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バドミントン
2025年12月30日08:00
観戦納め(たぶん)してきました!
まずは年末のご挨拶からですが、2025年もありがとうございました。昨今は「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」程度の所感はSNS投稿で済んでしまうし、むしろSNSで即出したほうが界隈も盛り上がるということもあって、世のなかの大きな流れに沿った内容ではなく、すっかり自分の散策日記と化しております本稿ですが、今年もそれなりに数多くの投稿を重ねてまいりました。お付き合いいただいている皆さま、どうぞまた来年もよろしくお願いいたします。2026年も元気に楽しくたくさんの感想やら記録やら写真やらを動画やらを残していければと思います。
そんななか、決まっている予定はこれが最後、たぶん最後なんじゃないかなというお出掛けをしてまいりました。正月と言えばあのスポーツ、でおなじみのバドミントンです。いまひとつピンと来ないかもしれませんが、日本の正月の伝統的スポーツである羽根つき、あれが江戸時代にオランダ人医師によってヨーロッパに伝えられ発展したのが現代のバドミントンということもあって、正月と言えばバドミントンの季節というのが日本の伝統的精神となっております。と、それはもちろん嘘なんですが、AIにこのような主張をたくさん学習させれば100年後くらいにはそういう話になっていてもおかしくないというくらい、正月とバドミントンはよく合うでしょう。
家の前の公園とかで気軽に楽しむことができ、「ボールを使うな」だのという包括的かつ心の狭い注意書きに絶対抵触していないと主張でき、怪我とか事故とか起きなさそうで、走ったりしなくて疲れなさそう(イメージ)という、ズボラが怠惰な気持ちのまま「ちょっとだけ身体でも動かしますか」と一念発起したときにすぐ楽しめるスポーツ、それがバドミントンです。これだけの条件を備えたうえで、羽根つき感を演出できるのですから正月にやらずしていつやるのかという気さえします。いっそバドミントン側で「スコアは顔に書く」みたいなルールを作ってくれたら正月の覇権を取れるのにと惜しまれるくらい。とまぁ、そんな正月スポーツの王道がご近所のアリーナでやっているということで、僕も少し早めの正月気分を出そうと、全日本総合バドミントン選手権大会を見に行ってまいりました。
↓向かいましたのは味の素スタジアムのお隣にある京王アリーナTOKYO!
↓記念撮影とかで映えそうなスポットですが、日差しが強いですね!
↓優勝カップがその辺のテーブルにポンと置いてありました!
こちらでバドミントンの日本一を決める全日本選手権が開催されており、この日は各種目の準決勝が行なわれる日程でした。日本を代表する選手たちをまとめていっぺんに見よう…みたいな打算全開で決めた観戦日程だったのですが、痛恨の事態が。すでに正月気分も3日目に突入していたことですっかり僕の暮らしもダラけており、何と起きた時点でもう試合は始まっている時間だったのです。
公式サイトの速報など見ますと、混合ダブルスの準決勝ひと試合目は試合時間36分で早々に決着するなど、まったく淀みのない進行で競技は進んでいます。急ぎ現地に向かったものの、結局「この日どれか1試合選ぶなら」の1位指名候補であった女子シングルスの準決勝、奥原希望さんVS宮崎友花さんの試合には間に合わず。女子シングルスのもう1試合も最後の決着のあたりを見掛けただけという滑り出しとなり、出鼻を鼻骨の根本からくじかれてしまいました。
まぁこの点に関しては、遅く起きた僕も悪いけれど、調布で午前10時から試合を始めるという日程もお客様に見せるイベントとしては正直どうかと思いますので(←自分にとって近所であることは一旦置く)、反省はせずでいこうと思います。それに混合ダブルスと女子シングルスは終わってしまっていたとしても、まだまだ男子シングルスと男女ダブルスの準決勝が行なわれますので、気を取り直して楽しんでいきましょう。
しかし、出鼻くじきはコレで終わりませんでした。いざ着席した僕を待ち受けていたのは、超見切れ席みたいな会場レイアウト。「あぁ、そう言えば前もこうだったな…」と思い出しましたが、京王アリーナTOKYOの微妙な高さ&緩い傾斜のスタンド席と、フロアに仮設のアリーナ席を置きつつコートを複数面取る設営とのバッドマッチングによって、自席から見て手前側にレイアウトされているコート2はほとんど見えない状態になっていたのです。
進行の関係もあって、男子ダブルス準決勝は2試合ともコート2で行なわれたため、男子ダブルスもごっそり見逃した感じになってしまいました。もともと10試合あると思っていたのに、混合ダブルス準決勝2試合(寝坊)、女子シングルス準決勝2試合(寝坊)、男子シングルス準決勝1試合(見切れ)、男子ダブルス準決勝2試合(見切れ)、女子ダブルス準決勝1試合(棄権)で都合8試合分見てない感じになるとは…うーむ、これでこそ正月気分といったところでしょうか。毎年見ているはずなのに何も思い出せない正月のお笑い番組みたいな、見てるんだか見てないんだかという。
↓男子ダブルスの準決勝、岡村洋輝/三橋健也ペアVS霜上雄一/野村拓海ペアの試合をやっていたらしき光景!
↓男子ダブルスの準決勝もうひと試合、山下恭平/緑川大輝ペアVS熊谷翔/西大輝ペアの試合をやっていたらしき光景!
ただ、そんななかでもメインのコート1で行なわれた試合はしっかり見守ることができ、しかも大熱戦となったのはありがたい限りです。まず、男子シングルスの準決勝では、奈良岡功大さんと西本拳太さんによるパリ五輪日本代表の直接対決が行なわれました。第1ゲームは多彩なショットとゲーム構築で西本さんの強打を封じ、ネット際で苦しい返球を強いつづけた奈良岡さんが先取しますが、ここから試合は混沌としていくことに。
第2ゲームに入ると、何がどうしたのか西本さんが7連続得点&ひとつはさんで6連続得点として、1-13という大量リードに。もはや途中から奈良岡さんは「このゲームは捨て!」と決めたか、追えば届きそうなシャトルを追わなくなったり、背中のほうに超えていくシャトルを背面打ちみたいな感じで返そうとした際には自分のコートにシャトルを叩きつけるという珍しい場面も見せました。ゲーム終盤には「1球でも早くこのゲーム終えたい!」みたいな速攻プレーとなり、シーズン終盤の過酷なコンディションを滲ませつつも、いい意味での割り切りのよさも見せます。
最終第3ゲームにもつれた試合は、一進一退の攻防からジワリジワリと西本さんがリードを広げ、一時は9-13と4点差がつきますが、ここから奈良岡さんが日本のエースの底力を見せました。連続得点で息を吹き返すと、尻上がりに動きも軽快になり、ゲーム終盤は加速装置でもついたかのような猛攻で怒涛の6連続得点。試合途中には勘がズレていたインアウトのジャッジもしっかり見極めが効くようになり、取れるポイントを逃さず、勝てるタイミングで一気に勝ち切りました。多彩なショットと安定したプレーに加えて、オンオフのメリハリみたいなものが鮮やかないい試合で、「前の試合見てないけど今日のベストゲームきっとこれだったな」と思いましたよね。
↓捨てた第2ゲームのスコア(6-21)を眺めながら詰められてると思しき奈良岡さん!
↓最後は怒涛の猛攻で勝ちました!最後が一番強かった!
その後、見えるほうのコート1では女子ダブルスの準決勝、保原彩夏/廣上瑠依ペアと志田千陽/五十嵐有紗ペアの試合が行なわれました。組んで間もない新造ペアながらともに五輪メダリストという注目のシダガシペアは、ファンからの人気・知名度もそれぞれ高いようで入場するやグッと会場の熱気もあがってきます。
その戦いぶりは超攻撃的。バドミントンのペアの試合だと、常に役割が固定されるわけではないとは言いつつも、ひとりが受けでひとりが攻めでみたいな何となくのボケ・ツッコミの関係性がうかがえるものですが、このペアは「隙あらば決める」と思っているハンターが2人で試合をしているかのよう。どの1球にも「今決められるかな?」から入っている感じで、殺気がこもったシャトルがビシビシ飛んでいきます。
組んでまだ日が浅いという弱みもそうした攻撃的な姿勢が埋め合わせているようで、お見合いになるくらいならふたりで飛び込むという前掛かりのプレーぶりは見ていても気持ちいいもの。サーブから決めに行く、サーブのリターンで決めに行く、隙あらば打て打て打て打てのハイテンポなバドミントンは一度ハマったら相手が建て直す間もなく試合を終わらせてしまいそうな予感も。まだロス五輪は先の話ですが、代表争いでも大きな注目を集める存在となりそうだなと思いました。
試合のほうは第1ゲームを志田/五十嵐ペアが一打一打にこもるパワーとスピードのクオリティで押し切って取るも、第2ゲームは16-11の状況から保原/廣上ペアが相手の前掛かりな性質を粘りの守備で上手くいなしてデュースに持ち込み逆転で取り返します。最終第3ゲームは、強力な攻撃にさらされる精神的な疲労感でもあったのか、終盤にきて保原/廣上ペアがパワーダウンするように勢いを失い、ミスによる失点が重なります。このあたりはメダリスト2人ぶんの重みが物を言ったかもしれません。結局試合は2-1で志田/五十嵐ペアが勝利し、決勝進出を決めました。お強い!
↓縦並びよりも横並びが似合う、そんなペアでした!
↓何やったか忘れましたが、何かやっちゃったときの志田さんです!
↓仲が良さそうなペアで何よりです!
充実の観戦を終えまして、その後は関連イベントの散策などに繰り出します。アリーナ前の広場では、バドミントンを熱心に応援しているダイハツ工業さんによるクルマのペーパークラフト作りのブースや、バドミントングッズのセールなどが行なわれていましたので僕も冷やかしていくことに。クルマにはそんなに関心がなさそうなバドミントン界隈ですが、セールのほうではめちゃめちゃ盛り上がっており、目の前で5万6000円だかのヨネックス福袋が売れていったのには僕も気分がアガりました。
別のブースでもセールが行なわれており、あまりに皆さんが「安いな!」「安い!」「マジかよ!」とか言葉に出しながら買い物しているので、使う予定もないし全然いらないんですけどバドミントンのウェアとか買いそうになっちゃいましたよね。バドミントンのウェア3枚1650円、相場がよくわかんないですけど、新品のポロシャツだと考えても安いですよね。今頃になってやっぱり買っておけばよかったかななんて思います。
まぁその安さのせいか、セールをやってるブースの隣で小椋久美子さん(日本エアバドミントン連盟会長)がエアバドミントンなる屋外用のバドミントンのピーアール活動をしているのに、そっちにはそんなに人が群がらず人々がひたすら福袋の中身をチェックしているという現実味あふれる場面なども垣間見られ、僕の非日常と界隈の日常の温度差みたいなものも感じられる観戦となりました。会場に置いてあったトロフィーとかも基本見向きもされず、その対面に置いてある選手アクスタのほうにみなさん群がってましたし、トロフィーとかオグとかシオとかは界隈的にはもう慣れ過ぎているのかもしれませんね。「そんなことよりお得なお買いものをしたいんじゃ」というある意味で年の瀬らしい賑わいに触れる観戦納めとなりました。2026年は僕もそのぐらいの気楽な感じで、お出掛けなどしていけたらいいなと思います!
↓バドミントンのウェア3枚で1650円はやっぱり安いですよね!着ないのに欲しくなってきた!
↓小椋久美子さんがエアバドミントンを猛アピールしてくれていました!
ちなみに、後ろの皆さんはバドミントン版ストラックアウトみたいなミニゲームの順番待ちの方です!
順番待ちの間は、皆さん前の人のミニゲームを見ているようでした!
2025年もたくさん楽しませてくれたスポーツ界の皆さんに感謝です!
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2023年12月30日08:00
コンディション不良で棄権じゃ仕方ない!
本日はお出掛けの記録です。仕事納めも無事に終わり、気力と体力が甦ってまいりましたのでバドミントンなどを見てまいりました。とは言え、いきり立ってという感じではなく、バス1本で行ける範囲でいい感じの大会があるのでフラッと…くらいの軽い気持ちです。映画ファンが道すがらフラッと映画館に入る、くらいの感覚でスポーツ観戦に行くパターンもある、そういう話です。
↓やってまいりました第77回全日本総合バドミントン選手権大会!
会場には熱心なバドミントンファンが多数来場しており、年末らしい賑わいを見せています。ファンが集うことを見越してか協賛各社も熱心にブース展開などしており、観戦前の散策も大いに捗る感じ。まずはミズノさんやヨネックスさんなど、用具メーカーさんの出展などを冷やかしていく僕。「ほほーん」などと買う気ゼロパーセントの顔でふむふむと頷きながら通過していくのですが、さすが生粋のバドミントンファンが集う大会だけあって来場者の反応は真剣そのもの。「試し履きOKです!」と靴が並んでいるブースでは、本当に試し履きしている人などもおり、ちょっとした靴屋みたいな雰囲気も。試着室があればこの機会にウェアもいっちゃうんじゃないかという本気度で、ブースの係員さんもやり甲斐がありそうです。
↓ご自由に試し履きしちゃってください!
そうした用具関連以外でもお楽しみがさまざま。競技場の外では、屋外用のバドミントンだという「エアバドミントン」の体験イベントが行なわれており、専用のコートで体験プレーができたり、的当てゲームで高得点を出すとグッズがもらえたりするのだと言います。これは僕もぜひやらせていただこうと早速列に加わります。
しかし、僕にはひとつ心配がありました。それは僕がバドミントン能力がゼロであることです。まぁどの競技なら得意ってこともないのですが、とりわけ壊滅的なのがバドミントンでして、僕はバドミントンのサーブが打てないのです。シャトルをポトッと落として叩くときに、どうしても羽根のほうが下になって落ちてくるのです。物理的にあり得ないと頭では思うのですが、現実に羽根から落ちてくるのですから仕方ありません。当然、叩いたシャトルはペソッと目の前に落ちてしまいます。
「うーん、体験しないとブログにならないが、体験したら恥ずかしい感じになりそう」と案じながらの1球目、僕が叩いたシャトルはカコーンといい感じで飛んでいくではありませんか。エアバドミントン用に作られた「風の影響を受けにくいシャトル」とやらが、もしかしたら僕の周辺で生まれるシャトルをひっくり返す謎の風を無効化していたりするのでしょうか。とにかく、人生で一番気持ちよくシャトルを飛ばすことができて、とても気持ちいい体験となりました。
↓的当てゲームで高得点を取ると、キャップとかTシャツがもらえるぞ。
なお、僕のシャトルは気持ちよく飛び過ぎてホームランを連発してしまい、無得点でした。
飛ばないよりはマシ!
そのほかにも場内では、使わなくなったラケットやシャトルを回収して世界のバドミントン仲間に届ける取り組みの回収ブースや、日本バドミントン協会のオフィシャルファンクラブのブースなどもあり、試合観戦に入るまでに何やかんやで30分ほどブラブラしてしまうことに。純粋に試合だけやっている感じを想定していたので、思いがけず楽しい散策となりました。「全日本」感があっていいですね。
↓使わなくなったラケットを回収して世界の仲間に届けてくれるとのこと。
↓バドミントン協会ファンクラブのアンケートに回答したら素敵なステッカーをくれました。
そんなこんなで充実の散策を終えた僕はいよいよ試合観戦へ。今大会はさすが「日本一」の名誉を争うというだけあって、日本を代表する強豪が多数名を連ねております。男子シングルスでは現在世界ランキング2位としてパリ五輪にもっとも近い位置にいる奈良岡功大さんをはじめ、再び頂点を目指す桃田賢斗さん、パリ五輪争いで上位につける西本拳太さん(※今大会棄権/12月24日発表)などのそうそうたる顔ぶれが。
女子シングルスではパリ五輪金候補の一角である山口茜さんは怪我で不参加となったものの、現在の世界ランキングで日本勢2番手につけパリ五輪出場圏内にいる大堀彩さんのほか、ここからの上位進出で再び五輪を目指す奥原希望さんらが出場。男子ダブルスには現在日本勢で世界ランク最上位の保木卓朗/小林優吾組(※今大会棄権/12月24日発表)が名を連ねました。
注目の女子ダブルスでは、フクヒロの愛称でおなじみの福島由紀/廣田彩花組は怪我で不参加となりましたが、現在日本勢で世界ランク最上位の志田千陽/松山奈未組(※今大会棄権/12月24日発表)、ナガマツの愛称でおなじみの永原和可那/松本麻佑組(※今大会棄権/12月24日発表)の名が。さらに混合ダブルスでは東京五輪でメダルを獲得した渡辺勇大/東野有紗組も名を連ねました(※今大会棄権/12月24日発表)。
この日の準決勝では、そんなそうそうたる顔ぶれのなかでも注目の試合が予定されていました。まずは女子シングルス準決勝では「パリ五輪に行くのはアタシだよ!」の火花がバチバチ散る感じの直接対決、大堀彩さんVS奥原希望さんの試合。そして、男子シングルスではこれが公式戦で初の対戦となる、「日本のエース」は誰かを懸けたプライドの一戦、奈良岡功大さんVS桃田賢斗さんという世界バドミントン界も注目せざるを得ないビッグマッチが。僕がこの日の準決勝を見ることを決めた時点では、こんなビッグマッチが行なわれることになるとは決まっていなかったのですが、思いがけない剛運を見せた格好です。我ながらチケットのヒキが強い!
↓大観衆が日本一を懸けた選手たちの戦いを見守っています!
↓この大会はパリ五輪の出場権争いに関係はないけれど、負けるわけにはいかない大堀彩さん!
↓この大会はパリ五輪の出場権争いに関係はないけれど、勝って「ここにあり」を示したい奥原希望さん!
まるでどこかの国際大会の決勝戦のようなカードに、一段と熱気高まる場内。BS放送の中継で解説をつとめる高橋礼華さんが「(事実上の決勝戦)ここでやるのがもったいない」「(観衆は)目に焼きつけて帰ってほしい」と語るほどの大一番は、まさに「決戦」というつばぜり合いに。上背とリーチのある大堀さんが強いショットで打ち抜こうというプレーを見せれば、スタミナ・スピード・動きが戻ってきた奥原さんはそれを拾って、前後左右に揺さぶって粘りのプレーを見せます。
第1ゲームは大堀さんのショットがネットに捕まったりアウトになる場面が目立ち、序盤で点差を広げた奥原さんがゲーム終盤の猛追を振り切って先取。「ここに打たれたらイヤだな」という場所にシャトルを持っていく奥原さんの組み立ての上手さが光りました。第2ゲームは一進一退の攻防となりますが、先にマッチポイントを握ったのは奥原さん。しかし、あと1点で決着という20ー18から大堀さんが自サーブで巻き返して追いつくと、奥原さんはサーブがアウトになったりレシーブが空振ってしまうなど珍しいミスが出て、大堀さんがゲームを取り返しました。うーん、熱い。
ただ、第3ゲームは体力面で少し差が出てしまったでしょうか。第2ゲーム終盤からヒザに手を置いたり、ラケットを突いて立ち上がったりするような場面が見えていた大堀さんの動きが鈍り始めます。奥原さんの揺さぶりに対してあと一歩(あるいは最初の一歩)が出ないような感じで、際どいコースへのショットをそのまま見送ってしまうような場面も。返すショットも、「その場で」打っている感じのものが多く、いいコースに返すことができなくなりました。結局このゲームは奥原さんが21-13で取り、復活を改めて印象づけることになりました。
↓「全日本」にふさわしい熱い試合を見せてくれた両選手に感謝です!
さーて、いよいよ世界が注目のビッグマッチ、男子シングルス奈良岡功大さんVS桃田賢斗さんの試合が始まる…と思ったのですが、先の大堀さんと奥原さんの試合途中に残念なアナウンスが。何と、奈良岡さんがコンディション不良で大会を棄権するのだとか。これには会場からも「えーーーーーっ」の声が漏れるのは致し方ないことでしょう。この先いつ行なわれるかわからない対戦だけに、せっかくなら練習だけでも見たかったのは正直なところ。(※ちなみに男子シングルス準決勝は、もう1試合も試合途中で棄権により決着)
ただまぁ、こうなるのもしょうがないかなと思います。ここまでもチラホラと混ぜ込んではおりますが、この大会は日本一決定戦という建付けではあるものの、懸かっているのは名誉だけで「賞金などが出るわけではなく」「パリ五輪出場権争いにはまったく関係なく」「有力選手も多くが棄権している」のが実情。一応優勝すれば「来年度の代表チーム入り」が決まるというメリットはありますが、国際試合を転戦してきた上位選手にとっては特に何かプラスアルファがあるわけではありません。2週前に行なわれたワールドツアーファイナルズまで出場した選手にとっては、2024年のツアーに向けて休むタイミングがここしかないという時期でもあります。まぁ、客観的冷静に考えれば残念ながら棄権が妥当と言える大会です。
僕が底意地の悪い協会会長なら「世界ランキングに基づいて個人として出場権を獲ったとしても、全日本に出場していない場合は協会として五輪に派遣しない」くらいの人権無視な付帯条件でもつけるところですが、そうしないのは日本バドミントン協会の優しさでしょう。「いや、そんなことより賞金を」的な声もあるかもしれませんが、どっちかと言えば参加料を取って大会やってるくらいの話ですので、無い袖は振れないのです。「理事がポケットマネーからカンパして賞金680万円を出す」くらい言えばもうちょっと選手も頑張るかもしれませんが、五輪に出ることが最優先というのはひっくり返らないでしょうから、五輪イヤーはこんなものと受け止めるしかないかなと思います。
それでも、ここからさらに上位を狙っていこうという若手選手や、奥原さんのように復権を目指すベテランが勢いをつけていくには、やはり「日本一」という誉れは重要なものでしょう。「金ないンだわ」ということであればこの誉れの部分だけでも、もっとドーンとクローズアップしまして、「やはりこの大会に勝ってこそ日本で一番強い選手なんだ」と皆が思うような、そういう運営・そういうアピールをしていくしかないのかなと思います。いろんな競技において、たとえ世界で活躍する選手であっても、勝ったら泣くのが「全日本」というタイトルです。日本で一番強い選手が勝って泣く大会、そういうものであればメリット云々だの賞金云々だのという話は出ないと思いますからね!
↓なお、この大会の優勝者がもらうトロフィーがロビーにポンと置いてありました!
ガラスで囲ってあったところで盗賊がハンマー持ってたら意味ないですからね!
ガラスないほうが写真撮りやすくていいと思いました!
まぁ、テニスみたいに「視線は常に世界」っていう感じもアリかもしれませんが!
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2022年08月29日08:00
世界バドミントン東京開催、大成功でした!
本日はお出掛けの記録です。行ってまいりました、史上初の日本開催となった世界バドミントン東京大会へ。連日の熱戦をチェックしつつ、確信を持った決意で購入した決勝のチケット。「日本勢の誰かは必ずここまで来てくれるはずだ…」という思いで、決勝は現地で迎えることとしました。地上波での録画中継を決めていたテレビ朝日も確信しながら震えていたことでしょう。本当に誰も進出しなかったらどないしよか…と。
そんな不安は杞憂に終わり、日本勢からは女子シングルスの山口茜さんと、混合ダブルスの渡辺勇大・東野有紗組(ワタガシペア)が見事決勝に進出。日本バドミントン界が、大きな期待を背負いながら東京五輪では取り逃がした「自国開催での金」という夢、今度こそ叶えてくれることでしょう。
会場となる東京体育館の周辺は大にぎわいでごった返しています。しかも、若干のアブない気配も感じさせるように、いかつい兄さんたちが大挙して押し寄せています。「闇カジノでもできたかな?」「すんげぇサングラスですね」「バドミントンファンはこんなに荒んでしまったのか…」と訝しんでいると、どうやらお隣の国立競技場でYAZAWAがコンサートをしているためである模様。ふぅー、あぶないあぶない、単なるYAZAWAコスプレの皆さんだったようですね。
↓東京で世界一を目撃する気持ち、選手も観衆も一緒です!
早速入場しますと、YAZAWA勢を除いても大変なにぎわいです。世界選手権にふさわしく、日本のファンだけでなく中国の方や東南アジア方面の方もかなりの数がいらしている模様。各国の選手に熱い声援が飛んでいます。一応、運営サイドからは日本側の方針として声援はお控えくださいとの呼び掛けも出ておりますが、世界にはそのあたりは通じない感じのようで、「加油!加油!」などの声援は止むことはありません。このあたりはハリセンの使い方レクチャーも含めて、運営サイドにも改善の余地がありそうです。まぁ、次回の東京開催の際には、その反省は活かす必要もないかもしれませんが。
↓場内は色鮮やかにライトアップされてとてもキレイ。
↓待ち時間も含めていちいちオシャレ。
↓各国の熱い応援団が駆けつける世界大会らしい光景。
↓一応、ハリセンで応援してほしいというスタンス。
↓一応、大声での応援は止めてほしいというスタンス。
この日は5試合が予定されており、各種目の決勝戦が行われます。日本勢が登場する試合があとの方にまわっておりますので、まずは男子ダブルス、女子ダブルス、男子シングルスの観戦などをしていきますと、試合とともに見事な演出面が印象に残ります。富士山型の大型モニターに選手の写真を映し、モニターの一部が扉のように開いて選手が登場してくる入場の場面。音楽がドーンと鳴り、光がビガビガッと輝き、煙がプシューっと出る。歩いてくるだけで高揚するような演出で、試合を盛り上げてくれています。ライトアップされたセンターコートは試合も見やすくて結構ですし、決着後にはこれまた煌びやかなセレモニーと、アリーナを一周するビクトリーランが用意されています。そして、その全体を大きな拍手が支えています。
1年前、同じ東京で勝った人に対しては十分な「讃え」をしてあげられませんでしたが、今大会でそれが少し取り戻せたのかなと思いました。もちろん同じ人がメダルを獲るわけではないので完全に報いることはできないわけですが、「おめでとうございます!」という気持ちが伝わっていたらいいなと思います。あのときも、できればこれぐらいドーンといきたかったんですわ、という気持ちが。
1年前、同じ東京で勝った人に対しては十分な「讃え」をしてあげられませんでしたが、今大会でそれが少し取り戻せたのかなと思いました。もちろん同じ人がメダルを獲るわけではないので完全に報いることはできないわけですが、「おめでとうございます!」という気持ちが伝わっていたらいいなと思います。あのときも、できればこれぐらいドーンといきたかったんですわ、という気持ちが。
↓ド派手演出での景気いい入場。
↓勝って喜びを全身で示す者。
↓表彰式は富士山のふもとで。
↓勝者には場内を一周してビクトリーランをする栄誉が。
先の試合を見守っていると、日本勢にもひとつくらい金を獲ってほしいという気持ちがメラメラと高まってきます。最初からそのつもりではありますが、なお一層そう思います。東京五輪、日本勢全体のなかで「期待と現実」のギャップがもっとも大きかったのはバドミントンだったと思います。最大で「金複数個を含む全種目メダル獲得」まで可能性はあったと思いますが、実際には混合ダブルス・ワタガシペアの銅1個に留まりました。
多い少ないでどうこうとは思いませんが、選手たち自身も十二分に満足できる形ではなかったと思いますし、関係者にもそういう思いはあるでしょう。そしてファンにとっても。日本のバドミントンは強い、中国にも負けない、世界一になれる、そう思って挑んだ大会としては、やはり心残りがあるものだったと思います。特に、東京五輪は自国開催というまたとない機会だったのですから。あのときの無念を乗り越えるのは今日しかない。そんな気持ちが俄然高まってきます。
そうした期待を背負って登場したのが、女子シングルス山口茜さん。昨年の世界バドミントンを制した現女王は今大会も強豪を撃破しながら順調に決勝まで勝ち上がってきました。東京五輪では惜しくもメダルに一歩及びませんでしたが、この日の対戦相手はその東京で金のチャン・ユーフェイということも含めて「あの日のぶんまで」の期待がかかります。
↓頼むぞ山口さん、東京で金を!
第1ゲームは、山口さんの一方的な展開。立ち上がりこそ揉み合いがあったものの、中盤以降は連続得点で山口さんが突き放し、21-12の大差で先取します。コートを幅広く動き、前進しながらの連続スマッシュなど、山口さんの光るプレーが随所に見られました。
しかし、第2ゲームに入るとガラリと流れが変わります。微妙な風上・風下の違いでもあるのか、あるいは第1ゲーム先取で勝利を意識したのか、際どいシャトルが何度もネットに引っ掛かり、失点を重ねていきます。ゲーム途中には少し苛立つような表情を見せる場面も。
↓第2ゲーム、どうにも上手くいかない山口さん。
ただ、ここは東京で、今回は有観客の試合です。中国応援団もそこそこいますが、会場の大半は日本のファンです。掛け声こそ控えますが、何とかして山口さんを支えようという思いはひとつ。そんなとき拍手だけでもできることはあるんだなと思ったのが、山口さんのピンチに自然発生的に「ニッポンチャチャチャ」のリズムで拍手が起こったこと。一部で生まれたそのリズムで、みんなピンと来たのでしょう。このリズムなら日本選手への応援が伝わるはずだと。
さらにパンパンパンという3連打がこれまた自然発生的に起こります。これもまたピンとくるもので、「あ・か・ね」だなと何となくわかるのです。厳しい場面、痛い失点のあと、踏ん張りどころで「ニッポンチャチャチャ」と「あ・か・ね」が起こる会場は、これぞ自国開催だなと思う素晴らしい空間でした。
第2ゲームは落としたものの、再びコート入れ替わって始まった第3ゲームは、序盤から山口さんが走ります。前後左右に相手を動かしながら、虚を突く変化で手も出せないような攻撃の連続。7連続ポイントで8-1のリードを築きます。中盤以降は再度コートチェンジで入れ替わりますが、これだけの差があればそうそう追いつけるものではありません。着実に得点を重ね、20-12でマッチポイントを迎えます。少々の足踏みを経て、最後は21-14で第3ゲームを取り、世界バドミントン2連覇を東京で達成しました!
↓ダイビングした際に手をすりむく場面も。
↓客席からはオグシオも熱視線を送る。
↓勝利が見えてきても表情は変わらない。
↓あとは決まるのを待つだけ、盤石のマッチポイント。
↓写真だとあんまり伝わってこないですが、勝ちました!
↓ほんのり笑顔も見せてくれました。
山口さんはアスリートに限らず、一般の人のなかに入っても小柄な身長156センチの選手。コートの広さをカバーするには、ほかの選手より多く動き、長く走らなければなりません。それは一般論では不利な条件です。ただ山口さんは、必ずしもサイズがすべてではないな、と思わせてくれる選手でもあります。サイズはない代わりに、山口さんにはスピードと運動量があります。ダイビングしてからすぐさま立ち上がって再度逆方向にダイビングする気力があります。同じフォームから最後にクィッと打つ方向を変える技術があります。
そして、抜群の当て勘があります。通常なら落下点に入って理想的なフォームでシャトルをとらえたいものですが、山口さんは必ずしも理想を求めません。横っ飛びしながらのスマッシュ、ダイビングしての返球、大きく反り返って右手を左半身を超えて伸ばしてさえいきます。野球なら「悪球打ち」と呼ばれるような、どんなシャトルにでも手を出して返してしまう選手です。この日、山口さんがダイビングした回数は、ほかの全選手を足したよりも多いのではないかと思います。こんなに地面に這いつくばるトップ選手はそういるものではありません。
ゆえに山口さんのプレースタイルはとても個性的で、世界のトップ選手のなかにあっても際立つ魅力があります。「サイズがない」からこそ、遠くのシャトルを何とかして返す必要に迫られて生まれたスタイルかもしれませんが、「バドミントンが好きだ」という気持ちがこんなに伝わってくるスタイルはないなと思います。どんなシャトルでも返したい、シャトルを打ち合うのが楽しい、その情熱でこちらまで燃え上がるようでした。自分のなかの「歴代」に加わるような熱い試合でした。東京五輪のぶんまで応援できたような気分になりました。熱戦でした!
↓金メダルは自分で首にかけます。
↓メダリストが集合しての記念撮影。
↓表彰台に座っての記念撮影。
その後、日本勢からは東京五輪銅のワタガシペアが混合ダブルスの決勝に登場。こちらは中国ペアにチカラ及ばず試合を落としますが、それでも見事な銀メダル。苦しい展開でもタッチとコミュニケーションを欠かさず、互いにカバーし合うチーム力はさすがでした。押されながらも一旦は同点まで盛り返した第2ゲームの粘り、お見事でした。東京五輪で日本バドミントン界を救ったペアが、この大会でも大トリの試合に登場してくれている、「ありがとう」しかない有終の銀でした!
↓試合はかなり苦しいものでしたが、ペアとしてしっかり戦ってくれました!
↓メダルを互いに掛け合うワタガシペア。
日本での初開催ということで、始まるまではいろいろと不安もありましたが、そうした不安はすべて杞憂に終わり、素晴らしい大会として幕を下ろすことができたのではないかと思います。結果も、内容も、盛り上がりも、素晴らしかった。個人的にも「ニッポンチャチャチャ」と「あ・か・ね」のリズムは、忘れがたい記憶として胸に刻まれました。少し先の未来ではそんな工夫をする必要もなくなっているとよいのですが、「昔、観戦中に声を出せない時代があってな…」という思い出話をするときには、この日の話をしようと思います。
できることなら山口茜さんとワタガシペアの決勝戦を、ライブでテレビ中継してくれていたら、もっと熱い波が広がったのではないかと思いますが、まぁそれはまた次回への課題なのでしょう。この素晴らしい試合を録画中継用に編集しながら、「あー、ライブで流しておけばよかったなー」「せめてCSかBSで生中継だよなー」「何のためにチャンネルいくつも持ってるかわからんもんなー」と率直に思ったスタッフが猛反省してくれるよう期待したいものですね!
↓少しでも現地の興奮が伝わればと祈って動画でレポートします!
2013年のヨネックスオープンも現地でしたので、茜さんとは縁がありますね!
2021年07月30日08:00
「生涯最高」を目指す人の姿は、素晴らしい!
明暗分かれる五輪です。明も際立っていますが、暗もまた際立っています。2020年であれば、きっと金メダルだっただろう選手が数多く苦杯を舐め、大会を早々に去っています。特にその暗の部分が折り重なっているのはバドミントンでしょう。
大会前にはこの五輪は日本にとって「バドミントンの大会」になるとさえ思っていました。男子シングルス・女子ダブルスでの金メダル、女子シングルスでのメダル獲得、その勢いで男子ダブルス・混合ダブルスもいけるんちゃうんか、と全種目でのメダル獲得も念頭にありました。それぐらい実績があったし、期待は高かった。それが今やメダル獲得の望みがあるのは女子シングルスと混合ダブルスのみ。金の可能性を残すのは女子シングルスだけとなりました。
#東京五輪 バトミントン男子シングルスで桃田賢斗選手が決勝トーナメント進出を逃しました(撮影・渡辺二美一)https://t.co/DLZ6My4Cjs#tokyo2020 #badminton #olympics #桃田賢斗 #バドミント pic.twitter.com/aU08bUvNK9
— 共同通信写真部 (@kyodo_photo) July 28, 2021
2020年に予定通り大会が行なわれていたら、きっと今とはまったく違う結果が出ていたでしょう。ただ、時計は予期せぬ形で1年動いてしまいました。その1年の間、試合も満足に重ねられないなかで、不安が首をもたげてきてしまったのかもしれません。「この相手に勝つにはすべてをぶつけるしかない」と鬼気迫る攻撃を見せる相手に対して、受けにまわってしまうような姿が印象的でした。世界1位、世界選手権王者、そういった看板が逆の効果を生んでしまったように思います。
特にこの時計のズレによって不遇の五輪を迎えたのは、女子ダブルスの福島由紀・廣田彩花ペア、通称フクヒロペアでした。6月の合宿中に廣田さんが負ったという右足前十字靭帯断裂の大怪我は、五輪終了後はすぐに手術を受けなければならない状態だといいます。試合会場に現れた廣田さんの右ヒザには素人目にも「靭帯が切れた」とわかるサポーターが巻かれており、異変は明らかでした。
初戦をイギリスペアに勝利、2戦目はマレーシアペアに勝利して決勝トーナメント進出は決めたものの、3戦目の世界ランク6位インドネシアのポリー/ラハユペアには振り切られて2勝1敗。ポリー/ラハユペアとの試合では、デュースの末に1ゲーム目を落としたことで3ゲーム目までもつれる展開となり、3ゲーム目は力を少しでも残すかのように大差で落としました。
2勝1敗での決勝トーナメント進出により、準々決勝は優勝候補の一角である中国のチェン/ジアペアとの組み合わせに。1ゲーム目は廣田さんに相手のシャトルが集中したこともあって、むしろ狙いを絞りやすいという対処のしやすさもありましたが、コートを広く使って来られるとどうしても「あと一歩」の遠さを感じます。後衛で強打をしようとするときにカクッと抜けるひざ、前衛で短いショットを拾おうとするときに踏み込めないひざ、ここに立てただけでも奇跡的なのだろうと思います。
バドミントン女子ダブルス準々決勝、福島由紀(左)と広田彩花(29日、武蔵野の森総合スポーツプラザで)若杉和希撮影 写真速報はこちらhttps://t.co/oryxSSUc9S#tokyo2020 #オリンピック #Badminton pic.twitter.com/3k3jyRoV6l
— 読売新聞写真部 (@tshashin) July 29, 2021
予定通りに大会が行なわれていれば。あと1ヶ月怪我の時期が遅ければ。繰り言しか出ないだろう状況にも、フクヒロは不満や憤りを見せることはありません。仲間の動きに不安があるなら、自分がそのぶんまで動けばいいという福島さんのフットワーク。試合中にも笑顔で言葉を交わしながらプレーする姿がやけに心に残ります。楽しそうです。
1ゲーム目は取るも、2ゲーム目以降は大差の展開となり、ゲームカウント1-2で敗れたフクヒロペア。最後のポイントを失うとともに、廣田さんは右ひざを沈み込ませるようにして動きを止めました。そして、手を合わせ、肩を抱き合ったふたり。中国ペアから怪我の箇所を心配されると、健闘を祈るように相手の背中を叩きました。涙はあるけれど、笑顔のままで泣いています。輝いています。
「痛かったと思うけれど、頑張ってくれた」
「ふたりで楽しくやれたと思います」
「たくさんの人に支えられてこの舞台に立てた」
「ふたりで思い切ってプレーできたことが本当に幸せでしたし、本当に福島先輩には感謝しています」
「精一杯やった結果がこれなんですけど、自分たちの思いだったりが届いていればいいなと思います」
そんな言葉を残して会場を去ったふたり。今大会を通じて福島さんは「楽しい」を何度も繰り返しました。廣田さんも謝りはしませんでした。目指していたものとはまったく違う現実でも、それでもやはり「楽しい」「幸せ」だと。それは心の真実だろうと思います。すべてが上手くいったわけではないけれど、絶望的な困難から這い上がって、目指していた場所にちゃんとたどり着けたのですから。
【#東京オリンピック】インタビュー
— gorin.jp (@gorinjp) July 29, 2021
フクヒロペア「応援してくれた方々に感謝」バドミントン女子ダブルス準々決勝 インタビュー#Tokyo2020 #gorinjphttps://t.co/bAXQIwbQdD pic.twitter.com/2jF8cZwsCq
バドミントンのペアは一蓮托生のパートナーです。パートナーが怪我をしたからといってすぐさま取り替えはききません。怪我や病気、不幸はすべてふたりに同じだけのしかかってきます。たとえばひとりに感染症の陽性反応が出たら、もうひとりがどれだけ元気であっても、そこで大会は終わりです。個人として出場するよりも倍の難しさがあり、倍の困難があります。
そのぶん自分だけではできないことを「この人と一緒なら」と乗り越えていくこともできます。倍の楽しさがあり、倍の幸せがある。ふたりでいるために移籍もしたし、ふたりだから世界1位にもなったし、本気で五輪の金メダルを目指せたし、こうしていくつかの勝利を残すこともできた。右足が怪我をしたとき、左足は右足を責めません。右足が怪我をしたときは左足が右足を懸命にかばって、少し痛むのです。それがペアです。
ただでさえコロナ禍によってとても難しい状況のなかで、「もうダメだ」と思わざるを得ない怪我をした。それでも「私が立たないと、あの人もたどり着けない」と思ってくれたパートナーがいて、その頑張りがわかるからこそ「ここまで一緒に来られて、楽しい」と笑顔を見せるパートナーがいる。最後までチャレンジをできることへの感謝と、この夢を目指した時間にちゃんと決着をつけられることの喜びがふたりの間にはある。右足は痛みに耐えて頑張り、左足はまだ右足が動くことに感謝している。そう思います。
そして、これが五輪の難しさでもあり、こんなに多くの人が人生を懸けて目指す理由だろうとも。
4年に一度、その日、その時、その瞬間しかない五輪。一番強い人を決めるには不向きな手法かもしれません。何年もかけてランキングを出したほうが正確じゃないかという意見も理解できます。ただ、4年に一度だからこそ生涯最高の準備をして、自分を極限まで磨き上げることができます。平均した出力での勝負ではなく、最大値を発揮して競うことができます。
最大値を発揮しようとすればクルマだって壊れるでしょう。壊れないように緩めれば勝負には勝てないし、限界を超えて追い込めば壊れてしまう。そのギリギリを追求し、「こんなに頑張るのは一生に一度だ」と思って努力をする。すべてを我慢し、すべてを捧げて、その目標を目指す。そうするだけのやり甲斐が五輪にはあり、だからこそアスリートはあんなに光り輝いているのでしょう。「生涯最高」を目指すから、勝っても、負けても、その頑張りは尊いのです。
未曾有の事態のなか、世界は「時計」を動かしてしまいました。廣田さんが怪我をする1年前にあった五輪を、怪我をしたあとの時間まで動かしてしまいました。誰にもどうすることもできませんでしたが、割を食わせてしまったと思います。約束した時間と違ったせいで、辛い思いをさせてしまったと思います。2020年なら発揮できたはずの「生涯最高」の機会を奪ってしまったと思います。
その申し訳なさを感じればこそ、ふたりには心から感謝したいと思います。その不遇を飲み込んでくれたこと。ちゃんとこの舞台までたどり着いてくれたこと。そして、「楽しい」「幸せ」と言ってくれたこと。メダルの形をした富や名声が得られなくても、この目標を目指して頑張ってきた日々が失われず、ちゃんと試合となって残ったことそのものに喜びを感じてくれている姿に、ありがたいなと思います。救われます。
目標を持って生きることは素晴らしい。
目標に向かって頑張ることは素晴らしい。
勝って報われた人の姿には、たくさんのものが重なっているぶん分かりにくくなりますが、負けてなお報われている人の姿には、得たものが少ないぶん本質が覗くと僕は思います。負けて大会を去るフクヒロの姿に心が動くようなら、何かが心に灯るようなら、それが「スポーツのチカラ」だろうと思います。頑張っている誰かの姿に奮い立って、自分の心まで動き出すチカラだろうと思います。
こうした出来事のひとつひとつが世界に放たれ、元気や勇気がわき起こるといいなと思います。
世界のいろいろな場所に「フクヒロ」のような出来事があるといいなと思います。
世界のいろいろな場所に「フクヒロ」のような出来事があるといいなと思います。
お疲れ様でした。そして、元気と勇気をありがとうございます。
もしもパリを目指すなら、そのときは困難に満ちた東京のことを、もっと頑張るためのエネルギーにしてください!
↓今、改めて振り返る、大会直前の記者会見での笑顔が、とても尊く感じられます!
試合には負けるもコロナ禍と怪我には勝った!2勝1敗の勝ち越しです!
2016年05月03日07:00
ダメ元で他人に責任をなすりつけて、ダメ元で土下座してみる作戦!
リオ五輪まで残り100日を切り、五輪に出る出ないバトルはグツグツと煮詰まっています。日本のバドミントン界では、ワザと負けときゃ2チーム五輪に出られるところを正々堂々の真っ向勝負で1チームを蹴落とすという凄絶な戦いが行なわれるなど、相変わらずの厳しさでピリピリしています。賭博即斬、手心無用。その厳格さはまっこと日本らしい振る舞いです。
しかし、世界にはいろいろな戦術がある。お隣の韓国では、ドーピング違反というスポーツ界最大の罪を犯しながらも、ダメ元で土下座してみる大作戦で復活をうかがう御仁もいる模様。ダメ元しくじり先生の名はパク・テファン。北京五輪競泳男子400メートル自由形で、同種目アジア人初の金メダルを獲得した韓国の英雄です。
パク先生は2014年9月のドーピング検査でテストステロン(筋肉増強作用を持つホルモン)に対する陽性反応が検出され、1年6ヶ月の出場停止措置が下されていました。この処分自体は今年3月に満了となり、競泳界的にはリオに出てもOKという状況。ただ、韓国国内には独自の規定で、ドーピングに引っ掛かった選手は3年間国家代表の資格をはく奪するという決まりがあるそうで、本来ならパク先生はリオ五輪には出られない立場となっています。
しかし、ようやく年季が明けたところで韓国国内の選手権に出ましたらば、3冠を達成する好成績だったことで、にわかに「勝てる選手ならやっぱり出すべき」「二重処罰はオカシイ」というイカサマ上等論が巻き起こるのが韓国らしさ。さすが東京都知事並みに「自分の都合」を最上位に置いて物事を判断するお国柄だけのことはあります。その「風」……つまり、押せば何とかなるんじゃないか的な雰囲気を敏感に察知したパク先生が「よっしゃ土下座してみよ」とフリースタイル土下座を敢行した。そういう戦術でパク先生は闘争中なのだそうです。
結果どう転ぶかはどうでもいいところではありますが、パク先生のタフネゴシエーターぶりは日本人も大いに見習うべきものがあると思います。パク先生はドーピングという最大級の大罪でもまだ足掻いているのに、バカラで負けたくらいのことで何故しおらしくなっているのか。バカラの処分は検察と裁判所の仕事なんだから、バドミントンが勝手にオマケを乗せてくるのはオカシイと、ダメ元で暴れてみたりしないものか。競技と関係ないところの素行で、まだ逮捕も何もされていない段階なのに、人生丸ごと引っくり返されるようなことが何故まかり通るのか。他人事ながら、僕はいまだに納得がいきません。
金は出せない、サポートはできない、そこまではまだわかる。関係者もそれなりに手間を掛けさせられたでしょうから、報復的懲罰はあるでしょう。バカラ先輩と関わるの面倒臭いでしょうし。しかし、バドミントンごとやらせないなんてのは行き過ぎた罰ではないのか。バク先生はドーピングでテストステロン検出されましてなおフリースタイル土下座でチャンスをうかがっているというのに、バカラで負けた選手は家でうなだれているなんて、その差たるや。
世の中は、「自分は悪くない」と主張しつづければ、一定数の擁護は得られるような塩梅になっています。どんな主張でも、力強く行えばそれなりに応援してもらえる。水素水みたいなものでも、断じて行なえば信じちゃう人がいるじゃないですか。そこをもっと突いてみてもよかったのではないか。どうせ国内では干されるなら、悪くないと主張したまま海外リーグに参戦するほうが、筋立てとしてはキレイでしょう。悪いことしましたとうなだれつつ海外リーグでよろしくやっているほうが、二枚舌のようでよほど感じが悪い。「ダメ元で言ってみる」気持ち、パク先生の爪の垢ぐらいの割合で取り入れたいもの。もう少し早く、このタフさを伝えられたらと、他人事ながら残念です。
ということで、バカラ台の上で土下座してみればよかったなと思いつつ、パク先生のタフネゴシエーターぶりをチェックしていきましょう。
◆クスリを打ったのは医師!僕は知らなかった!土下座で許してください!
相手の主張を受け入れたら、何でも相手の思い通りになってしまう。それが「世界」。日本人はその点において主張の弱さは否めません。世界はきっと厚切りジェイソンみたいな人だけで出来ているのです。アレぐらいデカい声で言えば、ダメ元な主張も通ったりする感じに。日本人は大声のやり取りの時点でビビりますが、彼らの本番はそのあとの鉄砲持ち出す段階なのですから、交渉の時点では何を恐れる必要もないのでしょうね。
パク先生はその点においてはワールドクラス。2012年のロンドン五輪でも、そのタフネゴシエートぶりは話題になりました。パク先生は得意の400メートル自由形予選で、フォルススタート(いわゆるフライング)による失格判定を一旦は受けながら、抗議によって復活し、最終的に銀メダルを獲得しました。パク先生にしてみれば、フォルススタートの判定を抗議でひっくり返すことぐらい、当たり前のことなのです。だって、してないったらしてないんだもん。
↓見てもよくわかんないレベルのアヤしさなら、パク先生は当然抗議するぞ!
4レーンの先生はちょっと動いてる気がする!動いてない気もする!
イーブンなら当然即抗議です!

日本人だと「審判がそう言うんならそうなんやろなぁ」と思ってしまう場面でも、「審判がウソついてそう」「審判が金もらってそう」「審判が脅されてそう」という発想が自然に出てくるパク先生なら、そこは当然抗議となる。このレベルの揉め事はノータイムで抗議に行けるようでなくては、本番の闘争にはとても耐えられません。
2014年の仁川アジア大会、この大会は今振り返ると競泳界を激震させる三重殺みたいなのが起きた大会でした。まずコチラも400メートル自由形の金メダリストである中国の孫楊が「日本の国歌は不快」発言からの、のちにドーピング違反が発覚して同大会のメダルをはく奪されるというワンナウト。つづいて日本の冨田尚弥がカメラを盗んだという件でツーアウト。そして直前のドーピング検査で引っ掛かったパク先生が、のちに同大会の獲得メダルをすべて剥奪されるというスリーアウト。これらを上回るには盗んだクスリでドーピングする一人ゲッツーくらいしかないという、花盛りの大会でした。
その中でもパク先生のショックは韓国競泳界に大きなショックを与えました。何せ、韓国競泳界はパク先生くらいしかいないのです。仁川アジア大会の競泳会場がパクテファン・アクアティクスセンターという名前なくらい、パク先生は唯一無二の英雄。環境も整わない中で何故かひとりだけ飛び抜けた選手が出てくるという英雄伝説は、「クスリだろ」「やっぱりクスリだった」「自由形だけ強いヤツは大体クスリ」という納得感を生むと同時に、パク先生を何としても守ろうとする賛同者も多く生みました。
↓そしてパク先生陣営は、ダメ元で「何度も大丈夫かと確認したのに、医師にクスリを注射された」と医師に責任をなすりつける大作戦を敢行!
「無料のカイロプラティクスを受けただけ」
↓
「クスリについては何も知らない」
↓
「実は知っていたが中身は知らなかった」
↓
「実は中身も知っていたが男性ホルモン剤だと聞いた」
↓
「疲れていたので検察の取り調べでは正しく話せなかった」
↓
「でもテストステロンが禁止薬物だとは知らなかった」
↓
「実はクスリの瓶に書いてあったが、見てなかった」
↓
「何度も医師に確認した」
↓
「スタッフとか協会には確認していない」
↓
「医師が問題ないというので安心して注射を受けた」
↓
「クスリを打ったあと、身体に痛みが出た」
↓
「医師を傷害罪で訴える」

しかし、医師を責めても処分がなくなるわけではありません。パク先生は出場停止処分を受けたのち、近所のプールで練習したり、恩師が運営する水泳教室のプールで練習したり、日本で練習したりして再起を目指しました。そして、見事に韓国国内の選手権で復活を果たしました。応援するすべての人は、「もう1年半もガマンしたから許されていい頃だろう」と感涙し、行動に出たのです。土下座メドレーという、感情に訴える行動に…!
↓まずパク先生はリオ五輪に出るにふさわしい実力があることを証明!
400メートル自由形の3分44秒26は、去年の世界水泳でもメダルに絡むタイム!
先生はクスリがなくても強い選手だった!
もしくは新しいクスリが手に入った!
↓成績は十分と見るや、まずパク先生の恩師がフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!
第一土下座泳者、勢いよく入水!
美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!
↓所属先の市役所の会見に登場したパク先生は、恩師につづきフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!
第二土下座泳者、勢いよく入水!
美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!

どうですか、めっちゃタフでしょう。心にやましいところがあれば「アジア大会のメダルだけで済んで助かった」と、実家に引きこもるところを、まだガンガン攻めてくる。リオのメダルを狙ってくる。テストステロンというドーピング界のエースで4番を「本番の大会期間中には検出されない程度の絶妙な量で」投入してきておいて、まだメダルを欲しがっているのです。この心の強さ。ドーピングとか土下座とかではなく、ダメ元で主張してみるこの強さは見習いたい。
アメリカとかジャマイカの陸上界でも、一回クスリで捕まった選手が平然と英雄ヅラで出てきたりしていますが、アレが世界標準。そういう意味ではバカラで泣くのは「負けてスッた」ときだけで十分であり、それを咎められている場面は泣くほどのことではないのです。「それはそれ、これはこれ」という強い主張をすべきだった。もしあの日、強く主張できていたら、戦いはまた変わっていたと思うのです。もし、今後バレる予定の野球選手、バドミントン選手、相撲取りがいましたら、どうぞパク先生を見習ってください。実家に引きこもるのは、他人に罪をなすりつけて、ダメ元で土下座してからでも遅くはないのですから…!
バカラもしばらく謹慎してから坊主頭で土下座してたらイケた気がします!
リオ五輪まで残り100日を切り、五輪に出る出ないバトルはグツグツと煮詰まっています。日本のバドミントン界では、ワザと負けときゃ2チーム五輪に出られるところを正々堂々の真っ向勝負で1チームを蹴落とすという凄絶な戦いが行なわれるなど、相変わらずの厳しさでピリピリしています。賭博即斬、手心無用。その厳格さはまっこと日本らしい振る舞いです。
しかし、世界にはいろいろな戦術がある。お隣の韓国では、ドーピング違反というスポーツ界最大の罪を犯しながらも、ダメ元で土下座してみる大作戦で復活をうかがう御仁もいる模様。ダメ元しくじり先生の名はパク・テファン。北京五輪競泳男子400メートル自由形で、同種目アジア人初の金メダルを獲得した韓国の英雄です。
パク先生は2014年9月のドーピング検査でテストステロン(筋肉増強作用を持つホルモン)に対する陽性反応が検出され、1年6ヶ月の出場停止措置が下されていました。この処分自体は今年3月に満了となり、競泳界的にはリオに出てもOKという状況。ただ、韓国国内には独自の規定で、ドーピングに引っ掛かった選手は3年間国家代表の資格をはく奪するという決まりがあるそうで、本来ならパク先生はリオ五輪には出られない立場となっています。
しかし、ようやく年季が明けたところで韓国国内の選手権に出ましたらば、3冠を達成する好成績だったことで、にわかに「勝てる選手ならやっぱり出すべき」「二重処罰はオカシイ」というイカサマ上等論が巻き起こるのが韓国らしさ。さすが東京都知事並みに「自分の都合」を最上位に置いて物事を判断するお国柄だけのことはあります。その「風」……つまり、押せば何とかなるんじゃないか的な雰囲気を敏感に察知したパク先生が「よっしゃ土下座してみよ」とフリースタイル土下座を敢行した。そういう戦術でパク先生は闘争中なのだそうです。
結果どう転ぶかはどうでもいいところではありますが、パク先生のタフネゴシエーターぶりは日本人も大いに見習うべきものがあると思います。パク先生はドーピングという最大級の大罪でもまだ足掻いているのに、バカラで負けたくらいのことで何故しおらしくなっているのか。バカラの処分は検察と裁判所の仕事なんだから、バドミントンが勝手にオマケを乗せてくるのはオカシイと、ダメ元で暴れてみたりしないものか。競技と関係ないところの素行で、まだ逮捕も何もされていない段階なのに、人生丸ごと引っくり返されるようなことが何故まかり通るのか。他人事ながら、僕はいまだに納得がいきません。
金は出せない、サポートはできない、そこまではまだわかる。関係者もそれなりに手間を掛けさせられたでしょうから、報復的懲罰はあるでしょう。バカラ先輩と関わるの面倒臭いでしょうし。しかし、バドミントンごとやらせないなんてのは行き過ぎた罰ではないのか。バク先生はドーピングでテストステロン検出されましてなおフリースタイル土下座でチャンスをうかがっているというのに、バカラで負けた選手は家でうなだれているなんて、その差たるや。
世の中は、「自分は悪くない」と主張しつづければ、一定数の擁護は得られるような塩梅になっています。どんな主張でも、力強く行えばそれなりに応援してもらえる。水素水みたいなものでも、断じて行なえば信じちゃう人がいるじゃないですか。そこをもっと突いてみてもよかったのではないか。どうせ国内では干されるなら、悪くないと主張したまま海外リーグに参戦するほうが、筋立てとしてはキレイでしょう。悪いことしましたとうなだれつつ海外リーグでよろしくやっているほうが、二枚舌のようでよほど感じが悪い。「ダメ元で言ってみる」気持ち、パク先生の爪の垢ぐらいの割合で取り入れたいもの。もう少し早く、このタフさを伝えられたらと、他人事ながら残念です。
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2014年の仁川アジア大会、この大会は今振り返ると競泳界を激震させる三重殺みたいなのが起きた大会でした。まずコチラも400メートル自由形の金メダリストである中国の孫楊が「日本の国歌は不快」発言からの、のちにドーピング違反が発覚して同大会のメダルをはく奪されるというワンナウト。つづいて日本の冨田尚弥がカメラを盗んだという件でツーアウト。そして直前のドーピング検査で引っ掛かったパク先生が、のちに同大会の獲得メダルをすべて剥奪されるというスリーアウト。これらを上回るには盗んだクスリでドーピングする一人ゲッツーくらいしかないという、花盛りの大会でした。
その中でもパク先生のショックは韓国競泳界に大きなショックを与えました。何せ、韓国競泳界はパク先生くらいしかいないのです。仁川アジア大会の競泳会場がパクテファン・アクアティクスセンターという名前なくらい、パク先生は唯一無二の英雄。環境も整わない中で何故かひとりだけ飛び抜けた選手が出てくるという英雄伝説は、「クスリだろ」「やっぱりクスリだった」「自由形だけ強いヤツは大体クスリ」という納得感を生むと同時に、パク先生を何としても守ろうとする賛同者も多く生みました。
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しかし、医師を責めても処分がなくなるわけではありません。パク先生は出場停止処分を受けたのち、近所のプールで練習したり、恩師が運営する水泳教室のプールで練習したり、日本で練習したりして再起を目指しました。そして、見事に韓国国内の選手権で復活を果たしました。応援するすべての人は、「もう1年半もガマンしたから許されていい頃だろう」と感涙し、行動に出たのです。土下座メドレーという、感情に訴える行動に…!
↓まずパク先生はリオ五輪に出るにふさわしい実力があることを証明!
400メートル自由形の3分44秒26は、去年の世界水泳でもメダルに絡むタイム!
先生はクスリがなくても強い選手だった!
もしくは新しいクスリが手に入った!
↓成績は十分と見るや、まずパク先生の恩師がフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!
第一土下座泳者、勢いよく入水!
美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!
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どうですか、めっちゃタフでしょう。心にやましいところがあれば「アジア大会のメダルだけで済んで助かった」と、実家に引きこもるところを、まだガンガン攻めてくる。リオのメダルを狙ってくる。テストステロンというドーピング界のエースで4番を「本番の大会期間中には検出されない程度の絶妙な量で」投入してきておいて、まだメダルを欲しがっているのです。この心の強さ。ドーピングとか土下座とかではなく、ダメ元で主張してみるこの強さは見習いたい。
アメリカとかジャマイカの陸上界でも、一回クスリで捕まった選手が平然と英雄ヅラで出てきたりしていますが、アレが世界標準。そういう意味ではバカラで泣くのは「負けてスッた」ときだけで十分であり、それを咎められている場面は泣くほどのことではないのです。「それはそれ、これはこれ」という強い主張をすべきだった。もしあの日、強く主張できていたら、戦いはまた変わっていたと思うのです。もし、今後バレる予定の野球選手、バドミントン選手、相撲取りがいましたら、どうぞパク先生を見習ってください。実家に引きこもるのは、他人に罪をなすりつけて、ダメ元で土下座してからでも遅くはないのですから…!
バカラもしばらく謹慎してから坊主頭で土下座してたらイケた気がします!
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