スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

野球

史上初のベスト8となったWBC日本代表・侍ジャパンの戦いに思う、日本全体が「前回ほど必死ではなかった」という敗因以前の反省。

07:00
反省会のつづきはNetflixで!

いやー、負けました。連覇を狙って日本の侍たちが臨んだWBC2026、日本の戦いは準々決勝で終わりました。強豪ベネズエラを相手に一時は5-2と優位を築くも、走攻守で盛り返され、日本には決定的なミスも出る完全な力負け。もう一回やり直したら勝つかもしれませんが、この試合に関しては「普通に負けた」と思います。不運でも事故でもなく相手が強かった。致し方ない負けでした。

↓大谷さんで始まり大谷さんで終わる!勝っても負けても主人公大谷!


迎えた準々決勝。個人的な肌感としては日本は弛緩していました。地上波中継がないことの影響は多分にあったと思いますが、前回大会のような国民的なお祭り感はなく、見ている人は見ているけれど見ていない人は見ていない「いちコンテンツ」といった感覚を覚えます。2023年と同じような姿勢で世間に接しているつもりの個人的な感覚で言っても、昨年のメジャーリーグ開幕戦のほうが世間は熱かったんじゃないかとさえ思います。「1円でも払う必要があるならいいですー」という層はやはり多いのかなと思いました。このあたりは大会後のどこかでNetflixの勝利宣言が出てくると思いますが、それが「何人」なのか「何倍」なのかで判断しようと思います。大成功ならきっと「加入者1000万人増加」「延べ3億人視聴」とか人数で言うでしょうが、そうでもなければ「昨年同時期比で加入者数20倍!」とか倍率で言ってくるでしょう。社会実験として結果が楽しみです。

この日のベネズエラ戦も日曜日の午前10時という、日本向けに最大限に配慮された試合時間設定となっていましたが、SNSのタイムラインなども静かなもの。東京プールではまだ現地観戦客やインフルエンサーなどが「来ました!」とかまびすしさを演出していたりもしましたが、今大会は準々決勝以降アメリカ開催ということで、そのあたりも出力低めです。何なら東京ドームを借りて公式パブリックビューイングイベントsupported by Netflixくらいやってくれてもよかったのになと思います。「タダで見せろ」はビジネスの部分で折り合わないとしても、「盛り上がりを作れ」はもっと日本からも要求すべきことだったなと思います。権利を抑える人と、どぶ板で盛り上がりを作る人が別では、そりゃあ魂もこもらないというものです。

日本が先発のマウンドに送り込んだのは大エース・山本由伸さん。しかし、いきなりベネズエラからの先制パンチを浴びます。先頭打者ロナルド・アクーニャJrさんによる先頭打者先制ホームラン。高めに投じた156キロのストレートをライトスタンドに運ばれました。初球はカーブで打ち気を外したバッテリーでしたが、そこまでは向こうも想定内で2球目も全力の打ち気だったなと唸ります。このあたりはさすがベネズエラ、メジャー集団といったところ。日本の投手陣でも無双ができるわけではありません。早めにリードを築き、それをしっかりと守って逃げ切る。1点にヒリつく野球が求められます。ただ、さすがは山本由伸さんこちらも負けず劣らずで、後続は3人で抑えて、「出会い頭だけ」と盛り返した状態で初回を終えました。

↓150キロ超えだろうが狙った真っ直ぐならスタンドへ一直線!ホームランは正義!


もちろん、日本もそれで負けるものではありません。1回裏、先頭打者として打席を迎えた大谷翔平さんはお返しとばかりにベネズエラの先発レンジャー・スアレスさんの4球目を先頭打者ホームラン返しでライトスタンドに叩き込みました。打った瞬間にホームランを確信し、「まだ騒ぐ段階じゃない」とベンチを制止する悠然としたふるまいは、まさに主人公。少年漫画であれば、緒戦のパンチ応酬から互いにニヤリとして見開きカットでタイトルロゴ表示…そんな幕開けの攻防となりました。

しかし、その初回に日本には静かに暗雲が広がっていました。四球で塁に出た鈴木誠也さんが、二死一塁の場面から岡本和真さんの打席のカウント0-1からの2球目で盗塁を仕掛け、スライディングの際にヒザ?を痛めてしまったのです。しかも一度セーフの判定は出たものの、ベネズエラ側のチャレンジの結果判定もアウトに。スローで見ればタッチされているのが明らかでしたので、余裕でアウトの範疇だったなと思います。

この場面、負傷退場となったことは結果論としても、疑問の残る場面でした。鈴木さんは足でも魅せるタイプではありますが(2024年はMLBで16盗塁/成功率.727)足で勝負する選手ではなく、日本時代よりもボリュームアップした肉体を見ても積極的に動かしていくような走者ではありません。相手は左投手。打席には岡本さんですので、二死一塁だろうが二死二塁だろうが長打が出ればそれでいいという話もあります。本人も怪我しないように野球をやっているわけではないでしょうから、積極性は買うとしても、「さほどメリットはない」なかで「成功率が低そうな仕掛け」であるとは思います。ベンチが鈴木さんにグリーンライト(いつでも自分の判断で盗塁していい)としていた可能性もありますが、ベンチからの指示にしても自身での判断にしても強引だったなと思います。結果的に怪我までしてしまっては目も当てられません。

2回表、再び山本由伸さんを攻め立てるベネズエラ。先頭のトーバーさん、つづくトレスさんの連続フェンス直撃ツーベースでベネズエラが1点を勝ち越します。山本さんの状態も最高潮という感じではないにしても、落ちるボールが効果的に決まらないなかでストレートに狙いを絞られるとこうも簡単に運ばれるのかと震えます。「山本由伸でも怖い」の感覚、振り返ってみればこの初回・2回でそれをしっかり持てていればな、と思うような2失点目でした。

その後、山本さんは立ち直りを見せ、ゾーン低めへの出し入れの精度も増し、スプリットでの三振も生まれるように。そして打線のほうも3回裏、この試合の勝利を引き寄せるビッグイニングを作ります。WBCで打棒絶好調の源田壮亮さんが四球で出塁すると、若月健矢さんの魂の送りバント、一塁が空いたところでベネズエラ魂の申告敬遠で大谷さんを歩かせ、一死一・二塁というチャンスに。ここで近藤健介さんに代わる形でスタメン入りした佐藤輝明さんがライト線を破る同点タイムリー!さらに先ほど負傷退場した鈴木誠也さんに代わって入った森下翔太さんがレフトスタンドに叩き込む確信スリーラン!昨年春には世界一のドジャースにも勝った世界最強の阪神タイガースからの精鋭が、この大舞台で大きな大きな4点を呼び込みました。これで5-2!

↓禍転じて福となす!途中出場の森下さんが勝ち越しのスリーラン!



その後、4回は互いに無得点となり、山本さんは4回終了69球で降板します。球数制限のルールでは、この試合に50球以上投げた山本さんはこれで今大会の登板は終わりです。その意味では、この試合を限界まで…球数80球まで投げて5回終了までいってもらうというプランも考えられるわけですが、日本は今後の日米友好関係を念頭に置いた総合的判断もあってか、早めの継投でいくことに。

ここでマウンドには埼玉西武ライオンズから参加の隅田知一郎さんが送られます。阪神・石井大智さんが故障による代表離脱となるなかで追加招集された隅田さんが、この大舞台で負けたら終わりの第二先発を託されること自体が、「編成に疑問符」の一端を示す事象だったかもしれません(本来誰がここを投げるべき編成で、誰が石井さんの代わりに救援をするつもりだったのか問題)。隅田さんは素晴らしいチェンジアップやスプリットなども投げますが、チカラでねじ伏せるタイプではなく、短いイニングだからといって出力120%とか150%が出るタイプでもありません。しっかりと試合を作り、一年間を投げ抜く安定感が魅力のタイプ。1勝10敗でも腐らず投げてくれますが、キャリアハイでも10勝10敗という「NPBで毎年10敗している」投手です。

そこには何か理由があるわけですが、それが出たのが一死一塁からガルシアさんに投じた8球目、キャッチャーがインコース低めヒザあたりで構えるなか、真ん中高めに抜けていってしまった150キロ強のストレートでした。日本ならこの1球で仕留めてくるバッターもそういませんし、当たったとしても謎のボール反発力で外野フライになるところですが、この1球でもスタンドに持っていけるのがメジャーの打力です。これで5-4とリードは1点に。しかもここで日本側は狼狽でもしたのか、ランナーも消えてなくなり、まだ1点リードしている状況なのに、二死を取って右打者のスアレスさんの打席を迎えたところで球数23球の隅田さんを下げてしまいます。

送り込まれた藤平さんはしっかりアウトを取ってリードを保ちますが、「ホームランを打たれても同点止まり」の場面で、「勝負の準々決勝の第二先発に送り込んだ投手」を早々に引っ込めるという選択はどうだったのでしょうか。「アカン、チカラ不足」と理解したのなら見極めがそもそも悪いですし、いまさら「左対右」とか思ったのなら右右右で始まる回の頭の時点で思うべきでしたし、「ここが勝負所」と感じたのならベンチの勝負勘がないかなと思います。回の途中からでも送り込めるカードは貴重なわけで、結局それを使う羽目になってしまったのはギクシャクした継投だったなと思います。

↓ま、この三振もスイングしてないと思うんで、右打者誰も抑えられてないって言われればそうかもですが!


日本打線がポポポーンと三凡で攻撃を終えたあとの6回表、マウンドには伊藤大海さんが送られます。韓国戦でも代わり端にホームランを浴びて2失点していた伊藤さんですが、この日はそれよりもさらに精彩を欠く出来で、何と投じた19球で1球も150キロを超えてきません。先頭打者2球目でのピッチクロック違反が本来の投球をさせない遠因となったかもしれませんが、高めに投じた140キロ台後半のストレートを普通に粉砕されての安打⇒安打⇒スリーランという逆転劇は、改めてメジャーリーグの強さを実感させるものでした。「日本最高峰」なら通じるけれど、そこから一枚落ちる状態となったら跳ね返される。その見極めをベンチができていたのか、問われるところかなと思いました。

俄然苦しくなった日本ですが、どこか熱量があがり切らないような戦いでイニングを消化していきます。6回裏は日本期待の村上宗隆さんから始まる攻撃でしたがチカラなく倒れ、三者凡退。陛下とか審判へはコワモテでいけても、相手投手に対しては威力を発揮することができませんでした。日本の4番手・種市篤暉さんが打者3人でピシャリと抑えたあとの7回裏は先頭の若月健矢さんをそのまま打席に送るという疑問の残る采配も。残り3イニングで最低2点取らなければならないとき、「大谷前」を一塁に出すことはそれだけで確率を何パーセントも高める一手だったはず。捕手のカードを一枚切ってでも、チームで一番の代打を送る状況だったように思います。左対左を嫌ったということかもしれませんが、それはここまでの継投やら、そもそもベンチに左しか残ってない(もともと左ばっかり選んでいる/森下さんはさっき使っちゃった)という編成やらを踏まえると、今さらのチグハグかなと思います。すでに山本由伸さんはマウンドを降りているわけで、投手との相性を優先するほどの理由もないわけですし。これではイニング間に何やら小園海斗さんに声を掛けていた大谷さんも肩透かしでしょう。まぁ、結局大谷さんも打ちませんでしたが。

そして種市さん回跨ぎの決断をした8回表、先頭のトーバーさんに左中間に運ばれると、吉田正尚さんの肩についてもデータが入っていたか、トーバーさんはノンストップで二塁に到達します。ここでベネズエラがメジャー154本塁打のトレスさんに送りバントをさせてまで欲しがった1点を、日本が守備の乱れで簡単にあげてしまいます。痛恨の二塁牽制悪送球で5-8。ことごとく裏目裏目に出る日本です。

↓ちゃんと二塁に渡れば、アウトにできそうだっただけに惜しい!


大谷さんもベンチで笑顔を見せ、しかめ面をしても勝てるわけではないという姿勢を示しますが、日本としては、このミスからの失点にはかなりガックリときたかなと思います。8回裏、二死から連打で一・二塁とするも、ここまで打率.167と当たりが出ていない牧秀悟さんへの代打は送らずに無得点。9回表は「もし逆転したら準決勝以降どうなるのかな?」「ダルビッシュシステム的な抑えとしての起用なのかな?」「どっちにしても微妙」と気になる継投で菊池雄星さんが、不慣れな三塁の不慣れなバウンド対応などもありつつ何とかゼロで抑えて、最後の攻撃へ。

そして最終9回裏、日本は「恐怖の8番」として源田さんが先頭の打席に。「そういう話じゃないはずだろ」「そこそこだよ?」「つなげればOKくらいで入れてるんじゃないのか」などという西武界隈の声は届かず、普通にチカラ負けで出塁ならず。つづく若月健矢さんの打席では近藤健介さんが送られますが、こちらも「今日信じなかったのに今日信じるのかよ」「さっきの回で代打しなかったのに今代打するのかよ」「誰が好調で誰が好調じゃないんだよ」とチグハグさを漂わせながら凡退。最後の打者として打席に入ったのが大谷さんであったことは、勝っても負けても主人公という運命なのか。前回は最後の投手として勝って物語を終えた大谷さんですが、今回は大谷さんの打席で日本の戦いが終わりました。5-8の完敗。史上初のベスト8。反省会はこれから3年くらいつづくと思いますが、まずはお疲れ様でした…!とにかくお疲れ様でした…!

↓今回は日本に勝つ用意がなかったなと思います!




まぁ、残念ではありましたが、野球なので勝ったり負けたりはするでしょう。前回大会であの神懸かりな美しい優勝を成し遂げた日本代表と今回のチームは大枠で同じなのですから、今回不調だった選手も含めていいの悪いの戦犯云々みたいな話をしても詮無きことです。弱いわけがない。実力が足りないわけがない。ただ今回はベスト8でした、以上。結果についてはそれで終わりで、今後3年くらいかけて過程だったり姿勢の部分が問われる大会になるのだろうと思います。それまでNetflixの見逃し配信は残っているのか、検証という意味ではちょっと気になりますが。

今大会はそもそも日本側にどうしても勝ちたいという必死さはなかったと思います。首脳陣選考の時点で必勝を期した人選とは言えず、指導者としての実力自体が未知数な顔ぶれが多く並んでいました。試合中の采配の成否はすべて結果次第の結果論になりますが、「絶対に勝ちたいこの1試合」で何を決断し、何を後悔し、何を信じ、何に裏切られたか、その経験こそがこの結果論を見切るための唯一の道であり、その点で今回の首脳陣はあまりにもピュアでした。大前提として、それぞれ同じ立場で日本シリーズ以上を勝っている指導陣を揃えるくらいでないと、WBCに臨むのは難しいと思います。特に監督なのかヘッドコーチなのか最後の責任を負って決断する人が、「絶対に勝ちたい試合で下した自分の決断」の成否を噛み締めたことがない人であったなら、どうして日本を託すことができるでしょう。託せるくらいの人ならば、最低でも日本シリーズは勝っているはずです。「日本シリーズを勝った」がスタートラインで、「なら託せるかも?」と考え始める、そういう順番でしょう。

そういう不安は選手側の地力と経験でカバーしてもいいのですが、全体としては前回大会と同じような顔ぶれで新戦力の台頭は乏しく、頼みの主軸も今大会は球団での立場が違ったり、移籍など慌ただしい状況を抱えていたり、そもそも「一度勝ってしまったあと」という燃えづらい状況もあったりして、持っているチカラを出すのは難しい状況だったのではないかと思います。あれほど経験ある選手でも、負けたら終わりのノックアウトステージの試合前に「今日勝って、強いチームとあと3回こっからやると思うんで」という言葉が出てしまうのですから。野球の1試合で絶対勝とうと思ったら、どんなに強いチームでも簡単ではないでしょうに、その難しさをふと見失ってしまう。これがディフェンディングチャンピオンの難しさだなと改めて思います。

それは現場だけの話ではありません。大会中の大きな話題であった放映権の件にしても、本当にこの大会に全員が必死であれば、ああもアッサリと「契約ですもんね」と割り切ったりはしなかったでしょう。「俺たちの応援がなくてどうやって侍ジャパンが世界一になれるんだよ」と東京ドームを取り囲む集団が出てくるくらいの…それは迷惑なんで止めて欲しいんですが、不興で現実を変えるまでの熱量は観衆も含めてなかったわけです。各問題の交渉相手とどれぐらい対話の機会をもったのか、何通レターを送ったのか、何度熱弁を振るったのか、「無駄とはわかっていても尽くさずにはいられない」という情熱がどれだけあったのか。その点は、日本全体として前回には及ばない、低調な部分だったのではないかなと思います。

その結果として、この試合のなかでも散見された小さな綻びのようなものが、あらゆる箇所にずっと生じていたのでしょう。プレミア12の時点からサラッと辞退するのが当たり前となっていた空気感は、チームの求心力の低さを物語るものでした。本大会にあたっても、(アクシデントもあるとは言え)離脱と再編成をギリギリまで繰り返すままならなさ。頼みのメジャー組の参加は希望通りに叶うという僥倖を得ながらも、露骨な球団側の意向がメディアを通じて露見し、それに唯々諾々と従い、「せめて握った内容は黙っててくれ」みたいな話にもならない、よく言えば円満、悪く言えば勝負への必死さが見えない姿勢。ピッチコムの使い方に本番で四苦八苦していたり、リスクを取るべき場面で取らずあまり意味ない場面で取ってみたり、「お前は一塁守れ!お前は三塁!WBCは守備練習じゃねぇんだよ!」とすら言えないベストエフォート野球(※できる範囲で頑張るの意)をやっていたりしたことは、井端監督だとか現場の個人に集約されるものではなく、日本プロ野球、日本野球全体の話と思います。表層でのデータ不足がー分析不足がーみたいなものは、必死さの後ろをついてくるものであって、それがなければままならないでしょう。ドジャースでは通訳「も」やっているアイアトンさんが日本の首脳陣に「まったく知らない情報」を伝えてくれるような座組ができただけでも上出来かなと思います。その感想をメディアに普通に言っちゃうのは「アカンぞぉ」と思いますが。

まぁ、でも、世界の野球という意味ではトータルではよかったと思います。

毎回日本が勝っていたんじゃ他国も面白くないでしょう。Netflixの払った放映権料が日本だけ高かったなんて話もありますが、それは裏を返せば日本以外はそんなにWBCを楽しみにしているわけではない、とも言えます。日本も第1回の時点ではそこまでの盛り上がりではありませんでしたが、世紀の大誤審(!)による敗戦への怒りをキッカケとして、勝利への渇望が急上昇していき、歓喜の世界一へと至りました。そして第2回大会では不振を極めたイチローさんのドラマティックな復活&連覇があり、日本のWBCへの意欲は世界のなかでも突出して高まったのだろうと思います。「苦しんで」「勝った」が日本を熱くした。2023年大会も、その一大会であのドラマに至ったのではなく、2013、2017とベスト4で敗れたうえで、コロナ禍が加わっての15年近い渇望の蓄積があってこその熱狂でした。

それを持ち回りで世界が体験しないことには、大会としての発展はありません。「日本としては今回はそこまでではないし…」という機会に世界の皆さまにお鉢をまわし、自分たちも「全部Netflixに預けたらどうなるかな?」といった社会実験をしたり、「やっぱコレはダメだな」という再確認をしたり、いろいろ渇望を溜めることができたのですから、将来に向けては実りある大会になったのではないかと思います。ずっと勝ちつづけることは難しい現実のなかで、しっかりハッキリ一回負けられたのは、今は悔しいし面白くないですが、前進にはなったかなと思います。いっそ、大誤審とかひどい偏向運営とか嫌がらせとか、頭にくる事件でもあるとなおよかったかもしれませんね!次への原動力となる怒りが蓄積できて!

↓「優勝以外は失敗」という悔しさが、ロス五輪・次回WBCへつながると信じています!




「当たればどうせホームランだから外野守備は軽視」には一理を感じました!

WBC開幕!日本戦のチケットが取れなかったからだけではなく、「世界の祭典」を感じるべく東京プール開幕日の観戦に繰り出した件。

07:00
WBC行ってきました!

強化試合の中継に全力を出し尽くした日本のテレビ局が食べ尽くし番組などを放映する裏で、密かにNetflixだけで配信されるWBC2026。僕も仕方なく「一番安い広告ありプランでええか…」とNetflixに加入したら、高いプランでも結局WBC中継には広告が入るのだと聞き、初戦からケチ大勝利と幸先のいい滑り出しとなりました。史上最も記憶に残らない大会ナンバーワンの座を賭けて2013あたりと戦う今回の侍ジャパンを僕も可能な範囲で応援していければと思います。のっぴきならない所用などもあるのでつきっきりというわけにはいかないのですが、準決勝からは本気で応援します!

さて、そんな開幕にあたり、僕も早速東京プールが行なわれる東京ドームへ現地観戦に行ってまいりました。日本戦のチケットが取れなかったから…というところも若干あるのですが、それはそれとしてこの世界の祭典に参加したいということで奮い立っての観戦です。むしろ、日本代表以外の試合に行ってこそWBC感も味わえるかもしれません。目指すは開幕日に行なわれたチェコVS韓国戦。平日夜、仕事を終えてからでもすぐにたどり着ける東京ドームはやっぱり近くていいですね。話題になっていた写真・動画の投稿の件も、結局朝令暮改で「NPBルールでやる」ということになったそうですし、記念撮影なども頑張っていきたいところです。

↓やってきました東京ドーム!
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↓WBC東京プール開幕戦、の次の試合です!
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↓WBCオブジェは記念撮影で大人気!人気過ぎてまともに撮れず!
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↓球場外周では各国の代表がお出迎えです!

てっきり東京ドームシティ全体がWBC色に染まってイベントてんこ盛りかと思いきや、意外にそうでもない球場前。おーいお茶さんやらdipさんやらいくつかスポンサー関係のブースなどは出展されていますが、それも世界の祭典にしては控えめな限り。まぁ日本の試合がない日だからという話もありますが、思いがけずあっさりした感じです。dipさんではバイトル系アプリのインストールやらSNSフォローやらでプレゼントをいただけるということだったので、そちらにトライなどはしますが、散策もそれぐらいです。

グッズ売り場も、長い列はできておりましたし、日本戦ともなれば大変な混雑になるのでしょうが、この日はまだほどほどの盛況具合です。まぁ、入れ替え制で2試合ぶんのお客が毎日やってくる仕組みでもあるので、場外でそんなにいろいろやらないほうがいいのかもしれませんね。そのぶん入場にはわりと時間が掛かりまして、空港と同じ感じの手荷物検査などあるものですから、散策はそこそこでサクッと場内に入ってしまったほうがいいかもしれません。

↓dipさんのブースでは大谷さんクリアファイルなどがいただけたので行くとよいでしょう!なお、転売禁止の署名を求められます!
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場内に入りますと、まぁこちらもアッサリしたもの。入った瞬間に大量のチラシとか渡されて、何なら謎解きイベントくらいあるんじゃなかろうかと思ってきたのですが、そういうのはまったくありません。入場したら飲食系の買い物などして真っ直ぐ着席、それぐらいのスピード感です。何よりも大事な試合に集中しようじゃないかという骨太さは、真剣勝負の国際大会ならではかもしれませんね。僕もせっかくなのでWBC応援フードで腹ごしらえをすることにしまして、いくつかメニューがあるなかから「絶対勝つ!カレー」なるカレーをいただきました。

↓入場後は大型モニター前で記念撮影するのがよさげ!
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↓WBC応援フードがいくつか販売されていました!
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↓こちらが必勝を祈願する「絶対勝つ!カレー」です!
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そそくさと着席しますと、すでに場内では試合前のイベントが行なわれています。東京プール参加各国の国旗が広がるなか、レーザー光線的な演出で「JAPAN」などの文字も描かれています。火花とともに入場する選手たちやKーPOPスターを招いての始球式、両国国歌の演奏など行ないますと、もう試合開始の時間です。韓国は大きな円陣を組んで必勝を期し、チェコもギュッとした円陣で気合を入れ、いよいよ「世界の野球」の始まりです。

↓おお!巨人戦にも勝るとも劣らないド派手な演出!
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↓WBCだと思って見ると芝生の色まで鮮やかな気がする!
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↓選手たちの登場も火花飛び散る演出で盛り上げていきます!
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↓大きい円陣を組む韓国!
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↓ギュッと詰まった円陣を組むチェコ!
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↓いよいよWBCチェコVS韓国戦が始まりました!

試合はというと、こちらも初回から派手な展開です。1回裏、韓国はいきなりの満塁ホームランで4点を先制。その後もコンスタントに得点を重ねて優位に試合を運んでいきます。チェコもお返しのスリーランホームランなどで反撃を見せますが、やはり地力に勝るのは韓国のようで、ジワジワと点差は広がっていきます。幕間には「7回10点差だとコールドゲームになります」みたいなルール説明も流れてくるのですが、その辺りもチラリと意識するような展開です。

しかし、これぞWBCというか、今の状況が有利だろうが不利だろうが、選手たちもファンも最後まで諦めるところはありません。韓国も手を緩めず攻撃をつづけますし、チェコも1点でも2点でも返していこうと奮闘をつづけます。夜10時に迫ろうかという最終盤になっても熱心なファンが応援歌など歌って選手を鼓舞し、選手たちもそれに応えようと懸命なプレーを見せる熱い戦い。もはや勝負の大勢には影響ない場面でしたが、9回表3-11という状況からチェコが犠牲フライで1点を返したときの場内の盛り上がりは素晴らしいものでした。ナイスゲームでした。

国際大会ということで、試合中も大型ビジョンやら場内アナウンスやらは英語が主軸となっており、雰囲気があって大変よい観戦体験です。満塁ホームランのときに「GLAND SLAM」なんて表示されるとアメリカンな感じで気分もグッとあがってきます。まぁ、そうは言っても大半が日本のお客さんという現実も見据えているのか、「グランドスラム」とか「ホームラン」とかそのまんまだから確実に通じるだろうというあたりは英語で表示しつつも、「盗塁」とか「ホームイン」とか英語にしたら分からない人がいるかもしれないという単語はそのまま日本語で「盗塁」とか「ホームイン」とか出してきたりしていたので、そこはもうちょっと振り切ってもいいのかなと思いました。

大型ビジョンでのデータ表示なども、選手名などは英語表記というかアルファベットで書いてあるのですが、細かいところになると急にスッキリと諦めて「投球回」とか「二ゴロ」とか「併殺打」とか表示してくるものですから、「わからなければわからなくてもいい」くらいの思い切りがあってもよかったかなと思いました。日本のお客さんもむしろ全編英語表示とかのほうが、雰囲気出て盛り上がったのではないかという気もしますし。まぁそういうのが見たければ準決勝以降アメリカに行け!(※阿部寛さんの声で)って話なのかもしれませんが。

↓そのまま読めばわかりそうなヤツは英語でやるという線引き!
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↓あやしいのは全部日本語で書いておきます!
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↓なお、大事なことは日本語でも英語でも説明されていました!
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↓試合は韓国が勝利!WBCを堪能しました!
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↓散策の模様やら会場の雰囲気やらは動画でまとめましたのでご覧ください!



そんなことで自分のなかにWBCの雰囲気をしっかり注入できましたので、Netflixで見守る日本戦も現地さながらに盛り上がっていければと思います。はたして日本全体としては前回のような大祭りになるものかどうか。前回大会を超えるような神懸かりの展開だった場合、Netflixの加入者が爆増するのか、はたまた「内容はいいんだけどなぁ」と首を傾げることになるのか、社会実験的な気持ちも持ちつつ楽しんでいこうと思います。今回の結果を踏まえて今後についても検討していく、そんな大会になるのかなと思います!



「NetflixのサーバVS野球ファン」の試合にも注目したいと思います!

WBCチケット規約が試合・関連イベントの動画・画像・実況その他一切投稿不可と言い出し、スッキリ快適に行きます詐欺ができる件。

07:00
SNSの功罪の功と罪のバランスの問題!

ミラノ・コルティナ五輪を駆け抜けたあと、やはり若干の疲労もあったのか(←競技してるわけでもないのにいっちょ前に)、しばしグッタリとしておりました。すると、気づけばもうWBCの開幕ではありませんか。一番熱いタイミングであろう東京プール開催の週末はのっぴきならない別件があって心はそちらに向いているのですが、その前後においてはWBCに熱く燃えていければと思っております。

日本戦のチケットはてんで取れず、今も順番待ちの表示で「あと5万人…」とか出ているもので現地観戦は他国の試合のみかなと思っておりますが、楽しんでいこうと思います。余談ですが、この順番待ちシステムは厳しいですよね。「あと38万人…」から始まると、いざ自分の順番がきたときに気づかないですからね。で、実際にはもう並んでない人も列から排除されないわけじゃないですか(諦めてブラウザ閉じてるけど待機列にはいるという)。僕自身も2回くらい自分の順番見逃してしまって繰り返し並んでる状態です。しかも、これ順番さえきたらたくさん買えるわけじゃないですか。「悪」とは言わないですが「善」ではないシステムだなと思います。最後の最後まで抽選でやってくれる運営さんを熱く支持しながら生きていこうと思います。

さて、そんななか開催直前になってWBCのチケット規約が物議を醸しているとのこと。どうやら、このWBCにおいては試合および関連イベントに関する写真・動画・実況・テキストその他一切について送信(および送信の補助)をしてはいけないのだとか。この厳しい規約には承認欲求で野球に行っている港区インフルエンサーだとかが猛反発。「野球文化の終わり」「競技普及にまったく貢献しない」「Netflix解約しました」などの憤りを見せているのだとか。ちょっと僕自身も引っ掛かりそうなところがありますので、これはしっかり規約を見ておかねばらならぬと思い立った次第です。

↓これ「投稿禁止」ですからね!「撮影禁止」じゃないですからね!


↓どのメディアも原文へのリンクを貼ってくれないので仕方なく自分で貼ります!

↓一番関係するところはコレです!
保有者は、以下の事項に同意するものとします: (a) 保有者は、本チケットにより入場が認められる試合の全部もしくは一部、または当該試合に関連して提供されるあらゆる興行、アトラクション、準備運動、練習、試合前・試合後・イニング間の活動、宣伝、競技(以下「本試合」といいます。)その他のイベント(以下本試合と合せて「本イベント」といいます。)の、あらゆる写真、画像、動画、音声、ライブストリーム、その他の説明、解説(実況情報を含みます。)(文字、データ、映像のいずれであるかを問いません。)(本試合または本イベントに関連するあらゆる説明、解説、写真、動画、音声、再現、その他の情報(以下「本試合情報」といいます。)を含みます。)を、いかなる媒体を用いても、送信または送信の補助をしてはなりません。

公式サイトの規約のページの一番下に日本語版があるので、それを見ましょう!

オールドメディアもAIまとめで済む記事なんか書かずに、リンク貼ってくれればいいのに!



まず大前提としてですが、これは「チケット規約」です。日本(とたぶん多くの世界)の憲法やら法律において、何かを投稿したりする権利が制限されているわけではありませんので、突き詰めれば「主催者からのお願い」という話です。ただ、チケット規約ですので、これに反した場合は「そのチケットにより生じる権利を制限するぞ」という話です。違反したときにはチケットを取り上げられて追い出されるかもしれない、そんなことです。

で、チケット規約ですので当然チケットを持っていない人に対して何かができるものではありません。港区承認欲求インフルエンサーが「来ましたー!(私の完璧に仕上がった顔を見よ!どうせおじは野球ユニ好きなんだろ?ほれほれ)」をやる場合には、チケットを持たずに会場に行きまして、チケットがなくても入れる場外とかで「来ましたー!WBCやってまーす!」をやり、「チケットないので帰りまーす!」と帰れば運営側としては何の対処もできないものと思います(野球ユニが普段着という若干のはみ出し者感は出るかもしれないが…)。

ただまぁ、規約の書き方がかなり広範囲に「当該試合に関連して提供されるあらゆる」イベントまでを制限をするものになっており、それは場内に限られるのか場外も含むのか微妙に分からず(チケット規約なので場外はさすがに関係ないのだろうが…)、NPBの規定のように写真投稿はOKとか試合後ならプレー動画投稿もOKみたいな例外規定もないので、チケットがあろうがなかろうが球場内イベントだろうが球場外イベントだろうが、「来ましたー!」の時点で「悪」認定されるかもしれないなとは思います。善意の観戦者がめちゃめちゃ引っ掛かりそうな規約ですので実効性は乏しいと思いつつ(※たぶん海外ファン中心に大量の規約違反が起きるので、そもそも悪認定もされないし、運営側も何の取り締まりもしない)、味方も多いが敵も多い承認欲求界隈はルール遵守を意識しないといけなくなるのでしょう。

そういう意味では、承認欲求メインで考えるなら、出掛ける時点で「行きまーす!」をやるのが一番無難かなと思います。そのほうが背景に映り込むバットを持った野球おじ(※バットの持ち込みは入場規定及び行動規範で禁止されていますのでご注意ください)を消去する手間も省けますし、お互いの平和のためです。何なら「行きまーす!だけやって行かない」ってのも手かもしれないですね。「お前本当は行ってないだろ!」って追及されても現地の写真とか出せない規約ですし、「本当に行きました!」「規約で写真は出せないですけど本当に本当です!」「名誉棄損で訴えます!」って言い張れば行ってなくても押し切れそうな気がしてきました。いろんなユニフォーム用意して、「次はチェコVS台湾戦行きまーす!」「あー、チェコVS台湾戦楽しかったー!」「試合については一切お話しできません(真顔)」とかやってもいいかもですね。下手に現地に行って、たまたま気づいた人に「スマホばっかり見て、試合はまったく見てませんでした」とかレポートされるより確実ですからね。行ったつもりで承認欲求、これが最強かもしれません。

↓あらゆる発信はNetflixでやるので、客の投稿などあてにせず公式を見てくださいね!




で、ここからが個人的な思いなのですが、SNSなどを中心に大ブーイングではあるのは承知しつつも、むしろこういう規約もアリかもしれないなと思ったりします。もちろん「野球の普及につながらない」とか功罪の罪の部分もいくつか思い当たりますし、普通にやりそうなことでこれまで普通にできたことを制限して「悪」認定してくる何者かにはイラッとしなくもないのですが、現地に行ったら現地を楽しむのが一番大事なのに、SNSにそれを阻害されてしまっているなと思ったりもするのです。つまり、この規約には功罪の功の部分もあるなと。

自分自身も「来ました!」をやるタイプなのでわかりますが、アレをやり始めると本当にその現場でやるべきことが実はおろそかになってるんじゃないかと思う瞬間もあるのです。今目の前の試合から目を切ってまで、その一言を投稿するのが本当の喜びなのかと。今目の前の試合から目を切ってまで、その写真を投稿することが本当の喜びなのかと。SNSによって心を毒されると、一言いわずにはいられない、投稿せずにはいられない、みたいな禁断症状が出てしまうのですが、食事を楽しまずに食レポを熱心にしている人、みたいになってしまっている気もするのです。

今回は「投稿禁止、撮影可能」という規約ですが、何なら撮影の部分も本当の幸せなのかなと思う瞬間さえあります。僕もカメラ持ち込んで撮れる限りの機会で撮っているので撮影OKは歓迎なのですが、それも本質的には食事を楽しまずに料理写真撮ってる人、なのかなと思うのです。表現が難しいのですが、撮りたいし、撮るんだけど、そのことでコンテンツを楽しむ部分が実はおろそかになっているんじゃないか、と思ったりするのです。プロのような機材があるわけでも、メディアが構えるベスポジにいるわけでもないのに、何故に自分は撮影ばかりしているのかと思ったりして。ファインダーの限られた画角で見るのではなく、会場全体を広く自分の目で見たほうが、本当に見るべきものが見えるんじゃないのかと。

昨今は音楽ライブでの撮影解禁なんて話もあり、そこで考えさせられたことがあります。King Gnuの常田大希さんが言っていた話ですが、King Gnuでは今度の全国ツアーで公演中の撮影を全編許可するのだそうです。常田さん曰く、日本ほどマナーがいい国はなかなかないのに、日本が一番(ルールが)厳しいのであると。ルールをできるだけ減らしたいのであると。でも数曲だけ解禁とかは嫌であると。何故なら、そうすると撮影会みたいになっちゃって曲が死ぬのであると。無論、全編配信でマネタイズみたいなことは推奨していないという話ですが、「ルールは減らしたい」という思いと「撮影会になると曲が死ぬ」という思いと、その両方を慮った結果が全編撮影可ということなんだなと受け止めました。

実験も含めてさまざまな試みをしつつ、「全員がカメラを持っていて、全員が世界に発信できる」時代のエンターテインメントのあり方を考えているのが今なのかなと思いますが、コンテンツのことを思うと、いっそ「投稿不可、撮影不可」というのもひとつのスマートな結論だなと思ったりするのです。僕もやりたいし、僕もやるんですけど、「いっそ全部禁止されたほうがスッキリする」かもしれないなと。実際、僕自身も一部撮影可能な音楽ライブに参加したことがあって、Mrs. GREEN APPLEさんのステージの様子とか写真撮影したことがあったりするんですが、まぁ撮ってる間はみんなライブを楽しんでないですよね。撮るのに忙しくて。「撮る」って、すごく「楽しむ」を阻害するんだなと実感しました。やってOKってなってたらみんなやっちゃうくらい魅力ある行為ではあるのですが、同時に本当の楽しみを阻害する行為でもあるなと。酒・たばこと健康の関係、みたいな感じで「身体が気持ちよくなるけど、身体によくない」的な性質のものかもしれないなと。

音楽ライブであればまだ、真の核となるコンテンツは「音源」「MV」だと思うので、まぁライブパフォーマンスは一種のお祭り体験ということで「全編撮影OK」みたいな区切り方もあるのかなと思いますが、スポーツエンターテインメントのように「そのライブパフォーマンス」こそが真の核であるものについては「全編撮影不可」「全編投稿不可(ネタバレ観点)」という区切り方もアリなのかなと思ったりするのです。実際、スポーツエンターテインメント以外の多くのもの…映画とか演劇とかでは「撮れない」がスタンダードで、内容の投稿についても全員がOKなわけではないけれど、それで世界がまわっていますからね。何年も前に発売した漫画の話でも「まだ読んでないんでネタバレしないでください」って言われたりするくらいの現代なので、野球の試合結果なんてそれ系の最たるものでしょうしね。音楽は少し撮影OKに寄っていき、スポーツは少し撮影不可に寄っていく、そんなバランスの取り方もあったりするのかなと。歴史上でこういう環境になったことが初なので、試行錯誤はつづくのだと思いますが、功罪のどちらか一面だけに執着するのではなく、いろいろと体験しながらバランスを取っていくのがいいのではないかと思いました。WBCもその実験のひとつとなるのでしょう。

ということなので、WBCについては「現地に行った試合ほどSNSとかブログとかやらない」ということになりそうですが、幸いなことに日本戦のチケットはまったく持っていないのでNetflixなど見ながら感想でもつぶやければいいなと思います。キャンペーン期間ということで、WBCだけ見るつもりなら広告アリプラン初月498円でよいという話ですし、PayPay支払いにするとNetflixクーポン適用で最大50ポイント還元の実質449円くらいで観戦できますので、この機会に今後の契約継続の是非も含めてじっくり検討しようと思います。Netflix×WBCが盛り上がればそれはそれで結構ですし、盛り上がらなければ次回はチケットが取りやすくなるかもしれませんのでね!



「Netflixでしか触れられない大会」になることは罪しかないかもですが!

現役エース級ダブルポスティング流出が濃厚の埼玉西武ライオンズは今こそ「●●式FA」を積極容認するスタンスを打ち出すべきな件。

08:00
行く前に「●●式FA」を容認しておこう!

ストーブリーグとは愛する球団が他球団をあっためる燃料となってケシ炭になる季節と意を得た、埼玉西武ライオンズ界隈の皆さまお元気でしょうか。もし元気な場合は、普通に元気なのか、ドジャースのユニフォームが西武のユニフォームに見えてくる気の迷いで嘘の元気が出ているのか、どちらなのでしょうか。可もなく大不可もないシーズンのあとというのは、終わった感も特にないゆったりとした秋です(※だいぶ前から事実上終わってたから)。

そんななか、ホットな話題が飛び込んできました。もちろん「ついにベルーナドームにクマ出現!」「やっと出た!」「いると思ったんだよ」なんて話ではありません。あー、ちなみに狭山丘陵ではクマは見つかっていませんし、飯能から進出してくるにしても結構な距離の人間テリトリーを横断する必要がありますので当面クマが出ることはないでしょう。出てもイノシシまでです。ご安心ください。

で、ホットな話題というのは「クマが出た」の話題ではなく「ヒトが出る」話題のほう。かねがね何らかの手段で箱ワナからの脱出を図ろうとしていた�盒狂�成さんが、ポスティングでメジャーに挑戦するらしいことが明らかになったのです。あわせて、まだ話し合いの途中で未確定ではありますが今井達也さんのポスティングでのメジャー挑戦も濃厚となっておりますので、今年は久々に大流出という感じの熱い秋が始まったのです!

↓ドラフト1位・エース級投手の同年ダブル流出は熱い!新しい野球漫画の初回の設定みたい!

【埼玉西武ライオンズ過去15年分のドラ1】
2024:現役未活躍
2023:現役エース級
2022:現役未活躍
2021:現役エース級
2020:未活躍戦力外
2019:トレード後戦力外、交換相手も戦力外
2018:現役
2017:トレード後引退、交換相手も戦力外
2016:メジャーへ流出!←たぶんNEW
2015:戦力外後社会人野球へ
2014:メジャーへ流出?←NEW
2013:オリックスへ流出
2012:西武で引退
2011:西武で引退
2010:西武で引退

残らんのぉ!ドラ1が!

なるほどコリャ弱いわけだ!



今井さんのことは心配しておりません。すでにメジャー側でも相場が高騰しているようですし、山本由伸さんのドジャースでの大活躍を踏まえれば引く手あまたの大型契約となると見て差支えないでしょう。買わないという選択肢はない。抜群の三振奪取能力など実力的にも申し分なく、西武でコンスタントに10勝できる投手ならばメジャーでも10勝は狙えるというもの(※味方が弱いのと相手が強いのとで相殺)。スポーツ選手には怪我などもつきまといますので未来は不確定ではあるものの、長くメジャーの舞台で奮闘してくれるでしょう。初回の契約自体も結構長くなるでしょうし。

心配なのは�盒狂�成さんのほうです。成績だけで言えばすでにピークアウトしたのではないかと思われる近年で、元気で丈夫だなとは思いますが、素人目には何がどう通じるのかイメージがわいてきません。むしろ向こうによくいるタイプの下位互換な気がします。まぁ素人考えなど夢への挑戦の前では関係ありませんし、西武でなければ本来のチカラが出るという説もありますので、前向きに送り出したいなとは思いますが、現実として行けるのかな?とか、すぐ帰ってきそうだなという気もします。そんな未来を想像するとき、送り出す我々にもまだできることがあるのではないか、そう思うわけです。

そこでどうでしょう、この機会に我々埼玉西武ライオンズは「●●式FA」を容認するスタンスをハッキリと打ち出すというのは。「●●式FA」をご存知でない方に説明すると、今季ソフトバンクの日本一に貢献した有原航平さんや上沢直之さんもやり玉に挙げられる、ポスティングでのメジャー移籍後、短期間で日本プロ野球に復帰し、古巣ではない別の球団へ所属するという移籍の形態のことです。本来ならば国内FA権を取得&行使して行なうべき他球団への移籍を、メジャーを経由することで抜け穴的に行なうことが一部ファンから非常に問題視され、FA権保有済かどうかとか、譲渡金をどれだけ残したかとかで多少燃え具合は変わるものの、総じて悪として突き上げられるという構造となっているのです。

僕自身は「●●式FA」を特に問題視などしておらず、出ていかれる側の球団の立場として「辛ぁ」と思うだけで、選手たちには自分の思うように未来を選んでもらいたいわけですが、そういう意見は極めて少数派です。今年特に突き上げられた上沢直之さんなどもシーズンの最後までそういう視線と攻撃を浴びつづけていました。そうした悲しい状況をあらかじめ回避するよう、出る前に手を打つ、これが今埼玉西武ライオンズにできることなのではないかと思うのです。

↓意見のあらましを説明すると長いので、気になる方は過去記事をご覧ください!



昨今の誹謗中傷の温床となっているのはSNSですが、SNSには「話を聞かない」「文章を読めない」「正義の名のもとに暴走する」手合いが何万何十万と蠢いています。そうした手合いは、ことが起きて、本人の感情に火が点いたらもうコントロールするのは困難です。唯一対処できるとしたら「先に手を打っておくこと」ぐらい。彼らが思いつきそうな素人疑問に全部答えを出しておき、彼らが思いつきそうな素人批判に全部反論しておき、彼らが思いつきそうな素人本人代弁を全部否定しておき、何かが始まる前に「ならエエわ」と着火を防ぐことだけが対処策です。「※専門家の監修のもと安全に配慮して撮影しています」的な、素人の機先を制するアレです。

おそらく起きるであろう「�盒脅�FA」の際に、「出ていく前からすべて赦されていた」という状況を作ってあげること、それが埼玉西武ライオンズにできる最後の餞なのではないでしょうか。メジャーで現役をまっとうしてほしいけれど、日本に戻ってきたらまた一緒にやれるといいな、でも、そのときはお互いフリーの立場で改めて交渉になるので、お互いが選ばれるかはわからないよね、と。でも、たとえどんな形になったとしてもともに野球を盛り立てていく仲間であることは変わらないよ、と。�盒兇気鵑呂垢任帽馥�FA権も持っているわけで、そもそも古巣云々という話はないんですよ、と。そんな道筋を送り出す前にしっかりとつけてあげるのです。

そのうえで、メジャーとの交渉が始まる前に、本人の望む契約が唯一無二の最優先事項なので、譲渡金云々を気にせずに本人の思うように交渉してほしいよ、と。オフシーズンの国内での練習場所のことであるとか、練習時のサポートのことであるとかも、一緒に西武で過ごした仲間なのだから、遠慮せずに頼ってほしいよ、と。夢を応援したいのであって、金が欲しいとか、恩を着せたいとか、そういうのは一切ないんだよ、と。だからファンの皆さんも、気持ちよく夢を応援してあげてくださいね、と。夢のつづきを気持ちよく迎えてあげてくださいね、と。スタートラインに立つ前に機先を制するように、そんな論陣をあらかじめ張っておくのです。素人が何かを言おうとしても「それは2年前に球団から赦されてる」と全部封殺できるように。そこまでやってこそ「夢を応援」だと僕は思うのです。

どの道、帰ってくるときに恨み節を言っても何の得もありません。何の権利もないのですから。ならば、最初から最後まで気持ちよく送り出す、それを埼玉西武ライオンズの唯一無二の個性として手にしようではありませんか。自分たちのウリとして早期のポスティングを密約し、表面上メジャーへ行くのを応援するスタンスの球団はほかにもありますが、夢破れて戻ってくるときにもニコニコしていることまで約束する球団はないでしょう。「できれば古巣に」とか「古巣当然」といった感覚がうっすらと球団にもファンにもあるはずです。そこを取り払っていく。「成功」だけに優しいのではなく、「挑戦」自体に優しい、そんな球団としてベスト腰掛けを目指していくのです。

そうした文化を育んでいくことで、選手たちからも魅力を感じてもらえるような球団になっていく、それが埼玉西武ライオンズの生きる道なのではないかと思うのです。どことは言わないけれど、指名された瞬間に若者が渋い顔をするあの感じ、イヤですよね。西武に指名されたときには「よし、メジャーに挑戦しよう」「挑戦するところまで行ければ、FAより早く希望の球団に行ける」「西武はそれを許している」と思ってもらえたら、前向きに入団し、世界を目指した精進というものを引き出せると思うのです。「田舎だし、優勝もできそうにないし、金も微妙だし、環境も微妙だし、クマも出そうだし」と思いながら入るのと、「�盒狂�成君 高値への道しるべ」などの冊子を手に最速メジャーを目指して入団するのとでは、その未来はまったく違うものになるはずです。

メジャー積極応援。

●●式FA積極容認。

非難・攻撃一切ナシ。

そういう球団となっていく秋、これでどうでしょうか。毎年オフの交渉も、引き止め交渉ではなく「ベストな売りどき」をともに見極めるようなものとなれば、翌年へのモチベーションも大いに上がることでしょう。本人の査定よりも移籍市場の相場と競合商品の動向の分析に時間を費やし、「0勝11敗じゃさすがに今季じゃないな」「でも再来季はメジャーの労使交渉でロックアップの可能性があるから来季しかないな」「来季は絶対にこのラインまで成績をこしらえよう」などしっかり話し合ったうえで残留となれば、スッキリとした気持ちで日本プロ野球に打ち込めるはず。そんな個性を打ち出せるよう、すべての選手を気持ちよく送り出していきたい、僕は心からそう思うものなのです!

↓どういう未来になっても、最後にここに座る感じになってくれたらイイですね!


毎年この動画にひとりずつ増やしていくっぽいので!

座るかどうかはさておき、席はずっとありますので!



若者が「直メジャーないしは西武」を希望する未来をイメージしています!

昨年の悔しさを噛む福岡ソフトバンクホークスが、強過ぎた阪神タイガースを「負けたことがある」財産の差で撃破した日本シリーズの巻。

08:00
2025年の日本プロ野球お疲れ様でした!

長きにわたる日本プロ野球の2025年シーズンが終わりました。10月30日、日本シリーズ第5戦。ここまで3勝1敗と日本一に王手をかけていた福岡ソフトバンクホークスが延長11回の熱戦を3-2で制し、5年ぶりの日本一に輝きました。この決着には「ドジャースの決着がつく前に終わってよかった…」「よーし、これでドジャースを全力で見られるぞ」「トラ党の高市総理もドジャースのほう見てたしな」とスポーツ各紙も大いに沸いたことでしょう。

埼玉西武ライオンズファンの視点からすると、「日本プロ野球まだやってたんだ…」くらいに「シーズン終了」の時間間隔がズレているのですが、この真冬の寒さに凍える時期まで熱い野球で人々を楽しませてくれた選手たちにはただただ感謝しかありません。ゆっくりと身体を休め、さらなる成長を遂げて、ぜひまた来年も楽しませていただきたいもの。我が埼玉西武ライオンズもしっかりと数合わせの任をつとめるべく、精進に励んでまいります。2025年も日本プロ野球にご声援ありがとうございました!

↓福岡ソフトバンクホークス視点では長く遠かった5年ぶりの日本一、おめでとうございます!



それにしても強かったソフトバンク。史上最速の早さでセ・リーグを制し、ドラフト生え抜きの強力打線&投手陣と名将の誉れ高き藤川球児監督を擁する今年の阪神タイガースならばあるいは…と思って日本シリーズを見始めたものの、フタを開ければ「暴力」と言ってもいい強さでソフトバンクが虎狩りを果たしました。

2015年のプレミア12では「大谷さんがいたのに」世界一を逃し、昨年は横浜DeNAベイスターズにまさかの下克上を許すなど短期決戦に弱い弱いと評判で、シーズン中もファンを中心に愚将愚将と煽られていた小久保監督も、この日本シリーズに至っては勝負所で代打策がズバズバと当たり、継投には一分の隙も見せない盤石ぶりで、名将の誉れごと相手から奪い取るような戦いぶりでした。

怪我人の続出などから、シーズン序盤は最下位にまで沈んだソフトバンク。それを見て「西口監督より先に小久保監督が代わりそうだな」などとうそぶいていたことが今となっては恥ずかしいかぎりです。シリーズ後のインタビューでは、日本一を祝われているのに何を聞かれても去年負けた悔しさの話ばかりしていた小久保監督の姿に、失敗と後悔を経て人間は強くなっていくのだなとしみじみ思いました(意味深)。CSでは肝心なところでパッとせず、このシリーズでは初戦スタメン落ちとした山川穂高を、「目がガン決まってきたな…」的な直感なのか第2戦からスタメンに戻すや3戦連発・シリーズMVPとなったことについても、もはや誰も「初戦からスタメンで起用してれば4タテだった」などと思う者はいますまい。チャンスの前髪をつかむ一瞬のひらめき、理論と直感のハイブリッドは、監督として一日の長を感じるものでした。

↓失敗と反省を経て人は強くなっていく(意味深)!


その点で、名将・藤川監督には学びの多いシリーズになったのかなと思います。阪神ファンが何日も何日も愚痴りつづけている第2戦・デュプランティエさん先発起用というあの失策。「だって調子イイと思ったんだもん」「第2戦モイネロやろ?どうせ捨てゲームや」「第2戦を捨てて甲子園の頭を才木で取る!」で先発に起用するのは監督の専権事項かなと思いますが、初回で3失点したのに2回も続投させたあの判断、あれは短期決戦を取り損ねるいかにもな新人監督らしさだったなと思います。

3ヶ月ぶりの公式戦でいきなり3失点の初回でも、2回に二死から追加点を許したときでも、暴投でさらに失点を重ねたときでも、さらに四球を出して近藤健介さんを打席に迎えたときでも、替え時はいくらでもありました。ソフバン相手に4失点・5失点ではもはや捨てゲーム、と投手を出し惜しむ気持ちもわからないではありませんが、結果としてあの回に6失点し、最後に山川穂高のスリーランが飛び出したところで、シリーズの流れは一気にソフバンに傾きました。起こしてはいけない選手をひとりずつビンタしながら起こしてしまうような、悔やみきれない采配でした。「モイネロ」という捨てゲームが控えているなかで、どこにどのカードを切るかの順番間違い(安易系)は、シーズンをラクに勝ち過ぎた弊害だったかもしれません。「どれだけ締めても締め足りるということはない」場面で「締め切れない」、勝ちつづけた者ゆえの弱さがありました。

そうした勝ちつづけた者ゆえの弱さは、決着の第5戦へと真っ直ぐつながっていたように思います。明らかにブレーキがかかっていても組み替えられないほどに一年間盤石過ぎた打線、勝てるかどうかわからない試合でも無失点リリーフを連投させた強過ぎる勝利へのこだわり、一年間阪神を支えてきたものを「今日この日だけ急に捨てる」ような柔軟さは勝っている間はなかなか身につかないものです。「勝っているときは変えない」が鉄則であるがゆえに、「変える」を学ぶ機会は負けたときにしか存在しないのですが、阪神は勝ち過ぎました。

第5戦、リードはわずかながらも佐藤輝明さんのタイムリーや、「代打・近藤健介」を抑えた継投で、試合の流れは阪神にありました。ここで勝って、一日移動日を挟めばまた気分も盛り上がってくるようなイイ試合でした。何も悪いところはなかったし、むしろ理想的な試合運びを見せていました。ただ、2点リードの8回表一死一塁の場面で打席に迎えたソフトバンク・柳田悠岐さんが超人であることを軽視していました。阪神の無失点リリーフ・石井大智さんが、外角低めの素晴らしいコースに投じた150キロの糸引くようなストレートは、人間であれば打てない、むしろ手も出ない1球だったでしょう。自慢の救援投手です、退く勝負などするはずもさせるはずもありません。

しかし、柳田さんは人間ではなく超人だった。世界一になるという野心もなく、1000億円の大金を求めることもなく、福岡ソフトバンクホークスで大好きな野球をやっている、本来ここにいるべきではない選手がここにいた。本人がその気であれば、今頃ワールドシリーズに出ていておかしくない超人は、日本プロ野球の尺度のなかにはいなかった。打たれるはずのない1球を打たれた同点ホームラン。フルスイングできるカウントで、バットの届く範囲で、柳田悠岐と力勝負をしてはいけなかった。絶対に勝たないといけない試合で、同点のランナーがいる場面で、柳田悠岐と力勝負をしてはいけなかった。天災、鬼舞辻無惨、クマ、そういった人ならざる何らかの「暴力」と対峙しているという震えを感じるには、阪神は強過ぎて、勝ち過ぎたのだと思います。

↓「これが柳田悠岐」と言うしかない、何度も見せられてきた超人の一撃!



↓CSでも証明したばかりなのに、何故人間は柳田悠岐さんと勝負してしまうのか!




まだ同点、ですがこの一撃で「今日決まる」と僕は確信しました。阪神の盤石の試合運びを一撃で破壊しただけでなく、試合の流れごと反転させる、特別な存在による特別な一発。山川穂高に打たれての同点であれば「まだ同点」でしかないけれど、柳田悠岐さんに打たれての同点は「もう負けはない」くらいの勇気が湧くことを、阪神は最大級に警戒すべきだったと思います。

その後、延長へともつれ込んだ試合。瞬間的には互角の戦いをできるかもしれないけれど、全部のカードを切り合う長期戦の展開になったときに手札が多いのはソフトバンクのほうです。阪神は第1戦でチームを勝利に導いた村上頌樹さんを延長戦のマウンドに送って総力戦に臨みますが、回跨ぎの延長11回に野村勇さんの一発を浴びて逆転を許しました。

もしもこれをもう一度引っくり返すことができるとすれば、阪神ならば佐藤輝明さんの一発か、大山悠輔さんの復活なのでしょうが、延長11回裏・阪神最後の攻撃で先頭の佐藤輝明さんが四球止まり(代走送られ)となり、大山さんも凡打に倒れたところで、タラレバの芽すらキレイに摘み取られたような気がしました。この試合はどうやっても負けていたし、よしんばこの試合を耐えても、村上さんをリリーフ使いしたあとの第6戦・第7戦を取れる目算はなかったでしょう。ソフトバンクは第6戦に上沢さん、第7戦にモイネロさんと、まだまだ強いカードが出てくるのですから。阪神、出し尽くして負けた。そんな気がする決着でした。

↓相手の胴上げを見つづける藤川監督が印象的でした!


「悔しさはない」という藤川監督の言葉、これは文字通りの言葉で、さすが名将・藤川監督と唸るような言葉でした。悔しさというのは「できそうな範囲」の出来事にしか生まれない感情です。ああしていれば、こうしていれば、これをミスしなければ、あれが上手くいけば…届き得る範囲だと感じるとき人は「悔しさ」を覚えるのです。今回の5試合、届き得る範囲ではなかった。一枚も二枚もソフトバンクのほうが上だった。それが偽らざる本音なのかなと思います。

ただ、見かけ上はこれだけの接戦にあっても、その大きな差を感じ、言葉にできる藤川監督は来年さらに名将となってこの舞台に帰ってくるのではないでしょうか。来年ソフトバンクがここに戻って来れるかは日ハム次第という感じもして、そっちのほうが少し危ういかもしれませんが、もう一度同じ顔合わせでシリーズを見てみたいなと思うので、ぜひ来年も頑張っていただければと思います。ソフバンの力を出し尽くさせるところまでいけるチームとの死闘、それを終盤の楽しみとして2026年も熱くプロ野球を見守っていきたいと思います。もちろんゴールデンウィークくらいまでは、我が埼玉西武ライオンズのCS進出を信じてそちらを応援しますけどね!



「負けたことがある」という財産を得て、来年阪神はさらに強くなりそうです!

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婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)

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