スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

バドミントン

世界バドミントン2連覇達成の山口茜さんの試合で胸に刻まれた、声なき有観客による「ニッポンチャチャチャ」と「あ・か・ね」のリズム。

08:00
世界バドミントン東京開催、大成功でした!

本日はお出掛けの記録です。行ってまいりました、史上初の日本開催となった世界バドミントン東京大会へ。連日の熱戦をチェックしつつ、確信を持った決意で購入した決勝のチケット。「日本勢の誰かは必ずここまで来てくれるはずだ…」という思いで、決勝は現地で迎えることとしました。地上波での録画中継を決めていたテレビ朝日も確信しながら震えていたことでしょう。本当に誰も進出しなかったらどないしよか…と。

そんな不安は杞憂に終わり、日本勢からは女子シングルスの山口茜さんと、混合ダブルスの渡辺勇大・東野有紗組(ワタガシペア)が見事決勝に進出。日本バドミントン界が、大きな期待を背負いながら東京五輪では取り逃がした「自国開催での金」という夢、今度こそ叶えてくれることでしょう。

会場となる東京体育館の周辺は大にぎわいでごった返しています。しかも、若干のアブない気配も感じさせるように、いかつい兄さんたちが大挙して押し寄せています。「闇カジノでもできたかな?」「すんげぇサングラスですね」「バドミントンファンはこんなに荒んでしまったのか…」と訝しんでいると、どうやらお隣の国立競技場でYAZAWAがコンサートをしているためである模様。ふぅー、あぶないあぶない、単なるYAZAWAコスプレの皆さんだったようですね。

↓東京で世界一を目撃する気持ち、選手も観衆も一緒です!
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早速入場しますと、YAZAWA勢を除いても大変なにぎわいです。世界選手権にふさわしく、日本のファンだけでなく中国の方や東南アジア方面の方もかなりの数がいらしている模様。各国の選手に熱い声援が飛んでいます。一応、運営サイドからは日本側の方針として声援はお控えくださいとの呼び掛けも出ておりますが、世界にはそのあたりは通じない感じのようで、「加油!加油!」などの声援は止むことはありません。このあたりはハリセンの使い方レクチャーも含めて、運営サイドにも改善の余地がありそうです。まぁ、次回の東京開催の際には、その反省は活かす必要もないかもしれませんが。

↓場内は色鮮やかにライトアップされてとてもキレイ。
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↓待ち時間も含めていちいちオシャレ。
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↓各国の熱い応援団が駆けつける世界大会らしい光景。
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↓一応、ハリセンで応援してほしいというスタンス。
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↓一応、大声での応援は止めてほしいというスタンス。
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この日は5試合が予定されており、各種目の決勝戦が行われます。日本勢が登場する試合があとの方にまわっておりますので、まずは男子ダブルス、女子ダブルス、男子シングルスの観戦などをしていきますと、試合とともに見事な演出面が印象に残ります。富士山型の大型モニターに選手の写真を映し、モニターの一部が扉のように開いて選手が登場してくる入場の場面。音楽がドーンと鳴り、光がビガビガッと輝き、煙がプシューっと出る。歩いてくるだけで高揚するような演出で、試合を盛り上げてくれています。ライトアップされたセンターコートは試合も見やすくて結構ですし、決着後にはこれまた煌びやかなセレモニーと、アリーナを一周するビクトリーランが用意されています。そして、その全体を大きな拍手が支えています。

1年前、同じ東京で勝った人に対しては十分な「讃え」をしてあげられませんでしたが、今大会でそれが少し取り戻せたのかなと思いました。もちろん同じ人がメダルを獲るわけではないので完全に報いることはできないわけですが、「おめでとうございます!」という気持ちが伝わっていたらいいなと思います。あのときも、できればこれぐらいドーンといきたかったんですわ、という気持ちが。

↓ド派手演出での景気いい入場。
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↓勝って喜びを全身で示す者。
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↓表彰式は富士山のふもとで。
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↓勝者には場内を一周してビクトリーランをする栄誉が。
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先の試合を見守っていると、日本勢にもひとつくらい金を獲ってほしいという気持ちがメラメラと高まってきます。最初からそのつもりではありますが、なお一層そう思います。東京五輪、日本勢全体のなかで「期待と現実」のギャップがもっとも大きかったのはバドミントンだったと思います。最大で「金複数個を含む全種目メダル獲得」まで可能性はあったと思いますが、実際には混合ダブルス・ワタガシペアの銅1個に留まりました。

多い少ないでどうこうとは思いませんが、選手たち自身も十二分に満足できる形ではなかったと思いますし、関係者にもそういう思いはあるでしょう。そしてファンにとっても。日本のバドミントンは強い、中国にも負けない、世界一になれる、そう思って挑んだ大会としては、やはり心残りがあるものだったと思います。特に、東京五輪は自国開催というまたとない機会だったのですから。あのときの無念を乗り越えるのは今日しかない。そんな気持ちが俄然高まってきます。

そうした期待を背負って登場したのが、女子シングルス山口茜さん。昨年の世界バドミントンを制した現女王は今大会も強豪を撃破しながら順調に決勝まで勝ち上がってきました。東京五輪では惜しくもメダルに一歩及びませんでしたが、この日の対戦相手はその東京で金のチャン・ユーフェイということも含めて「あの日のぶんまで」の期待がかかります。

↓頼むぞ山口さん、東京で金を!
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第1ゲームは、山口さんの一方的な展開。立ち上がりこそ揉み合いがあったものの、中盤以降は連続得点で山口さんが突き放し、21-12の大差で先取します。コートを幅広く動き、前進しながらの連続スマッシュなど、山口さんの光るプレーが随所に見られました。

しかし、第2ゲームに入るとガラリと流れが変わります。微妙な風上・風下の違いでもあるのか、あるいは第1ゲーム先取で勝利を意識したのか、際どいシャトルが何度もネットに引っ掛かり、失点を重ねていきます。ゲーム途中には少し苛立つような表情を見せる場面も。

↓第2ゲーム、どうにも上手くいかない山口さん。
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ただ、ここは東京で、今回は有観客の試合です。中国応援団もそこそこいますが、会場の大半は日本のファンです。掛け声こそ控えますが、何とかして山口さんを支えようという思いはひとつ。そんなとき拍手だけでもできることはあるんだなと思ったのが、山口さんのピンチに自然発生的に「ニッポンチャチャチャ」のリズムで拍手が起こったこと。一部で生まれたそのリズムで、みんなピンと来たのでしょう。このリズムなら日本選手への応援が伝わるはずだと。

さらにパンパンパンという3連打がこれまた自然発生的に起こります。これもまたピンとくるもので、「あ・か・ね」だなと何となくわかるのです。厳しい場面、痛い失点のあと、踏ん張りどころで「ニッポンチャチャチャ」と「あ・か・ね」が起こる会場は、これぞ自国開催だなと思う素晴らしい空間でした。

第2ゲームは落としたものの、再びコート入れ替わって始まった第3ゲームは、序盤から山口さんが走ります。前後左右に相手を動かしながら、虚を突く変化で手も出せないような攻撃の連続。7連続ポイントで8-1のリードを築きます。中盤以降は再度コートチェンジで入れ替わりますが、これだけの差があればそうそう追いつけるものではありません。着実に得点を重ね、20-12でマッチポイントを迎えます。少々の足踏みを経て、最後は21-14で第3ゲームを取り、世界バドミントン2連覇を東京で達成しました!

↓ダイビングした際に手をすりむく場面も。
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↓客席からはオグシオも熱視線を送る。
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↓勝利が見えてきても表情は変わらない。
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↓あとは決まるのを待つだけ、盤石のマッチポイント。
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↓写真だとあんまり伝わってこないですが、勝ちました!
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↓ほんのり笑顔も見せてくれました。

山口さんはアスリートに限らず、一般の人のなかに入っても小柄な身長156センチの選手。コートの広さをカバーするには、ほかの選手より多く動き、長く走らなければなりません。それは一般論では不利な条件です。ただ山口さんは、必ずしもサイズがすべてではないな、と思わせてくれる選手でもあります。サイズはない代わりに、山口さんにはスピードと運動量があります。ダイビングしてからすぐさま立ち上がって再度逆方向にダイビングする気力があります。同じフォームから最後にクィッと打つ方向を変える技術があります。

そして、抜群の当て勘があります。通常なら落下点に入って理想的なフォームでシャトルをとらえたいものですが、山口さんは必ずしも理想を求めません。横っ飛びしながらのスマッシュ、ダイビングしての返球、大きく反り返って右手を左半身を超えて伸ばしてさえいきます。野球なら「悪球打ち」と呼ばれるような、どんなシャトルにでも手を出して返してしまう選手です。この日、山口さんがダイビングした回数は、ほかの全選手を足したよりも多いのではないかと思います。こんなに地面に這いつくばるトップ選手はそういるものではありません。

ゆえに山口さんのプレースタイルはとても個性的で、世界のトップ選手のなかにあっても際立つ魅力があります。「サイズがない」からこそ、遠くのシャトルを何とかして返す必要に迫られて生まれたスタイルかもしれませんが、「バドミントンが好きだ」という気持ちがこんなに伝わってくるスタイルはないなと思います。どんなシャトルでも返したい、シャトルを打ち合うのが楽しい、その情熱でこちらまで燃え上がるようでした。自分のなかの「歴代」に加わるような熱い試合でした。東京五輪のぶんまで応援できたような気分になりました。熱戦でした!

↓金メダルは自分で首にかけます。
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↓メダリストが集合しての記念撮影。
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↓表彰台に座っての記念撮影。
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その後、日本勢からは東京五輪銅のワタガシペアが混合ダブルスの決勝に登場。こちらは中国ペアにチカラ及ばず試合を落としますが、それでも見事な銀メダル。苦しい展開でもタッチとコミュニケーションを欠かさず、互いにカバーし合うチーム力はさすがでした。押されながらも一旦は同点まで盛り返した第2ゲームの粘り、お見事でした。東京五輪で日本バドミントン界を救ったペアが、この大会でも大トリの試合に登場してくれている、「ありがとう」しかない有終の銀でした!

↓試合はかなり苦しいものでしたが、ペアとしてしっかり戦ってくれました!
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↓メダルを互いに掛け合うワタガシペア。

日本での初開催ということで、始まるまではいろいろと不安もありましたが、そうした不安はすべて杞憂に終わり、素晴らしい大会として幕を下ろすことができたのではないかと思います。結果も、内容も、盛り上がりも、素晴らしかった。個人的にも「ニッポンチャチャチャ」と「あ・か・ね」のリズムは、忘れがたい記憶として胸に刻まれました。少し先の未来ではそんな工夫をする必要もなくなっているとよいのですが、「昔、観戦中に声を出せない時代があってな…」という思い出話をするときには、この日の話をしようと思います。

できることなら山口茜さんとワタガシペアの決勝戦を、ライブでテレビ中継してくれていたら、もっと熱い波が広がったのではないかと思いますが、まぁそれはまた次回への課題なのでしょう。この素晴らしい試合を録画中継用に編集しながら、「あー、ライブで流しておけばよかったなー」「せめてCSかBSで生中継だよなー」「何のためにチャンネルいくつも持ってるかわからんもんなー」と率直に思ったスタッフが猛反省してくれるよう期待したいものですね!

↓少しでも現地の興奮が伝わればと祈って動画でレポートします!



2013年のヨネックスオープンも現地でしたので、茜さんとは縁がありますね!

バドミントン女子ダブルス福島由紀・廣田彩花ペアの東京五輪は、負けてなお報われる「楽しくて」「幸せな」勝ち越し劇だった件。

08:00
「生涯最高」を目指す人の姿は、素晴らしい!

明暗分かれる五輪です。明も際立っていますが、暗もまた際立っています。2020年であれば、きっと金メダルだっただろう選手が数多く苦杯を舐め、大会を早々に去っています。特にその暗の部分が折り重なっているのはバドミントンでしょう。

大会前にはこの五輪は日本にとって「バドミントンの大会」になるとさえ思っていました。男子シングルス・女子ダブルスでの金メダル、女子シングルスでのメダル獲得、その勢いで男子ダブルス・混合ダブルスもいけるんちゃうんか、と全種目でのメダル獲得も念頭にありました。それぐらい実績があったし、期待は高かった。それが今やメダル獲得の望みがあるのは女子シングルスと混合ダブルスのみ。金の可能性を残すのは女子シングルスだけとなりました。


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2020年に予定通り大会が行なわれていたら、きっと今とはまったく違う結果が出ていたでしょう。ただ、時計は予期せぬ形で1年動いてしまいました。その1年の間、試合も満足に重ねられないなかで、不安が首をもたげてきてしまったのかもしれません。「この相手に勝つにはすべてをぶつけるしかない」と鬼気迫る攻撃を見せる相手に対して、受けにまわってしまうような姿が印象的でした。世界1位、世界選手権王者、そういった看板が逆の効果を生んでしまったように思います。

特にこの時計のズレによって不遇の五輪を迎えたのは、女子ダブルスの福島由紀・廣田彩花ペア、通称フクヒロペアでした。6月の合宿中に廣田さんが負ったという右足前十字靭帯断裂の大怪我は、五輪終了後はすぐに手術を受けなければならない状態だといいます。試合会場に現れた廣田さんの右ヒザには素人目にも「靭帯が切れた」とわかるサポーターが巻かれており、異変は明らかでした。

初戦をイギリスペアに勝利、2戦目はマレーシアペアに勝利して決勝トーナメント進出は決めたものの、3戦目の世界ランク6位インドネシアのポリー/ラハユペアには振り切られて2勝1敗。ポリー/ラハユペアとの試合では、デュースの末に1ゲーム目を落としたことで3ゲーム目までもつれる展開となり、3ゲーム目は力を少しでも残すかのように大差で落としました。

2勝1敗での決勝トーナメント進出により、準々決勝は優勝候補の一角である中国のチェン/ジアペアとの組み合わせに。1ゲーム目は廣田さんに相手のシャトルが集中したこともあって、むしろ狙いを絞りやすいという対処のしやすさもありましたが、コートを広く使って来られるとどうしても「あと一歩」の遠さを感じます。後衛で強打をしようとするときにカクッと抜けるひざ、前衛で短いショットを拾おうとするときに踏み込めないひざ、ここに立てただけでも奇跡的なのだろうと思います。



予定通りに大会が行なわれていれば。あと1ヶ月怪我の時期が遅ければ。繰り言しか出ないだろう状況にも、フクヒロは不満や憤りを見せることはありません。仲間の動きに不安があるなら、自分がそのぶんまで動けばいいという福島さんのフットワーク。試合中にも笑顔で言葉を交わしながらプレーする姿がやけに心に残ります。楽しそうです。

1ゲーム目は取るも、2ゲーム目以降は大差の展開となり、ゲームカウント1-2で敗れたフクヒロペア。最後のポイントを失うとともに、廣田さんは右ひざを沈み込ませるようにして動きを止めました。そして、手を合わせ、肩を抱き合ったふたり。中国ペアから怪我の箇所を心配されると、健闘を祈るように相手の背中を叩きました。涙はあるけれど、笑顔のままで泣いています。輝いています。

「痛かったと思うけれど、頑張ってくれた」

「ふたりで楽しくやれたと思います」

「たくさんの人に支えられてこの舞台に立てた」

「ふたりで思い切ってプレーできたことが本当に幸せでしたし、本当に福島先輩には感謝しています」

「精一杯やった結果がこれなんですけど、自分たちの思いだったりが届いていればいいなと思います」

そんな言葉を残して会場を去ったふたり。今大会を通じて福島さんは「楽しい」を何度も繰り返しました。廣田さんも謝りはしませんでした。目指していたものとはまったく違う現実でも、それでもやはり「楽しい」「幸せ」だと。それは心の真実だろうと思います。すべてが上手くいったわけではないけれど、絶望的な困難から這い上がって、目指していた場所にちゃんとたどり着けたのですから。




バドミントンのペアは一蓮托生のパートナーです。パートナーが怪我をしたからといってすぐさま取り替えはききません。怪我や病気、不幸はすべてふたりに同じだけのしかかってきます。たとえばひとりに感染症の陽性反応が出たら、もうひとりがどれだけ元気であっても、そこで大会は終わりです。個人として出場するよりも倍の難しさがあり、倍の困難があります。

そのぶん自分だけではできないことを「この人と一緒なら」と乗り越えていくこともできます。倍の楽しさがあり、倍の幸せがある。ふたりでいるために移籍もしたし、ふたりだから世界1位にもなったし、本気で五輪の金メダルを目指せたし、こうしていくつかの勝利を残すこともできた。右足が怪我をしたとき、左足は右足を責めません。右足が怪我をしたときは左足が右足を懸命にかばって、少し痛むのです。それがペアです。

ただでさえコロナ禍によってとても難しい状況のなかで、「もうダメだ」と思わざるを得ない怪我をした。それでも「私が立たないと、あの人もたどり着けない」と思ってくれたパートナーがいて、その頑張りがわかるからこそ「ここまで一緒に来られて、楽しい」と笑顔を見せるパートナーがいる。最後までチャレンジをできることへの感謝と、この夢を目指した時間にちゃんと決着をつけられることの喜びがふたりの間にはある。右足は痛みに耐えて頑張り、左足はまだ右足が動くことに感謝している。そう思います。

そして、これが五輪の難しさでもあり、こんなに多くの人が人生を懸けて目指す理由だろうとも。

4年に一度、その日、その時、その瞬間しかない五輪。一番強い人を決めるには不向きな手法かもしれません。何年もかけてランキングを出したほうが正確じゃないかという意見も理解できます。ただ、4年に一度だからこそ生涯最高の準備をして、自分を極限まで磨き上げることができます。平均した出力での勝負ではなく、最大値を発揮して競うことができます。

最大値を発揮しようとすればクルマだって壊れるでしょう。壊れないように緩めれば勝負には勝てないし、限界を超えて追い込めば壊れてしまう。そのギリギリを追求し、「こんなに頑張るのは一生に一度だ」と思って努力をする。すべてを我慢し、すべてを捧げて、その目標を目指す。そうするだけのやり甲斐が五輪にはあり、だからこそアスリートはあんなに光り輝いているのでしょう。「生涯最高」を目指すから、勝っても、負けても、その頑張りは尊いのです。

未曾有の事態のなか、世界は「時計」を動かしてしまいました。廣田さんが怪我をする1年前にあった五輪を、怪我をしたあとの時間まで動かしてしまいました。誰にもどうすることもできませんでしたが、割を食わせてしまったと思います。約束した時間と違ったせいで、辛い思いをさせてしまったと思います。2020年なら発揮できたはずの「生涯最高」の機会を奪ってしまったと思います。

その申し訳なさを感じればこそ、ふたりには心から感謝したいと思います。その不遇を飲み込んでくれたこと。ちゃんとこの舞台までたどり着いてくれたこと。そして、「楽しい」「幸せ」と言ってくれたこと。メダルの形をした富や名声が得られなくても、この目標を目指して頑張ってきた日々が失われず、ちゃんと試合となって残ったことそのものに喜びを感じてくれている姿に、ありがたいなと思います。救われます。

目標を持って生きることは素晴らしい。

目標に向かって頑張ることは素晴らしい。

勝って報われた人の姿には、たくさんのものが重なっているぶん分かりにくくなりますが、負けてなお報われている人の姿には、得たものが少ないぶん本質が覗くと僕は思います。負けて大会を去るフクヒロの姿に心が動くようなら、何かが心に灯るようなら、それが「スポーツのチカラ」だろうと思います。頑張っている誰かの姿に奮い立って、自分の心まで動き出すチカラだろうと思います。

こうした出来事のひとつひとつが世界に放たれ、元気や勇気がわき起こるといいなと思います。

世界のいろいろな場所に「フクヒロ」のような出来事があるといいなと思います。

お疲れ様でした。そして、元気と勇気をありがとうございます。

もしもパリを目指すなら、そのときは困難に満ちた東京のことを、もっと頑張るためのエネルギーにしてください!

↓今、改めて振り返る、大会直前の記者会見での笑顔が、とても尊く感じられます!




試合には負けるもコロナ禍と怪我には勝った!2勝1敗の勝ち越しです!

韓国競泳界が生んだテストステロンスター・パクテファン先生に学ぶ、ダメ元でフリースタイル土下座してみる交渉戦術。

07:00
ダメ元で他人に責任をなすりつけて、ダメ元で土下座してみる作戦!

リオ五輪まで残り100日を切り、五輪に出る出ないバトルはグツグツと煮詰まっています。日本のバドミントン界では、ワザと負けときゃ2チーム五輪に出られるところを正々堂々の真っ向勝負で1チームを蹴落とすという凄絶な戦いが行なわれるなど、相変わらずの厳しさでピリピリしています。賭博即斬、手心無用。その厳格さはまっこと日本らしい振る舞いです。

しかし、世界にはいろいろな戦術がある。お隣の韓国では、ドーピング違反というスポーツ界最大の罪を犯しながらも、ダメ元で土下座してみる大作戦で復活をうかがう御仁もいる模様。ダメ元しくじり先生の名はパク・テファン。北京五輪競泳男子400メートル自由形で、同種目アジア人初の金メダルを獲得した韓国の英雄です。

パク先生は2014年9月のドーピング検査でテストステロン(筋肉増強作用を持つホルモン)に対する陽性反応が検出され、1年6ヶ月の出場停止措置が下されていました。この処分自体は今年3月に満了となり、競泳界的にはリオに出てもOKという状況。ただ、韓国国内には独自の規定で、ドーピングに引っ掛かった選手は3年間国家代表の資格をはく奪するという決まりがあるそうで、本来ならパク先生はリオ五輪には出られない立場となっています。

しかし、ようやく年季が明けたところで韓国国内の選手権に出ましたらば、3冠を達成する好成績だったことで、にわかに「勝てる選手ならやっぱり出すべき」「二重処罰はオカシイ」というイカサマ上等論が巻き起こるのが韓国らしさ。さすが東京都知事並みに「自分の都合」を最上位に置いて物事を判断するお国柄だけのことはあります。その「風」……つまり、押せば何とかなるんじゃないか的な雰囲気を敏感に察知したパク先生が「よっしゃ土下座してみよ」とフリースタイル土下座を敢行した。そういう戦術でパク先生は闘争中なのだそうです。

結果どう転ぶかはどうでもいいところではありますが、パク先生のタフネゴシエーターぶりは日本人も大いに見習うべきものがあると思います。パク先生はドーピングという最大級の大罪でもまだ足掻いているのに、バカラで負けたくらいのことで何故しおらしくなっているのか。バカラの処分は検察と裁判所の仕事なんだから、バドミントンが勝手にオマケを乗せてくるのはオカシイと、ダメ元で暴れてみたりしないものか。競技と関係ないところの素行で、まだ逮捕も何もされていない段階なのに、人生丸ごと引っくり返されるようなことが何故まかり通るのか。他人事ながら、僕はいまだに納得がいきません。

金は出せない、サポートはできない、そこまではまだわかる。関係者もそれなりに手間を掛けさせられたでしょうから、報復的懲罰はあるでしょう。バカラ先輩と関わるの面倒臭いでしょうし。しかし、バドミントンごとやらせないなんてのは行き過ぎた罰ではないのか。バク先生はドーピングでテストステロン検出されましてなおフリースタイル土下座でチャンスをうかがっているというのに、バカラで負けた選手は家でうなだれているなんて、その差たるや。

世の中は、「自分は悪くない」と主張しつづければ、一定数の擁護は得られるような塩梅になっています。どんな主張でも、力強く行えばそれなりに応援してもらえる。水素水みたいなものでも、断じて行なえば信じちゃう人がいるじゃないですか。そこをもっと突いてみてもよかったのではないか。どうせ国内では干されるなら、悪くないと主張したまま海外リーグに参戦するほうが、筋立てとしてはキレイでしょう。悪いことしましたとうなだれつつ海外リーグでよろしくやっているほうが、二枚舌のようでよほど感じが悪い。「ダメ元で言ってみる」気持ち、パク先生の爪の垢ぐらいの割合で取り入れたいもの。もう少し早く、このタフさを伝えられたらと、他人事ながら残念です。

ということで、バカラ台の上で土下座してみればよかったなと思いつつ、パク先生のタフネゴシエーターぶりをチェックしていきましょう。


◆クスリを打ったのは医師!僕は知らなかった!土下座で許してください!

相手の主張を受け入れたら、何でも相手の思い通りになってしまう。それが「世界」。日本人はその点において主張の弱さは否めません。世界はきっと厚切りジェイソンみたいな人だけで出来ているのです。アレぐらいデカい声で言えば、ダメ元な主張も通ったりする感じに。日本人は大声のやり取りの時点でビビりますが、彼らの本番はそのあとの鉄砲持ち出す段階なのですから、交渉の時点では何を恐れる必要もないのでしょうね。

パク先生はその点においてはワールドクラス。2012年のロンドン五輪でも、そのタフネゴシエートぶりは話題になりました。パク先生は得意の400メートル自由形予選で、フォルススタート(いわゆるフライング)による失格判定を一旦は受けながら、抗議によって復活し、最終的に銀メダルを獲得しました。パク先生にしてみれば、フォルススタートの判定を抗議でひっくり返すことぐらい、当たり前のことなのです。だって、してないったらしてないんだもん。

↓見てもよくわかんないレベルのアヤしさなら、パク先生は当然抗議するぞ!



4レーンの先生はちょっと動いてる気がする!動いてない気もする!

イーブンなら当然即抗議です!

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日本人だと「審判がそう言うんならそうなんやろなぁ」と思ってしまう場面でも、「審判がウソついてそう」「審判が金もらってそう」「審判が脅されてそう」という発想が自然に出てくるパク先生なら、そこは当然抗議となる。このレベルの揉め事はノータイムで抗議に行けるようでなくては、本番の闘争にはとても耐えられません。

2014年の仁川アジア大会、この大会は今振り返ると競泳界を激震させる三重殺みたいなのが起きた大会でした。まずコチラも400メートル自由形の金メダリストである中国の孫楊が「日本の国歌は不快」発言からの、のちにドーピング違反が発覚して同大会のメダルをはく奪されるというワンナウト。つづいて日本の冨田尚弥がカメラを盗んだという件でツーアウト。そして直前のドーピング検査で引っ掛かったパク先生が、のちに同大会の獲得メダルをすべて剥奪されるというスリーアウト。これらを上回るには盗んだクスリでドーピングする一人ゲッツーくらいしかないという、花盛りの大会でした。

その中でもパク先生のショックは韓国競泳界に大きなショックを与えました。何せ、韓国競泳界はパク先生くらいしかいないのです。仁川アジア大会の競泳会場がパクテファン・アクアティクスセンターという名前なくらい、パク先生は唯一無二の英雄。環境も整わない中で何故かひとりだけ飛び抜けた選手が出てくるという英雄伝説は、「クスリだろ」「やっぱりクスリだった」「自由形だけ強いヤツは大体クスリ」という納得感を生むと同時に、パク先生を何としても守ろうとする賛同者も多く生みました。

↓そしてパク先生陣営は、ダメ元で「何度も大丈夫かと確認したのに、医師にクスリを注射された」と医師に責任をなすりつける大作戦を敢行!


「無料のカイロプラティクスを受けただけ」

「クスリについては何も知らない」

「実は知っていたが中身は知らなかった」

「実は中身も知っていたが男性ホルモン剤だと聞いた」

「疲れていたので検察の取り調べでは正しく話せなかった」

「でもテストステロンが禁止薬物だとは知らなかった」

「実はクスリの瓶に書いてあったが、見てなかった」

「何度も医師に確認した」

「スタッフとか協会には確認していない」

「医師が問題ないというので安心して注射を受けた」

「クスリを打ったあと、身体に痛みが出た」

「医師を傷害罪で訴える」

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しかし、医師を責めても処分がなくなるわけではありません。パク先生は出場停止処分を受けたのち、近所のプールで練習したり、恩師が運営する水泳教室のプールで練習したり、日本で練習したりして再起を目指しました。そして、見事に韓国国内の選手権で復活を果たしました。応援するすべての人は、「もう1年半もガマンしたから許されていい頃だろう」と感涙し、行動に出たのです。土下座メドレーという、感情に訴える行動に…!

↓まずパク先生はリオ五輪に出るにふさわしい実力があることを証明!


400メートル自由形の3分44秒26は、去年の世界水泳でもメダルに絡むタイム!

先生はクスリがなくても強い選手だった!

もしくは新しいクスリが手に入った!


↓成績は十分と見るや、まずパク先生の恩師がフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!


第一土下座泳者、勢いよく入水!

美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!


↓所属先の市役所の会見に登場したパク先生は、恩師につづきフリースタイル土下座でリオ行きを懇願!


第二土下座泳者、勢いよく入水!

美しい土下座で規則を曲げるように訴えます!

裏最強土下座 [ 板垣恵介 ]

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感想(0件)




どうですか、めっちゃタフでしょう。心にやましいところがあれば「アジア大会のメダルだけで済んで助かった」と、実家に引きこもるところを、まだガンガン攻めてくる。リオのメダルを狙ってくる。テストステロンというドーピング界のエースで4番を「本番の大会期間中には検出されない程度の絶妙な量で」投入してきておいて、まだメダルを欲しがっているのです。この心の強さ。ドーピングとか土下座とかではなく、ダメ元で主張してみるこの強さは見習いたい。

アメリカとかジャマイカの陸上界でも、一回クスリで捕まった選手が平然と英雄ヅラで出てきたりしていますが、アレが世界標準。そういう意味ではバカラで泣くのは「負けてスッた」ときだけで十分であり、それを咎められている場面は泣くほどのことではないのです。「それはそれ、これはこれ」という強い主張をすべきだった。もしあの日、強く主張できていたら、戦いはまた変わっていたと思うのです。もし、今後バレる予定の野球選手、バドミントン選手、相撲取りがいましたら、どうぞパク先生を見習ってください。実家に引きこもるのは、他人に罪をなすりつけて、ダメ元で土下座してからでも遅くはないのですから…!


バカラもしばらく謹慎してから坊主頭で土下座してたらイケた気がします!

『Number』が桃田賢斗さん記事の空きスペースに別のモモタを入れ、バドミントンやらせて毒まみれにしちゃった件。

07:00
桃田OUT、百田IN!

14日に発売された『Number』通算900号。アスリートの美しい姿を切り取り、封印する『Number』は僕にとっても愛着のある雑誌のひとつ。その通算900号は羽生結弦氏を表紙に、1994年生まれのアスリートを「羽生世代」として大特集するというではありませんか。

は、は、羽生世代!!

甘美にして適切!!

松坂世代の「人間的には微妙」という主に松坂が生み出した悪印象とはまったく異なり、すごく清らかで神々しい感じがする響き。改めて1994年生まれの世代を列挙すれば、絶対王者・羽生結弦、二刀流・大谷翔平、キングオブスイマー・萩野公介とそれぞれの競技で歴史に名を残す選手が、すでに何人も誕生しています。なるほどコレは確かに「●●世代」です。

そんな中、よくも悪くも、その競技で歴史に名を残した選手がもうひとり。闇カジノ問題から年上ママハグ問題、年上ママキス問題へと連鎖的炎上を展開中のバドミントン桃田賢斗さんもまた、1994年生まれの選手。こんなことにならなければ、日本のバドミントン界に光を当てるスターとなっていたであろうものが、ものすごい真っ黒な影を落とすことになった桃田さん。ある意味で「桃田世代」もしくは「桃田組」あるいは「田児組系桃田会」的な集団を率いてしまいそうなほど、ダークヒーローとしての存在感を高めています。

当然『Number』も桃田さんを世代の一員として特集に組み込んでいたのですが、闇カジノ問題によって記事はお蔵入りに。「オイ文春、コッチの邪魔をするな!」「お前らが記事を書くたびに取材に行きづらくなるんだよ!」「週刊で問題行為を暴露して、謹慎中にNumberでフォローするマッチポンプ出版社」という社内抗争も生んだであろうトバッチリとなったのです。まぁこの際、新潮でも文春でも一緒です。「週刊誌の会社が出しているスポーツ誌」には変わりありません。日頃から苦労も多いことでしょう。

しかし、さすがは苦労慣れしている『Number』。1994年生まれ特集号の桃田記事が抜けたスペースに、そっくりそのまま同じ感じの記事を持ってくることに成功しました。穴にはめ込まれた人物は何故自分がこんな扱いになったのかわからなかったであろう謎特集。コレはぜひとも本人に「桃田の空きスペースだよ」と伝えておきたい。最終的な仕上がりで、ニッコリ笑顔でバドミントンとか掲載されるの、めっちゃ毒まみれな構造ですから…!

ということで、思いついたダジャレを具現化する実行力を讃えつつ、14日発売の『Number』900号をチェックしていきましょう。


◆バドミントンの写真は載せたらアカン!それは猛毒の武器や!


もともと今号は羽生氏目当ての購入でした。「羽生世代」なんて表紙で煽られては、「どれどれ羽生世代の構成員は」という気持ちにもなるというもの。その甘美さを増長させるように、大谷翔平さんは「僕は羽生世代です」「羽生君は、確実に自分の世界を持ってます」と羽生氏を持ち上げ、誌面のアチコチで「羽生世代」がキーワードとなっていました。

途中に挟まっていた表紙登場回数ランキングでは、歴代1位がイチローの25回ということでしたが、羽生氏なら20回のゾーンを狙っていけるかもしれない。それだけの影響力と発信力…要するにその人の言葉を聞きたくなるような中身がある、そんな気持ちよさに浸れる特集号でした。気持ちよかったので、清原が表紙の誌面をスミで塗りつぶす処理を忘れていることもまったく気になりません。

↓羽生氏以外もそうそうたる顔ぶれ!そう言えば宮下ちゃんも羽生世代だったな!

実は僕も1994年生まれです!

初めて見たオリンピックは大林素子が出たバルセロナ五輪だよ!

岩崎恭子ちゃんの金メダルはゆりかごで見ました!

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さて、よくよく見ると上記のツイートには、おかしなハッシュタグ「#ももクロ」が。そのことに僕は誌面を見てから気づきました。僕は巻頭から順に読んでいったのですが、羽生氏⇒大谷翔平さん⇒萩野公介⇒松岡修造応援コラムときての次のページにギョッとしたのです。何故だか知らねどそこにはももクロちゃんが。「スペシャル・メッセージ」と題して、ももいろクローバーZ・百田夏菜子さんが急に出てきたのです。

夏菜子は新体操のリボンをクルクルしたり、テニスのラケットを振ったり、ラグビーボールを投げたり、スポーツ百面相みたいな写真をたくさん撮られていました。そして、1994年生まれの一員としてスポーツとアイドルの「エンタメ」としての共通項を語ったり、田中将大選手との交流について語ったり、もっともらしい感じのインタビューをしていたのです。

もちろん違和感はバリバリです。そもそも何で『Number』にももクロちゃんなのか。田中将大特集号ならいざ知らず、理解ができずにいました。もしや週刊文春だけが知っている「実は羽生氏と付き合ってるで」情報でもあるのかとさえ訝しんだほど。しかし、僕の中の名探偵コナンが言うのです。「あれ〜、どうしてこのお姉ちゃん、バドミントンをやらされてるのかなぁ?」と。百田がバドミントン、モモタがバドミントン、桃田がバドミントン……ハッ!!

↓前号の予告には「バドミントンをする桃田」の記事掲載のお知らせが!

ダ、ダ、ダジャレだぁ!!

ダジャレで空きスペースを埋めてきたぁ!!


↓オイかなこぉ!モモタつながりのダジャレだぞ!


何が「羽生結弦、大谷翔平との共通点とは?」だよwwww

その前に「桃田賢斗との共通点」を聞けwwwww

苗字だよwwwwwwwww

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まぁ、僕にとっては「Number×ももクロ」という貴重な記事を載せていただいてメリットも大きいのですが、本人の笑顔が最高なだけに最高に毒まみれになっているあたりは一応指摘せずにはいられません。記事中で発信する前向きなメッセージが、あるひとつの方向へと毒の光となって飛んでいっている。「えくぼと闇カジノは人生の落とし穴」みたいになっている。

「私は、自分に負けたくない」「“環境”に自分が負けるのはすごく嫌」「一人でも多くの人を笑顔にできる人でいたい!」といった夏菜子の言葉が、「あぁ(察し)」になっていくこの感じ。邪気が一切ないぶん、強烈なエスプリをともなって読者と桃田さんに「光」を叩きつけてきます。闇カジノの店内に差し込む朝日のように、強烈に…!

↓ていうか、バドミントンの写真撮ってあったとしても載せたらダメだろwwww
DSC08175

底なしの悪意に夏菜子を巻き込むなwwww

ゴメンな桃田さん、この娘、何もわかってないんやwwww

頼まれたことを全力でやっただけなんやwwww

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バスケとかホッケーとか、もうちょっと撮るべきカットはあったんじゃないのか。羽生世代と言うなら、スケート靴とか履かせてもよかったんじゃないのか。よりにもよって何故バドミントン。「本当はバドミントン桃田を載せたかったんです」的なダイイングメッセージをこめてるのかもしれませんが、「犯人はヤス」並みにズバッと答えが書いてある感じで、光が強すぎるのではないでしょうか。

桃田さんもしばらくヒマだと思うので、一度ももクロのほうのモモタでも見に行ってみてはどうでしょうか。闇カジノとどっちが面白いかはわかりませんが、すごい高揚感があって充実したオフになると思いますので。ただし、くれぐれもキスとかハグとかカジノとかは誘わないでくださいね。次に空きスペースを埋められるモモタは、桃太郎くらいしかいませんからね。


巨人の高木さん関連の代打には、ももクロの高城れにちゃんがオススメ!

「バドミントンなど別にどうでもいい」という本音を一旦押さえて、たぶんダメだろうけど頑張って賭博2選手を擁護するの巻。

07:00
やっていい賭博と、やっちゃダメな賭博があるよ!

「バドミントンなど別にどうでもいい」という大きな国民的視点に立てば、ぶっちゃけたところ永久にラケットを置いていただき、飲食店でも始めればいいんじゃなかろうか。そんな感じで誰も助ける者のない濁流に飲まれ、どんぶらこどんぶらこしている大きな桃、田賢斗さんと田児賢一さん。

「ガンバレ、今、助けるぞー!」

2段落目で早くも2回目となる「バドミントンなど別にどうでもいい」という国民的総意によって、桃田賢斗さんおよび田児賢一さんは選手生命を断たれようとしています。たまに出てくる擁護風ご意見などを見ても、リオに出場できないことは当然として、桃田選手には4年後の東京を目指してもらいたい的な論調のものばかり。特に明言はされないものの、田児さんは引退前提での「桃田は世界ランク2位だから」擁護論です。

「フモフモが助けにきたぞー!」

確かに賭博はダメです。刑法上の犯罪ですね。我々は「賭博ダメ社会」に生きているのですからダメです。ただ一方で、どのぐらいダメなのかという点については、非常に意見のわかれるところでしょう。法律に詳しい人たちが言うには、過去の判例をひも解くならば「金を賭けた」時点でそれは額の多寡によらず賭博罪に該当するといいます。

「サノケンすら擁護したフモフモだぞー!」

しかし、仲間内で賭けゴルフをしたり、賭けマージャンをしたりするのはありふれた風景でもあります。競馬や競艇などの公営ギャンブルと呼ばれる競技では昼間から堂々とジャンパー着たオヤジが金を賭けて泥酔しています。さらにパチンコ屋などは三店方式というワケのわからん理屈をこねて、カジノのスロットマシーンと何ら変わらない「賭け事」を提供しているではないですか。

「ほかに誰も助けにきてないけど、諦めないぞー!」

それを社会は平然と受け入れている。賭博はダメだと言いつつ、まったく性質が同じものが堂々と存在しているのです。ダルビッシュがパチンコ屋に行ったとき、我々はこんなに厳正に向き合ったでしょうか。「ダルビッシュなどどうでもいい」という立場からすれば、賭博で野球界追放(※4月25日までに自首すれば資格停止1年に割り引くキャンペーン実施中)が妥当であり、反社会的勢力(※弟/清原)との交際も疑われるわけですから、これはもう国外追放もやむを得ないところでしょう。しかし、実際問題そうはならない。何でしょう、この、パチンコならオッケーという謎理論。

「ロープも何もないけど精一杯手を伸ばすぞー!」

このような現実を受け、どれがアウト賭博でどれがセーフ賭博かわからなくなり、「賭け事自体はそんなに悪いことと思えない」という、偽らざる本音が彼らの胸の内には生まれるわけです。至極ごもっとも。海外には合法的にギャンブルをできるカジノもあります。「海外遠征でカジノに出会った」「初めてカジノに行ったのは合法の国」という彼らの証言は、一般には「感覚がマヒしていった」と受け止められるのでしょうが、実態としては「やっぱ悪くないよな、楽しい!」と気づいたのだと思います。

<「そんなに悪いことしたかなぁ?」という表情を狙っておさえる安定の底意地の悪さを発揮する毎日写真部>


「うーん、手が届かないなぁ……」

賭け事は悪くない、普通、当たり前という感覚。たまに政治家になりたがるバカが「カジノを作って税収アップ」とか言い出しますが、アレなど賭博罪の理念からすれば反社会的賭場を作ろうという、悪の組織の秘密基地作りみたいな提案なのですから、そのクチを洗濯バサミで綴じられても仕方ないところでしょう。実際問題そうならないのは、「賭け事自体はそんなに悪いことと思えない」という社会の意識があるからではないですか。パチンコはよくてバカラはダメという理屈は、本質的には筋がオカシイと思います。

「棒を持ってくるぞ!」

じゃあ、何故こんなに悪いことになっているのか。ひとつには反社会的勢力の資金源たる闇カジノでの賭け事だったことが挙げられるでしょう。裏社会を増長させれば、表社会の治安が乱されます。賭けた賭けないよりも「反社会的勢力」とのつながりが問題である。そういう指摘には納得感があります。

「ビニ傘があった!トライしてみよう!」

ただ、それとて全方位的に筋が通るかというとそうでもありません。「反社会的勢力の資金源たる風俗店・飲食店」に出入りしているパターンは、さして咎められないじゃないですか。結構いるでしょ、そういうの。自慢気に語る輩も含めて。反社会的勢力は反社会的勢力と名乗って近づいてくるわけではなく、心の緩みを突いてスッと入り込んでくるもの。「客人」としての付き合いは、軽率ではあるけれど、軽率以上のものではないのではないでしょうか。ヤクザとズブズブで利益供与とかだと悪質ですが、それは横領だの背任だの別の適切な犯罪があるでしょうし。

「えっ、先っぽのほうは掴みにくいって?わがままだなぁ…」

結局は、すべて「イメージ」の問題に集約されます。いいとか悪いとかじゃなく、イメージ。清廉・元気を売り物にしていたハーフタレントがドロドロの不倫をしていたら「イメージ」が傷ついてテレビから消えるのと一緒。バドミントン協会の誓約書にある「日本代表としてふさわしくない状況」こそが本件の最大の問題であろうと思います。

「じゃ、持つほうをそっちに向けるわ…」

野球において野球賭博が問題視されるのは、見世物の根幹を揺るがす「八百長」が疑われるという点および、過去に同じような問題があったという歴史的経緯を含めてのものでしょう。一方で、円陣賭博は野球文化として許されていたわけじゃないですか。ほぼ全球団やってたんですから。「野球において円陣での金のやり取りはオッケーだけど、野球賭博はダメだよぉ」という区別があったのです。賭博の中にもセーフゾーンとアウトゾーンがあったわけです、野球圏では。イメージ的な部分によって。

「ダメだ、今度は僕が握れない!すっぽ抜けた!」

その点、バドミントンは野球よりも厳しいイメージ管理が求められるのは当然のこと。強化費や所属企業からの給料などは基本的に「頑張っている」「爽やか」「前向き」「健康」「元気」などのイメージに対して支払われているもの。そうした善なるモノを支援することで、社会が明るくなり、よくなるという考えで生まれたお金です。それを預かる以上は、「ふさわしい」言動というのがあるはずです。大して客もいないのに、羽根つきみたいな遊びで金をもらえるなんて、オカシイでしょ。オカシイと思わないと。何で金が出てくるのか、そのカラクリを考えないと。自分がお金をもらえる理由をもっと意識すべきでした。

「Hey Siri 溺れている人を助けたい」

ただ、そこまで思い至らないのは、本人たちのあの感じなら仕方ないかなと思います。今回の会見でドキッとしたのが桃田さんの「自分もスポーツマンで勝負の世界に生きているし、ギャンブルというものに興味があった」という言葉。僕にはない感覚でしたが、彼らは普段から「バドミントンで勝ったら(何故かはよくわからないが)金がもらえる」というギャンブルをやっている気分だったのでしょう。賭け金はないけれど、そのぶん遠征の手間を掛けたり、用具を買ったりしているわけで、「投資をして」「遊びで勝負をして」「リターンを得る」という意味では賭け事と近しい構造でヒリヒリしたりざわざわしたりしていたのです。田児さんなんて、自費で大会に出て賞金を稼ぐという本格派ですし。

「Hey Siri 溺れて いる 人を すぐに 助けたい」

「スポーツ楽しい!勝つの楽しい!負けて悔しいのもヒリヒリして楽しい!」と「ギャンブル楽しい!勝つの楽しい!負けて悔しいのもヒリヒリして楽しい!」は、彼らの中で感覚的に似ていた。朝食でコーヒー飲んで、昼食でカフェラテ飲むみたいな感じで、どっちも似たような性質のものだった。そこに「賭け事自体はそんなに悪いことと思えない」が重なったら、アヤしい裏カジノでドキドキしながら賭け事を楽しんでも不思議はありません。

「Hey Siri 沈んだ 人を 引き揚げる 方法」

僕は何もかもを許せと言っているわけではありません。大きく「イメージ」を損なった以上、しばし選手として活動できないのは避けられないでしょう。「イメージ」が売り物なのですから。ただ、言うても「客としてバカラやって負けた」だけじゃないですか。負けたということで脱税もありませんし、ただただ「客としてバカラやって負けた」だけなのです。パチンコで負けるのは笑い話にする社会で、彼らを一発アウトにするのは、何かがオカシイと思います。

「うわっ、調べものしてる間に、沈んでから5分くらい経ってた」

賭博罪の刑法上の量刑は「50万円以下の罰金又は科料」、常習賭博罪にしても「3年以下の懲役」です。桃田さんは6回の通いで、現在は止めているということなら単純賭博で罰金でおさまりそうですし、1000万円負けた田児さんが常習性を認められたとしても(※バドミントン強いのにバカラ弱い)、初犯ということなら執行猶予となる線。刑法上はその程度のものでしかないのです。「人としてやってはならないこと」はもっとほかにあるでしょう。

「うーん、これはちょっとやそっとじゃどうにもならんね」

刑法上とは別にスポーツ的な観点で言えば、「客としてバカラやって負けた」よりも「八百長」「ドーピング」「買収」などのほうが、よほど問題なわけです。見世物の根幹を揺るがし、詐欺的手法でリターンを奪っていく行為なのですから。そうした行為でも4年間の資格停止後に堂々と復帰してくるわけで、復帰を前提とした資格停止以上のものを「客としてバカラやって負けた」に科すのは、やりすぎなのではないでしょうか。

「一回出直そう、基本的に道具が足らんわ」

田児さんは日本選手権を6連覇するなどした名選手。世界ランク1ケタに入った実績もあります。まだ26歳とこれからが勝負の年齢。悪い遊びに仲間を誘った責任は感じてもらうしかないですが、何も引退させんでもいいでしょう。本人は半ば「僕の引退で代わりに桃田を」的な人身御供みたいな気持ちになっていますが、負け金に応じて差をつけた「復帰を前提とした資格停止」でいいじゃないですか。どのくらいの時間にするかは、バドミントンが負った痛手をバドミントン界で判断するということで。

「必ず助けるぞ、桃田だけじゃなく田児も助けるぞ!」

4月25日までに名乗り出たら1年間の資格停止で勘弁してやる的な競技もある中で、「客としてバカラで負けた」だけのおバカさんを世紀の大悪党みたいにするのは筋が通らない。「バドミントンなど別にどうでもいい」という本音が、殴る手の勢いを強めているのではないですか。わざわざ擁護して一緒に怒られる必要もないのですが、僕の感覚ではこんなに殴るのはアンフェアにしか思えないのです。

「ホームセンターでロープを買ってくる!」

「賭け事はダメ」という社会を築いておきながら、賭け事としか思えないものを社会の中に当たり前に存在させ、それが何故OKになっているのかを説明することもなく、「賭け事自体は悪いことと思えない」という意識を育んでいる。そこを直していかなければいけないという意識付けのためにこそ、今回の事件は活かされるべきだと思います。桃田さんと田児さんには、これを機にやっていい賭博とやって悪い賭博、イメージ的に許される賭博と許されない賭博があるんだということを学んでもらい、正しくギャンブルを嗜んでもらいたいもの。パチンコは何故かOKらしいので、今後はパチンコでドーンといってみてはいかがでしょうか。バドミントンでの金の獲り合いも、また頑張ってくださいね。

「はい、ロープ」



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さーて、今日は天気もいいから競馬場でも行って儲けちゃおうかな!
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婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

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