スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

ソチ五輪

史上最高の浅田真央へ!今夜、僕は襟を正して、フィギュア・女子シングルを見守るの巻。

18:00
今夜、史上最高の浅田真央へ!

ソチ五輪も気がつけば大会13日目。僕も観戦による寝不足と出勤による疲労で、体力的にもかなり苦しくなってきました。もはや仕事を休むこと不可避という状況で、布団の上でゴロゴロしながらスマホをいじる程度のことしかできそうにありません。

しかし、どれだけ体調が悪くても見守らなければいけない試合がある。

今夜行なわれるフィギュアスケート・女子シングル、ショートプログラム。世界の多くの名選手、もちろん日本からも鈴木明子・村上佳菜子という2選手も出場するわけですが、やはり今夜は真央ちゃんでしょう。真央ちゃんの集大成となる2度目の五輪、正座して見守る義務がある。スポーツファンの…いや国民の義務と言ってもいいレベルで。それが今夜です。

真央ちゃんは2005-2006シーズンの鮮烈なるシニアデビュー以来、日本のフィギュアスケート界を牽引してきました。これまでに多くの名選手が生まれたフィギュアスケートですが、真央ちゃんほど衆目を集め、この競技を広く世間に知らしめた選手はいないでしょう。主要な大会がテレビのゴールデンタイムで中継され、出場選手がスターとなるようになったのも、真央ちゃんあればこそ。

真央ちゃんはいつも輝いています。

実力・結果はもちろん、人として浅田真央は光に満ちている。15歳でスターダムにのし上がり、世界を制した少女。早すぎる栄光は、ときに人の成長を妨げ、人生に影を落とします。あるいは早すぎる栄光が、早すぎる終焉を導くこともあります。世間が愛でれば愛でるほど、それを煩わしいと思う気持ちも生まれることでしょう。そして自分の世界に閉じこもってみたり、突き放してみたり。

そんな中、僕の記憶の中の、あなたの記憶の中の真央ちゃんはどうか。真央ちゃんはいつもそこにいる。すぐ近くにいるお姉さんであり、昔から変わらないいい子であり、「真央ちゃん」が素直にそのまま大人になったような女性がいる。この安心感。真央ちゃんは太陽のようにフィギュアスケートを、日本のスポーツ界を照らしてきました。この10年近くの時間、「主人公」として常にそこにありつづけ、栄光も挫折も受け止めて、輝きつづけてきました。逃げず、折れず、歪まず。

そんな真央ちゃんが集大成に臨むのが今夜。

その結果がどうなるか、この10年近くの時間に感謝しながら見守らなくてはいけない。ほかの選手を応援するときより、少しだけ襟を正して。僕はそんな気がするのです。

勝ち負けで言えば、決して展望は明るくありません。

地元ロシアの大声援を受けたリプニツカヤは金メダルの本命候補。あの歓声の中でもミスせず、団体戦の金メダルを引き寄せた心臓は本物でした。驚異的な柔軟性から繰り出す、真似するもののないキャンドルスピンなどの独創的な技。15歳ゆえの小柄な肉体から繰り出す確実性の高いジャンプ。この演技を大観衆が後押しすれば、点数をつけざるを得ないと思います。

そして、前回大会の女王キム・ヨナ。日本では憎しみを抱く人すらいるほど、厄介で手強い相手。いろいろと批判をする向きもありますが、現行の採点基準で得点を取れる技術と、容易にミスをしない精神力は称賛に値します。自分から負けてはくれない相手。今季も主要な国際大会には出場していないながらも、ローカル大会では高得点をたたき出しており、表彰台の一角を狙ってくることは間違いありません。

ラクではない。むしろ、苦しい。

ただ、勝ち負けはジャッジが決めることであり、他人との比較であり、自分ではどうすることもできない話。どうすることもできないものを考えても仕方ありません。

僕は金メダルは望みません。もちろんメダルを獲って欲しいけれど、メダルをあげたいけれど、金メダルを望めば、この大会は勝ち負けを競う「勝負」となってしまう。自分より相手が低ければそれでOK…そういう戦いになってしまう。「勝ち負け」は浅田真央の集大成にはそぐわない考え方です。採点の正当性を疑ってみたり、陰謀論に身を委ねたり、ライバルの転倒を祈ってみたり、邪念を生むことにしかならない不健全な考え方です。

そうした邪念を心に置いて見守るのは真央ちゃんにも悪い。真央ちゃん自身は決してそういう邪念に流されない人だと、これまでの時間は物語っています。浅田真央は「コケろ」「糞ジャッジ」「ロシア汚ったねぇ」などとは思わない人。そう信じればこそ、僕らも後ろから見守る者として、自分の中の根深い邪念を捨てねばならないと思うのです。

五輪の舞台、何を目指すのか。

五輪の舞台、そこだけで目指せるものは何か。

僕は五輪の舞台における、もっとも尊い目標は「自己ベスト」だと思っています。過去の自分を超え、塗り替えていくこと。それこそが五輪でしかできない、挑めない目標だと思うのです。

五輪という舞台は、4年に一度、最高の自分に到達するチャンスです。それは4年に一度・この日・この時という制限があるからこそ生まれるチャンス。たった一日だからこそ、膨大な努力を積み上げられる。たった一日だからこそ、すべてを注ぎ込める。次のチャンスがないからこそ限界まで挑戦できる。そう思います。

浅田真央の集大成となる五輪は、誰かに勝つよりも、自分に勝つ五輪であってほしい。史上最高の浅田真央はコレだと、本人も、ファンも、誰もが納得の統一見解となるような大会であってほしい。

もし、あのトリノ五輪に出られていたら、真央ちゃんはきっと金メダルだったろう。そんなことを考える人も多いかもしれません。今夜、再びそれを考える人もいるかもしれません。あのときこそが「史上最高」であったと歯噛みしながら。

あのシーズン、GPファイナルを制したことで、もしトリノ五輪に出ていたら金メダルだったろう…そう思いたくなるのは無理からぬこと。しかし、あのときどうなったかなんて誰にもわかりません。どれだけ強い選手でも、たった1回の本番で勝てるかなんてこと、計算しようがないのです。繰言をしても意味がないでしょう。

それに、15歳が到達点なんてこと、あり得ない。

フィギュアスケートはスポーツであり舞踏です。スポーツとして見た場合、ジャンプという技術的な要素は確かに体型によって有利不利は生まれます。しかし、舞踏という側面において、15歳の少女より23歳の女性が劣るとは言えません。いやむしろ、少女という役柄に縛られることなく、さまざまな情感や情景を表現できるように進化しているはず。

15歳の浅田真央より、23歳の浅田真央のほうがどう考えても上のはずなのです。「他人との比較の順位」を別とすれば、人間としても、選手としても、技術にしても、精神にしても、8年間のたゆまぬ努力が前進させているはずなのです。ジャンプが跳びにくくなっただけで、トリプルアクセルが失われたわけでもありませんし。

僕は真央ちゃんがトリプルアクセルに行く瞬間が好きです。

年々好きになっています。

あの瞬間、前を見つめながら、一瞬ダラリと腕を下げる。そしてスピードに乗って進む身体を、エッジを効かせて上に跳ね上げる。溜めてからの………爆発。女子では挑む者すらなかなか出てこない難技にあえて挑戦する瞬間。勇気にアクセルをかけて跳ぶ瞬間。年齢によりジャンプがやり辛くなってくる中で、瞬間の表情に「覚悟」が浮かび上がるようになりました。何も考えずピョーンと跳ぶのではなく、跳ぶのだという強い覚悟を宿らせるようになりました。

自分の目指すパーフェクトには、この勇気が必要なのだ…そういう覚悟が。

今回は、幸いなことに素晴らしいシチュエーションが出来上がっています。

バンクーバーで自分の上にいた相手がいる。あの頃より自分が前進できたかを知る、絶好の目安です。流れるラフマニノフの調べは、19歳の浅田真央をクロスオーバーさせながら、4年分の進化を彩るに違いありません。

そして、15歳の天才少女がいる。あの頃より自分が前進できたかを知る、絶好の目安です。より強い覚悟で跳ぶトリプルアクセルは、15歳の浅田真央をクロスオーバーさせながら、8年分の進化を刻み付けるに違いありません。

過去を感じながら、未来に向かって跳ぶ。

跳び、越えて、行く。

そういう大会になってほしいと思います。


記憶をたどったときに、真央ちゃんが笑っている姿があまり思い浮かびません。いや、何か、いつも笑ってはいるんですけど、それが心の底からなのかどうかわからないというか。世界選手権を制したときも笑顔でしたが、踊り終えたときはホッとしたような表情に見えましたし、不振を乗り越え全日本で勝利したときも、静かに感極まっているようでした。

はちきれそうな笑顔で、両手を震わせながら、氷の上で跳びはね、倒れこむ。真央ちゃんが「やった!やった!やった!」「ああああああああ!!」という叫びを上げるような場面を見た記憶がありません。選手なら誰しもそういう自分への興奮があると思うのですが。抑えきれないくらいの達成感が。

もしそれを見られたら、たとえどういう状況であったとしても…順位がどうであっても、技術的なミスが多少あったりなかったりしても、「史上最高」と心から思えるような気がするのです。誰もがその集大成に納得できると思うのです。そして、「今まで本当にありがとう」と後ろ髪引くことなく言えるのではないかなと。

史上最高、信じて待とうと思います。

主人公は最後の最後で笑うってのが、世界のお約束ですから…。

コケ芸の女王リンゼイ・ジャコベリスさんが三度目の五輪で華麗な三度目のコケを魅せてくれた件。

14:02
コケ芸の祭典きたる!

ソチ五輪大会10日目。僕はひとつの種目にチェック予約を入れていました。その種目とは女子スノーボードクロス。この種目には日本の藤森由香さんも出場しており、若干のハァハァ感もあるのですが、お目当ては藤森さんではありません。

注目するはアメリカが生んだスノーボードクロスの女王、リンゼイ・ジャコベリスさん。ジャコベリスさんはスノーボード界のビッグイベントX-GAMESで同種目を7度制覇。世界選手権で3勝、ワールドカップでも通算27勝を挙げている当代の第一人者です。

しかし、ジャコベリスさんは五輪には縁がありません。今も伝説として語り継がれるトリノ五輪・女子スノーボードクロス決勝。ジャコベリスさんは他選手を3秒ほどリードして、ゴール前のジャンプ台に差し掛かりました。金メダルは決まった…誰もがそう思う中、ジャコベリスさんはボードを空中でつかむグラブトリックに挑戦。

勝負において特に意味はないグラブトリックは、本人曰く「そのほうがジャンプが安定すると思ったから…」ということでしたが、結果は大失敗。ゴール直前で盛大にすっ転んだジャコベリスさんは、ライバルに抜き去られ銀メダルに終わったのです。

「この娘、いい味出てるやん…」「強いのにコケるってのがいいね!」「ゴール直前ってのがいいね!」と世界も大喝采。バンクーバー大会でも準決勝でのコースアウトでメダルを逃したジャコベリスさんは、ミス・コケ芸(←ミスとミスがかかってる)として僕の中で人気選手となったのでした。

そして迎えた、三度目の五輪。ジャコベリスさんは今回もやってくれました。予選を総合2位、準々決勝を第4組の1位で通過したジャコベリスさんは、準決勝も圧倒的なリードを築きます。そう、三度目のコケを万全の態勢で披露するタメを作る感じで…。

ということで、雪の上を板で滑ってるんだからコケるのが普通…という現実を噛み締めながら、16日のソチ五輪・女子スノーボードクロスをチェックしていきましょう。


◆大オチっていうパターンがあるなら、出オチってパターンもあるよね!

まずはトリノ五輪での伝説のコケから。ジャコベリスさんは青のビブスをまとい、コースを疾走していきます。そして盛大にやらかします。スノーボード界でよく言われる「言うてもスノーボード界では五輪はそれほど重要な大会ではない」という話、こういうときに聞くとホッとしますよね。

↓ジャコベリスさんは金メダルを捨てて世界の話題をかっさらった!


いいよ、いいよ!

これを待ってるよ!

最後のスローリプレイ、超COOOOOOOOL!!

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つづいてバンクーバー大会。この大会でも安定したチカラを見せつけるジャコベリスさんは順当に準決勝に進出。アメリカからも多くのファンが駆けつけ、「今度こそ」の想いで見守ります。そして「今度も」を見せつけてくれたのです…!

↓ジャコベリスさんはまたも金メダルを捨ててインパクトを選らんだ!(29分頃から)


前回は最後の直線!

今回は最初のコーナー!

頭を抱えて見送るところ、超COOOOOOOOL!!

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二度あることは三度ある。だんだんワザとやってるんじゃないかと疑いも出てきそうな三度目の正直・ソチ五輪。ひとりで滑ってタイムで争う予選は1分21秒40の全体2位のタイムで通過。ジャコベリスさんの上にいるのは、最終的に金メダルを獲ることになるエヴァ・サムコヴァーだけ。今回もジャコベリスさんはメダル相当の実力を確実に備えています。

迎えた準々決勝は余裕の第4組1位で通過。最後のジャンプではグラブトリックも決めるなど「このほうが安定しますから!」という前フリも忘れません。そして、迎えた鬼門・準決勝。バンクーバーでは決勝までガマンし切れず、準決勝でのコケとなってしまいましたが、はたして今回はどうなるのか…!

↓ジャコベリスさんは決勝までガマンできず、今回も準決勝でコケ披露となりました!
http://www.gorin.jp/result/SBSBW490/index.html?bctid=750596178002

滑ってるのにスベらないテッパン芸!

滑り切ったレースでは負けてないのに!

もう実況も「コケた人です」「今回はコケるのか」「またコケたー!」というコケ中心の紹介wwww超COOOOOOOOOLwwww


いやー、ジャコベリスさん、今回もお疲れ様でした。実況&解説の「まさか、まさか」「何があったんでしょうねぇ」「言葉を失います」「信じられませんねぇ」というシラジラしい会話もグッとくる、いいレースだったのではないでしょうか。三度の大会で三度こけて、しかし怪我はしていないという点も高評価です。ジャコベリスさんはまだ28歳という若さですので、ぜひ次回の平昌五輪でもクールなコケ、決めてほしいものですね。もはや勝ち負けよりそっちのほうが楽しみになってきますね。

↓なお、今回もっともクールだったのはオーストリアのモールさんです!(3分20秒頃からリプレイあり)
http://www.gorin.jp/result/SBSBW490/index.html?bctid=750586914002

スタート直後、画面からモールさんが消える!

そしてそのままモールさんは消える!

あまりの華麗さに実況と解説も途中まで気づかない!

出オチのパターンもあるのか!!


↓ちなみに、優勝者はチョビヒゲで笑わせるタイプの模様!

何か楽しそうで結構wwwww

これ、負けたら絶対マスコミ総出で叩かれる顔だよねwww

日本だったら「税金返せ」って竹田恒泰さんにツイッターで言われるレベルの顔wwwww

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技に磨きをかけて、ケガしない程度のヤツを今後もお願いしますね!

絶対にくじけない男・葛西紀明が7度目の五輪でついに自分だけのメダルを手にし、本物のレジェンドとなった件。

08:01
諦めないとはこういうことだ!

ソチ五輪大会9日目、日本スポーツ史に残る伝説のメダルが生まれました。スキージャンプ・個人ラージヒル。この試合に臨むは葛西紀明41歳。五輪出場7回目を数える大ベテラン。ワールドカップ通算16勝のレジェンドです。その男が、7度目の挑戦でついに自分自身のメダル…銀メダルを手にした。この年齢で、今になってようやく。何という粘り。何という諦めなさ。まさに常人の想像の遥か先へ飛んで行く伝説的偉業です!

葛西さんの五輪は苦闘・困難の歴史でした。過去6度の挑戦で獲得したメダルはひとつ。しかもそれは、リレハンメル五輪の団体でのもの。つまり、金メダルがほぼ確実な状況まで進んだ試合を、原田雅彦さんの信じられない大失敗ジャンプで金を獲り逃した末の銀メダルです。手にしたものよりも、失ったものを思い出させるメダルです。

葛西さんは、あの歓喜の長野五輪では蚊帳の外にいました。個人ノーマルヒルでは7位入賞を果たすも、それは長野で期待されていたものからはほど遠い結果。世界王者・船木和喜を擁し、金メダルだけを目指すジャンプチームにあっては、個人7位は「不振」扱いだったのです。

葛西さんは個人ラージヒルと団体のメンバーから外されたことを、今も冷めぬ怒りを持って記憶しています。2014年のソチ五輪への抱負を聞かれているのに、「あの日、当日の朝まで自分が出ると思っていた(怒)」「知らなかった(怒)」「ビックリした(怒)」とギラギラした目で語る男の姿。仲間の歓喜を、仲間の金メダルを、「水を差さないよう自分を押さえるだけで精一杯」という顔で見つめる怒りの人。枯れることない情熱が血走っていました。

31位、26位、4位(団体)、5位、14位、2位(団体)、7位、不出場、不出場、49位、41位、不出場、20位、12位、6位(団体)、17位、8位、5位(団体)…ときて先日のノーマルヒルでの8位。これが葛西さんのこれまでの五輪での成績です。いかにもパッとしません。世界選手権ではちゃんと個人のメダルも獲っているのに。五輪は何故かダメになる。それが、今日になってメダルをつかもうとは誰が想像できたでしょう。

「諦めない」と言葉にする容易さと、実行する難しさ。

葛西さんは何度も何度も自分をスクラップ&ビルドしながら、いくつもの壁を飛び越えてきました。ソチ大会のPRで流れたVTR。そこに映る若き日の葛西さんは「スキー板を揃える飛び方」でジャンプしていました。そこからV字飛行を習得し、ダボダボのスーツで風を捕まえる時代を経験。度重なるルール改訂で、板の長さが変わり、用具の規定が変わり、体重にも制限が生まれ、そのたびに求められる技術・感覚も変わってきました。ときにはガリガリになるまでダイエットしてみたり、迷走の肉体改造も経験しました。

さらに、競技以外の部分でも壁は立ちはだかります。家庭の事情であったり、所属する企業のスキー部が廃部になることであったり、何度も何度も大きな壁が。そうした壁の手前に立つとき、普通なら二度目か三度目くらいで「俺はもういいよ」と投げ出してしまうのではないでしょうか。そして、思い出と共に古い時代に閉じこもってしまうのではないでしょうか。

しかし、葛西さんは「飛びたい」「勝ちたい」という想いだけを変えず、ほかのすべては容赦なく変えつづけてきた。変えつづけてきたから今日がある。今、葛西さんは誰よりも雄大なフォームを備えています。大きく大きくスキー板をH字型に開き、手を目一杯に広げる。指の先まで開き、自分の横をすり抜ける空気を少しでも多く捕まえようとする。まさに「翼を広げて」飛ぶフォーム。スキー板を揃えていた時代の選手が、2014年に翼を広げているなんて嘘みたいですよね?

不撓不屈。

今大会に臨むあたり、葛西さんが掲げた言葉だといいます。強い意志をもって、どんな苦労や困難にもくじけないさまを示す言葉、まさに葛西紀明そのもの。時間にくじけない。ルールにくじけない。年齢にくじけない。敗北にくじけない。廃部にくじけない。病気にくじけない。怪我にくじけない。「また4年後か」という落胆にくじけない。勝つまで絶対にくじけない。そのくじけなさに、スキーの神様も根負けしたのかもしれません。「わかったよ、1個やるわ!」「勘弁してよ!しつこいよ!」「もう帰ってください」…と。

今、同じ五輪で、耐えがたい挫折を経験した人がいるはずです。しかし、その耐えがたさはどれほどのものでしょうか。葛西よりも大きいのか、否か。伝説は嘘じゃない、夢じゃない。今日ここにある現実です。ならば、葛西紀明が飛び越えたように、自分もその挫折を飛び越えられるのではないでしょうか。

くじけるには、まだまだまだ早すぎる。

また、頑張っていきましょう。

伝説をその目に刻みつけながら。

ということで、生ける伝説が起こした現代の奇跡を、15日の「スキー・ジャンプ 個人ラージヒル」からチェックしていきましょう。


◆原田さんがヘラヘラしてるのがイラッとくるんですよね!わかります!

気がつけば日本のお家芸・ジャンプも、随分と栄光から遠ざかってきました。単発の勝利はときおりあるものの、五輪に関しては16年間メダルなし。それはつまり、長野五輪団体を最後に栄光が途絶えたということです。あの歓喜を最後に、花が散るように。

しかし、伝説は今なお生きている。葛西紀明。今季10シーズンぶりにワールドカップで勝利したリビング・レジェンド。リレハンメルで原田雅彦さんのせいで取り逃がした金メダルを追いかけ、長野五輪で原田雅彦さんだけちゃっかり金メダルをもらったことにイラつく、カミカゼ葛西が!

↓葛西さんが10季ぶりの勝利をはたした試合では、世界の王者たちが脱帽・敬礼した!


異国の地で揺れる日の丸!

他国のコーチが葛西の勝利を祝う!

ドイツのジャッジは飛形点に20点をつけた!

脱帽・敬礼する世界の王者たち!

シュリーレンツァウアーが!プレフツが!クラニエッツが!

伝説を目撃した誰もが歓喜した!


↓こんな時代から空を飛んでいた男が、今なお飛ぶ!


まったく別物だな!

やってることが全然違う!

進化というよりは大変身だ!

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先ほどの勝利以外にも3度表彰台に上がるなど、絶好調で迎えた7度目の五輪。思えば、葛西さんは五輪のときはちょっと調子を落としてくるのが常でした。多分、勝ちたすぎてピークがズレるタイプなのでしょう。ようやく本人と時間とがバッチリ合った五輪。今回こそは…という想いで、得意のラージヒルに臨みます。

解説の原田さんも「自信満々ですよ」と葛西さんの状態に太鼓判。若いライバル選手が出てきても「葛西に比べてキャリアが少ない」と言い放つなど、「そりゃそうですけど」としか言いようがない論法で、葛西さんに対する絶対的評価を表明します。

さらにノリノリの原田さんは、フィンランドのアホネンについて「アホネンが金メダル獲ってないなんて信じられませんねェ(ヘラヘラ)」と語ります。そのヘラヘラの奥にフワッと漂う、「僕は金メダル持ってます」感。これだ、このイラッだ。このイラッこそが葛西さんに怒りパワーを充填するはずだ。僕はテレビを見ながら、原田さんもまた葛西伝説成就を祈願しているのだと確信します。飛べ葛西さん!このイラッを原動力に!1994年と1998年のイラッを思い出すのだ!

まず1本目。最後から3番目で飛ぶ葛西さんは、いつものように大きく翼を広げるとヒルサイズに迫る139メートルの大飛行。飛形点でも19.0点を揃え、その時点でトップに立ちます。最後に跳んだノーマルヒルの金メダリスト・ストッフに抜かれはするものの、ポイント差で2.8点。飛距離にして約1.5メートルの僅差で、金メダルを争う2本目に臨みます。

↓葛西が吠える!ついにメダルに手をかけた!

吹けよカミカゼ!

葛西にメダルを!


2本目、葛西さんは順位の逆順…つまり最後から2番目で登場します。飛んだ時点で1位になれば銀メダル以上が確定する。まずはそれを目指したいところです。しかし、ことは簡単ではありません。この会場、なかなか風が安定せず、強い向かい風になったり、急に追い風になったりと落ち着きがないのです。

向かい風が強まるたびに、運営側は「飛びすぎて危険だ」とゲート位置を下げていきます。ゲートが下がれば、当然距離は出づらくなります。しかし、金メダルを争うならその中でも大ジャンプを出せるチカラが必要です。葛西さんの2人前で飛んだスロベニアのプレフツは131メートルの大ジャンプ。直前に飛んだドイツのフロイントも129.5メートルを飛び、上位につけます。葛西さんがトップに立つには、およそ132メートルのジャンプが必要です。飛べるか…飛べ…葛西さん!

↓葛西さん、大ジャンプだ!大ジャンプでキター!!

http://www.gorin.jp/result/SJSJM090/index.html?bctid=749784489002

解説の原田さんも「こっからこっから!」と絶叫!

葛西さんは着地もバッチリ決める!

トップに立ったことを確信するコーチ!

日本の仲間も駆け寄ってきた!


↓葛西さんのメダルを確信し、抱きつく仲間たち!

これは、長野五輪の「ふなきぃ…ふなきぃ…」からの抱擁のようだ!

伝説の再現だ!!


↓この時点のトップに立ち、銀メダル以上が確定!

おめでとう葛西さん!

信じて起きててよかった!

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最後の最後まで空気をつかみにいった葛西さんの飛形。それはまるで、メダルを抱きしめにいくかのようでした。今度こそ抱きしめさせてくれ。つかませてくれ。その願いが届いた瞬間。41歳までの長い時間。すべてが報われたに違いありません。すべてがこの日のためにあった道のりだと思えたに違いありません。

最後に飛んだストッフが、わずかに葛西さんを上回り金メダルはなりませんでした。しかし、出し切った上での敗北ならば仕方ありません。この手に銀メダルがある、銀メダルも悪くない。この銀は「金を逃した銀」ではなく、「金を争った銀」です。何も失っていない、愛すべき銀です!

↓葛西さんは7度目にしてようやく五輪で喜びを語った!
葛西:「ありがとうございます!」

葛西:「ノーマルヒルではメダル獲れなかったんですけど、メダルを獲るという難しさをすごく感じてて」

葛西:「ほんとにレベルの高い試合だったので、メダルを狙ってましたけど、簡単に取れるとは思ってなくて」

葛西:「いろんなことが頭でグルグル回ってて、失敗したらどうしようとか、メダル獲れたらどうしようとか、たくさん頭によぎってて…でも2本ともいいジャンプできたと思います」

葛西:「仲間たち…大貴・拓・礼留飛がすぐ駆け寄ってきてくれたので、絶対トップに立ったっていうのがわかったので、その時点でメダル確定ということですごく嬉しく思いました」

葛西:「初めてですね。個人戦でメダルを獲ったことがなかったので、明日メダルセレモニーでどんな状況になるか、ちょっとわかんないですけれども、本当に楽しみにしてます」

葛西:「(何故こんなに長い間、強くいられるのか)僕も不思議に思っていますね(笑)。でも、負けたくないっていう気持ちが強かったですし、たくさんの方に支えてもらえて、お父さん・お母さん、そして姉・妹、そして会社の方たち、ファンの方たち、ずーっと今までたくさん応援してきてくれているので、その応援に応えたいなっていうのが自分の一番の気持ちでした」

葛西:「金メダルを獲って本当に『レジェンド』と呼ばれたいなと思っていたんですけど、また目標ができたので、金メダルという目標に向かってまた頑張っていきたいなと思います。諦めずに金メダルを目指して頑張ります」



言うと思ってたよ!

金メダル獲ろう!

やっぱり金がいいですよね!


さぁ、次は団体戦。まだ金メダルという目標は未達成で残っています。ちなみに、ちなみにですが、天候その他条件は変わるということは置いておいて、この日のラージヒルの結果を団体戦に当てはめるとどうなるか。何と日本は4人合計1031.4点でトップに立つのです。オーストリアはモルゲンシュテルンが精彩を欠きラージヒルの2本目に2人しか進めないという体たらく。ドイツもフロイント以外はチカラが一段落ちる様子ですし、ポーランドもストッフ以外に3人揃えられるかというとちょっと難しそう。その点日本は、出場4名全員が2本目に進出し、その合計8本のジャンプすべてで120点以上をマークする抜群の安定感。葛西さんの次なる目標、わりと早く達成できそうな予感で、ちょっと震えてきます!

↓次はこの日の丸をセンターポールに掲げよう!

いけるぞ、金!

取り返せ、あの日の金!


↓現地の熱狂的ファンも葛西さんの悲願成就を応援しています!


これ国際映像絶対わかってないだろwwwwww

「日本から来た元気のいいファン」だと思ってるよなwwww

左は銅、右は金・銀・銅・世界記録だぞwwwwww

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歴史を作るぞ!長野を超えろ!忘れ物を取り返せレジェンド!

羽生結弦、1個目の金メダル獲得!これがフィギュアスケートの未来へ踏み出す第一歩の巻。

07:40
羽生結弦、金メダルおめでとう!

誰の時代を選ぶのか。その選択こそが今回の金メダルだったように思います。6.0点+6.0点で採点した時代のように、審査員ひとりひとりが投じた票の積み重ね。パトリック・チャンと羽生結弦、そのどちらに1位票を入れるべきか。5.9点と6.0点。2枚のカードを残しながら、フィギュアスケート界の未来を選び取る。そして選ばれたのが羽生結弦だった…ソチ五輪フィギュアスケート男子シングルの結果を見て、僕はそう感じています。

確かに理屈はいくつもあります。羽生クンがSPで出した101.45点の世界最高得点。ここでつけた約4点差が最後の勝敗をわけたとは言えます。あるいは、2種の4回転に挑戦し、セカンドジャンプに可能な限り3回転を詰め込み、演技終盤に高得点のジャンプを並べるなど基礎点でライバルを上回っていたことが勝因だとも言えます。いや、5コンポーネンツでの地道な評価アップこそが、フリーでの逆転を許さなかった地力を生んだとも考えられるでしょう。

しかし、この勝負に理屈はない。

理屈を引っ込めようと思えば引っ込められる競り合いでした。

最終グループ、先に滑った羽生は演技冒頭の4回転サルコウで転倒すると、3回転フリップでも転倒。2度の転倒という大きなミスでGOEで4.9点、減点で2.0点…およそ7点を失う演技でした。完璧ではない。程遠い。SPの素晴らしさが際立っていただけに、「失敗」と言ってもいい演技内容でした。

もちろん、現在の採点方式では転倒=大失敗というわけではありません。羽生クンが転倒したサルコウも回転は足りており、10.50点の基礎点はしっかり取れています。転倒以外の部分では、トリプルアクセルからのコンビネーションなど雄大で流れのある、いわゆる「加点の取れる」ジャンプもありました。SPでの差を考えれば、誰がどんな演技をしても「銀メダル以上」には足りる演技内容です。

もし、羽生クンの次に滑るパトリック・チャンが完璧な演技を見せていたら、SPの4点差などは霧散し、逆転を許していたはず。今季の両者は総計300点に迫る戦いをしていたのです。羽生のフリー演技が終わった時点での総計275.62点は届かない数字ではない。五輪だから多少辛目に採点されるとしても、十分に超えられる程度のスコアです。

ところがパトリック・チャンも調子が出ない。冒頭の4回転トゥループからのコンボは完璧に…GOE加点3.0点という「すべてのジャッジが満点をつける」パーフェクトジャンプを決めたものの、つづくジャンプ要素2つはほとんど転倒に近いもの。両手を氷につき、倒れるのを回避するのがやっというものでした。演技終盤にはダブルアクセルで大きくステップアウトする場面も。

どっちもどっちのピリッとしない演技。

勝敗で言えば「両者負け」と言えるような戦い。

それでも、どちらかを選ばなくてはいけません。ジャッジの心情的には羽生クンに5.9点を出し、6.0点を握りながら待っていたら拍子抜けの演技が来たといったところか。もしそのとき、どちらかを選ぶとしたら、より未来の大きさを感じるほう。新たな時代を牽引するほう。基準に沿って機械的につける得点の積み重ねの中に、「時代への一票」が混ざっていた結果こそが、今回の結果なのだと思いたい。

これは個人的な好み…僕の「一票」の話になりますが、やはりスポーツである以上、限界を超えていく姿勢というのは求められて然るべきだろうと思います。より速く、より高く、より遠く。かつてスキージャンプのV字飛行が「美しくない」と飛形点で減じられていたことがありましたが、結局はより遠くに飛ぶその形は美しいものだと評価されるようになりました。フィギュアスケートは舞踊でありつつも、スポーツである。より困難な道を、より遠くを目指したものに、リターンがあってほしい。そう思います。

どちらも完璧でない同士、そのとき僕なら、より困難な道を選んだユヅル・ハニュウに1票を投じます。羽生クンはわずかにリードがある状況でも、自身の課題である2種類の4回転を入れることを当然とした。SPでの完璧な決まり具合からすれば、2回ともトゥループを跳ぶ選択があってもいい状況で。

だからこそ、その向こうに、未来を感じる。

4回転時代の再来。今はもう4回転は当たり前で、さらにそれを美しく決めた者だけが勝利する時代。そして今後は、4回転を美しく決めるのは当たり前で、さらにその中で得点の積み上げを図らなくてはいけない。2種の4回転を跳ぶ選手はどんどん増え、ハーフループを活用したセカンドトリプルジャンプの多様化も見られます。今大会でも多くの選手が3回転⇒1回転ループ⇒3回転サルコウという詰め込みにトライしていました。

行きつく先には、4回転トゥループと4回転サルコウをコンビネーションを絡めて2本ずつ跳ぶという世界が見えてきています。そしてセカンドジャンプに2回転を持ってくることがなくなる世界が。今すぐやれと言われても無理でしょうが、それを目指してこそやり甲斐がある。そういう未来が見えてきています。

ジャンプに比重を置いた時代から、ステップやスピンなどすべての要素にレベルアップを求めた時代へ、そして完成度を突き詰めた時代を経て、今度は新たな地平を切り拓く時代へ。その先頭を走る選手として、羽生結弦が新時代に選ばれた…そういう意味合いのものとして、この結果をとらえたい、そう思うのです。

皇帝・羽生結弦、新たな時代を牽引する者。

その印としての金メダルだと。

今が頂点ではなく。

未来への一歩だと。

これが「最初の金メダル」となるよう祈念して、お祝いの言葉と代えさせていただきます。

おめでとう、よかったね!!


↓勝った者しか見えない世界がある!勝った者しか行けない世界がある!キミはそこに行く人なのだろう!










<動画:男子シングルフリー ハイライト>
http://www.gorin.jp/result/FSFSM010/index.html?bctid=748911743002

何か、すごいな…。

光の速さで遠くへ遠くへ行ってしまうな、君は…。


↓金の上を目指せる人は、金に満足しない人なのだろう!
羽生:「緊張しました。すんません、ほんとに」

羽生:「やっぱりオリンピックってすごいなと思いました」

羽生:「やっぱり結果としてすごい嬉しいなと思うの半分、自分の中では悔しいと思うところが結構あるので…」

羽生:「ま、オリンピックで金メダル獲って言うのも何ですけど(笑)」

羽生:「やっぱりちょっと悔しいかなと思います」

羽生:「(昨晩は)時間もあんまりなくて、練習も朝早くからだったので、みなさん結構体調悪かったりしたと思うんですけど、今回の試合でほんとに緊張しましたし、その緊張の中でどれだけ自分の演技をできるようになるかっていう、ほんとにそういういい経験になったなと思っています」

羽生:「(パトリック・チャンの得点を見たときは)とにかく驚きしかなかったですね。嬉しいとかそういう感じはほんとになかったですね。自分の演技については悔しかったので嬉しい感情はなかったんですけれども、こうやって表彰台にのぼって、まぁまだ(もらったのは)花束ですけれども、もらってすごい嬉しかったです」

羽生:「(金メダルについて)そうですね。早く見たいです」

謝るようなデキでも金メダルをもらえたのは、時代に愛されている証拠!

世界が、ゆづに、恋してる証拠!

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さて、もう眠いので手短にはなりますが、日本の2選手について。

町田樹クンは銅メダルまでわずか1.68点の5位。あとひとつ、あとひとつどこかでミスを失くしていれば、獲れたかもしれないメダルでした。最高の町田樹ではなく、弱いほうの町田樹が出ていたのかもしれません。ただ、それは伸び代があるという意味でもあります。最高の自分はメダルに届き得る存在だということです。高橋大輔さんが27歳。町田クンが23歳。もっと上に行くための原動力になる悔しさというヤツが世の中にあるのなら、今回のはそれなのではないかと思います。

高橋大輔さんは「勝った」演技だったと思います。ミスもあり、要素としても抜けるものがありましたので、得点は仕方ないところ。ただ、その「道」という意味では、しっかりゴールまで駆け抜けてくれたように感じます。足の痛み、思わぬトラブル、心を削るたくさんの出来事があった。コーチたちが「最後まで諦めるな」と言って送り出したということだけで、舞台裏の険しさが、絶望が思いやられます。

しかし、すべて笑顔で包み込んで締めくくった。心から笑えない日でも、笑って見せられる男。さすが。やりますね。このイイ男。たぶん今日、フィギュアスケートでない何かの競技で、高橋大輔は勝ったのでしょう。勝って、この舞台を去ったのでしょう。そう思わせてくれて、助かります。お見送りは互いに笑顔で…それがお約束ですから!

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日本男子お疲れ様!それぞれの次の戦いへ、ゆっくり休んでください!

皇帝・羽生結弦生誕祭!歴史を受け継ぎ、100点超えの未来を切り拓く世界のユヅル・ハニュウの巻。

13:39
100点のその先の世界へ!

スーパースターという存在がいます。世界の誰もが知っていて、そのジャンルを代表する巨星としてとらえられる人物が。それを僕は遠くの誰か…何となくのイメージでいうとムキムキのアメリカ人か、彫刻のようなヨーロッパ人を思い描いてきました。ミハエル・シューマッハであるとか、マイケル・ジョーダンであるとか、ウサイン・ボルトであるとか。

世界のどこに行ってもその人は知られ、街を歩けば声を掛けられる。子どもたちが集まり、小さな騒ぎが始まる。そういう存在。その想像をするとき、僕はいつも駆け寄るほうで、駆け寄る先にいるのは外国人。そういうものだと何となく思っていたのです。実際そういうものでしたし。

しかし、今、僕は違うものが動き出している予感を覚えています。羽生結弦、19歳。ソチ五輪のリンクに立つ若者は、その空間を支配していました。圧倒的な精神力。緊張と昂ぶりは隠せない表情ながら、心臓は硬い氷のように微塵も揺らがない。クリーンに、完璧に、世界最高得点を持つ自分の演技を超えていく。スコア101.45点。史上初めて、SPで100点を超える得点が出た瞬間でした。

この場面を、日本人は自然に「日本のローカルヒーローが大活躍!」というとらえ方をしてしまっている。しかし、もはや、そうじゃない。この場面を世界中のフィギュアファンが見つめ、世界中のオリンピック視聴者が見つめている。世界記録の誕生を目にし、新たな歴史…ハニュウ時代の到来を感じている。そして僕がこれまで記憶してきた数多の金メダリストたちのように、その姿を胸に焼きつけている。

この若さ、この美貌、この精神力、この演技、このスコア。

誰かに勝ったとか、どの色のメダルを獲ったとかではなく、どういう形で歴史を作るのか。「世界のハニュウ」のステージは僕らが思っているよりはるか上にあるのかもしれません。今大会、ロシアのプルシェンコが負傷で棄権し、事実上の現役引退を迎えました。僕はこの偶然の重なりが、神様の演出する世代交代に見えて仕方がありません。プルシェンコに憧れた少年が、プルシェンコを魅了し、そして去りゆく彼を送り出す。空きとなった「皇帝」の座に腰を下ろしながら。

皇帝・羽生結弦。

今夜のフリーは、その生誕祭です。

ということで、「もう可愛がってあげるよりも、厳しく命令されたい!」とゾクゾクしながら、13日の「ソチ五輪 フィギュアスケート男子シングル・ショートプログラム」をチェックしていきましょう。


◆エフゲニー・プルシェンコを失った世界は、ユヅル・ハニュウを得た!

13日の男子ショートプログラム、下馬評では羽生、カナダのパトリック・チャン、そして地元ロシアのプルシェンコ…3人が金メダルの有力候補であろうと見られていました。そして、そこに日本の高橋大輔・町田樹、スペインのハビエル・フェルナンデスあたりがどう絡んでいけるかと。

その中でももっとも多くの注目を集めたのは、何と言っても皇帝プルシェンコ。腰の手術を乗り越え、ボロボロの身体にムチを打ちながら決めまくる4回転。団体戦での金獲得は、どれだけ傷ついてもプルシェンコはプルシェンコだということを思い知らされる強さでした。

「ジェーニャ!ジェーニャ!ジェーニャ!」とプルシェンコへの声を上げる観衆たち。第2グループで登場する皇帝を待ち、それ以前の選手をすべて前座に変えていくような雰囲気さえ漂います。しかし、現れたプルシェンコには明らかな異変の兆候が。この日の練習をほとんどできていない、ジャンプはほとんど跳んでいないという情報。そして、実際に6分間練習でリンクインしても、ジャンプのあと腰をおさえ、ヒザに手をやってうなだれるような仕草。何かがおかしい。

↓すると皇帝はジャッジと観衆に対して棄権を告げ、そのままリンクを去る!


おぉぉぉぉぉぉ!!

こんな形で…。


4回転時代の生き残り。世界の強者が覇権を争って、4回転を跳びまくった時代の勇者。バンクーバーでの勇敢な戦いは、フィギュアスケートを救ったとさえ、僕は思っています。4回転を跳ばずに、人間の限界に挑戦せずに、ただスコアだけを出せばいいというものではない。その心意気。

採点基準は時代に連れて変わり、その時々の勝者は変わっていくかもしれない。しかし、限界に挑戦することなくして、未来はない。今再び4回転時代に突入したフィギュア界を見て、僕は改めてそう思います。

↓4回転の貴公子ブライアン・ジュベールもついに五輪の舞台で躍動する!
http://www.gorin.jp/result/FSFSM010/index.html?bctid=748731619002

4度目の五輪で、ついにジュベールが!

雷属性の装備みたいな衣装で、ついに五輪の魔物に勝ったかな!


ひとつの時代が終わったリンク。受け継ぐのは誰か。少しずつ帰り始める観衆の中で、最後までその行く末を見守ろうとする人たちの視線は、第4グループの2人の男に注がれます。現・世界王者パトリック・チャン。そして、それを脅かす男・羽生結弦。リンクサイドで待つ羽生は何かを熱心に口ずさみ、ラップでも歌うかのようなノリノリ具合。すでに団体戦で一度、五輪の魔物を退けたあと。いい緊張感だけを感じさせます。

第4グループの1番手としてリンクに立つ羽生。滑走順もあり、直前のウォームアップは控え目ですが、その中でしっかりとクリーンにジャンプも決めました。まったく問題ない。確かな感触を残し、世界最高得点プログラム「パリの散歩道」へ。

最初の4回転トゥループ。高く、美しく、鋭く回転する羽生。その余裕は何と着氷姿勢の途中で、ドヤ顔と決めポーズを繰り出すほど。GOE加点2.86点という最高級の4Tです。その後のシットスピンでひとつレベルを取りこぼす場面はありましたが、見た目の美しさには何の問題もありません。

これまた美しく、高い加点のつくトリプルアクセルと、ドヤ顔ガッツポーズ。最後のコンビネーションジャンプもクリーンに決めると、拳を高く突きあげます。おなじみの開脚で深く腰を下ろして滑るポーズといい、ひとつひとつの要素に自信があふれ、またそれを見る者に対してアッピールしていく強さがある。五輪初出場の挑戦者とは思えない風格。王は生まれながらにして王だと言いますが、この男、そういう血脈にあるとしか思えません!

↓そして羽生は世界最高の101.45点をマーク!100点の壁を人類で初めて超えた!

http://www.gorin.jp/result/FSFSM010/index.html?bctid=747946437002

誰も100点が出ると思って作った採点基準じゃないだろうにな!

100点に届いちゃうんだね!すごいね!

ブブカが6メートル超えたり、ボルトが9秒5台に突入したりするみたいな、偉人だけのゾーンだね!


↓世界最高得点を記録した羽生クンはトンデモないコラ素材を残していきました!
<画像:得点より監督がwwwww>


<画像:羽生クンが伏せた結果、歴史的場面に監督だけがwww>


羽生クンが手を合わせ観衆を拝む!

そのとき観衆も手を合わせ羽生クンを拝む!

ありがたや!ありがたや!ありがたや!

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その後の演技者も、さすがに100点超えという空気の中ではやりづらいか。パトリック・チャンは苦手のアクセルで乱れを見せ97.52点の2位。ハビエル・フェルナンデスはジャンプを決めきれず86.98点の3位。高橋大輔は作曲者不詳の名曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」を華麗に舞いますが、4回転を決められず86.40点の4位。以下9人、総計で11人が80点台に並び、日本の町田樹も3位まで3.5点差の11位につけます。

プルシェンコを失った男子フィギュア界の意志が現れたジャッジ。皇位を継ぐのはハニュウかチャンかで決めなさい。そして、それ以外の選手でもっとも素晴らしいフリーを演じた者に銅メダルをあげましょう。今夜のフリーはそういう戦いになるはずです。

日本の羽生…いや世界のユヅル・ハニュウは金メダルを獲り、そしてプルシェンコの去った皇位につく。フィギュアスケートというスポーツをより高みに押し上げていく存在として。そうなってほしいし、そうなる予感しかしない。「日本の選手が金メダルを獲りました!」というローカルな見地からではなく、ひとつの時代が誕生する瞬間として、その時を共にすごしたいもの。「正座して見守る」というのは今夜のような時のことです!

↓世界のハニュウはこれでもまだ完璧ではないと、さらに高みを目指す!
羽生:「とにかく嬉しいです。ほんとに、ただ何か、嬉しい。ただただ嬉しいって感じです」

羽生:「とにかくあのー、いつもと変わらずに、ほんとに楽しい気持ちというか、自分がいい気持ちで入れるようにっていうのだけを意識していました」

羽生:「かなり緊張しちゃいました。やっぱり足も震えていたと思いますし、これが明日に向けていい経験になったかなという感じがします」

羽生:「日本の国旗が一番はしっこのほうにあったので、ロシアの国旗の隣のほうにあったので、日本の国旗にありがとうございましたっていうことを伝えました」

羽生:「やはりオリンピックっていうのは、日本代表をものすごく感じますし、ときにはそれが重いなーという感じもするんですけど、今回は本当に日本をしょって、日本の代表として誇らしい結果を出せたなという風に思ったので、日本の国旗・日本の国、それとあと応援してくださった日本の方々に、感謝の気持ちをこめました」

羽生:「(プルシェンコの)アクシデントについてはまだ全然よくわかってないし、僕自身もすごい残念なんですけれども、彼とこうやって、自分が憧れていたプルシェンコ選手と、まぁ団体戦だけでしたけれども、一緒に滑れることができて、本当に嬉しかったなと思います」

羽生:「今日は今日でやれることは終わったと思うので、今日はゆっくりちょっとして…ゆっくりもできないんですけど喜びに浸って、明日は明日でしっかりとやりたいと思います」

http://www.gorin.jp/result/FSFSM010/index.html?bctid=748731624002

日本のファンへの想い、受け止めたぞ!

でもキミはもう世界のハニュウだ!

プルシェンコの不在を、フィギュアスケートの未来を、ユヅル・ハニュウに託されたこと感じてくれ!


↓憧れのプルシェンコもこう言っているぞ!

未来は任せろ!

ユヅル・ハニュウがあなたの想い引き継いだ!

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多くの世代交代があり、多くの王座交替があり、時代は移り変わってきました。しかし、こうやって前世代と新世代がクロスするのは稀なこと。生半可なことでは駆逐されない強者がいて、驚くべき速さで追いすがる新星がいて、ようやく達成される奇跡の巡り合いです。2014年までとどまったプルシェンコと、2014年に追いついたユヅル・ハニュウ。これが「歴史」ってヤツになる日なんでしょうね…!

↓なお、この日のことはまっちーのフィロソフィーから「逆バレンタインデー」と名づけます!
町田:「そうですね…悔しいです。こんなミス僕はしないんですけど、悔しいですね」

町田:「ただ、フリープログラム次第でメダルに手が届く位置には僕はいると思うので、絶対に諦めずに進みます」

町田:「明日次第です」

町田:「今日はみなさんバレンタインデーですよね、日本は(ニヤリ)」

町田:「明日、逆バレンタインできるように頑張ります(キラリーン)」


町田:「今日はほんと悔しかったけど明日また頑張ります。応援よろしくお願いします(ズキューーーン)」

<動画:フィロソフィー町田の血の逆バレンタイン宣言>


黒歴史やwwwwwwwwwwwwwwwww

厨二病の末期をオリンピックでこじらせるなwww

そもそも、「今日がバレンタイン」だったら「明日はただの15日」だろwwww

まっちーが滑る頃、バレンタイン終わっとるで!

DAISUKE! 〜聖なるバレンタインと、キミだけのボクら〜 / ドラマCD (小野大輔、浪川大輔、阪口大助、他)

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ユヅル、歴史に名を残せ!まっちー、黒歴史だぞ!大輔、とにかく頑張れ!

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婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)

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