スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

ロンドン五輪

ロンドン五輪閉幕!大盛り上がりの閉会式を見ながら2020年東京五輪を想うの巻。

13:25
ロンドン五輪、お疲れ様でした!

開幕前にスタートする競技を含めれば18日間に及ぶ激闘。世界が熱狂した五輪が終了しました。個人的にもロンドン時間に生活を移行し、おかしな時間に起きておかしな時間に寝るサイクルは、年齢と共に弱りつつある体力の限界に挑戦するものでした。床に這いつくばり、ヒジを立てて頭を乗せる苦しい体勢での観戦。ひと夏の大きな挑戦であったと言えるでしょう。

今大会は、日本勢にとって「初」「〜年ぶり」の多い大会でした。

女子バレーでは28年ぶりのメダル獲得。レスリング男子では24年ぶりの金メダル獲得。サッカーでは男子が44年ぶりの準決勝出場、女子は史上初のメダルを獲得。ボクシングでも48年ぶりに金メダルが生まれ、卓球・アーチェリー女子団体・バドミントン女子ダブルス・フェンシング団体では史上初のメダルを手にしました。あまり目立たたないものまで含めれば、新体操が12年ぶりに決勝進出を果たしたり、競泳女子400mリレーで44年ぶりの決勝進出を果たしたりと、いくつもの「初」「ぶり」がありました。

4年に一度の五輪と言いますが、今回の日本勢の活躍に、僕はその想いを改めました。4年という短いスパンでは人生は考えられないからです。女子バレーのメダルはアテネ・北京という2度の挑戦があればこそ。卓球女子団体も同じです。レスリングやボクシングにも挑戦の歴史があって今があります。「初」となるものには、支援も何もない中で、細々と世界と戦う努力をつづけてきた人たちがいたはず。

ひとりの選手だけ考えても、3大会12年くらいの挑戦の果てに、ようやく成功があったりするわけです。それは「4年の努力」なんて小さな枠にはおさまらないもの。もっと人生は長いのです。大会は終わりましたが、今回結果がよかった人も悪かった人も、10年以上のスパンの中の大きな節目を通過しただけ。ならば、今大会の結果をもって「成功」とか「失敗」なんて言えようはずがありません。

オリンピアンではない僕らの人生も、また同じ。

今は辛かったり苦しかったりするかもしれませんが、いつか素晴らしい未来がくるかもしれない。満足する日が訪れるかもしれない。長い雌伏を超えて「初」「ぶり」をつかんだ選手たちを見れば、大いに勇気がわいてきます。あと4年、いやあと8年頑張ってみよう。2大会先くらいなら何かイイ感じになっているかもしれない。「24年ぶりの交際」「史上初の結婚」「悲願の結婚指輪」もあるかもしれない。僕はこの夏のお祭り騒ぎから、そんな元気をもらいました。とりあえずリオまでは諦めないように、そして2020年の東京五輪までは死なないように、と。

さぁ、オリンピックのない月曜日です。

死なない程度に働きますか。

2020年まで健康で生きつづけるために。

ということで、祭りのあとの寂しさを感じながら、「ロンドン五輪 閉会式」をチェックしていきましょう。



◆さよならロンドン、よろしくねリオ!2016年に会いましょう!

閉会式を見ながら思うのは2016年リオ五輪のこと。そして、2020年東京五輪のこと。2013年9月の決戦投票にて東京が開催都市に選ばれたなら、リオ五輪には東京のスタッフも登場するのです。リオから五輪旗を受け継ぎ、東京五輪の素晴らしさをアピールすることになるのです。

4年前の北京五輪ではベッカムが二階建てバスに乗って登場し、ボールを客席に蹴り入れたもの。そしてそのボールを女子バレーの代表だった杉山祥子さんが取り損なったりしたものです。あのときは、次回大会で日本が銅メダルを獲得しようとは想像していませんでしたが。それぐらい時の流れは早いものです。「東京五輪ならばどうすべきか」という点は、そろそろ考え始めておかなくてはいけないでしょう。

ビッグベンの鐘の音でスタートした閉会式。スタジアムにはロンドンの街が再現され、中央には新聞を模した床板で、ユニオンジャック状のステージが築かれています。ハムレットの一節が書かれていたりする辺りは、イギリス文化の世界での認知度に驚かされます。東京五輪ならゴーンと鐘でも鳴らして、「柿食えば鐘が鳴るなり」とでも書いておけばいいのでしょうか。日本人も含めて意味不明かもしれませんが。

ダンサーたちが踊り、バットマンが現れ、ストンプのパフォーマンスを見せる。ここからは開会式のつづきのような、イギリスミュージックのお披露目会。マッドネス、ペット・ショップ・ボーイズ、アイドルグループのワン・ダイレクションなどが登場。さらにはキンクスが1960年代のヒット曲を熱唱。この辺はよくわかりませんが、東京五輪なら東京スカパラダイスオーケストラの演奏をバックに西野カナと電気グルーヴと嵐がパフォーマンスし、殿さまキングスが出てくるみたいな話でしょうか。しっちゃかめっちゃかで非常に心配になりますね。

パフォーマンスがひと段落すると選手団の入場。まずは旗手からということで、日本からも金メダリストの吉田沙保里さんが堂々の入場。つづく選手団の入場では、開会式での誘導ミスに配慮したのか、日本選手団は先陣を切っての登場。陸上選手などが日の丸を振って観衆に応えます。

その後、しばしのご歓談を経て男子マラソンの表彰式、ジョン・レノンさんの映像を流して「イマジン」斉唱、「FREEDOM」の主張を掲げた自由な男ジョージ・マイケルさんのステージ、バイクに乗ったカイザー・チーフスのステージ、デビッド・ボウイさんの映像と再び音楽祭モードへ。東京五輪なら坂本九さんの「上を向いて歩こう」、槇原敬之さんのステージ、GReeeeNのステージ、氷室京介さんの映像といった感じでしょうか。ごった煮でよくわからなくなってきました。

つづいては美人鑑賞タイム。ケイト・モスさん、ナオミ・キャンベルさんらスーパーモデルを描いたボードが登場し、ボードの裏には本人もスタンバイ。日本なら前田敦子さん板野友美さんなどがボードの裏から登場する感じでしょうか。世界からの誰それ感が心配です。

その後も出るわ出るわの有名人。ファットボーイスリムがタコに乗って現れるわ、スパイスガールズが再結成するわ、モンティ・パイソンの人が人間大砲でドカンするわ、さすがにオアシスの再結成は無理だったのでビーディ・アイが登場するわ、クィーンの再結成も無理だったのでフレディ・マーキュリーさんの映像に合わせてウィー・ウィル・ロック・ユーするわの一大フェスタ。SPEEDとMAXを一回解散させてから再結成させる程度では、とてもこの盛り上がりに対抗できそうにありません。

そして式典もいよいよ終盤へ。オリンピック賛歌の斉唱、オリンピック旗の次回開催都市への引き渡し、「道路清掃作業員の方がたくさん出るな…」と思ったらひとりはペレだったというリオ五輪運営サイドによる出し物、偉い人の挨拶、テイク・ザットのステージ、聖火消灯、ザ・フーのステージ、梅ちゃん先生と式次第も進み、2週間に渡るロンドン五輪が閉幕しました。

閉会式まで現地に残った選手のみなさんも、途中で帰国したみなさんも、本当にお疲れ様でした。しばしの休養ののち、新たな挑戦で楽しませてください。そして僕ら観衆も、あと2回先には日本でコレをやるんだという気持ちを持って、今後も観戦をしていきたいもの。自分たちも楽しみ、世界を楽しませる。そんな東京五輪が開催できることを願って…。

↓日本選手団は大いに閉会式を楽しみ、途中で飽きたぞ!
・福島千里さん、木村文子さんなどは記念写真撮影会で人気
・実況が「レスリングの湯元選手も見えます」とコメント。湯元には進一と健一とふたりいるが、双子のためどちらなのかまではわからなかった模様
・ついさっき負けたばかりのマラソン・藤原新さんも笑顔で登場
・レスリングの高谷惣亮さんは襟元に日の丸とユニオンジャックを大量に差し込み、記念撮影で大忙し
・新体操のフェアリージャパンもとりあえず記念撮影しとけ対象
・トランポリンの伊藤正樹さんは女子に囲まれハーレム状態で記念撮影
・女子バレーチームとレスリングチームは合同で記念撮影
・そこに混じる近代五種の黒須ちゃん。さっき負けたばかりだけど超元気
・後半は疲れてきたのか、座り込む選手も
・金丸祐三さんはスマホいじりに集中する
・高平慎士さんはフェアリージャパンに接近し、記念撮影のおねだり。ついでに合コンのお願いもしていそうな雰囲気
・偉い人の挨拶の段ではすっかり飽きてしまったのか、新谷仁美さんは時計を見ながら大アクビ

3時間選手を立たせっぱなしって地味に扱いが雑www

東京五輪ではパイプ椅子をちゃんと置きますからね!

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↓そんな中、疲れも見せずノリノリだったのは木村沙織さんとその仲間たち!
・入場時は両手に持った日の丸とユニオンジャックを大きく振って登場したサオリン
・荒木絵里香さんとともに投げキッスしながら行進
・我が家:「エリカ様は投げキッスやっていただかなくても…」
・通路にカメラを発見すると「いたー!」というリアクションで手を振ってアピールするサオリン
・大友、荒木、狩野、新鍋、迫田らを呼び寄せカメラに群がる
・無駄にハイテンションで踊るサオリン
・目の前にいたスキンヘッドをピシャンと叩くサオリン
・スーパーモデルが登場すると「あーっ本物!」と指を差し、撮影のために接近するサオリン
・ステージのパフォーマーに積極的に手を振るサオリン
・ノリノリでダンスをつづけるサオリン
・スパイスガールズ登場の段で、盛り上がって暑くなってしまったのか、羽織っていたジャージを脱ぎ半袖姿になるサオリン
・影響されて荒木も脱ぐ!誰にも頼まれていないけど脱ぐ!
・大友も脱ぐ!狩野も脱ぐ!バレーの一団だけ蒸れてる!
・実況からも「バレーボールの大友選手、木村選手ノリノリですよ(笑)」と注意が。サオリンマジノリノリ
・人間大砲がドカンとなったらサオリンマジビックリ
・偉い人の挨拶が始まると何故か接近して記念撮影を始めるサオリン
・何でそこなんだよwww
・スパイスガールズとかももっと熱心に撮影しろよwww
・移動の際、ディーン元気の横を通過したが、ディーンよりデカいサオリン

こんなに閉会式楽しんでるのサオリンだけじゃないのかwww

脱ぐなwwwそして踊るなwwwww

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↓ロンドン五輪閉会式ダイジェスト動画
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いろいろあって楽しい五輪でした!

世界のみんな、お疲れ様!

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サオリンは日本に戻ったらお祝いと反省会をみっちりやるように!



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バレー新名言:「ホント、(アタシ)よく頑張ったと思います」(28年ぶりのメダル獲得に感極まる竹下佳江)

15:13
テンにも昇るこの気持ち!

嬉しい。たまらない。よかった。本当にめでたい。ロンドン五輪も残すところ2日となったこの日、嬉しい嬉しいメダルがやってきました。女子バレー3位決定戦。韓国と対戦した火の鳥ニッポンは、3-0でこれを撃破。ロス五輪以来28年ぶりとなるメダルを獲得したのです。「火の鳥」の名に込められた、あの栄光よ甦れの想いが成就した瞬間。人のメダルでもらい泣きするとは、僕もだいぶ年を取ったようです。

早く木村沙織さんの活躍に触れ、サオリンの踊りをいじくり回したいところですが、その前にお礼を言いたい人がいます。それは全日本不動のセッターとして、火の鳥ニッポンを牽引してくれた竹下佳江さん。僕もそこそこバレーを見てきていますが、こんなに長期間お付き合いした選手は竹下さんただひとり。結婚や怪我で早くして引退する選手も多い中で、34歳までコートに留まりつづけたしぶとさ。肉体と精神をトップレベルで保ちつづけた日々の努力には、本当に頭が下がります。

竹下さんは全日本女子バレーのどん底を知る選手です。1964年の東京五輪で正式競技に採用され、いきなり金メダルを獲得するなど、栄光に満ちた全日本女子バレー。歴史の中で唯一、出場権を獲れなかったのが2000年のシドニー五輪でした(1980年モスクワ大会は不参加)。もう12年も前のことです。そのときのセッターは竹下さんでした。あの日、コートにいたメンバーはみな引退しました。それだけの時間が経ちました。

竹下さんを巡る物語の構図は、あの頃も今も、変わっていません。

曰く、竹下は「戦犯」である、と。

バレーボールはネットを挟んで、上からボールを打つ競技です。高身長であることは絶対的に有利です。シドニー五輪での竹下さんは、チームの大型化を図る流れに逆らい、葛和監督(当時)の肝入りで招集された選手でした。身長159センチの小さなセッター。街の中で出会っても、バレー選手とは思わないであろう普通の女性。竹下さんの目立った「短所」は、メディアや世間、バレーファンの怒りの標的となりました。「お前のせいでシドニー五輪に出られないんだ」と。

そして、今でも竹下さんは標的でありつづけています。勝てば●●のおかげ、負ければ竹下のせい。●●の部分は栗原であったり木村であったり、いろいろな名前が入りますが、「竹下」の部分は基本的に揺らぐことがありません。どれだけディグで貢献しようが、効果的なサーブを入れようが、驚異的な体力でセットをつづけようが、それは「当たり前」のこととして受け止められてしまいます。確かに、159センチのブロックを相手選手に上から打ち抜かれる姿は、すべての頑張りを霧散させるインパクトがあります。叩きやすいターゲットでしょう。

竹下さんは、それにじっと耐えてきました。

シドニー五輪の出場権を逃したあとはショックから一時引退。実家に帰って、帽子を目深に被りながら「犯罪者のように」こそこそと暮らしていたといいます。アテネ五輪の出場権を獲っても、北京五輪の出場権を獲っても、世界選手権の銅メダルを獲っても、不動の戦犯・竹下のポジションは揺らぎません。

ベストセッター賞とか、そんな表彰では「159センチ」を覆すことはできないのです。逆に、2006年の世界選手権では、優勝したロシアからではなく6位の日本から竹下さんが大会MVPに選出されてしまい、バツの悪い想いをしたこともありました。これほど表彰歴を持ちながら、これほど叩かれやすい選手も珍しいでしょう。

だから、いつも、結果を求めています。

「あたし思うのは、いつも思ってるのは、テレビ…カメラを目の前にして言うのは何ですけど、カメラの前で語る必要があるのかな…とか」
「だってあたしアスリートですもん。コートで結果出さないとダメでしょ」
「やっぱバレーボールって結局、今までも、厳しい言い方したら結果出てないのに、でもやっぱり採り上げてもらえててっていう」
「スゴイ、甘いなっていつも思ってて」
「たぶんほかの競技の人からしてみれば、ホントに何なんだって思ってると思うんですよ」
「でもそういう風に、何人の選手が感じてるんだろうって思うんですよね。取材とか受けてても」

これらは竹下さんがテレビ番組の取材で語った言葉。五輪に出場するだけでも大変なことなのに、竹下さんはそれでは足りないと感じながら、申し訳なさそうにバレーをしてきたのでしょう。「テレビ中継なんかされていいのかな」「派手に宣伝してもらっていいのかな」「バレーだけで暮らせる状態でいいのかな」などと。

もう、そういうのはいいんじゃないでしょうか。

28年ぶりの五輪でのメダル獲得。数世代の選手が誰も成し遂げられなかったことを達成したチームに、戦犯などいようはずがありません。結果不足などと言われるはずがありません。小さい身体の不利を跳ね返し、世界3位のチームで活躍したヒロインがいるだけです。小さくてもバレーボールができることを証明した不屈の選手がいるだけです。

あの日、身体を震わせながら、引きずられるようにしてやっとコートをあとにした竹下さん。五輪の借りは五輪でしか返せないと言います。でも、借りを返しただけでは埋められない疵もある。出られなかったあの日の疵は、出ただけでは埋められない。沈んだ深さ以上に、舞い上がる喜びがなければ割りが合わない。やっと、その埋め合わせができたのではないでしょうか。

誰のどんな言葉より、確かな重さで語りかけてくるメダル。

竹下さんがいなければ獲れなかったメダルです。

「竹下のチーム」で獲ったメダルです。

その重さを感じながら、自分で自分を労ってあげてください。

おめでとうございます!

ありがとうございました!!


ということで、28年ぶりにメダルを獲得した「ロンドン五輪女子バレーボール3位決定戦 日本VS韓国戦」をチェックしていきましょう。



◆いいチームだった!強かった!信じ合うことの素晴らしさ!

木村沙織という世界屈指の選手…日本の宝を擁する火の鳥ニッポン。2010年の世界選手権では長いトンネルを抜けてメダルを獲得しました。着々とチカラを蓄えてきました。おそらく今大会が最後の五輪になるであろう選手もいます。脂の乗った木村沙織と、経験豊かなベテランが融合する最後の大会。今回獲れなければいつ獲れるんだという大チャンスです。

全日本のスターティングシックスは意外な顔ぶれ。今大会好調で、準決勝進出の原動力ともなった江畑幸子を下げて、迫田さおりを起用。試合後に眞鍋監督は「韓国戦、データでは迫田がいいんです。どうかなと思いながら起用しました」と、ある意味で半信半疑の起用であったことを吐露します。

これこそが、このチームの強さではないでしょうか。データバレーを標榜し、試合中にも左手のiPadを駆使する眞鍋監督。その陰には、膨大なデータを分析し、送信しつづけるアナリストたちがいます。夜を徹して勝利への糸口を探る仲間がいます。「迫田が勝利への糸口だ」と分析したアナリスト。仲間の言葉に運命を委ねた監督。データと現場を結びつけた「信頼」というピースが、全日本にはありました。

起用された迫田もまた仲間をつなぐピース。12人の本大会メンバーには残れなかった石田瑞穂のユニフォームを、自分のユニフォームの下に着込み、13人目の想いを抱いて戦いました。ひとりではなくチームでの戦いだからこそ越えられる壁もある。高さという壁を、歴史という壁を、メダルという壁を。

●第1セット
最初の1点をミドルからの速攻で奪い取ると、木村沙織のサーブで立てつづけに得点。韓国のミスにも助けられ、序盤で6-1と大量リード。しかし、ここからが上手くいきません。日本得意のミドルブロッカーがライトに流れるブロード攻撃を完全にマークされており、チャンスのはずが逆にブロックポイントを奪われるなど、気がつけば9-10と逆転を許してしまいます。2回目のテクニカルタイムアウトは15-16で韓国に奪われる嫌な展開。

一進一退の攻防の中で、日本にとって大きかったのは22点目。迫田がつづけてスパイクを放っては跳ね返されるラリーの中で、ストレートに打ったスパイクがワンタッチの判定で日本の得点となったのです。スローで見るとノータッチでアウトのようにも見えましたが、これが勝負のアヤというものか。

このプレーのあと一気に走る日本。木村沙織が苦しい体勢のバックアタックから、コート真ん中に落とすフェイントでの23点目。韓国のキム・ヨンギョンがバックアタックでラインを踏むというミスで得た24点目。ノーマークの迫田がズバッと決めた25点目。大事な大事な第1セットを25-22でものにします。


●第2セット
木村沙織のサーブからまたも大量リードを奪う日本。韓国も選手交代やタイムアウトで何とか木村のサーブを切ろうとしますが、怒涛の5連続ポイント。さらに荒木のサーブでも連続ポイントを奪い、8-1と大量リードで最初のテクニカルタイムアウトへ突入。16-11と2回目のテクニカルタイムアウトも奪い、順調にゲームを消化していきます。

↓この日バカ当たりの迫田は、渾身の笑顔!
http://cgi2.nhk.or.jp/olympic/common/player/news/view.cgi?params=1,type=clip&clip=523718&mtype=1&keepThis=true

何か映画エイリアンに出てくる生き物みたいな動きwww

怖いよwwww

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ところが、ここからがいけません。この日バカ当たりの迫田に韓国のブロックが合い始め、つづけざまに止められてしまうと、頼みのブロード攻撃もシャットアウト。ジワジワ追いすがる韓国は16-15と1点差にまで迫ってきます。それでも日本は24-21とセットポイントを握りますが、何とここで再び迫田が止められ、さらにキム・ヨンギョンに決められて24-24のデュースに!

しかし、この悪い流れを断ち切ったのはやはり迫田でした。ネットから少し離れた位置で、とにかく高く、思い切って打ち抜いた迫田らしいスパイクで25-24とすると、26点目も迫田がサーブで崩して奪取。もしこのセットを失えば「7点差からの大逆転」と、最悪の流れになるところでしたが、迫田がチームを救いました。


●第3セット
キム・ヒジンが連続サーブポイントを挙げるなど、やや韓国の流れでの立ち上がりとなったセット序盤。しかし、苦しいときこそ頼れるのはエース。1・2セットを迫田の活躍で取れたぶん、木村沙織の打数は抑えられました。韓国のブロッカーも迫田を意識せずにはいられません。ここにきてのレフトからの木村の連打。ブロックを弾き飛ばして決める強打には、メダルへの執念が宿っています。

中盤からは韓国にミスが続出。オーバータイムスやネットタッチで得点を失うと、キム・ヨンギョンは判定への不服を露わにする場面も。それでもさすがは韓国のエースらしく、スパイクを決めつづけるキム・ヨンギョンですが、いかんせんこの日は「キムひとり」のチーム。

ブロックポイントこそないものの、キム以外のスパイクはよくブロックに掛け、レシーブでつなぐ日本。一方日本は、エース木村はもちろん、迫田の強打、そして思い出したように使う新鍋のスパイクが決まり、少しずつ差が生まれていきます。ポイントはついに24-21。あと1点で銅メダル獲得です!

↓最後に決めたのは、大活躍の迫田!


木村が拾って!竹下があげて!迫田が決めた!

落下点まで入る動きの速さ、後ろ向きでもアンダーからでも高く正確なトスを送る技術!これもバレーボールだ!

日本28年ぶりの銅メダル獲得!

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スタッフもコートになだれ込み、崩れ落ちる全日本。竹下と佐野が抱き合って泣きじゃくる。迫田と江畑は新時代到来を見据えた明るい表情。キャプテン荒木は野太い雄叫びをあげ、ボンヤリしていた木村沙織はみんなが涙を拭ってから一拍遅れて感極まる。そして全員が最高の笑顔を見せました。

それを見つめる解説席の大林素子さんは「みんなありがとう…」と涙を流し、日本のスタジオで見守った吉原智子さんも「ホントにありがとう。私たちも獲れなかったものが獲れて本当に嬉しいです」と感謝感謝感謝。常に東洋の魔女と比較され、凋落というフレーズで語られることが多い女子バレー界。勝てない時期を乗り越え、歴史をつないできた名手たちの想いも、このメダルには乗っているのでしょうね…。そりゃ重たいわけです…。

↓喜びを語る選手たち!竹下・佐野・大友からは「これが集大成」という想いも!
眞鍋:「選手たちがすごい集中力でした。感動しました!震えますね、しびれますね!」
眞鍋:「(迫田の起用は)当たりましたねー。今までのデータが迫田が一番いいんですよね、韓国戦は。今日どうかなと思ってましたけど、大活躍でした」
眞鍋:「(竹下について)セッターというポジションはなかなか感情を表に出せませんけど、顔色変わりましたからね!かなり嬉しいと思います」
眞鍋:「選手とスタッフに感謝してます!」

竹下:「すごく嬉しいです。内容の濃いバレー人生だったと思います」
竹下:「たくさんの仲間に支えられて、素晴らしい人に巡り合えたなと感謝しています」
竹下:「一本一本がしびれるゲームだったと思います」
竹下:「(集大成ですか?との問いに)今はゆっくり休みたいと思います」
竹下:「ホント(アタシ)よく頑張ったと思います」

木村:「ホントに嬉しいです。韓国に前回負けていたのでリベンジができて、オリンピックの銅メダル本当に嬉しいです」
木村:「自分たちのほうが相手より積み重ねてきたものが多いと思うので、それがしっかり出たのでよかったです」
木村:「気持ちを込めて打ちました」
木村:「早くメダルほしいです!(かけたらどうなる?との問いに)わかりません!」

大友:「まだ実感がないです。みんなに助けられて最後までコートに立てて嬉しかったです」
大友:「このメンバーで最後の試合だったので、戦い切れてよかったです」
大友:「最高の仲間と日の丸つけて戦うことができて、復帰してよかったなと思います」
大友:「やっと娘との時間がこれからたくさん使えるなと思います」
大友:「(これで一区切りかな?との問いに)どうかな?でも本当にやり切ったなと思います」
大友:「早く娘にメダルを見せたいです」

迫田:「ミホがついててくれたんで!」
迫田:「自分のユニフォームの下に(石田のユニフォームを)着てミホと一緒に戦ってました。ミホのチカラも借りて」
迫田:「最高の舞台で戦わせてもらえて本当に感謝しています」
迫田:「みんなに背中を押してもらえたおかげです」

佐野:「もーう、ホント嬉しいんですけど…みんなに感謝しています」
佐野:「ひとつひとつが最後(のオリンピック)だと思うと、切なかったんですけど、いい試合しようと思って戦ったので、こういう結果で嬉しいです」
佐野:「(ゲームセットの瞬間は)メダルが獲れた嬉しさと、これで終わりかなっていう寂しさがありました…」
佐野:「最高の終わり方だったなと思います」

みんなお疲れ様!このメダルは宝物だな!

サオリンも、世界選手権のメダルみたいに、そのへんにぶら下げてたらダメだぞ!


↓表彰式で晴れやかに銅メダルを受け取る選手たち!
http://cgi2.nhk.or.jp/olympic/common/player/news/view.cgi?params=1,type=clip&clip=524020&mtype=1&keepThis=true

サオリン:「これ何が描いてあるんだろう…」
サオリン:「うわっ、裏にも絵がある!」
サオリン:「よくわかんない。うーん?」

サオリン、メダル見すぎwwwwww

家・で・見・ろ!


↓どうでもいいけど、サオリンはこの踊りについてあとで反省会な!
<画像:サオリン歓喜のダンス>
http://www.sanspo.com/london2012/photos/20120812/vol12081205050006-p6.html

<画像:サオリン歓喜のダンスつづき>
http://www.sanspo.com/london2012/photos/20120812/vol12081205050006-p10.html

何これwwwwwwww江畑もワロテルwwwwwwwwwww

ひとりだけ舞い上がりすぎwwwwwwwwwwwww


↓あと竹下さんも、何かいろいろと大変そうですが頑張ってください!
次なる「夢」は決まっている。既に一部には結婚の予定を明かしている。相手は広島の江草投手。昨年まで阪神に在籍しており、竹下と同じ兵庫県内に住んでいた。アスリート同士として意気投合。2人とも同じマネジメント会社に所属する。お互い世界や日本を移動する生活の上、江草は昨年5月に西武、今年3月には広島へ移籍。ゆっくりと会えない日々で、静かに愛を育んできた。

http://london2012.nikkansports.com/volleyball/news/p-sp-tp0-20120812-999421.html

素子:「みんなありがとう…」
素子:「えっ、竹下選手は結婚も決めたの…?」
素子:「メダルも獲って、結婚も決めたの…?」
素子:「そう…そうなんだ…」
素子:「うん…おめでとう…よかったね…。そうなんだ…ふーん…」

って、おぉぉぉぉい、これじゃ引退できないじゃん!

竹下さん、これからもJTでガッチリ稼いでくださいね!

ちなみに、アメリカのスコット選手は39歳でも五輪に出てますよ!

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バレー界の小さな巨人たち、お疲れ様、そしてありがとう!!


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イギリスのせいで後味が悪いものの、見事なベスト4で大会を終えた関塚JAPANに感謝の巻。

19:02
全部イギリスが悪い!

うーん、残念無念。ロンドン五輪もいよいよ佳境を迎える中、日本の若きイレブンが、悔しさいっぱいの終戦となりました。ロンドン五輪男子サッカー・3位決定戦。望外の3決進出を果たした日本は、韓国と対戦。勝てば44年ぶりのメダルという大チャンスでしたが、0-2と完敗を喫しました。大きな魚を取り逃がした、特に韓国が相手だけに悔しさが募る敗戦となりました。

しかし、まずは心を整えて、この敗戦を受け入れたいもの。

そもそも、3位決定戦進出という結果はとても素晴らしいものです。全世界の五輪を目指したチームの中での4位。最後の最後まで大会に残り、印象的な本大会での3勝を記録したのです。前評判からすればこれは大成功の大会であり、若い選手たちが積んだ経験値や、世間での認知度拡大を考えれば実りの多い結果。「どうせグループステージで負けるだろ」的な見立てをした方が大半でしょうから、予想を裏切るこの活躍は大拍手で賞賛したいもの。

それに、悔しさの大半は最後に負けたという後味の悪さによるものでしょう。必要以上に闘争心を剥き出しにし、敗者に鞭打つような喜び方をし、試合後に政治的パフォーマンスをし、日付を合わせて大統領が不法入国をするモンスター隣人が相手だから、必要以上に腹が立っているだけです。

もしこれが開催国イギリスとの対戦であったなら。ギグスやベラミー、ラムジーらが躍動するチームに敗れ、ウェールズ出身選手とイングランド出身選手とスコットランド出身選手が歓喜の抱擁をする場面に立ち会えたなら。若き日本代表も爽やかな気持ちで大会を去ることができたはず。「似たような国でいがみ合うのは悲しいことだよな」「わだかまりは捨てよう」「みんな仲良くね!」とコチラも嬉しくなったかもしれません。

その意味で、今回の後味の悪さはすべてイギリスに責任があります。開催国のくせにメダルマッチに進出しないという体たらく。自称「サッカーの母国」が何たることか。そんなことじゃ困る。準々決勝のときから思っていたんだ。こんなことになりゃせんかと気にしていたんだ。ほれみろ。こうなったぞ。言わんこっちゃない。何がギグスだ。何がベッカム無念の落選だ。ちゃんとメダルを獲れ。コッチだって大人だから、3決でイギリスと当ったら負けるわ。それくらいの気遣いできるわ。むしろそうしたかった。別に男子サッカーは五輪での勝ち負けにこだわっているわけではないし。負けたら負けたでいいんですよ。ただ、気持ちよく負けたいだけで。イギリスさんならその相手にふさわしかったのに。まぁ韓国じゃなければどこも一緒っちゃ一緒ですけどね。特段日本を目の敵のようにしてる国もほかにないでしょうし。ある意味、北朝鮮のほうがマシとさえ言えますよ。メキシコ戦のあとも「負けたな」って思っただけですしね。そういう感じで大会を去りたかったんですよ。なでしことアメリカの美しい決勝戦が羨ましい。ああいう清々しい負けで終わりたい。イギリスさんにはそこを期待していたのに、残念です。しっかりしろイギリス!ちゃんとやれイギリス!何やってるんだイギリス!

ということで、「全部イギリスが悪い」ということで気持ちを鎮めつつ、「ロンドン五輪男子サッカー3位決定戦 日本VS韓国戦」をチェックしていきましょう。



◆いい大会だった!よく頑張った!胸を張って帰ってきてください!

カーディフのミレニアムスタジアム。女子決勝戦より客入りは乏しいものの、そのぶん関係者率は高く熱気は倍増。物見遊山の客ではない、日本サポーターと韓国サポーターのぶつかり合い。会場にはまるで日本のスタジアムであるかのような横断幕と、両国国旗の掲出合戦。少年たちが韓国国旗を振り、よくわからんオッサンが日の丸鉢巻を締めて長崎運送のまつり法被を着込む。五輪の3決というよりは「日韓戦」という雰囲気です。

メダルを争う韓国代表は豪華な顔ぶれ。アーセナルのパク・チュヨンがOAで参加。ク・ジャチョル、キ・ソンヨンなど欧州でプレーする選手も多数。キム・ヨングォン、ファン・ソクホ、キム・ボギョン、ペク・ソンドン、チョン・ウヨンといったJリーグでおなじみの面々も。そして監督はホン・ミョンボです。名前負けしそうな編成には、向こうの本気度がうかがわれます。

そして始まった試合。日本は永井をトップにすえ、大津・東・清武で2列目を組むおなじみの形。これしかないという編成、逆にこれ以外できないという編成。メキシコ戦の終盤には、選手を入れ替えるほど弱くなるという現象も垣間見えましたので、先行逃げ切りを図りたいところ。永井が走って、大津がワヤクチャに決める。これが関塚JAPANの戦術のすべてなのです!

立ち上がりは互角の流れ。むしろ韓国は、開始3分でク・ジャチョルが競り合いから偶然のパンチングを放ち、開始5分でク・ジャチョルがPKを要求する転倒小芝居を見せ、前半23分・25分にはキ・ソンヨンとオ・ジェソクが激しいタックルで警告を受けるなど、熱くなりすぎの嫌いも。さらに前半35分にはク・ジャチョルが真後ろから足を刈るスライディングで警告を受け、一触即発の状況に。この時点では、韓国に退場者→日本有利という甘い憶測も出たのですが…

↓先制したのは韓国!前半38分にパク・チュヨンの右足ズドン!


ロングボールを跳ね返そうと吉田が飛び込むも、目測を誤り後ろに逸らす

それが上手いことパク・チュヨンの足元へ

残っていたのは鈴木ひとり

解説の福西:「遅らせろ、遅らせろ!」

鈴木は正面に構え相手を遅らせながら味方の戻りを待つ

酒井が戻ってきてパク・チュヨンの左側を塞ぐ

パク・チュヨンは左から右へと進路を変える

右側には山口が間に合うが一発で振り切られる

パク・チュヨンは得意の右足でシュート

GK権田もパク・チュヨンの動きに振られ、位置取りが間に合わず

前に出てコースを狭めることもできない

GK権田はニアサイドをぶち抜かれる

 (ノ∀`) アチャー

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先制を許し、追いかけなくてはいけなくなった日本。しかし、今大会日本の好調の要因でもあった、前線からの激しい守備は見られません。大会終盤にかけて良さが消えていくような流れ。それはある意味で自然なことでもあります。開幕のスペイン戦に全力を投入した調整。6試合で6会場を渡り歩くことになった移動の多さ。

なでしこは6試合で3会場だったことを考えると、いかにも体力効率の悪い試合日程となっていた男子。それは日本で言えば、札幌ドームで試合をしたあと、神宮球場、名古屋ドームと転戦し、東京ドームに戻ってから横浜スタジアムへ流れ、京セラドームで最終戦をするような話。阪神なら「死のロード」と言い出すレベルの大移動でした。

乏しい体力を削りながらの戦い。絶好調の輝きを放った永井は出場を危ぶまれるレベルの怪我をする。控え選手を出してもそれがまったくプラスにならないので、先発を固定せざるを得ないメンバー編成。これで6試合を戦えば、どこかで疲れるのは自然なこと。3位決定戦でも、日本が追いかけなければいけない状況で、むしろ韓国側の動きのほうが激しいというチグハグな状態も見られましたが、それはもう仕方ないことだったと思います。

気力がないのではなく、体力がなかったのです。前にボールを運べないのも、受け側が相手にパスコースをケアされたまま止まっているから。シュートまで持ち込めないのも、危険な位置に飛び込んでボールを引き出す動きができないから。結局、サイドにボールを回して、ドリブルで2人くらいを抜かないとチャンスにならないのです。それではなかなか点は挙げられないでしょう。

言うなれば、長距離走でゴール手前でフラフラし始め、ほかの選手にかわされたような話です。最後にかわされたのは残念ですが、それは20キロ、30キロ地点で目一杯頑張ったからでもあります。最後の直線でグッとペースを上げて、「何だゴール後もピンピンしてるな」「これならもうちょっと頑張れたな」「余力あり」と思うよりは、思い残すことはないでしょう。

↓そして後半13分、痛恨の2点目を奪われる!



ロングボールをヘッドですらして、最後は走り勝ったク・ジャチョルが決めた!

悔しいけど、もう仕方ない!

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その後、日本は山村、杉本、宇佐美と3枚のカードを切りますが、切れば切るほど何をすればよいのかわからなくなる現場。長身の杉本がサイドからクロスを送って中央で簡単に跳ね返されたり、GKの権田がセットプレーで上がろうとしているのにゴール前に到達しないうちに蹴り入れてしまったりと、パワープレーもままなりません。守備面でも、かろうじて相手のシュートを防いだ直後に、慌てて蹴り出したら目の前に相手選手に渡してしまう混乱ぶりも見られました。

↓追撃かと思われた後半42分の場面も、先にファウルがあってノーゴール!


うん、ファウルだね!しょうがない!

でも、最後まで戦っている姿が見られてよかった!

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結局日本は0-2のまま敗れ、メダル獲得はなりませんでした。大きなチャンスだっただけに残念です。しかし今大会の結果は、下馬評を覆し、男を上げるものだったと思います。だから、最後の低調な試合ではなく、準決勝に至るまでの勇敢な戦いこそを心に留めたいもの。「できなかった」部分があるなら、未来に向けて改善すればよいだけ。「できた」部分があり、それは世界のトップに届く希望に満ちたものであったことが何よりも重要です。後味の悪さだけで、これまでの喜びを忘れてしまえば、せっかくの選手たちの頑張りも報われません。エコノミー席、もしくは船便で帰国する彼らを、温かい拍手で迎えてあげたいものですね。

お疲れ様、関塚JAPAN!

よくやってくれた関塚JAPAN!

楽しませてくれてありがとう関塚JAPAN!


ぶっちゃけ、女子バレーさえ勝てば男子サッカーの結果は気になりません!


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歓喜の銀メダル!期待と重圧を背負い、世界王者の責任を果たしたなでしこJAPANの巻。

14:56
世界でひとつの銀メダル!

なでしこJAPANがロンドン五輪での戦いを終えました。ワールドカップ世界一の瞬間から、今日この日の金メダルを目指してきた一年間。結果はアメリカに1-2で敗れ、銀メダルを獲得することになりました。目指してきた目標とは色が違いますが、それはほんのわずかに痛みを感じるかどうかだけの違い。もしなでしこ本人たちが悔やんだり、悩んだりするようなら、万雷の拍手で忘れさせてあげたい…そんな眩しい銀メダルです。

なでしこは今大会で相手チームとのみ戦ったわけではありません。この一年でガラリと変わった自分たちの立場・責任・重圧と戦ってきたのです。世間的にはまるで予期されていなかったワールドカップ世界一と、大きな期待を受けてのロンドン五輪ではワケが違う。なでしこは初めて「国民の期待」というものに曝されました。メダルを獲得しなければ皆がガッカリする。あまりにヒドイ結果ならワールドカップ世界一にも疑問符がつく。失うもののある戦いに臨んだのです。

それは、なでしこの、日本女子サッカーの地金が問われる戦いでした。期待に潰される選手は数多くいます。ひとつの勝利に満足し、努力を忘れる選手は数多くいます。誘惑に負ける選手は数多くいます。そうなってもおかしくない熱狂に、なでしこは包み込まれていました。人としての弱さを曝け出させるような熱狂の中に。

しかし、なでしこは北京の悔しさを胸に、自分自身を見失わず、誠実に目標に向かってきました。そのことを何より確かに証明してくれるのが、なでしこの獲った銀メダル。銀は金に挑戦した者だけが得られるメダルです。金の資格を持つ敗者に与えられるメダルです。「ワールドカップより五輪が上。五輪の金を獲る」と宣言したなでしこが、言葉どおりの実力を持ち、そのための努力をしたからこそ、この色にまでたどり着けたのです。眩しくないわけがありません。


同じ日に行なわれた女子レスリング55キロ級の決勝を見ながら、僕はこんなことを考えていました。吉田沙保里さんの3連覇は素晴らしいことだけれど、寂しいことでもあるな、と。強すぎるのも考え物だな、と。伝説に残る王者がいるのに、それにふさわしい強敵がいないことが残念に思われたのです。

スポーツは競い合ってこそ面白いもの。人生は勝ったり負けたりするから面白いもの。吉田さんを苦しめ、ときに敗北させるライバルがいたなら、相互の高め合い・競い合いがどれほど面白かったことか。金メダルの数は減るかもしれませんが、「伝説の名勝負」がそのぶん増えたはずです。

その点、女子サッカーの決勝は紛れもない名勝負でした。最後の最後まで金と銀の間を両チームが揺れる激闘でした。それはひとえになでしこが強かったから生まれたもの。名勝負を作るのは敗者です。勝者を苦しめ、追い詰め、震えさせ、ギリギリのチカラを引き出す敗者がいて、初めてそんな勝負が生まれるのです。ワールドカップの決勝があれほど感動的だったのも、強いアメリカをギリギリの戦いで跳ね除けたからこそでしょう。今回は、役回りが逆になりましたが、なでしこはイイ仕事をしたと思います。強き良き敗者だったと思います。

日本の代表が、ひとつの競技の最高峰の実力者として、8万人の大観衆と十数億人の視聴者の前でプレーし、こんな名勝負を演じられたのです。その競技を牽引する責任を立派に果たしてくれたのです。嬉しい話じゃないですか。この試合を見て、未来のサワや未来のワンバックが生まれるかもしれないと思ったら、誇らしいじゃないですか。しかも銀メダルというお土産までもらえて。


メダルの色は残念ですが、逆に言えば、メダルの色以外で残念なことは何ひとつありません。

五輪の金メダルは、銀製の地金に金メッキを施して作られています。実質的な銀メダルです。違うのは本当に表面の色だけ。なでしこも、そんな存在なのではないでしょうか。惜しくも金色にはなれませんでしたが、地金は立派なものでした。金メッキしなくても十分に輝いていました。メイクし忘れちゃったけど、すっぴんで十分キレイだった…そのくらいの気持ちで色のことを忘れてしまえばいいんじゃないでしょうか。ちなみに僕は、メイクした澤さんより、メイクしていない澤さんのほうが、見慣れているっていう意味で好きですしね!

とにかくメダルがもらえて本当によかった!

おめでとう、ありがとう、なでしこJAPAN!!


ということで、最後を笑顔で終われた清々しさとともに、「ロンドン五輪女子サッカー決勝 日本VSアメリカ戦」をチェックしていきましょう。



◆さっき泣いた宮間たんがもう笑った!そしてふざけた!

ウェンブリースタジアムに詰め掛けた80203人の大観衆。スタジアムの座席は隙間なく埋まり、この一戦への期待の高さをうかがわせます。なでしこはその期待に見合う試合ができるのか。満足させてあげられるのか。「女子サッカーって面白いね!」と唸らせることができるのか。僕の緊張も高まります。

しかし、なでしこたちはいつもどおりの笑顔。にこやかに入場を待つスタメンと、入場列の脇から仲間の顔を覗き込むサブメンバー。どうせまたサブ組が何か悪さをしたのでしょう。金メダルを前に硬くなるどころか、笑いを押し殺さなくてはいけないほど和やかな入場。辛いときも苦しいときも悲壮になんかならない。撫子のしなやかな強さ。五輪の決勝戦でもそれは変わりません。

両チーム選手が交わす握手。キャプテン宮間は「パン!」と音を鳴らす強さで、ライバルの腕を叩きます。バロン澤は親友ワンバックを抱き締めます。この戦い、この組み合わせが、金を奪い合うものではなく、高め合って金に手を伸ばすものであることがちょっと嬉しい。「いい試合ができたなら負けてもい…」と言葉がこぼれそうになるほど。

そして始まった試合。日本はおなじみのメンバー。しっかり守って高い位置でボールを奪おうとする日本。強力なFW陣にボールを当てて一気に攻め落とそうとするアメリカ。違うサッカー、違うスタイル。違っているからこそ勝負をしたくなる…胸躍るような立ち上がり。

試合が動いたのは前半8分。左サイドからヒースが持ち上がると、中央に折り返し。中央でボールを受けたモーガンはトラップで岩清水のマークを外し、余裕を持って再び中央へ。ここに後方から走り込んだロイドが詰め先制点。日本はやや棒立ちのまま相手の動きを見てしまう感じもあり、勿体ない失点となりました。

↓モーガンさんが撃って外す想定だったのに、ほかの人が撃つなんて聞いてない!



モーガン逃げるな!

キミがアメリカのストライカーだろう!

キミが撃つんだ!


厳しい試合で先制を許す展開。守備を中心として、守り勝ってきた今大会を思うと、早い時間帯での失点を喫する厳しい状況。しかし、そもそも無失点で勝てるほどアメリカの攻撃は甘くないでしょう。相手が点を取ったらコチラも取り返すだけ。なでしこはここから猛反撃を見せます。

前半17分には澤のスルーパスに反応した川澄のシュート、その跳ね返りを詰めた大儀見と、連続してアメリカゴールに肉薄。直後の前半18分には川澄のクロスに大儀見がヘッドで合わせるも、相手GKソロに阻まれ、シュートはクロスバーを叩きます。

↓さらに前半26分にはPKとなってもおかしくないプレーも!
http://cgi2.nhk.or.jp/olympic/common/player/news/view.cgi?params=1,type=clip&clip=522531&mtype=1&keepThis=true

日本:「ハンドだろ!」
日本:「ハンドですよね!」
日本:「これがハンドじゃなきゃどれがハンドなのよ!」

一回手を出さないように身体を縮めたあと、ゴールに向かって身体の脇を抜けていくボールに手を出しちゃってるじゃねぇかwww

これは本人も「しまった」と思ってるだろwww

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入らない日はえてしてこんなもの。シュートが外れる、ポストを叩く、クロスバーを叩く…なでしこの猛攻はなかなか得点につながりません。とにかく「入らない日」なのか、日本ゴール前での岩清水のヘッドがポストを叩いて外れるという「惜しい」場面も。前半33分の宮間のシュートも合わせると、日本は前半だけで3度も枠に当てることになります。まるでワールドカップ決勝で外しまくったアメリカに意趣返しでもするかのよう。相手ゴールにも自分ゴールにも入らない展開に、観衆もヤキモキさせられます。

↓ヤキモキした佐々木監督は、守備に関する指示出しではおさまらず、重大なハンドの反則を犯す!

主審:「故意にお尻に向かって手を出していますね(尻が手に向かって寄ってきたわけではない)」
主審:「手を伸ばしてますよね(偶然当たってしまう、避けられない距離ではない)」
主審:「手が身体から離れてますよね(完全に触る気でやってますよね)」

FIFAの基準に照らしてみても、これは完全にハンドです!しかも、セクハラかつパワハラ!

鮫島さんが訴えたら勝てます!

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佐々木監督に対して、僕の中のピーポ君がサイレンを鳴らして終了した前半。1点ビハインドで折り返した日本は、後半に入っても動きはありません。このあたりが史上最強女子チームの難しさ。スタメンを超える人材がベンチにはいない…よくも悪くも動きづらい編成により、自分たちから変化をつけることができません。

↓日本はセットプレーなどでアメリカゴールに迫るが、得点は奪えない!


熊さんがもっと薄幸の美少女だったなら…。

包帯で雑にグルグル巻にしてもいい感じのワイルド熊さんでなかったら…。

「ラグビー式タックルされてカワイソウ」と思ってもらえたのに…!


↓逆にアメリカは「それを決めるか」というファインゴールで追加点!


これは苦しい!

こういうのが決まっちゃうのは勝つ流れ!


撃って撃って外しまくる日本と、簡単ではないゴールを決めるアメリカ。ワールドカップ決勝戦と裏返しの展開で、日本は痛い2点差をつけられます。追い込まれた日本は、もはや動くしかありません。どうなるかわからないけれど、どうにでもなれという気持ちで、後半14分に阪口を下げて田中を投入。そして、日本はこの交代によって、この大舞台で放つあっすーの輝きによって、新たなシンデレラを誕生させながら、追撃の一発を決めたのです!

↓後半18分、福元→鮫島→熊谷→岩清水→熊谷→川澄→鮫島→大儀見→大野→宮間→大野→近賀→田中あっすー→宮間→大野→宮間→大野→澤→澤→大儀見とつないで日本追撃弾!


あっすーが起点となった!

ていうか、なでしこ全員がボールに想いを込めての全員ゴール!


よく決めた。よくやった。アメリカを震えさせ、日本を勇気づけるゴール。今大会はワールドカップで奇跡の活躍を見せたバロン澤が結局無得点でしたが、エース大儀見が3戦連発で日本を支えます。バロンがいれば心強いが、バロンがいなくてもきっと上手くやれるだろう…そんな予感漂う得点でした。

結局日本は、このあと追いつくことはありません。岩渕・丸山というジョーカーとババのダブル投入も、川澄を左SBに下げる奇策も、世界一のプレースキッカー宮間あやのFKも、勝敗を変えることはできませんでした。それでも最後まで戦った。殴りつづけた。ガードを崩すことはできないまでも、アメリカの腕を真っ赤に腫らすパンチを放ちつづけた。なでしこは強く立派に戦いました。相手のほうが強かった…ただそれだけです。

↓そして、なでしこは敗れた…。


あー、負けたな!

死力を尽くして負けたな!気持ちよく負けた!


抱き合うアメリカ。慰め合う日本。岩清水は目を潤ませ、田中はユニフォームに涙を吸わせ、岩渕は自分のプレーを引きずるように肩を落とす。そして、仲間のぶんまで重圧を背負い込んでいた宮間は、その重荷を降ろすようにピッチに崩れ落ちました。でも涙だけではない、悔しさだけではない満足感。近賀が、大儀見が、仲間を抱き締めて笑顔を見せていました。大野が誰よりも長く、誰よりもギュッと宮間を抱き締めました。

勝負には必ず勝ち負けがあります。ずっと勝ちつづけることはできません。ほとんどは負けます。負けを立派に乗り切ることが、人生の大半。なでしこは北京の悔しい負けを乗り越えて、ここにきました。女子サッカー初、日本サッカー最高の銀メダル。お土産つきの負けなら、次はもっと上手に乗り越えられるでしょう。この負けが、もっと遠くまで進める原動力になりますように…。

↓早速、表彰式の頃にはもう元気になり、悪ふざけ全開の一同!
http://www.gorin.jp/result/FBFBW400/index.html?bctid=251490028002

・グレイシートレインのように全員連なっての入場
・でも、大儀見だけちゃんとつながらない照れ具合
・途中からは手をつないでスキップしながら表彰台へ
・行き過ぎちゃって微調整する一幕も
・メダル授与では小躍りしながら登壇
・ウェーブのようにひとりずつ順番にお辞儀してバンザイする仕込み芸
・近賀はインテルの長友さんを彷彿とさせるお辞儀パフォーマンス
・近賀、岩清水がカメラに向かって悪ふざけピース
・熊さんの「イェーッ!!」
・川澄ちゃんのジャージの胸元の開け方がエロい
・宮間、川澄、安藤のトリプルピース
・笑う澤
・FIFAのブラッター会長を無視してチョリーッスする大野
・カメラに向かってアヘ顔ダブルピースの丸山
・丸山にやれと指示を出す田中
・実況の「永里で金、大儀見で銀」という適当な煽り

わりと楽しそうじゃないかwwww

よかったね、ほしかったメダルが獲れて!

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大儀見さんの例にならい、宮間で金、宮間で銀、フモフモで金を狙え!


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小原日登美さん涙の金メダルを、将来の大物レスラーがグッスリ寝ながら見つめていた件。

12:08
日本レスリング界に新星登場!

8日に届いた歓喜の報せ。世界最強の日本女子レスリングが、48キロ級・63キロ級でダブル金メダルを獲得したのです。ともに金メダル最右翼と評された世界王者。予定どおりと言えばそれまでですが、いかな強者でも五輪で勝つのは難しいこと。狙って獲れる強さ、感服するしかありません。

特に、見ているこちらまでもらい泣きさせられたのは、48キロ級の小原日登美さん。坂本さんという旧姓のほうが馴染み深いのですが、彼女は妹の真喜子さんと共に姉妹レスラーとして知られたお方。しかし、51キロ級を主戦場としていたこともあり、五輪とは縁遠い競技生活となっていました。五輪にない階級での世界制覇は、いくら数を重ねても「五輪の金」とは異なるもの。どこか満たされないものだったはず。

51キロ級は五輪にない階級。かと言って、階級を下げようとすれば、48キロ級には妹・真喜子さんがいます。ご両親も「姉妹での出場権争いは見たくない」と直接対決は願わなかったといいます。しかし、階級を上げて55キロ級にいけば、今度は地上最強の乙女・吉田沙保里が待ち受けています。レスリング世界王者と言えども、グリズリーとかアフリカ象とかと同列の生き物が相手では敵うはずもありません。こうして小原さんの五輪への夢は断たれたのです。

しかし、妹さんが引退したのを受け、改めて挑戦した今回の五輪。相変わらず55キロ級にはベンガルトラとかクロサイとかと同列の生き物が巣食っていますが、48キロ級には敵はいませんでした。小原さんは並みいる強豪を返り討ちにし、見事金メダルを獲得したのです。姉妹で跳ね返されつづけた五輪の夢をついに叶えた日、小原さんの目にはとめどない涙があふれ、唇はいつまでもいつまでも震えていました。

会場はまさに日本応援団の様相で、試合中には何度も「オバラ!」コールが響き渡りました。その観衆の中には、小原さんのご両親、旦那さん、妹の真喜子さんの姿もありました。そして、未来のレスリング界を背負う超絶DNAの持ち主の姿も…。

ということで、小原さんの喜びについてはソコソコに、妹・真喜子さんの子どもの大物っぷりについてチェックしていきましょう。



◆寝る、起きる、寝る、寝る、寝る、寝る、寝る、そして…寝る!

レスリングというのは、何かDNA的なモノが重要なのでしょうか。吉田沙保里さんはお父さんがレスリング全日本選手権覇者ですし、伊調姉妹はふたり揃って世界チャンピオン。男子でも湯元健一・進一という漫才師みたいなコンビがいますし、浜口京子さんの父親はアニマル浜口です!

もし、そうした生まれ持った資質が問われる競技だとしたら、未来のレスリング界の種まきは、今しなければなりません。しかし、僕が期待している吉田沙保里×ヴィクトワールピサの世界最強配合は、残念ながら実現しそうにもありません。浜口京子さんも「鼠先輩が好き」と言っていたあたりから、トンと浮いた噂を聞きません。このままでは未来のレスリング界が危ない…そう思っていたのです。

しかし、同じように未来を憂いているみなさん、ご安心ください。今夜日本レスリング界は2個の金メダルを手にすると共に、未来を担う大物をもゲットしたのです。それは清水真喜子(旧姓・坂本)さんの息子さん。要するに世界チャンピオン&金メダリストである小原日登美さんの全妹の子どもです。

その子は五輪会場の雰囲気に動じることなく、むしろやがて来る戦いの日を予感しているかのような佇まい。「今は君たちにメダルを預けておくよ」「でも、20年後、ボクはここに還ってくるからね」「金メダルをもらいに…ね!」という気力が、そのつぶらな瞳には宿っていたのです…!

●1回戦 メジエンヌ戦
小原さんは初戦のメジエンヌ戦で開始直後の片足タックルから、一気にフォール勝ち。それをスタンドから見つめていた真喜子さんの子どもは、祖母が巻こうとする「必勝」のハチマキを決然と拒否。「まだ早いよ」「あの選手じゃ伯母さんには勝てないよ」「伯母さんはまだ全力を出していないからね」という姿勢を示します。日登美さんの試合を真喜子さんの解説で見る。まさにレスリング英才教育の始まりです。

●準々決勝 サンブ戦
2回戦はセネガルのベテラン・サンブが相手。ベテランということは勝手知ったる相手。第1ピリオドはタックルから2点を奪うと、あとは相手の動きを封じて逃げ切り。第2ピリオドもタックルから簡単にバックを奪うと、そのまま足を取ってローリング。相手を転がして得点を積み重ねていきます。あとは時間を消費して逃切り。余裕の準決勝進出です。

この模様をスタンドで見ていた真喜子さんの子どもは、まだまだ落ち着いたもの。妹・真喜子さんが拍手を送る中、表情を緩めることすらありません。それどころか、勝利を喜ぶ間もなく弟の将典さんが構えるカメラに目配せ。「ちゃんと撮れてる?」「あとで分析をしたいからね」「もちろん日登美の分析だよ」という研究意欲を示します。さすが大物。

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●準決勝 ヒュン戦
準決勝の相手は、前回大会の金…つまり伊調千春さんを破った選手。これはかなりの強敵です。この試合を前にして、ようやく大物は応援を開始。手にバルーンスティックを持ち、気合いを送ります。

第1ピリオド、日登美さんはタックルから相手を押し出して先制。さらに相手のタックルを切って、逆にバックに回りポイント追加。まずは1ピリオド奪取です。つづく第2ピリオドもまずは相手を押し出して先制すると、バックを狙った攻防を制し追加点。ピリオド終盤には、相手に背後を取られますが、そこからニアフォールやローリングは許さず、逃げ切って決勝進出を決めます。

この様子を見ていた大物は小さく拍手。しかし、表情は緩むことなく、まったく喜びの色はありません。「金以外は銀でも4位でも一緒だよ」「今の失点はよくないよね」「退屈な試合だね…ボク眠くなってきちゃったよ…」と大物感はいや増すばかり。

●決勝 スタドニク戦
アテネの金…つまり伊調千春さんを破った選手を下し、決勝に進出してきたスタドニク。パワーと勢いで制した準決勝を見るかぎり、日登美さんと言えども油断ならない相手です。さすがの大物も必勝ハチマキ装備で、応援に本腰を入れます。

第1ピリオドは相手の勢いに押され、タックルからポイントを許し、さらにローリングで追加点も与えます。もはや追いつけない点差となり、日登美さんは1ピリオドを捨て、体力温存を図ります。世界チャンピオンに訪れた試練。金メダルへは残り2ピリオドです。

絶対に落とせない第2ピリオド。日登美さんは相手の体勢を崩し、バックに回り込んで1点を先制。ルール上、追いつかれれば負けという緊迫の状況ながら、2分間を守り切ってピリオド奪取。第3ピリオドは疲れが見えるスタドニクを開始18秒で場外に押し出すと、中盤にもバックに回って追加点。第3ピリオドを制し、悲願の金メダルを勝ち取ったのです。

↓大物はこの様子を満足気に見守る!
試合前、必勝ハチマキを締めながら「もう眠いよ…」の顔

それもそのはず、準決勝から4時間も待たされた現地時間の午後7時

(第1ピリオド)

第1ピリオド終了後のインターバル、大物は祖父の腕の中で完全に寝る

実況:「ちょっと(真喜子さんの)息子さんはもう疲れてきているでしょうか」

大物、ハッと起きる

(第2ピリオド)

(第3ピリオド、日登美さんが先制)

祖父立ち上がる、大物は寝心地が悪く起きる

(日登美さん勝利)

喜ぶ祖父、泣きじゃくる真喜子さん

大物は祖父の抱き方のせいでパンツが激しく股間に食い込み、お目目パッチリ

さすがにそれはマズイということで、祖父は抱っこから肩車にポジションを変える

(日登美さんインタビュー)

肩車された大物は、祖父によって強引に手を振らされる

しかし、大物は寝る

肩車は安定感があるので、大物は寝る

会場もちょっと暗くなったりしたので、気持ちよく寝る

祖父は喜びのインタビューを受けるが、その間も大物はひたすら寝る

ハチマキはもうない

祖父の手を離れ、弟さんに抱かれるとやっぱり寝る

グッスリと寝る

<大物のお休み動画:4分20秒頃から>
http://www.gorin.jp/result/WRWRW248/index.html?bctid=250719676002

<画像:大物は寝たまま強引に手を振らされる>
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2012/08/09/gazo/G20120809003868670.html

将来の大物:「伯母の金メダルを見てレスリングを始めました」
将来の大物:「見ましたよ…ちゃんと…見た気がするんですけど…」
将来の大物:「夢に見た金メダルですから…」

この子がやがて一流のレスラーになり、日本男子に復活の金メダルをもたらすはず!

五輪の空気には早くも慣れた!グッスリ寝られるくらいに!

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日本レスリング界の未来は明るい!吉田さんもいろいろな意味でつづけ!


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