも本気だったことが、このチームを強く熱くした要因だったと思います。強いキャプテンシーがあったから、どんなときも崩れなかった。

スタンド総立ちで大合唱する「第ゼロ感」の中央でヒーローたちが見せる笑顔は、日本バスケ界が生み出した最高の瞬間だったかもしれません。大会が始まる前、世間的な注目は低く、燃えているのはバスケ界だけでした。あのフィンランド戦、あの劇的な試合は「終わったあとで気づかれる」ような具合でした。あの1勝だけで終わっていたら、結局パリ五輪を逃していたら、あの試合は苦い記憶にさえなっていたかもしれません。「あんないい試合をしたのに」と。しかし、物語は動き出しました。スラムダンクが描かなかったさらに先へ。あの素晴らしい勝利のあとで、嘘のようにボロ負けして終わるのではなく、さらに素晴らしい戦いがあるかもしれない未来へ向かってつながりました。つづきが見たい。パリでつづきが見たい。その前にBリーグで彼らを見たい。

「バスケットは…好きですか?」
「大好きです」
「今度は嘘じゃないっす」

そんなやり取りが、日本という大きな舞台で交わされた気がしました。

バスケット、面白くて、熱くて、好きです!

ありがとうアカツキジャパン、朝日を見せてくれて!

↓その名の通りのアカツキがここに!







↓勝ったら「第ゼロ感」を流して大合唱は恒例にしたいですね!


この大会を、この代表を、後押しするための公開期間だったような気がします!

日本バスケのテーマソングを生み出してくれてありがとうございます!



でもこれはまだ「旅路の最中」!パリ五輪で描かれる未来に期待です!

パリ五輪への切符を甘くつかんだ!ベネズエラ戦最大15点差からの逆転勝利で、日本で「比江島セレブレーション」大流行の予感の巻。

08:00
比江島!比江島!比江島!比江島!比江島!

三本立てた指を突き出し、舌ペロしながら首を振る……「今一番マネしたい」ポーズ。パリ五輪を目指してバスケW杯の順位決定戦に臨む日本代表アカツキジャパンは、最年長のベテラン比江島慎さんの神懸かり的活躍によって大きく二歩前進しました。いや、もはやパリへの切符を甘づかみしたと言ってもいい。あとは最後までしっかりチカラを込めて握るだけ。パリへの道を比江島ステップで駆け抜けるだけです!

↓ポーズだけでも覚えて帰ってくださいね!



パリ五輪の切符を争うアジア勢のなかで唯一1次ラウンドで勝利を挙げた日本は、グループOの首位に立って順位決定戦を迎えました。しかし、安心できるような状況ではまったくありません。グループMでは中国が1勝を挙げ、次戦フィリピンとのアジア勢による直接対決で「2勝3敗」とする可能性が出てきました。また、グループPでもレバノンがコートジボワールに勝利し、こちらも次戦イランとのアジア勢による直接対決で2勝3敗となる可能性が出てきました。日本の属するグループOでは、地力で勝ると見られるフィンランドが今大会初勝利を挙げ、得失点差でもまくってきました。今の優位は1試合の結果で失われる程度のもの。絶対に勝つ、勝たねばとんでもない地獄が待ち受けている、そんな際どい綱渡りがつづきます。

日本のスターティングファイブはオーストラリア戦と同じ、河村勇輝さん、比江島慎さん、渡邊雄太さん、馬場雄大さん、ジョシュ・ホーキンソンさんの5人。チームが固まってきたと前向きにとらえることもできますが、「ほぼ不動」のメンバーとなっている渡邊さんとホーキンソンさんの負担は相当のものとなっているはず。ただ、それは仕方のないことです。サイズで劣る日本は、このふたりを外して強いセットを作る見込みは立たないのです。ふたりがどれだけ頑張れるのか、最後まで頑張れるのか、たとえ頑張れなくてもやるしかない。日本がパリ行きを決めるのと精魂尽き果てるのとどちらが先か、そういう戦いです。

迎えたティップオフ。日本は渡邊さんをオープンにしてしっかりとスリーポイントを決めて立ち上がります。一方ベネズエラもすぐさまスリーを返して点の取り合いは望むところといった構え。休養日が一日少なく、チームにベテランが多く、さらに怪我人が出て全部で10人しか選手がいないというベネズエラのコンディション面も計算しているのか、日本は序盤からダブルチームでボールを奪いに行くなどハイテンポな勝負を仕掛けていきます。

しかし、仕掛け自体は悪くないのですが、日本は肝心のシュートが入りません。スリーはそんなにスパスパ決まるものではないにしても、2点のシュートも「入れられそうなもの」が入らない。ベネズエラもかなり外しているのに、それ以上に日本の確率が悪い。お互いにリズムに乗れないまま、第1クォーターを15-19の4点ビハインドで終えた日本。ちょっと、「熱さ」が足りていない印象で、このままヌルヌル最後までいってしまうと怖いなという不穏な立ち上がりです。

↓そんななかでも「入る前に入ったことを確信」する比江島さんのスリーなどで日本も奮闘!


第2クォーター、日本は渡邊さんをベンチで休ませながらのスタート。しかし、相変わらずシュートは入らず、ベネズエラがじわじわと加点していくと、たまらず2分ほどで渡邊さんは自らコートに戻ってきました。日本も河村さんのドライブからのシュート、さらにバスケットカウントでワンスローを得るなどして点差を詰めるものの、要所要所でベネズエラが「日本のお株を奪う」スリーポイントを決めて流れを引き戻します。

全体として決してベネズエラの仕掛けにやられているというわけではないのですが、日本がシュートを外したあとや、不用意なターンオーバーを許した際に「速攻からベネズエラがラクに決めているゴール」のぶんで追いつけない感触。一時は10点ビハインド、第2クォーター終えたところでは36-41の5点ビハインドで前半を終えます。あれだけ外して、あれだけいらないターンオーバーを出して5点差ならまぁ悪くありません。スコアとしては十分逆転が見えるところですが、そこに至る「熱さ」がもうひとつ出てこないのが心配です。ホームの大熱狂を生み出すには、選手からのスイッチオンが欲しいところです。

↓富永さんがスリーを決めるとドンと会場も沸くのですが、この日は「5分の1」でこの1本だけ!


第3クォーター、日本はスターティングファイブと同じ顔触れでスタートし、順調に得点を重ねていきます。渡邊さんは見事なブロックのあとスリーポイント、つづく相手の攻撃のあと再びスリーポイント、つづく相手の攻撃でオフェンスファウルを誘うという「都合10点プレー」などの働きも見せ、一時は1点差まで点差を詰めます。

ところが、ここからつづけざまにトラブルが。まず、スタメンにも入っていた比江島慎さんが、第3クォーター残り7分というかなり早い段階で個人ファウルが4つ目となってしまったのです。バスケットボールでは「個人ファウルが5つ」になると退場となります。比江島さんはあとファウルひとつで退場となるため、かなり起用が難しくなってしまいました。さらにこちらもスタメンの馬場雄大さんがシュートを防ぎにいった際に転倒し、別室で治療を受ける状況になったのです。

主力2枚を欠いた日本は、自分たちが受けたファウルはなかなかとってもらえず、逆に相手にはファウルがきっちり与えられるという笛の傾向もあって、ややフラストレーションが溜まる展開に。解説の田臥勇太さんから「審判と戦ってはいけない」というアドバイスも出るような時間帯となります。リズムが悪いなかでの戦いでジワジワと点差を広げられ、ついには二桁点差にされるという「よくわかんないまま大苦戦」というゲームになってきます。

13点差に広げられたタイミングでは相手のソホさんが、バスケ界隈ではかなりカチンと来る挑発だという「ゴール後にボードを叩く」というアクションも見せていました(※テクニカルファウルで日本にワンスロー)。何でしょう、勝った気でしょうか、勝ったつもりでしょうか。フィンランド戦でもマルカネンさんのダンク後の「勝った感じの叫び」から試合の流れは反転しましたが、日本人が「外面は優しいけど、ものすごくキレやすい」「損得ではなく誇りを傷つけられたときにガチギレする」手合いであることはご存じないのか。今まで「さすが世界の代表はお強い」と思っていた僕も「絶対勝つつつつつつ!!」という怒りモードに移行しました。熱くなってきました!

↓治療を終えて戻ってきた馬場さんと渡邊さんによるアリウープ!相手の体当たりはファウルじゃないのか!


第3クォーター終えて53-62の9点ビハインド。終了間際にしっかり2点を挙げるなど、いい形で第4クォーターに入った日本でしたが、第4クォーター立ち上がりに連続でゴールを許してしまい、何と残り8分9秒の時点ではこの試合最大となる15点ビハインドにまで点差が広がります。「残り8分で15点差…?」、脳裏によぎる「負けるのか?」という恐れ。負けたらこのグループは全チームが1勝3敗で並ぶ混戦となります。ここまで大善戦を見せながら、グループ4位で大会を終えるなんて悪夢さえチラリと見え隠れしてきました。このまま終わるのか、終わっていいのか。どうにかしたい、誰か何とかしてくれ!

そんな叫びに応えられる選手がいた。

この大ピンチに神懸かり的なチカラを見せる選手がいた。

チーム最年長、すなわち誰よりも長く苦杯を舐めてきた男がいた。

第3クォーター早々に4ファウル目をおかしてベンチに下がっていた比江島慎さんが、再びコートの上に立っていた。

あとひとつファウルをすれば退場となる比江島さんは、1点もやりたくないこの状況でディフェンスでも身体を張りながら、クリーンにファイトしつづけます。残り7分18秒、ドライブを仕掛けるフェイクからバックステップして、自らスペースを生み出して決めたこの日3本目となるスリーポイント、これで10点差。残り5分38秒、自らボールを要求し、横に動きながら相手のマークを外して決めたこの日4本目となるスリーポイント、これで7点差。会場もいよいよ大熱狂、大興奮になってきました。明らかに比江島さんがスイッチを入れました。

残り4分59秒、自らボールを運んでから始めた攻撃で、遠くにパスを出す素振りで相手の足を止めたのち、すかさずジャンプシュートで2点、これで5点差。残り4分26秒、相手が守備時の陣形が整う前の素早い攻撃、司令塔の河村さんは逆サイドであまっている比江島さんをしっかり見ていました。オープンな状況でボールを受けた比江島さんは、この日5本目となるスリーポイント!しかも比江島さんはボールがバスケットに吸い込まれる前に「確信」の指差しを見せていました。スラムダンクで見たことあるシーンです。三井のヤツです。漫画ではなく本当の試合で見せてくれた名場面。これで2点差!

残り3分49秒、日本はベンチで休ませていたホーキンソンさんをコートに戻し、逆転への攻勢を強めます。ここまでどの試合でも後半は上回ってきた日本の、「逆転の日本」の底力を見せるときです。ベネズエラもゴールを返して再び6点差に広げてきますが、もう勢いは完全に日本のもの。河村さんのドライブを止める足はベネズエラの誰にもなく、自在なタクトを振るって得点を重ねていきます。残り2分50秒、ゴール下でファウルを受けたホーキンソンさんがフリースローを決めて再び3点差。残り2分16秒、ファウルを受けた渡邊さんがフリースローを決めてついに1点差。

そして、残り1分55秒、相手のボールを奪って始めた速攻は、第3クォーターに不在だった馬場さんと比江島さんによるものでした。馬場さんが走り、比江島さんに送る。比江島さんはシュートの態勢から空中でファウルを受け、なおシュートを決める。バスケットカウント!この3点プレーで逆転、そして2点のリードを奪いました!会場では燃えるような大歓声があがり、選手たちも吠えていました。「もしこの大会でパリ五輪の切符を獲れなければ代表を去る」と宣言して臨んだ渡邊さんは誰よりも熱く噴き上がっていました。辞めたくてクチにした言葉ではなく、勝ちたくてクチにした言葉だからこその「言霊」が宿ったような大逆転劇。わずか6分ほどで日本は15点差を跳ね返しました!

↓バスケットカウント!ワンスロー!これで2点では逆転できない差をつけた!

これもスラムダンクで見たことある!仙道のヤツだ!

比江島慎さん、第4クォーターだけでここまで14点!

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残り1分30秒、時間を計算しながら試合を進めそうな場面ですが、日本は攻めます。勝てば終わりではなく、パリに行くには最後の最後まで得失点差の争いがあります。勝てるときに、流れに乗っているときに、自分から止まる必要などありません。「BELIEVE」の信念です。日本はさらに河村さんのスリーで点差を広げると、粘る相手を振り切るように比江島さんがトドメのスリーポイントをもう1本決めてみせます。第4クォーターだけで17点、この日のスリーポイントは何と「7分の6成功=85.7%」という驚異的な確率です。バスケット人生でも最大級の大当たりを、日本バスケの大事な大事な試合で出せるなんて、強いぞ!!

↓最後は河村さんが決めて86-77で日本勝利!得失点差もプラスして、グループOの首位堅持!


↓日本のバスケ界の想いを代弁するように、渡邊さんは「これが普通」「俺らの知ってる比江島慎」「マコは止めれない」と熱弁!

海外挑戦での苦い記憶、あれは実力の問題ではない!

たぶんコミュ力の問題!実力は今大会で証明した通り!



さぁ、これで順位決定戦の1試合目が終わりました。グループO首位の日本は、次戦勝てばもちろんグループ1位、3勝2敗となってアジア最上位=パリ五輪が確定します。次戦に負けた場合はいろいろ複雑ですが、「日本がカーボ・ベルデに負け&フィンランドがベネズエラに負け」だと2勝3敗で並んだ日本とカーボ・ベルデは直接対決の結果(当該チーム間の得失点差の比較)によって、カーボ・ベルデがグループ1位で日本がグループ2位となります。「日本がカーボ・ベルデに負け&フィンランドがベネズエラに勝ち」となり2勝3敗で3チームが並んだ場合は、複雑な三つ巴の争いとなります。

三つ巴となった場合は、「当該チーム間の試合のみでの得失点差の比較」「当該チーム間の試合のみでの総得点の比較」「グループ内全試合での得失点差の比較」「グループ内全試合での総得点の比較」で順位を決めながら、順位が決まったチームを除いて改めて当該チーム間で同じ比較を繰り返して決めていくことになります。結論から言うと日本は「16点差負け」までカーボ・ベルデを上回りますのでグループ2位が確定します(※17点差負けだとカーボ・ベルデに逆転されて3位になる/三つ巴の場合日本がフィンランドを上回る見込みはない)。こう考えると、非常に大きな1勝を挙げることができました。負けていればとんでもない混戦になるところでしたが、勝ったことで視界がクリアになってきました。

ライバルを見渡せば、グループMの中国はこの日アンゴラに勝ったことで状況が複雑になりました。南スーダンがアンゴラに勝てば南スーダンの1位が決まりますが、その場合「中国がフィリピンに勝てば中国が2位」、「フィリピンが中国に勝てば1勝4敗で3チームが並び、フィリピンが2位になる公算が高まる」という状況です。南スーダンがアンゴラに負けた場合、「中国がフィリピンに勝てば2勝3敗での三つ巴となり中国は3位が濃厚」「フィリピンが中国に勝てば、フィリピンが3位、中国が4位」となります。大きな心配はいらないグループではありますが、アジア勢が2位に入る公算はそこそこあるので日本はグループ2位をしっかり確保することが必要です。

グループNのヨルダンは、自分たちが勝って、かつニュージーランドが負ければ「1勝4敗」の三つ巴の末にグループ2位に滑り込む可能性が出てきます(※メキシコに8点差以上で勝つことが条件)。ただし、日本との比較になった場合は勝敗数で上回る日本には勝てませんので、とにかく日本はグループ2位におさまっておくことが重要です。

グループPではレバノンがコートジボワールから1勝を挙げたことで、かなり複雑な状況となりました。まずはフランスとコートジボワールの試合でフランスが勝った場合、フランスの1位は確定しますが、残るレバノンVSイラン戦で「レバノンが勝てばレバノンが2位」「イランが勝てば3チームが1勝4敗で並んで、当該国間の得失点差の比較になりレバノンかイランかいずれにしてもアジア勢が2位になることが決まる」ということになります。一方、フランスがコートジボワールに負けた場合、レバノンが負ければよいのですが、レバノンが勝った場合、今度は「2勝3敗」での三つ巴が発生し、レバノンが1位となる公算が高まります。いずれにしても、日本がグループ3位に落ちた場合は「グループPのアジア勢がパリに行く」という公算が高そうです。どう転んでも複雑なのですが、まずはフランスにはしっかり勝ってもらうのがよいだろうと思います。レバノン1位は避けたいですからね。

しっかり検討すると意外にアレなのですが、

「次戦カーボ・ベルデに勝てば100%パリ行き、負けても16点差までならパリ行きが濃厚(フランスとレバノン次第)、ただし17点差以上で負けたらパリには行けない」ということになります。

負けても可能性が残るのはポジティブですが、こんなに頑張ったわりに意外にまだピリピリした感じです。

喜びは一旦おさめて、次の試合に集中していきましょう。

確実にパリに行く道は勝つことだけです。勝てば何の問題もない。

勝って、スッキリと、パリに行きましょう!




フィンランド戦で10点差をつけておいたこと、ここにきて効いています!

順風満帆!バスケW杯1次ラウンドを1勝2敗とした日本は、あと1つ勝ってパリ五輪へ行くために真の大本番「順位決定戦」に挑むの巻。

08:00
「ここからが本当の戦いだ!」順位決定戦編スタート!

フィンランド戦での劇的勝利の歓喜と、その試合の模様を24時間も待たずにTVerから削除した何者かに対する怒りとで真っ赤に燃えるみなさんこんにちは。29日、バスケワールドカップ日本代表アカツキジャパンが1次ラウンド最終戦のオーストラリア戦に臨みました。勝てば史上初の2次ラウンド進出、パリ五輪行きの切符も早々獲得…となるはずの試合でしたが、さすが世界ランク3位のチカラは本物でした。日本は善戦見せるも89-109で敗れ、2次ラウンド進出はなりませんでした。

しかし、これは終わりではありません。むしろここからが本当の戦いです。このあと始まる順位決定戦、そこでの戦い次第で日本がパリ五輪に行けるかどうかが決まります。そこでパリの切符を獲ることを最大の目標として、日本はこの大会に臨んでいます。1勝が、1点が、未来を大きく左右する痺れる試合があと2つある。その喜びに胸を震わせつつ、最後まで応援していきたいもの。端的に言えば、日本はここまで「順風満帆」です!

↓この強豪を相手に20点差の負けなら悪くない!


迎えたオーストラリア戦。日本は漲る自信と高まる期待を胸に、「勝って史上初の2次ラウンド」を目指す戦いに向かいました。この先の戦いの仕組みを知る人なら、「メンバーを落としてのらりくらりと」「大差負けしない程度に選手を休ませて」「負担の大きい渡邊雄太さんとジョシュ・ホーキンソンさんに休養を」と考えるところかもしれませんが、日本にそんな皮算用はありません。そんな皮算用をしながら凌げる相手ではありませんし、何よりそんなことをすれば自分たちの核である「BELIEVE」の信念が崩れます。勝つ気で100%やったうえで、次のことはまた考える。もとより全員が5試合を全力で戦い抜く覚悟です!

↓オーストラリア代表ミルズさんは「新しい靴にスムージーをこぼした」渡邊雄太さんへの仕返しに燃えていた!

「渡邊とはロッカーが隣だったんだけど」
「スムージーを僕の新しい靴にこぼされた」
「この試合で仕返しをしたいよ」

スムージーこぼされたんじゃしょうがない!

やっちまってください!

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Number 2023年 9/7号 [雑誌]
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日本のスターティングファイブはフィンランド戦で大活躍の河村勇輝さんを今大会初めてスタートから起用し、比江島慎さん、馬場雄大さん、渡邊雄太さん、ジョシュ・ホーキンソンさんとしました。オーストラリアについてはある程度承知しているというところもあるのか、あるいはフィンランド戦の勢いをつなげたいというところか、前2戦とは顔ぶれを変えてきました。

迎えたティップオフ。まずはオーストラリアの攻撃を受ける日本は、スムージーの恨みに燃えるミルズさんを河村さんが封殺するいい立ち上がり。比江島さんのドライブからホーキンソンさんにつないだ攻撃は、相手に防がれこそしますが「比江島ステップは通じる」「今日もホーキンソンさんはいい感じ」という手応えを感じるもの。日本の最初の得点も比江島さんの侵入から生まれ「外だけでなくナカもあるぞ」と見せていく日本です。それとは逆にホーキンソンさんがスリーポイントを決めて「こんなパターンもあるぞ」というところも見せるなど、いろいろとバリエーションをつけてきています。

しかし、地力で勝るオーストラリアはジワジワと日本を引き離していきます。ダブルチームでふたり掛かりで急所を抑えにいっても、そこを抜けてフリーで待つ選手にパスを通されるなどさすがの上手さ。日本は第1クォーター途中から投入した富永さんにスリーを狙わせるなどしますが、この日はタッチが合わないようで入らず(※最終的にオーストラリア戦では10回トライして成功ゼロ本)。そのぶん、ここまで2試合無得点だった富樫勇樹さんがキレイなスリーを決めるなどしますが、第1クォーターは17-25とややリードされる形となりました。

↓フリースローの確率も高いけれど、スリーポイントも入るぞ!


第2クォーターに入るとさらに圧力を増してきたオーストラリア。日本のお株を奪うようにスピード感あるゴール下への侵入で得点を重ねていきます。タイムアウトを取ったホーバスHCも「細かいこと!」「言い訳!」と選手たちを一喝し、勝負へのマインドを変えようとしますが、なかなか悪い流れを変えられません。もう少しカット…ボールをもらうための動きが出てくるとよいのですが、少し停滞してしまっている印象。すごく何かをやられたとか、すごく何かをミスしたというわけではないのですが、点差だけはつけられてしまいました。第2クォーターだけでも18-32の14点差、前半トータルでは35-57の22点差という厳しい展開となってきました。

↓第2クォーター終わり際に富樫さんがディープスリーを決めたのはいい追い上げでした!


第3クォーターに入ってもオーストラリアの攻勢はつづきます。もったいないターンオーバーからの失点などもあり、一時は27点差をつけられる場面も。しかし、気持ちはまだ燃えています。ファウルで倒されたホーキンソンさんが腕立て伏せパフォーマンスで健在をアピールしてみたり、相手のダンクで意気消沈しそうになった瞬間にコチラもホーキンソンさんを走らせてお返しのダンクを決めてみせたり、意地の張り合いでも負けてはいません。

まさにホーキンソン劇場といった感じの第3クォーター。リバウンドでも、ゴール下からのシュートでも、このコート上の誰にも勝るような働きぶり。最後もホーキンソンさんがオフェンスリバウンドを拾って自ら得点につなげるなど、フィンランド戦につづく大活躍で第3クォーターだけなら35-30と日本が上回る格好に。70-87の17点ビハインドはまだわかりません!

↓5試合もつかはわからないほど負担は大きいけれど、このチカラは不可欠!


そして迎えた第4クォーター。日本はようやくデフェンスの仕組みも噛み合ってきて、上手く相手の攻撃を跳ね返せるようになってきました。ただ、開始13秒で簡単にふたつファウルをしてしまったのが痛かった。これにより終盤はファウル即フリースローという展開になりましたし、最後の数十秒でファウルで時計を止めながら試合を進めることもやりづらくなりました。さらには、個人ファウルが5つ目となった渡邊雄太さんが退場となってしまう場面もあり、ファウルトラブルといった感じのクォーターに。

それでも日本は最後の最後まで1点を狙い、1点を防ぐ戦いをしました。念頭にあるのはこれから始まる本当の戦い「順位決定戦」のこと。ここでの1点が、すべてパリにつながる一歩だとわかっているからこそ、日本はこの劣勢のなかでもまったく心折れるところはありません。最終的には89-109の20点差で敗れますが、前半終了時よりも点差を詰め、一時は14点差まで盛り返しました。次につながる善戦でした!

↓渡邊雄太さんのコーナーからのスリーで一時14点差まで迫った!


↓「1点1点がパリへの道なんで」「ここからが本当の勝負」と渡邊雄太さんもさらに気合を入れました!

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まずは1次ラウンド、順風満帆に終えられたと思います。0勝3敗を標準的な結果として想定していたなかで、1勝2敗は素晴らしいですし、大敗がなかったのもよかった。フィンランドが3敗で順位決定戦にまわったことも含めて「想定の範囲のなかで最高」と言ってもいい1次ラウンドだったと思います。グループEのような非常に厳しい組でなければ2次ラウンド進出も狙えたかもしれません。「開催国なのにこの組み分けか」と愚痴りたくもなりますが、まぁ今考えても仕方のないことです。

これから日本は順位決定戦の2試合を戦います。次戦はわずか2日後の8月31日です。9月2日のもう1試合と合わせて、残る2試合がパリ五輪へ行けるかどうかの勝負です。仕組みをおさらいすると、日本は順位決定戦のグループOに組み分けられます。そこには1次ラウンドグループEの下位2ヶ国である「日本(1勝2敗/得失点差-28)、フィンランド(3敗/得失点差-62)」と、30日に3戦目を行なう1次ラウンドグループFの下位2ヶ国が加わります。ここまでの戦いからすると「カーボ・ベルデ(2試合終えて1勝1敗/得失点差-19)、ベネズエラ(2試合終えて2敗/得失点差-21)」ではないかと思います。ここまでの成績を持ち越したうえで、この4ヶ国でグループOとしての順位を決めます。日本はすでに1勝を挙げており、得失点差でもー28と健闘していますので、グループOの首位からスタートできる可能性も十分にあります。かなり優位な立場です。

このグループOのなかで1位になれば、大会全体の「17位〜20位」に組み分けられます。そして、同じように順位決定戦を戦っている「グループM(A組&B組の下位)」「グループN(C組&D組の下位)」「グループP(G組&H組の下位)」の1位と比較して、17位なのか18位なのか19位なのか20位なのかを決める流れです。直接対戦のない他グループとの比較の際は、勝敗⇒得失点差⇒総得点⇒FIBAランキングによって決めていきます。こうした作業を順次やっていって最終の順位を決めるわけです。

そして、その最終順位がアジア(※オセアニアを除く)の国のなかで一番上になれば、パリ五輪への出場権が手に入るのです。日本と切符を争うアジアのライバルは「A組のフィリピン(3敗/得失点差-23)」「B組の中国(2試合終えて2敗/得失点差-62)」「C組のヨルダン(2試合終えて2敗/得失点差-29)」「G組のイラン(2試合終えて2敗/得失点差-49)」「H組のレバノン(3敗/得失点差ー100)」です。この6ヶ国のなかで最終順位で一番上になりたい。

今後の展望を予想すると、まず中国とフィリピンは気になります。中国には30日の試合結果次第で2次ラウンド進出の可能性がわずかにあることもさりながら、この2ヶ国は順位決定戦に進んだ場合、同じグループMに組み分けられ、アジア勢同士での直接対決があります。どちらかは1勝することが確実なのです。そして、残る1試合も欧州・北米との対戦ではないと見込まれますので、勝ち負けしてもおかしくありません。グループMでアジア勢が「2勝3敗」で2番手に入る可能性は想定しておくべきだろうと思います。

C組のヨルダンは30日の夜にアメリカと対戦しますので、3敗でグループNにまわるでしょう。その先で2連勝というのもなかなか考えづらいので、1勝4敗か5敗かでグループNの3番手まででしょうか。ヨルダンがアジア勢の1位になるのは、かなり厳しい道ではないかと思います。

そしてイランとレバノン。イランは30日にスペイン戦を戦いますので3敗でグループPに進むでしょう。ここもグループPでアジア同士の直接対決がありますので、どちらかは1勝します。ただ、グループPにはフランスが来ることが決まっています。イランはフランス戦を残していますので、レバノンに勝っても1勝4敗、グループPの3番手まででしょうか。レバノンはイランに勝って、もう1試合(おそらくコートジボワール)に勝てば2勝3敗まであり得ますが、現時点の得失点差がー100です。そもそも2勝することが難しいだろうと思いますが、よしんば2勝したとしても得失点差では大きな不利を抱えています。

開催国のひとつであるフィリピンがここまで勝ち星を挙げられていないこと、そしてイランがコートジボワール戦で僅差の敗戦を喫したことは、日本にとっては追い風となっています。特にイランに関しては、試合時間残り6秒まで1点リードしていたのに、ファウルでフリースローを与えたうえに、それを不服としたヘッドコーチが荒れたことでさらにテクニカルファウルでもう1本フリースローを与えてしまい、それを決められて逆転されるという自滅に近いような形でした。イランらしいと言えばそれまでですが、日本にとってはポジティブな結果となりました。

↓バスケットの神様は日本に「パリに行け」と言っているような気がします!


可能性の低いパターンまで考慮すればいろいろあり得ますが、「グループOの2番手」に入ればパリ五輪に行けるだろうと思います。そして、あと1つ勝って2勝3敗以上にできれば、得失点差も含めてグループOの2番手は濃厚だろうと思います。31日にF組4位となったチームとの対戦がありますので、勝てる可能性が一番高いのはそこでしょう。日本は1日休養を挟みますが、F組は30日に試合があって連戦となりますので、コンディション面でも優位です。逆に、31日の試合でF組4位に負けると、グループOはフィンランドが盛り返してくることも含めて、もつれた展開になるかもしれません。とにかく最後の試合の最後の1秒まで、全力で戦い、信じ抜くことが必要です。あと1つ、あと1つ勝ってパリへ行く。「勝てば五輪」そういう試合がこれから始まります。他グループの動向なども見守りつつ、そういう痺れる試合を楽しんでいきましょう。

あと1つ勝って、パリへ。

アカツキジャパンの戦いはまだ始まったばかりです!

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フィンランド戦の勝利を本当に喜べるのはパリ五輪の切符を獲ったときです!

バスケW杯ついに開幕!日本は強豪ドイツに完敗するも最後まで諦めない戦いで「5試合トータル」の大会序盤を順調に滑り出した件。

08:00
素晴らしい助走から勝負のフィンランド戦へ!

ついに開幕したバスケワールドカップ。沖縄の地の熱いバスケットファンのサポートを受け、日本代表アカツキジャパンが初戦に臨みました。相手は強豪ドイツ。世界ランキングでは11位という位置ですが、大会前の下馬評…パワーランキングではアメリカに次ぐ2位と評される遥か格上の相手です。勝つのは難しいかもしれない、しかし、この試合の1秒ずつがすべてパリにつながる道の一歩である。そういう意識で大会全体を見据えた緒戦としたいところです。

↓日本は渡邊雄太さんも復帰して準備万端です!


岸田総理も登場して華やかに始まった日本の開幕戦。必勝のしゃもじを両国代表に1本ずつ手渡し…はしませんでしたが、国を挙げての応援という雰囲気をしっかり作ってくれました。Bリーグではもっとも熱狂的な応援を誇る沖縄のバスケットファンと、全国・全世界から集ったファンが作る赤く燃えるアリーナ。若干の空席も見えますが、大人の事情でもあるのでしょう。この試合を応援したかった人は全員来ているはず。ホームのチカラも借りてドイツに対抗していきたいものです。

日本はティップオフ後の最初の攻撃を渡邊雄太さんのスリーポイントを狙ったシュート(※入らず)から始め、早速今大会のスタンスを見せてきます。ドイツは固いディフェンスと鋭い攻撃で着実に得点を重ねていきます。渡邊雄太さんが見事なブロックショットで気を吐きますが、「どこが」というよりは「全体的に」ドイツが上回っていることは否めません。苦しいなかで我慢をつづけ、この1試合だけではない戦いの一部として諦めずに戦う必要があります。

↓日本の初得点はスティールから馬場雄大さん!


↓渡邊雄太さんは守備面も攻撃面も大黒柱として牽引!クリーンに撃てば入る!


第1クォーターは11-23とかなり離される展開となりました。相手が強いこともありますが、日本はシュートがなかなか入りません。沖縄アリーナの環境や大会公式球へのアジャストなどがどうなのか気になってしまうほど入らない。カギとなるスリーポイントはもちろん、2点シュートもフリースローも入らない。第1クォーターの最後にターンオーバーからの速攻で河村勇輝さんが完全にフリーの無人状態で撃ったスリーポイントもリングに嫌われました。「入ってもおかしくない」ものがほぼほぼ入るようなイイ日なら見た目のスコア以上には対抗できていそうな感じもあるのですが…。

第2クォーター、日本は馬場雄大さんの豪快なダンクなどで連続得点を挙げますが、ドイツも日本に戦い方のお手本でも見せるようにキレイなスリーポイントをスパスパ決めてきます。日本は急所に2人いかせて奪い切るようなディフェンスをしており、そこで抜けられるとフリーで余る選手が出てしまう形。まわされるとどこかでしっかりとスリーを撃たれる展開となります。足を使って、最後まで諦めず、手先だけでも出してシュートを邪魔していきたいところ。我慢と粘りの戦いがつづきます。

↓比江島慎さんのスティールからのバスケットカウント!


↓第2クォーター最後のプレーで、残り5.7秒から1本決めたのはお見事でした!



第2クォーター終えて31-53の22点差。勝敗としては厳しい状況ですが、ここから1点でも詰めていくことが日本の本当の戦いです。後半に入るとドイツは「流して」くるような構え。リスクは取らず無理はせず、この点差を維持すれば十分という戦いぶりです。ムムッと思わないわけではありませんが、日本にとっては流していただけるのならありがたい話です。日本は第3クォーター序盤に3連続でシュートを決めるなど追い上げを図ります。

奮闘際立つのはやはり渡邊雄太さん。難しいシュートを決めては観衆を煽り、抜けてきた相手を咄嗟のヘルプで潰し、ラインを割りそうなボールをギリギリで相手に当てて獲得する…NBAプレーヤーが泥臭くひとつひとつの局面で戦っています。ベンチに戻れば足の痛みなのか苦痛に顔を歪めるような素振りも見せますが、そんなことは関係ありません。戦っている、戦いつづけている、点差など無きがごとくです。

↓まだまだこれからだと渡邊雄太さんが観衆を煽る!


↓勇ましい!頼もしい!誇らしい!パリ五輪に行けなければ代表を去る、覚悟の戦い!


第3クォーター終えて47-69の22点差。このクォーターは16-16とはじめて離されずに終えました。そして最終第4クォーター、日本はスピードと粘りでいよいよドイツを押し返します。ほんの少し先に跳ぶリバウンド、最後の一歩を伸ばすディフェンス、ようやく日本らしい戦いが見えてきました。馬場雄大さんの飛び込みながらのダンク、渡邊雄太さんの豪快なアリウープ、そして今後の戦いで必ず効いてくるだろう富永啓生さんのスリーポイント!「10点台の差で終えるんだ」という意識で得点を重ね、何とこのクォーターだけなら4点リードの16-12で戦い抜きました。試合自体は63-81で敗れましたが得失点差マイナス18は決して悪くない、尻上がりの初戦でした!

↓日本に勇気を与える大黒柱のアリウープ!


↓日本が1勝するには必ずコレが必要になる、富永啓生さんのスリーポイント!



完敗ではありますが、大事なのはこの試合の勝敗ではありません。ハナから勝てる見込みは極薄でした。負けは当然、致し方なし。日本は2019年大会では全敗しており、まずは1勝が目標となるチームです。そして、真に目指すのはアジア地域の出場国のなかで最上位となって、パリ五輪の出場権を獲ることです。そのために必要なのは「5試合」をトータルで戦い抜くことです。

日本はまずこの日のドイツ戦に加え、フィンランド、オーストラリアと1次ラウンドを戦います。おそらく日本はグループEの3位か4位となるでしょうが、サッカーのワールドカップとは違って大会はそこで終わらず、順位決定のために各グループの3位と4位だけを集めた17位-32位決定戦が始まります。そこではグループA&B、グループC&D、グループE&F、グループG&Hの下位2ヶ国ずつが集められ、まだ戦っていない相手との試合を行ないます。つまり日本は「ドイツ、フィンランド、オーストラリア、グループFの下位2ヶ国」との5試合を戦う見込みなのです。

そして、この5試合の成績によって17位-32位決定戦の順位が決まります。「グループE&Fの下位2ヶ国ずつ」のなかで5試合トータルの成績が1番上になれば、17位〜20位のどこかにおさまります。同様に「グループE&Fの下位2ヶ国ずつ」のなかで2番目の成績になれば、21位〜24位のどこかにおさまります。「グループE&Fの下位2ヶ国ずつ」のなかで3番目の成績になれば、25位〜28位に。「グループE&Fの下位2ヶ国ずつ」のなかで最下位になれば29位〜32位となるわけです。日本はドイツ戦の勝敗も得失点差も持ち越して、「グループE&Fの下位2ヶ国ずつ」の順位争いをするわけです。

他グループとの比較になる「17位〜20位」「21位〜24位」「25位〜28位」「29位〜32位」の順位は、勝敗数⇒得失点差⇒総得点⇒FIBAランキングによって決定されます。アジア地域(※オセアニアを除く)に属する「日本、フィリピン、中国、ヨルダン、イラン、レバノン」のなかで、この最終順位が一番上だった国がパリ五輪に出場できます。日本はこれらの国と対戦する可能性はありませんが、ドイツやオーストラリアと戦いながら実は「フィリピン、中国、ヨルダン、イラン、レバノン」と戦っているのです。

率直に言えば、アジア地域から16位より上に行くチームは出ないでしょう。なので「17位〜20位」におさまることができれば最高の結果です。それにはおそらく3勝が必要です。それはちょっと難しい。アジアのライバルにとっても難しいでしょう。なので、現実ラインとして「21位〜24位」のグループに入れば五輪切符が狙えます。そこに入るには基本的には2勝3敗が必要でしょう。ただ、最大限上手いこといけば「1勝4敗で3チームが並んで2番手争い」という可能性があります。かなり薄い可能性ですが、最低限1勝を挙げ、得失点差で頑張れば「21位〜24位」のグループに入れる可能性がある。「できれば2勝、最低1勝、得失点差は限界まで頑張る」それが日本のやることです。

そこから先は直接対決のない他グループとの比較ですので、どうにもできませんが、だからこそ、この日のドイツ戦での頑張りは大切でした。ここで取る1点はアジアのライバルを相手に決める1点であり、ここで守る1点はアジアのライバルを相手に守る1点だったのです。そして、この先もこういう戦いがつづきます。目の前の相手にどれだけ打ちのめされても、1点も1本も無駄にしてはいけない戦いがつづきます。特に次戦フィンランド戦は重要です。おそらく日本とともに順位決定戦にまわるのはフィンランドでしょう。もしフィンランドに勝つことができれば、果てしなく大きな1勝となります。五輪が見える1勝です。そういう試合だと思って、次戦を楽しみにお待ちいただければと思います。最後の1秒まで1点を追うような気持ちで応援していければと思います。日本は「5試合」の最後の1秒まで戦いつづけます!

頑張れアカツキジャパン!パリへの道を開け!

↓完敗ですが善戦でした!先につながる1敗を積み上げ、日本は5試合トータルで2勝3敗を目指す!


パリへの仕組みの話、テレビでももっと言ってほしい!

負ける前提の話はしづらいでしょうが、仕組みがわかれば、もっと熱くなれるから!



まぁもちろんフィンランド、オーストラリアに勝って16位以上でもいいんですが!

バスケ日本代表アカツキジャパンが強豪スロベニアを相手にBELIEVEを貫く熱戦を見守り、W杯への期待で胸がドンチッチしてきた件。

08:00
「信じる」気持ちを最大に高めて応援します!

本日はお出掛けの記録です。いよいよ始まるワールドカップを前に強化試合に臨むバスケ日本代表・アカツキジャパンを応援してきました。19日は強豪スロベニアとの対戦ということで、世界の壁を感じるような試合となることでしょうが、その壁に喰らいついてよじのぼっていく、そんな試合を見守りたいと思っての観戦です。日差しに負けないほどの熱い気持ちで見守るべく、奮って現地へと向かいました!

↓有明アリーナは沖縄並みの熱気と情熱に包まれていた!
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↓日差しなどこの情熱の前では大した問題ではない、という雰囲気の待機列!
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早速会場の散策など始めますと、場外に設置されたグッズの売店では早速の長い列が。すでにTシャツなど一部の商品は売り切れており、アカツキジャパンの人気ぶりがうかがえます。開場までの時間はカフェにこもったり、お楽しみのブースなどを巡って過ごします。巨大ボールのフォトスポットやシュートをするゲームなどが人気でした。シュートのゲームは待ち時間もありそうだったのでスルーしましたが、バスケ会場らしいお楽しみでした。

↓みなさんこのボールで記念撮影していました!
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↓さぁいよいよ入場です!
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入場すると「日本一丸」のキャッチコピーが掛かれたウチワと、選手のサインをプリントしたポストカードをいただきました。さらに場内各所のブースではアンケートに答えると何かがもらえる形式のグッズ配布が多数。トートバッグやステッカー、応援用のハリセンなどさまざまなものを渡されます。通路があまり広くない会場なのでギッチギチの盛り上がりで前に進むことも叶わないほど。いやー、ホント、こんなに土地あるのにどうしてミニマムで建てちゃったかなーと思いますよね。こんなに頻繁に使うんだから、もっとゴージャスなすんごいのを建てればよかったなぁとか思ったりしました。通路の横幅20メートルくらいあるヤツを。

ひとしきり散策を楽しみましたあとはいよいよ試合会場へ。なかに入ると、まだ試合開始まで1時間ほどあるというのに、人・人・人で盛り上がっています。グッズのTシャツ、ユニフォームを着こんだ大観衆が真っ赤に染めるスタンドは壮観です。この盛り上がり、ぜひワールドカップの会場となる沖縄へとつなげていきたいもの。

↓現地は大変盛り上がっております!
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↓本日の観衆は何と13216人!仮設席まで含めて最大で15000人の会場にコート作ってなお13216人!
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日本代表とスロベニア代表がそれぞれ練習する姿などを見守って、試合への興奮を高めていく時間。今回は特に注目の選手がいます。日本代表の面々ももちろん注目ですが、何と言ってもスロベニア代表の大エースにして、NBAのスーパースターであるルカ・ドンチッチさんです。日本代表で言えば富樫勇樹さんや河村勇輝さんがつとめるガードのポジションの選手でありながら2メートルを超える体格も持ち合わせており、上手さ・強さ両面で隙がありません。練習でも華麗なボールさばきからスリーポイントをスパスパ決めています。これを?身長差30センチくらいのマッチアップで?止められるのか?と思ったら、「世界の壁って高いなぁ」と見上げるような気分になりました。期待と緊張とで胸がドンチッチドンチッチしてきます。

↓こちらがルカ・ドンチッチ選手です!
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↓一応ガードVSガードでマッチアップしているはずなのだが…!

そして迎えた試合開始。ティップオフのボールを相手に奪われていきなりの速攻を許した日本ですが、序盤はスピードと粘りとスリーポイントで食い下がっていきます。最初の攻撃で「変態富永」が応援ワードとして定着しつつあるシュート名人・富永啓生さんがスリーポイントラインからかなり下がって打つディープスリーを決めて、3点奪取で逆転に成功。ドンチッチさんがスリーポイントを決めて再びスロベニアがリードするも、日本も再びスリーポイントを決めて再逆転。日本が瞬間的にリードする場面も生まれるなど、いい立ち上がりです。

ドンチッチさんが身体で圧を掛けながら前進して、日本の守備2人に挟まれながらも、ファウルをもらいつつシュートを決めるプレー(その後フリースローも決めてワンプレーで3得点)が出るなど、地力という面ではやはりスロベニアかなと思いつつも、スロベニアのスリーポイントはまだ確率が上がってこないこともあってかなり競った展開の試合です。第1クォーター終了間際には素晴らしいボールまわしから日本のルーク・エヴァンスさんがスリーポイントを決めるプレーも飛び出し、21ー26という「勝負」らしいスコアで戦えています。見事な序盤戦でした!

↓こういう攻撃をどんどん出していけたら、悲願は現実のものとなるはず!


第2クォーターに入ると、じわりじわりと地力を見せてくるスロベニア。コート全体で1対1の圧力を掛けて日本のミスを誘発し、そこから一気に得点にまでつなげる攻撃で悠々と得点を重ねていきます。そうしたスロベニアの守備によるものか、日本は攻撃の軸として「成功率40%」を目指しているスリーポイントシュートがじょじょに決まらなくなります。スリーが決まらず、その結果ゴール下にも入り込む隙が生まれずといった悪循環で、攻撃面で苦しくなってきました。

スロベニアはややファウルを取られる機会が多かったため、日本はフリースローを多くもらう流れもあり、そこを100%で決めていったことで何とか食い下がれてはいたものの、ちょっとシュートの確率が悪いなという前半戦。第2クォーター残り2分からはスロベニアが一方的に得点を重ね、気がつけば36-50まで点差は広がっていました。うーん、さすが世界の強豪です!

↓スリーポイントが決まってくれば、こうして切り込んでいくことにもつながるはず!


↓ちょっとスリーポイントの確率が23%ではチームコンセプトとしても厳しい!
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第3クォーター、ドンチッチさんが上から見ていても虚を突かれるマジカルなパスで得点をアシストすれば、日本も馬場雄大さんがダンクを決めてチームを盛り上げるなど、熱い戦いを見せる両チーム。日本ベンチでは足首捻挫でぶっつけ本番のワールドカップとなる渡邊雄太さんが立ち上がってチームを鼓舞しています。しっかり座っていて欲しい気もしますが、その存在が心強い。

しかし、気持ちだけではなかなか勝てないのが勝負事。ドンチッチさんは尻上がりにドンチッチ感を増しており、コート全体を広く見て、フリーな選手に次々にパスを通していきます。ときには背面からかなり遠くにいるフリーの味方にパスを通すなど、アリーナ全体がどよめくようなプレーも。対戦相手ながらドンチッチさんを見ているだけで満足感を覚えるような見事なプレーの数々です。第3クォーターはさらに点差が広がり50-77。最後まで踏ん張っていきたいところです。

↓苦しいなかで日本に勇気を与えた比江島慎さんのプレー!


↓ホーバスヘッドコーチも厳しい顔でスコアボードを見つめます!
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意地を見せたい第4クォーター。はたしてその意地はしっかりと見せてもらいました。日本は最後まで足を止めず、攻撃に守備に走りつづけます。しつこく食らいついてボールを奪います。河村勇輝さんがドンチッチさんとのマッチアップで奮闘しながら、自ら切り込んで馬場雄大さんの得点をアシストし、さらに馬場さんとのコンビでダンクシュートも生み出すなど、さすがのチカラを見せます。勇気が沸き起こるようなダンクでした。

そして、日本のゴール下を守るジョシュ・ホーキンソンさんは相手のシュートを連続でブロックしたあと、返しの攻撃で今度はふたりに挟まれながらシュートを決め、さらにファウルももらうというスーパープレーで有明アリーナをこの日最高の興奮へと導きました。個人ファウル4つのホーキンソンさんが身を賭してゴールを守り、得点を決めた。スコアではなく情熱、勝ち負けではなく挑戦、まさにこれからのワールドカップに必要なものを感じさせるプレーでした。「最後まで戦う」その心、しかと見せてもらいました!

↓この日一番盛り上がった、日本が燃えたプレーでした!


↓最後は試合終了のブザーを待たずに68-103で決着!

点差はついたけれど、最後まで戦った!

日本には渡邊雄太さんの復帰という上がり目もある!

本番では必ずこれ以上の試合ができる!



この日は厳しい試合となりましたが、日本はまずは「1勝」を目指す立場のチーム。その意味で東京での強化試合3連戦はとても前向きなものとなりました。ワールドカップ出場国のアンゴラに勝ったことは本番への期待感を高める結果ですし、フランス・スロベニアに対してもチームの軸であるスリーポイントが決まっている時間帯はいい試合ができていたことは大きな収穫です。「確率40%」と言われてできるなら苦労はしないという話もありますが、そのコンセプトをしっかりと実現できれば結果もついてくると「信じる」に足る3試合だったと思います。このスロベニア戦だって本数は撃てているわけですから、チームとしてやっていることが大外れしているわけではありません。とにかく決めればいい、あとは決めるだけ、それだけです。

試合後に行なわれたワールドカップへ向けた壮行会で、ホーバスヘッドコーチは「BELIEVE!」というメッセージを残しました。自分たちを信じること、自分たちの戦い方を信じること。迷えば動きは鈍り、精度は落ち、勝利は遠ざかっていきます。迷わず恐れずやり切ることが勝利への第一歩です。そういう戦いを最後まで見せてもらえるよう、期待して見守りたいと思います。日本開催という機会は、そういう戦いが一番できるチャンスだと思いますので、こちらも揺るがず「BELIEVE!」で応援します!

↓日本一丸、BELIEVEの精神でいきましょう!
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↓散策の模様や現地会場の雰囲気などは動画でまとめていますのでご覧ください!




ワールドカップ前にこの目で見て、応援できて、気持ちがグッと熱くなりました!

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婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)

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