スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

サッカー

何か華やかなことがあるだろうと勝手に期待して訪れたFC町田ゼルビアの国立開幕戦で「勝つことが最大のファンサービス」を体験の巻。

07:00
妥協なき便乗!

本日はお出掛けの記録です。最近はすっかり「1日1案件」という行動力になっており、土曜日を全休に充てたあと日曜日の夕方くらいになってようやくムクリと動き出す始末ですが、生存報告くらいの気持ちで散策の記録をしておこうと思います。

今回向かいましたのは日曜日の夕方にムクリと動き出しても到達できる距離感にある国立競技場。サッカーJ1リーグのFC町田ゼルビアと浦和レッズとの試合に行ってきました。「あれ?先週も行ってなかったっけ?」という話もあると思うのですが、行ける範囲で行ってもいいなと思ったのが国立くらいだった、という末期的なチョイスでもあります。ほら、国立って行けば何か華やかなことがありそうじゃないですか。

しかし、その期待は大きく裏切られます。いや、勝手に期待し過ぎていたのでしょう。国立競技場で今季のホーム開幕を迎えるのであるからして、先週の横浜FCのような常軌を逸…盛りだくさんの出し物はないにしても、ちょっと芸能人のひとりくらいはくるんじゃないの国立開催なんだしJリーグもそれぐらいのプレッシャーはかけてくるでしょ最低5万は集めろよ的なことを勝手に思い込んでいた、そう認識しました。

なんとそこにはさまざまな便乗で華やかさを装いながらも、本質的には驚くほどシンプルな「サッカーJ1リーグ」が広がっていたのです。「サッカー見に行こうぜ!」って誘われたときに「きっとこんな感じなんだろうなぁ」と思うものだけが真っ当に展開され、それ以上でもそれ以下でもなかった一夜。それに対して、りくりゅうの婚約発表を聞いたときくらいのサラッと感で「ですよねー」と思えないのだとすれば、それは僕が1000%悪いのです。サッカーJ1リーグを見に行って、サッカーJ1リーグがやっていたのだから、それに何の間違いがありましょうや。国立だからって勝手に大祭りを期待して申し訳ございませんでした。

↓撮るほどのオブジェもないので看板前芝生が休憩所に!
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↓一応、巨大バナーやら柱の装飾やらはありました!
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↓これはJリーグ×ポケモンコラボが用意したバナーです!

会場の周辺を巡っていくと、Jリーグの試合で出ていそうなキッチンカーとかがたくさん並んでいます。内容よくわからずでしたが「町田ジェラート」なんて地場産風のお店などもあったりして、なかなか賑わっている様子。フードコート案件として見れば種類や店数も多く、充実しているなと思います。ただ、ほかにあるのは両クラブの公式売店と子ども向けの遊具くらいで、ほぼほぼ食&グッズという構成。僕のような「グッズはいらないし、ご飯はツマミ程度で十分」という中立のおひとり様は、スーッと通過して終わってしまう感じです。「MUFG国立DAY」の看板を出してJリーグキングのTシャツを売っている店には若干心惹かれたものの、逆にサポーターにとってはまったく対象外という感じで誰も店に群がってないものですから、居心地悪そうで僕も冷やかしは遠慮することに。

それでもまぁ、そこは国立開催ですので、Jリーグ側のサポートもまったくないというわけではなく、Jリーグ×ポケモンコラボによるスタンプラリーイベントが実施されておりました。「おお!先週横浜FCの試合でもやったぞ!」と思いながらリピート参加しますと、横浜FCはチケットを確認してからスタンプ台紙を渡す厳密な運営をしていたのに対して、FC町田ゼルビアではその辺の長机に普通に台紙が置いてありまして、周辺住民の良心と常識と節度を全力でビリーブする性善説運営となっているではありませんか。これを「いちいちチケット確認するチームうざいですよね!」と取るべきなのか「チケット確認しないチームはほかのことも緩そうですよね!」と取るべきなのかは、Jリーグ側の判断に委ねようと思います。

そんななか、「もう散策終わっちゃった…」と思いながらトボトボと入場ゲートに向かおうとした頃、何やらアイドルっぽい歌声とオジサンっぽい歓声が聞こえてきたのです。その瞬間、心はにわかにトキメキました。「なんだよ!出し物あるんじゃん!」「公式サイトにも書いてなかったけどアイドルのパフォーマンスを用意していたんだね!」「急いで入場しなきゃ!」と思って上層席への階段を駆け上がった僕。入場ゲートでもらったポケモンのエコバッグを確認する時間も惜しんで場内へと急いだ僕の目に飛び込んできたのは、外周フェンスにへばりついて「神宮球場で行なわれている乃木坂46のライブを見守る両チームサポーター」の姿でした。ピンクと紫の中間みたいな淡い輝きでキラキラと揺れる神宮。座席についても特に何もやることがなさそうだったので、僕も乃木坂46に思いを馳せながら試合開始を待ちます。なるほど、隣で乃木坂やってるなら下手に誰か呼ぶよりも乃木坂の音漏れでも聴いとけ!って便乗したほうがクレバーかもしれませんよね。どの道、このカードで芸能人とか来てもレッズ側の歌声でかき消されそうですしね。

↓乃木坂ファンの皆さん、晴れてよかったですね!

ボーッと待つこと約1時間。いよいよサッカーが始まるということで、場内も動き出しました。三重のリボンリングをカラフルに彩るポケモンコラボのバナーと、流れるポケモンの音楽。気分がムクリと上がってきたなかで、FC町田ゼルビアからも渾身のレーザー演出が披露されました。ピッチ上に稲妻のような光が現れると、レーザーでチームのエンブレムが描き出されます。その後もレーザーはビカビカと動き、選手の名前やらを表示していきます。それだけだと「へー」くらいの話ではあるのですが、幸いこの日は浦和レッズ戦です。浦和レッズ側からは元所属の選手であったり、敵将・黒田監督であったりに爆音のブーイングをしてくれるものですから、場内もグンとヒートアップしてまいります。うむ、このあたりはあうんの呼吸というか、「レッズ戦なんだから特に何もせんでもある程度レッズサポーターが何とかしてくれるだろう」という厚い信頼感を覚えました。

↓文字が大きければ大きいほどレッズ側も燃えるかもしれないし!
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↓さぁそろそろ試合始めますか!
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そして待望の試合が始まりました。するとどうでしょう、ここまで沈黙を守っていたゼルビア側がいきなりの先制点を挙げます。前半8分、ロングスローでゴール前に入れたあとの混戦のなか、まるで約束事でもあるかのように大外に走り込む中村帆高選手にキレイにパスが送られ、それを蹴り込みました。お見事でした。

ビハインドを背負ったことでレッズ側もさらに燃え上がります。隣席にいたギャル系のサポーターのお姉さんもサンダルを脱いで前の席の背もたれに足を乗せて踏ん張りながら「うらーわレッズ!」と大きな声援を送り始めました。僕も「せっかくなら声出し応援でも楽しむか」とレッズ側の応援をマネしながら楽しむことに。レッズぐらい声出しの観衆が多いと、ちょっとまがい物が混じってても目立たなくていいですね。

その後はお互いにそこそこのチャンスを作りながら一進一退の展開に。全体としてはレッズが押していたように思いますが、中央から真っ直ぐゴリ押していく感じでなかなかゼルビアの守備を破りきることができません。ようやくレッズの攻撃がゴールに結びついたのはアディショナルタイムに入った前半46分。最初の一手で決められそうなチャンスを、そこから三手ほど使って最後は渡邊凌磨さんが押し込みました。これにはレッズサポーターも大喜び。たくさんの旗が美しく揺れ、サポーターの歌声が高らかに響きます。その歌声はハーフタイムに入ってもなおつづくほどでした。

↓声が大きくて雰囲気があってよかったです!
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↓前半途中には乃木坂?の花火?か何かで煙の演出にも便乗しました!
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ハーフタイムに入ると再び沈黙のゼルビアですが、何の問題もありません。レッズサポーターは前半から継続して歌っておりますし、その歌が終わる頃にはJリーグ×ポケモンコラボによってピカチュウがゾロゾロ出てきますしで、十分に間がもっています。歌もキャラクターもすでにあるのですから追い芸能人など必要ないのです。質実剛健。一意専心。通常営業。あとは定番ネタとして、いつもやっているトランペットか何かに合わせて旗を振るイベントをやれば十分にハーフタイムのエンタメ感は出せるという、その見切りはさすがだなと思いましたよね。天然温泉が自慢の宿で朝食を頑張る必要はない、くらいの絶妙な見切りだったと思います。

↓ピカチュウを見ていれば15分くらいはアッという間!
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↓広告の関係もあってレッズの試合を見に来た気分です!
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そして試合は後半へ。サッカーになると元気になるゼルビアは、後半9分、16分に次々に追加点を決めます。左サイド切り裂いてからの折り返しに合わせた2点目、コーナーキックのこぼれ球を叩きつけて決めた3点目、いずれもいいコースに決まりました。レッズが下がり過ぎたうえで足を止めてしまうのか、ゼルビアが狙ってやっているのかはよくわかりませんでしたが、ゴール前での混戦においていわゆるバイタルエリアの辺りでゼルビアが先にボールに触れる状況がたびたび起こっており、まぁ必然の追加点だったのかなと思います。

その後、サポーターの猛烈な後押しを受けて奮闘するレッズですが、後半36分のほぼGKとの1対1というチャンスでは決められず、その直後に訪れた「相手GKのゴールキックに詰めてボールを奪い、あとは無人のゴールにループを入れられれば1点」という大チャンスも枠を外してしまいました。終わってみればゼルビアは3連勝でレッズは3連敗ということですが、そのチーム状態みたいなものがこういうところにも出たかなと思います。入れるの難しそうなシュートが入ればそりゃあ勝つでしょうし、入れるの簡単そうなシュートを外せばそりゃあ負けますよね、という。

↓無人のゴールにループ入れる、をミスしたあとの絶望感がよく出ていますね!
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この頃にはお客もゾロゾロと帰り始めまして、その判断を追認するように特に何も起きずに試合は終了。3-1でFC町田ゼルビアの勝利となり、「勝つことが最大のファンサービス」を地で行く開幕戦となりました。なお、天候に恵まれた日曜日の夜、地元東京(一応)のチームと日本屈指の人気チーム浦和レッズとの首都圏対戦、ポケモンエコバッグがもらえる、という好条件ではありましたが、この日の観衆は5万人に届かない47781人とのこと。国立なら何でもかんでも5万集められるわけではない、という結果となりました。

物見遊山客としては「ですよねー」と思う納得の結果ではあるのですが、これを「ここから多少頑張ったとしてももう大して人数は増えないからむしろコスパは上がってる」と結論づけるのか、「レッズがもうちょっと集客頑張ってくれないと困ります」と結論づけるのか、「19時30分キックオフの嫌がらせをすると町田からも浦和からも客があんまりこないとわかった」と結論づけるのか、詳細な分析はゼルビア側に委ねたいと思います。正解がこのなかにあるともひとつとも限りませんので、全部正解とか全部不正解とかの可能性も含めて、今後に活かしてもらえるといいなと思いました!

↓全体的に普通に席余りしてたので、これだと5万はいかないですね!
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↓勝つことが最大のファンサービス、であることはその通り!
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ま、僕はどっちが勝ってもどっちでもいいんで、スコアによらず死闘が希望ですが!

たとえばここから3-3の引き分けになる、とか!



初見さんはJリーグ名物のレッズサポーターを見られてよかったと思います!

J2史上最多入場者数を狙うと噂の横浜FC国立開幕戦は、運営側が不安過ぎて企画が大渋滞を起こす帰るに帰れない熱戦だった件。

07:00
ポケモンVS雨!

本日はお出掛けの記録です。「有明アリーナは遠いなぁ…」というズボラをこじらせて向かいましたのは、近くて便利な国立競技場。極端な話、国立でやればJFLとかでも5万人くらい集められるんちゃうかという薄い予感を抱きつつ、J「2」リーグの横浜FC対ジュビロ磐田の試合に行ってきました。「へー、どっちも今J2なんだ」「カズがいた(いる)とことゴンがいたとこ」「乾!川島!能活!」くらいの物見遊山気分でのお出掛けです。

もうこの時点でお察しかと思いますが、今回の真のお目当てはポケモンです。Jリーグがポケモンと大々的にコラボしてエコバッグなど配りまくっていると聞き及びながら、先週の開幕節はうっかりモンスターストライクコラボの試合に行ってしまってコレデハナイをやらかしてしまった、その出直し観戦なのです。今回はしっかりポケモンコラボだなということを確認してから「横浜FC、君に決めた!」をやっておりますので間違いないチョイスのはずです。

↓ということで何らかのポケモンが出迎える国立競技場へ!
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現地に到着すれば、結構な大雨が降る悪天候にもかかわらず、大変な熱気と、その熱気で蒸発したオジサンの汗が渦巻いています。基本的には横浜FC側のお客が多いだろうとふんでいたのですが、ジュビロ磐田側も負けずの集結ぶりで、国立周辺はすっかり青に染まっています。清水エスパルスあたりもときどき見せてくる「静岡までは首都圏だし…」というリニア沿線の意地でしょうか。アウェーチームとは思えない存在感です。

聞けばこの試合はJ2史上最多入場者数に手が届くかもしれない試合だとのこと。クラブ公式からは「アウェイゴール裏指定席と車椅子席を除く全席種が完売」(←「除く」じゃ完売じゃねぇじゃんとか言ってはいけない)などという景気のいい案内も出ている模様。なるほど、ここまで煽られてはジュビロ側も押し寄せざるを得ませんよね。「あー、アウェーが売れなかったから最多記録ならなかったわー」とか言われたらたまりませんものね。SNSでは、招待券に当選した人に「お前の招待券を2枚から6枚に増やしてやろう」というメールが届いてるなんて噂もありましたが、そんなことよりアウェー側がちゃんと買ってほしいですからね!

↓「アウェーの動員弱かったからなー」的な高めのディフェンスラインで予防線もバッチリ!



もちろん横浜FCも招待券をひとりに6枚送り付ければ「1万人×6枚で6万人!」などとは毛頭思っていません。タダ券を配れば人が来るわけではないのです。むしろ、タダでもらったものだからこそ、面倒くさくなったときにためらいなくドタキャンできるという話もあります。折しも天候は雨。この雨のなかわざわざ会場まで来させるためには、どれだけお楽しみを用意しても足りるということはないのです。ま、ちょっと、その気負いみたいなものと、横浜という町の地力とで、若干やり過ぎてしまっている嫌いはありましたが、てんこもりの散策を楽しませていただきましょう。

場外を巡ると出るわ出るわのブース群。クラブ公式のグッズ売店はもちろんのこと、ポケモンコラボを活かしたスタンプラリー施策や、さまざまなパフォーマーが登場するというステージ(※雨なので見ず)、集められる限りのゆるキャラを集めたグリーティング、そして横浜の各所から集まった企業ブースたちが、国立の周囲を埋め尽くしています。雨のために一部中止になったものもありましたが、それでも巡り切れないほどの出展があるではありませんか。

僕も早速スタンプラリーに参加などしまして、貴重なポケモンのステッカーをゲット。その勢いでワークショップやら、企業ブースやらを冷やかし、横浜の風を感じていきます。行く先々でステッカーをいただいたり、お茶のティーバッグをいただいたり、さらには横濱ハーバーをいただいたりなどして、すっかり上機嫌です。何ならチケット持ってなくてもハーバーだけもらえそうな雰囲気だったので、さすが横浜だなって感じがしましたよね。

↓巨大バナーを記念撮影しました!
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↓ポケモンの巨大バナーもありました!
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↓スタンプラリーはチケット所持者だけが参加可能とのこと!
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↓よくわかりませんが気前よくハーバーくれました!
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雨ということもあって全力の散策とはいかないながらも、小一時間たっぷりとブース巡りをしますといよいよ入場開始の時刻。雨なのでとっとと入場しようと観衆が押し寄せたことと、入場の際にベースボールシャツ、ポケモンエコバッグ、うちわ、チラシなど配布物がやたら多いことで、入場開始から30分以上も待たされるほどゲートはごった返しています。あまりに待たされるので、「全員このゲートから入場させてるのかな?」と思ったほど。すごい盛況ぶりです。

↓なかに入ったら、まだそんなに人いなくてビックリしました!
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↓念願のポケモンエコバッグをいただいたので、今日はもう満足です!
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普通ならあとは試合の始まりを待つだけなのですが、横浜FCはこの国立開催を成功させることにすべてを懸けている様子で、一瞬の隙も与えないほどに出し物を繰り出してきます。川崎市立金程中学校吹奏楽部さんによる吹奏楽演奏では超元気な学生たちに元気をもらったり、プロダンスDリーグに参戦する「ONODERA USER RUNBULLS」によるパフォーマンスでは最終的に400人くらいダンサーが出てきて「多いわ!」と驚かされたり、ピカチュウが5〜6体ゾロゾロ出てきて場内を盛り上げたり、「飽きたら帰ろう」とドライに思っている僕を飽きさせることがありません。

ちょっとでも間が空こうものなら、ハマブルーウォーターショットタイムなどと言い出して、巨大な水鉄砲をぶちかましてくる始末。司会のお兄さん・お姉さんも内心では「いや今日雨なんだよね…」「今日は水の日じゃなかったかー…」「誰も涼を求めてない…」と思っているんでしょうが、半ばヤケクソ気味にバンバン撃ってくるので、それはそれで面白かったです。

その後も、選手たちが好きなポケモンを発表するコーナーが始まったり、ウォームアップの段階でサインボール投げ始めてみたり、中華街っぽい爆竹みたいな花火で青い煙が噴き上がったりと、「会議で出た企画案全部採用したのかな?」と思うレベルで盛りだくさん。入場から試合開始まで2時間くらいあった気がするのですが、ちょっと帰る隙はありませんでしたね!

↓ピカチュウってこんなにウジャウジャ出るんだ…!
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↓選手たちの好きなポケモンを大発表!
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↓ローカルCMの上映もあるぞ!
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↓出せるキャラは客が知ろうが知るまいが全部出す!
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↓雨にも負けないウォーターショットにハマのプライドを感じる!
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↓でも水だけじゃ不安なので煙も出しますね!
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↓ちょっと出し物が渋滞してませんかね!
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「どんだけ不安だったんだよ…」と微笑ましい苦笑いで迎えたキックオフ。もうここまでくればあとは選手たちの仕事ですので、サッカーそのもので楽しませていただきましょう。するとどうでしょう、横浜FCは大変お強いではありませんか。攻撃では相手守備を翻弄するように後ろから追い越してくる選手を使ってスパスパサイドを切り裂きますし、守備では整った陣形からキレイにマークを受け渡して先手先手でジュビロの攻撃を封じるなど、よく整備されたサッカーを展開しています。バナーに載っている須藤監督のビジュアルから「戦術強そう」な印象は受けていましたが(←適当)、これはJ1昇格待ったなしと言ってもいいでしょう(←無責任)。

↓前半28分には直接フリーキックを見事に叩き込んで横浜FCが先制点をゲット!


その後も優勢に試合を進めた横浜FCは、1-0とリードして前半を終了。するとどうでしょう、ここまできてもまだ不安でいっぱいなのか、絶対にお客を帰さないための施策はハーフタイムにもまだまだ用意されているではありませんか。当然のごとく場内を周回するマスコットたちと、スポンサー企業様と思しきパレード。マスコットのフリ丸がバズーカでグッズを配り始めたかと思えば、ハーフタイムショーとしてはるな愛さんのステージまで始まりました。はるな愛さんはおなじみの松浦亜弥さんフリマネと、自身の新曲「キラキラが止まらない」を披露。どこがどうつながってこうなったのか調べてもよくわからなかったのですが、とにかくめっちゃ盛りだくさんのホリディでした。

↓わかった!もう帰らないから!最後までいるから!
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↓暗転演出もするのね!わかったよ!帰らないから電気つけていいよ!
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迎えた後半、横浜FCの頑張りに審判も心が動かされたでしょうか。後半3分に横浜FC・島村拓弥さんがエリア「外」で引きずり倒されてPKを獲得します。これには僕も「黙れジュビロ側!J2にはVARなどない!」「あんだけつかんでたらエリア外でもアンスポでPKでヨシ!」「こんなに頑張った横浜FCが勝たなかったら申し訳ないだろ!」と全面的に応援の心です。キッチリPKを決めて2-0とすると、さらに後半17分には鮮やかなカウンターから3点目も奪取。これならもう横浜FCの勝利は間違いないでしょう。何だか、ホッと胸を撫で下ろすような気分です。

その後、若干の帳尻合わせもあったか、ジュビロ側にも「PK獲得&2枚目のイエローで相手側1人退場」という揺り戻しがありますが、最後まで横浜FCの優位は揺らぎませんでした。横浜FCは10人になったらなったでまた組織を立て直してしっかり守っており、何なら最初から10対11だったとしても横浜FCが勝ったんじゃないかくらいの安定感でした。

で、期待されたJ2史上最多入場者数記録55598人の更新はならなかったものの、歴代2位となる53973人を集め、チームとしては史上最多の入場者数を記録したとのこと。J1時代の記録をも塗り替えるというのは、国立のパワー、ポケモンのパワー、6倍界王券のパワーもありつつも、この試合を盛り上げようとこれでもかこれでもかと施策をつぎ込んだ運営のパワーがあればこそだったと思います。楽しい企画群と、主役として見事な勝利を得たサッカー、いい国立開催となったのではないでしょうか。天気がよくて、チケットの配り方がもうちょっと上手になれば、次は史上最多イケると思います!

↓横浜FCとしては歴代最多入場者数を記録したとのこと!
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↓こういうところが埋まってれば史上最多もあったかもですね!
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「タダなら来る」わけではないですからね!ってヴェルディ界隈も言ってると思います!

あの雨でしっかり5万人集めたことは自信と誇りをもっていい!ってヴェルディ界隈も言ってると思います!



ということでポケモンVS雨戦はトレーナー奮闘の結果、ポケモンの勝利です!

Jリーグ新開幕!FC東京VS FC町田ゼルビアの開幕戦を訪れたところ、長友佑都さん現役続行祝いでFC東京が「5」失点大爆発の巻。

07:00
東京都多摩地区がJリーグ新開幕に熱狂!

本日はお出掛けの記録です。今回はめでたく新開幕を迎えた2026/2027シーズンのJリーグ開幕節の観戦に行ってまいりました。もはや今となっては何だったのかもわからず、ただただ時間を無駄にしただけだった気がする秋春制を巡る議論。その徒労がついに報われ、Jリーグがついに世界基準のカレンダーで行なわれることになった記念の観戦です。

といっても、大枠では何も変わってはいません。今まで春(冬の終わり頃)に開幕して、秋(冬の始まり頃)に終わっていたものを、秋(夏の終わり頃)に開幕して、春(夏の始まり頃)に終わる形に反転しただけ。大きく異なるのは冬にドカンと休むか、夏にドカンと休むかという区切りの話だけです。

その点で、長らく「豪雪地帯」などのワードで反対派は冬に休むべきと奮闘してきたわけですが、もはや全国的な民意からすれば「豪雪」と「酷暑」でどちらが要対策かは議論の余地がありません。防寒と雪かきで何とかなるものと、スタジアム自体を稼働屋根&エアコン付きにでも変えなければ何ともならないものとで、比較になるはずもないのです。身近に迫る死の危険、どちらが大きいかは明白。冬は「家を出た瞬間にバッチリ」ならまずもって大丈夫ですが(山とか行かない前提)、夏は「家を出た瞬間バッチリ」でも途中でどうなるかまったくわかりませんものね。

秋田など「そもそも俺たちサッカー好きだっけ?」という真実に目覚めた自治体も出てきていますので、まぁ、やりたくてやれるところが頑張る、それでいいんじゃないかと思います。この世の娯楽はサッカーだけではありませんし。個人的にも、長年にわたり「世界のカレンダーに合わせればいいのに」「どっちでもいいけど、輩の意見の反対が正解な気がする」「開幕は競技ごとにズラしてくれたほうが僕は楽しいし」とカレンダー変更を希望してまいりましたが、ようやく報われた思いです。

↓改めまして、シーズン移行おめでとうございます!



で、珍しく地上波テレビで中継されていた横浜F・マリノスと鹿島アントラーズの開幕戦を見ておりましたら、史上最多6万3960人の大観衆と、1-3からのまさかの大逆転という劇的決着にすっかり興奮してしまい、僕も新開幕のJリーグに行くことにした次第。選んだのは、家から近くて何となく盛り上がりそうなFC東京VSFC町田ゼルビアによる東京(都多摩地区)ダービーです。

スタジアム最寄りの飛田給駅に降り立つと、開場時間前からすでに長い人の列がスタジアムへとつづいています。勢力図としてはFC東京側が8割くらいでしょうか。ゼルビア側は第3節までホーム戦がないので近場のココに大挙押し寄せそうにも思いましたが、国立開幕へ向けてチカラを溜めているのでしょうか。

どっちがどっちでもいいのですが、何となく判官びいきの性分がくすぐられ、若干のゼルビア側寄りの気分で味の素スタジアムへと向かいます。「サイバーエージェントはいい加減株主に向けてゼルビアのチケットを配布すべきですよねぇ!」「アントラーズのチケットはメルカリで売ってるのにねぇ!」「ポケモンコラボで盛り上がってる場合じゃないんですよ!」などとひとり言も饒舌です。

早速入場しますとエコバッグなんかいただきまして気分も上がってきます。Jリーグ全体としてはポケモンとコラボしているということで、ポリゴンか何かのエコバッグをいただいたのかと思いきや、これはあくまでもFC東京のエコバッグであるよう。場外エリアではモンスターストライクとのコラボグッズ売店やコラボ缶バッジ配布などが行なわれており、ゲームはポケモンだけじゃないという存在の主張を感じる散策です。

キッチンカーなどが並んだエリアは、いつにも増して盛況で、オリジナルクラフトビールの販売車に長い列ができていたりします。酷暑対策なのか、8月・9月は基本的にナイトゲームという設定になっているカレンダーですが、昼よりも夜のほうがお酒の気分も出ますし、夏祭りみたいで楽しいもの。これからは毎年夏にJリーグが開幕するんだと思ったら、国立競技場の試合に知人を誘ったりしても喜ばれるような気がしてきました。開幕×納涼×ビール×花火、であればもはやネタは何でもって感じもしますからね。

↓ちなみにこの日はポケモンコラボではなく、FC東京側によるMIXIコラボデイだそうです!
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↓散策中、ドロンパの本体がいるのに気づかずドロンパの人形を撮っていたという大失態の図!
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↓そんなこんなで場内入りしました!
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試合に先立ち行なわれたのが、長友佑都さんのご挨拶。単なるワールドカップの凱旋報告なんだろうと思い込んでいたのですが、場内の空気は若干不穏なムードです。大型ビジョンには「長友さんの歴史を振り返る映像を本人が見ている映像」が流され、どことなくしんみりムード。遅まきながらピンときたのですが、なるほど、このタイミングで引退発表でもしやせんだろうな、とサポーター側はザワついていたんですかね。よくよく見ればスタンドには「長友佑都、優勝するまで引退させないよ」なんて横断幕が出ていたりして、僕も急にドキドキしてきました。

黒のトレーニングウェアと神妙な面持ちで登場し、ピッチに入らずに一礼する長友さん。その姿には「すわ引退か!?」という雰囲気もグンと高まりました。僕も何だか泣きそうな気分になってきまして、「アモーレ!」「ブラボー!」「マンマミーア!」などとひとり盛り上がっていたのですが、長友さんは引退匂わせムードでの話し始めから一転、「このチームで優勝したい」と現役続行を表明。ユニフォームを着たかと思えば、先日のワールドカップで目立っていた白いヘアバンドをつけ始め、1曲コールリーダーをやって場内を盛り上げたいのであるとやおら歌い始めたではありませんか。「何だったんだあの神妙な前フリ」「さようなら山崎邦正みたいだな…」「長ちゃんはやめへんでー」と弁当をつまみながら僕もニッコリ。サポーターは大喜びしていたので、本当によかったなと思いました。

↓引退あるかも!?と思わせる前フリ芸!
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↓サポーターも引き止めの準備をして緊張の待機!
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↓結局やめないそうで、お祝いのスプリンクラーが猛噴射です!
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↓火柱とかも噴き上がって盛り上がってまいりました!
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両チームの選手入場、映画「ブルーロック」に出演する高橋文哉さん&櫻井海音さんによるキックインセレモニー、先日の熊本の地震で被害に遭われた方への黙祷などを経て、いよいよ試合開始の時刻。するとまだ弁当も食べ終わらぬ前半5分、早速試合は動きます。FC東京のマルセロヒアンさんが相手守備を抑え込む上手い反転から味方との連携で裏に抜け出すと、股抜きで流し込んで先制点。この見事なゴールには、祝開幕!FC東京おめでとう!モンストやろうぜ!そんな気分になりましたよね、この時点では。

しかし、まさかそこから前日のマリノス以上の落胆が待ち受けていようとは。浮き球で裏を狙う動きからいくつかFC東京がチャンスを作り、ゼルビアが押し込まれていたなかで迎えた前半27分、細かい連携でポケットまで中山雄太さんが侵入すると、ここでの大きな切り返しにFC東京の守備はうっかり滑り込んでしまいました。完全にフリーとなった中山さんはファーサイドで待つミッチェルデュークさんにピタリとクロスを合わせ、ヘッドで同点に。

↓喜ぶゼルビアサポーター!チェ・ゲバラか何かの旗かと思ったら黒田監督でした!
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さらに、前半38分には滑り込んだ際に勢いよく足裏で相手を蹴ってしまったFC東京の橋本健人さんが一発レッドで退場に。審判団が発表された時点でFC東京サポーターからブーイングが上がっていた清水勇人主審が毅然としてレッドを示したこの場面が、完全に試合の流れを決めました。

1点リードのままであればまだ逃げ粘りもあったかもしれませんが、同点とされたあとでのこの退場で、俄然勢いはゼルビア側に傾きます。そして、相手が弱ったところを逃がさないゼルビアもさすがのしたたかでした。前半47分にはFC東京の守備がエリア内でコントロールをミスしたところをついて、明本考浩さんが逆転のゴール。ゼルビアリードで前半を終えます。

↓ブーイングされたからレッドを出したわけではなく妥当レッドでした!
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↓ハーフタイムに周回していたのは何らかのポケモンではなくモンストのオラゴンでした!
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さらにFC東京に追い打ちとなったのが後半に入ってのシステム変更。それまでは4バックを基本に、退場者が出たあとも形を変えずに粘っていたFC東京でしたが、後半頭のメンバーチェンジで3バックに布陣を変えてきました。するとどうでしょう、守備はスコスコ切り崩されるようになり、攻撃では持ち上がることも苦労するように。「ゲームみたいにはいかんもんだなぁ」と思いながら見守る怒涛のゼルビアゴールラッシュは、どっちが勝ってもどうでもいい立場としては大変爽快なものでした。

後半6分、相手GKの手を弾いて見事に決まった相馬勇紀さんの直接フリーキック。後半20分、相手CBの間をスルッと抜け出して決めたテテイェンギさんの4点目。さらに後半35分にはコーナーキックから、ニアに走り込んだ選手が後ろにすらし、それを押し込むという形で5点目が入りました。これはゼルビア側の気分で見ておりましたら、最高の夏祭りですよね。景気よくゴールが入って、とってもよかったです!

↓相馬さんの怪獣パフォーマンスも見られました!
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↓その後、入場者数が発表されましたが、ゼルビア5点目の時点で5000人くらい帰ってたと思います!
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僕の列、左右誰もいなくなりましたからね!

4点目からガンガン帰ってましたが、5点目では試合終了くらいの動きでした!



ゼルビアはその後もしっかりと試合を進め、FC東京最後のチャンスもGK谷晃生さんの見事なセーブで防いで、5-1の大勝に。もしも逆の立場だったら不機嫌マックスの試合なのでしょうが、ゼルビア寄りの気分で観戦したことで、大変イイ気持ちでJリーグ新開幕のお祝いをすることができました。FC東京界隈の皆さまは、慰めになるかわかりませんが、長友さん現役続行祝いで「5」失点という不思議なつながりでも感じて、次戦に向かっていただければと思います。何はともあれ、すべてのJリーグ界隈の皆さま、新開幕おめでとうございます!

↓これはちょっと国立でのポケモンコラボデーも行ってもいいかもですね!
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景気がよくて楽しかったです!

大当たりの新開幕戦でした!


FC東京も長友さんがいれば空気も違うと思うので、次節は大丈夫でしょう!

ワールドカップで完全勝利!アルゼンチンの汚さも粘り強さもメッシさんもトランプも退けて、スペインが2026ワールドカップを制覇の巻。

12:30
山に近づいて、頂の高さを知る!

1ヶ月にわたる長い戦い、2026年サッカーワールドカップ北中米大会が終わりました。決勝はここまで公式戦37戦無敗の無敵艦隊スペインと、メッシ擁する不屈のアルゼンチンという今大会を締めくくるにふさわしい顔合わせと、その顔合わせにふさわしい内容のもと、スペインがワールドカップを16年ぶりに奪還しました。

ここに至る1ヶ月は見ている側にとっても長いものでしたが、ましてやっている側にとっては途方もない負荷だったでしょう。スペイン代表などはやれメキシコだ、やれ西海岸のロサンゼルスだ、やれダラスだ、やれまたロサンゼルスだ、やれニューヨークだとまさにアメリカ大陸をウルトラ往復するような日程でした。行って来いだけでも10キロくらい痩せそうな夏です。

しかし、この決勝に臨む両チームは本当にタフで分厚くて巨大でした。持っているエネルギーの総量のようなものが大きく、大会の負荷でどれだけ削られようとも、勝利に値するチカラを残してここまでやってきていました。特にスペインの余力、90分でキッチリ勝ちつづけてきたこともそうですし、10代の若い選手を中心で起用しつつも、替えても替えても出てくるワールドクラスの選手たちと、チームとしての一貫性。ちょっとやそっとでは限界に追い込むことすらできなそうな、果てしない大きさを感じました。疲労の蓄積か試合中に次々と選手が欠けていったアルゼンチンとは、残していたチカラに少し差があったなと思います。

もちろん試合は一期一会ですので、どんな相手であっても一瞬のキレで勝ち切ることもできる、とは思いますが、これだけの大きさを前にすると、その一瞬を引き当てることは相当に困難だなと思います。格闘技の試合で階級差があるときのように「ちょっとやそっと殴っても効かないのでは…?」と萎縮させられるような気持ちで。

今大会は日本代表も優勝を目指し、その未来に通じる戦いを示しましたが、遠くで見るときの山頂よりも麓から見上げるときのほうが視線をより高く上げないといけないような、そんな気持ちにさせられる決勝戦でした。誰が怪我したとか、誰がいないとかではなく、「誰を出そうとも」に至ってようやく優勝は現実になり、そのうえでなお欠くことができないほどの存在を手にしたチームだけが現実味のある確率を備えるのだなと。焦らず慌てず一歩一歩近づいていく、そんな上り坂を進んでいけたらいいなと思います。

この強さを見ると4年後もスペインが優勝してるんじゃないですかね!

逆に、4年前よく日本勝ちましたよね!

そういう意味では、高いけれど登れない山ではない、そんなことを確信する2026年ワールドカップでした!

↓スペイン優勝!フランスもアルゼンチンも自分で倒した完勝でした!



80663人の大観衆と、大挙押し寄せたVIPと、世界の注目が集まったニューヨーク・ニュージャージー・スタジアム。日本からも森保監督が中継ゲストとして会場を訪れ、自分たちが目指したピッチに立ちました。試合前にはアメリカ国歌の大熱唱や公式テーマソングのライブパフォーマンスなどもあり、まるでスーパーボウルか何かのような、熱くて、華やかで、盛り上がる、アメリカらしい幕開けです。ここに至る物語の一角に確かに日本もいたのだと、トム・クルーズさんのスピーチにわが胸も熱くなるようです。



そして姿を見せた選手たち。スペイン、アルゼンチン、ヤマル、メッシ。素晴らしい役者が集いました。両国の国歌斉唱、まるでラスベガスのボクシングビッグマッチのような試合開始のコール、そしてキックオフへ。

いよいよ始まった決勝、構図は戦前の見立て通りです。ボールを保持して主導権を握るスペインと、守りを固めてここぞという急所では体当たりも辞さない球際の強さを見せるアルゼンチン。100回のチャンスで何回決めるかというスペインと、1回のチャンスで1回メッシが決めるかというアルゼンチン、それぞれのスタイルが鮮明で、一貫性があって、とても美しい。開始4分で素晴らしいタッチからヤマルが狙い、それをアルゼンチンが身体を張って守り、その直後にカウンターからメッシが爆走するという場面がありましたが、その応酬を1試合やってやるぞ、そんな構図の戦いです。

激しく当たりにいくアルゼンチンと、それを驚異的なボールさばきでいなすスペイン。質が高く、それぞれが「どうせこうくるんでしょ」と理解しているので、これだけの激しさであっても荒れ狂う試合にはならないのもすごいところ。大会中のひとつのムーブメントとして、アルゼンチンとメッシさんが判定で優遇されているみたいな批判もあった今大会ですが、スペインはそれすらも飲み込んで、「アルゼンチンのスタイルをやらせたうえで、それをいなして勝つ」とでも言わんばかり。メッシさんに対してはスペイン側もガツンと当たりにいくところも含めて、スタイルこそ違えどがっぷり四つの時間がつづきます。前半はそんな睨み合いだけで終わったような気さえするほど。スペインがシュート2本、アルゼンチンは0本。勝負所はまだまだ先のようです。

そんな試合展開からすると、話題のハーフタイムショーも、まるでこれが第二オープニングセレモニーのようなタイミングでの実施となり、いい効果だったかもしれません。元ブラジル代表のロナウドさんとロナウジーニョさんを引き連れてマドンナさんが口火を切ると、ジャスティンビーバーさんやBTS、シャキーラさんなど世界のスターたちがハーフタイムを盛り上げてくれます。一部伝統的なサッカーファンからは「長い」とか「いらない」とか「俺たちが歌う時間だ」とか揶揄されてもいますが、このアメリカンスポーツ的な演出は率直に楽しいですし、ぜひ今後も実施してほしいなと思います。ハイドレーションブレイクだの5人交代制だのと選手のコンディションを気遣う現代なのですから、むしろハーフタイムも30分くらい取ることを前提にしたらいいんじゃないのと思います。ハーフタイムショーがあれば中継側も納得するでしょうし、選手はよりよい状態で後半に臨めて、観衆もトイレの不安が消えてといいこと尽くめ。すごくよかったと思います!

↓「メッシ39歳かーすげー」に負けず劣らず、永遠に輝きつづけるマドンナ!


↓BTSは元の歌詞では「ピンポン」のところを「フットボール」に替えてDynamiteを披露!


迎えた後半戦。引きつづき試合の構図は変わりません。しかし、モメンタムはじょじょにスペインへと傾いていきます。前半にアクシデントで1枚交代のカードを切っていたアルゼンチンは後半開始でももう1枚、さらに後半13分にももう1枚、スペインが動く前にカードを先に先に切らざるを得ない状況です。そして、いつものダーティーな当たりに対してイエローカードも2枚提示されていました。スコアこそ動いていませんが、ジリジリと後退を余儀なくされています。

その傾きがさらに決定的となったのは後半30分過ぎから後半終了間際にかけての時間帯。交代カードの切り合いのなかで、先に3枚(2回+ハーフタイム)を消費していたアルゼンチンはスペインの交代に対して出すカードの枚数と出せる回数が追いつきませんでした。新しい状況への対応をダーティーさで埋める格好となったアルゼンチンは、この時間帯で3枚のイエローカードをたてつづけにもらいます。なかでも攻撃のキーマンとしてチームとメッシさんを支えてきたエンソ・フェルナンデスさんは10分ほどの間に2枚のイエローを受けてしまい、何と後半アディショナルタイムに退場に。

しかし、ある意味では、それもスペインの術中だったかもしれません。スペインは自分たちから積極的に小競り合いを仕掛けこそしないものの、サッカーにはそういうやり方があることも十分に知っているしたたかなチームでした。後半7分には後ろから体当たりを受けたスペインのロドリさんが、クルリとスピンして派手に倒れ込み相手のイエローカードを誘おうとしていましたし、エンソ・フェルナンデスさんが退場した場面も、当たりの強さもさることながら、スペインの吹っ飛び方が上手かった。

あれは蹴られて飛んだというよりは、衝撃をいなすために自ら跳んだという性質の空中1回転だとは思いますが、サッカーの試合で空中1回転を見せられては「当たった結果こうなったならイエローでしょうなぁ」と納得するしかありません。あえて言うなら、退場となった場面よりも、ひとつ前のイエロー(スペインのファウルの場面で審判に対する異議)がこれまでのツケを払った場面だったかなと思います。自分たちはやるけれど、相手がやるのは許さん、はそりゃあ道理が通らんでしょうよ。あそこは粛々と受け止めるべきだったと思います。

↓日本も少し合気道とか学んでもいいかもですね!やられる側前提で!



↓蹴りで人間をこんなに飛ばせるなら、サッカーより格闘技やったほうがいいです!



試合はスコアレスのまま延長戦へ。次々に生まれるスペインの決定機と、それを辛くも凌ぐアルゼンチン。延長前半6分にはスペインが一度はネットを揺らすも、その直前に?ファウルがあったとかいう話で?ゴールは取り消しに。まだまだアルゼンチンバリアは耐え凌いでいます。

苦しいアルゼンチンはいよいよゴール前でのぶつかり合いに最終防衛線を見出したか、守備の形を5-3-1に変え、サイドの突破をケアしつつ中央を頑張る構えに。スペインはこうなれば「3」の横で自由にボールを持ちながらクロス爆撃を仕掛けてきます。身体を張るアルゼンチンと攻勢を強めるスペイン、試合は若干の小競り合いの様相を見せながら激しさを増していきます。

そして、ついに、ついに試合が動いたのは延長後半1分。スペインはクロス爆撃からヘッドで折り返したボールを、最後はフェラン・トーレスさんが詰めて先制点を挙げます。アルゼンチンは選手の数自体は揃っていましたが、守備ラインは折り返す前のクロスに全部引きつけられ、中盤のシメオネさんも足を気にする様子で動きを止めてしまい、トーレスさんを自由にさせてしまいました。

↓ついにアルゼンチンバリアをこじ開けた!


それでもメッシさんのアルゼンチンなら、ていうかメッシさんなら何とかしてくれる、そんな期待感で勝負を見守る世界の観衆。延長後半8分に再びスペインがネットを揺らした場面も、右肩が?少し出ていたとかで?オフサイドの判定に。右肩の1ミリは厳密に見るが、右パンチや右キックは大胆に見逃していく運営側の姿勢もあって、アルゼンチンの可能性はまだ残されました。

ラスト10分、アルゼンチンの猛攻は凄まじかった。この圧倒的に不利な状況でも1点取ってしまいそうなメッシさんの仕掛けは、今大会幾多の奇跡を起こしたアルゼンチンの戦いそのものでした。単独突破からあわやのクロス、もしかしたらシュート?というあわやのクロス、相手の顔面を撃ち抜く強烈なシュート…もし同点になればPK戦はアルゼンチンが勝つだろうと思いました。これぞメッシというところを見せました。

それでも及ばなかったのは、この1ヶ月の余力の差なのでしょう。結局は、最初に1枚センターバックのアクシデントでカードを切らなければならなかったところからのジリジリとした後退が、メッシさんをもってしても覆せない状況を生んでしまった。精も魂も悪運も神の加護も尽きた、そんな敗戦でした。次回大会にメッシさんがいるかはわかりませんが、メッシさんがいなければアルゼンチンバリアもさらに弱まるでしょうし、勝つというのは本当に難しいものなんだなと思いました。

スペインは、よくあるサッカー談義の「●●が11人いれば最強」みたいなものの完成形だったなと思います。全員が上手く、全員が賢く、ベンチから誰が出てもそれが保たれる、そんなチームでした。このレベルに行くには、国の単位で自分たちのスタイルを深く自認し、貫いていくことが必要なのだろうと思います。日本もその1丁目には立っていると思いますので、いつかこういう感じのチームになってくれたらいいなと思います。スペインってこんなチームだよね、アルゼンチンってこんなチームだよね的なものとして、日本ってこんなチームだよねと世界に認められながら。何となく、それが見えてきている気もしますしね!

↓トロフィー渡してからなかなか離れないトランプ大統領も退けて、スペイン完全優勝!


ワールドカップ掲げてワー!のときに中央で映り込むトランプさんはちょっと見たかったですけどね!

まぁ端っこに映っちゃってはいるんですけど!



ワールドカップ、そして世界のサッカーにありがとうございます!

サッカー・アメリカ代表バログンさんの出場停止処分保留に思う、厳しくファウルを取りカジュアルに罰を与える非「輩」的サッカー観の巻。

07:00
この機会に「輩」感を払拭しましょう!

「どうせ無理だろうな」と思いつつ、本日はサッカーワールドカップで起きた出来事について持論をまとめておこうと思います。キッカケとなった出来事は、アメリカ代表FWのフォラリン・バログンさんがベスト32のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で一発レッドの退場処分を受け、本来であれば次戦出場停止となるところを何故か出場停止処分が保留され、ベスト16のベルギー戦に出場したという例の件です。

アメリカのトランプ大統領が電話でクレームを入れたとか、仲良しのFIFAインファンティーノ会長が便宜を図って超法規的な対応をしたとか、陰謀論的なものも含めていろいろ言われており、「レッドの次の試合は出場停止だろ」という半ばサッカー界に神託のように刷り込まれた常識と相まって、世界で喧々諤々となっておりました。僕の観測範囲でいうと問題視する人が9割9分で、残り1分が「そもそも誤審だろ!」「ここはアメリカだぞ?」「トランプ大統領閣下万歳!」というMAGA勢力となっており、ネガティブ反応がほとんどなのかなと思っております。

しかし、僕はそこまでこの処分保留についてネガティブに捉えていません。むしろポジティブ寄りです。そして、もっとこういう状況を当たり前にすべきとも思います。それは翻って日本にとっても有益な方向であろうと。まぁ、世間の「常識」に対して分の悪い意見なので、あんまり賛同はされないでしょうし、紋切り直情型の否定とかが飛んできそうですが、持論を述べる自由とそれを無視する自由が日本にはあると信じて、まとめていこうと思います。

↓発端となった出来事はコチラでご確認ください!



↓アメリカでは2対1くらいでバログンさん擁護派が優勢のようです!




まず、そもそもの話として、この件はルールに則って行なわれた正当なものです。発端のプレーがあり、それを主審が当初は流したけれど、VARの介入によって一発退場とされ、次戦も出場停止となるはずだったものが、FIFAの懲戒規定第27条に基づいた介入によって次戦の出場停止処分が保留された……これはすべてルール内の出来事です。その運用にあたってトランプテレフォンが影響してるんじゃねーの?という不信感は当然あるでしょうが、それを塞ぐルールがないのであれば、それも当然ルール内です。

日頃、ルールを盾にマウントを取っているルール厨の皆さんは今こそ「FIFAは正当な手順でルールを運用しただけ」「悪法も法なりbyソクラテス」「文句があるなら先にルールを変えてください」といったいつもの自動反撃構文を繰り出すのがよいでしょう。まぁ実際はこういう手合いは自分がレスバに勝つために「自分に有利なときだけルールを持ち出す」ので、自分が不利になるルールは普通に無視してくるのですが。みんなで従おう懲戒規定第27条。

僕などはルールを絶対視することなく、そのうえにより大切な「理想」を置いて、理想を実現するためにルールがあるという黄金の精神をもっておりますので、懲戒規定第27条など知ったことかという立場ではあるのですが、僕の「理想」からしたときに本件は実は「まぁいいんじゃん」という出来事であったりします。

そもそも僕はあのバログンさんのプレーは「退場+次戦も出場停止」に相当するような、過剰なチカラで行なわれた行為であったり、著しく不正なプレーとは思っていません。結果的に相手の足首を踏むことになり、それで足首がグネッているので大きな怪我につながりかねない出来事であるとは思いますが、プレイ中にそうなってしまった不可抗力の類でしょう。足裏即レッドではないのはご承知の通りですし(よく引き合いに出されるメッシさん案件のように)、主審自体も当初はスローインと見ていました。先に挙げたESPNの議論では「スローで見れば何倍も悪く見える(から不当だ)」などと言っておりますが、スローで見たら悪く見える典型的な事例だろうと思います。

それを懲戒規定第27条に基づいて「悪質性が低い」と判断し、出場停止が猶予されたのであれば、結構なことだと思うのです(※退場処分なのにピッチ内で勝利を喜んでいた件も割り引いてあげるあったかい世界)。主審の判断、そこに介入するVAR、さらに介入する規律委員会という形で、より正しい判断をできるよう三審制のような体制になっているのは総じていいことでしょう。その結果として、国を代表するほどの選手が、ワールドカップの試合に出場できるというのは、喜ばしいことだと思います。ワールドカップという夢舞台で、たとえばクリスティアーノ・ロナウドさんのような世界のスターが出場停止処分とか喰らっていたら寂しいですからね。「選手が出場できる」は総じていいことです。



こう言うとルールがー正義がー不正がー悪がはびこるーみたいな反応になるのでしょうが、もっと前の段階に本当に考えるべきことがあると僕は常々思っています。サッカーのファウルって、アレめちゃめちゃ卑怯ですよね?、大前提として。ちょっとピンチになると、普通に手でつかんで引きずり倒すじゃないですか。体当たりなんて当たり前ですし、普通にバンバン蹴ってますよね、サッカー的にはノーファウルの範囲で。お互いにユニフォーム引っ張るものだから、つかみづらいピチピチツルツルのユニフォームとか着てきたりするイタチごっこなんかして。蹴られたほうも演技でイタイイタイしまくりますし、まぁ率直に言ってダーティーだなと思います。

しかも、そうした「(サッカー界隈以外からは)不正(に見える)行為」が半ば公然と行なわれていて「マリーシア」だの「戦術的ファウル」だのと言って褒められさえしますよね。バスケにもファウルゲームなんて概念はありますが、アレは相手を止めるためではなく時計を止めるためにペシッと叩いているだけのこと。バスケの基準でサッカーを裁いたらほとんど全部アンスポーツマンライクファウルなんじゃないでしょうか。一度バスケの審判にバスケの基準でサッカーのファウルを判定させて、何人退場になるかやってみてもらいたいくらい。

「ラグビーは貴族のスポーツでサッカーは労働者のスポーツだ」とか「サッカーの起源は切り落とした敵の首を蹴って遊んだことだ」とか「ボールは友だち、友だちはボール、どっちも蹴っ飛ばせ」とか「チームを勝たせるために俺たちはバスを囲む!」みたいな真偽不明の輩エピソードがサッカーのちょっとイイ話みたいに語られることも含めて、サッカーは総じてダーティーな「輩」感を大事に成長してきたスポーツだと思うのです。世界のスーパースターがワールドカップで手でゴール決めて、それを「神の手」とか言ったら大ウケして神格化されるんですから(※それ以外のプレーが実際凄かったが)、これは肉とか草を火で炙っていただくのが好きそうな輩界隈だなって感じがしますよね(※もちろんBBQの意)。

2018年ワールドカップでとあるチームが自分たちが負けてるのに「この点差の負けなら自分たちがベスト16に上がれる」と期待して敗退行為同然のボール回しとか始めたときにそれを非難したら、サッカー大好きっ子の有識者は「これがサッカーだ。これがイヤならサッカーを見るのに向いてない(キリッ)」とか何とか言ってましたが、公明正大で清廉潔白でフェアネスと敢闘精神にあふれた世界観とはちょっと違う、ワイルドな輩によるダーティーなスポーツだと思うのです、サッカーは、大前提として。それをまったくダメとも、すごい嫌いとも思ってはいませんが、映画で言えば任侠映画だなとは思うわけです。ラブロマンスとかコメディではなく。

その「輩」感を大事にした結果、ピーピー笛を吹きまくることはなく、むしろちょっとガツガツ衝突して火花散るくらいの激しさをヨシとしてきたわけでしょう。ボールを受けにいったフォワードに後ろから体当たりしてディフェンスするとか、そういうことをヨシとしていれば、そりゃ踏んだり蹴ったり怪我したりも生まれるでしょうよ。これはもうある程度の必要悪と思って、サッカー界隈は飲み込むしかないはずです。「俺たちは足を蹴るスポーツをやっている。壊れる足が悪い」くらいの顔をして。

もちろん、あまりに目に余るものには罰を与えて抑止するわけですが、ここにサッカーの構造的な難点があって、「サッカーでは罰が効かない」のです。イエローカード2枚で退場処分になるアレ、ほかのスポーツでは選手が試合から取り除かれてかつ交代(補充)も不可で次戦も出場停止なんてのは相当に重い罰なのです。ヘイト発言とパンチをコンボで決めるくらいの悪質な輩に対して下される処分なわけですが、サッカーではその重い罰がよくあるプレー中のアクシデントに対して下され、しかもあんまり効かない。人数が恒久的に1人多くても得点につながらないことが多く、何なら人数少ないほうが逆に点取ったりさえします。

かと言って、罰として相手に1点あげよう、なんてことをやるとサッカーではそれで勝負が決まってしまいかねない。バスケでチーム5回目のファウルからフリースロー2本あげたり、ラグビーで相手陣内のファウルからPGで3点狙ったりする感じの、「罰として妥当な程度の得点」を与えるのがサッカーではとても難しいのです。

「輩」感を大事に激しさを助長したはいいが、行き過ぎる行為を抑制するにちょうどいい罰を得点として与える匙加減が難しいもので、恒久的な退場(補充不可/+次戦以降も出場停止)という競技としてはまったく望ましくない無闇に重い罰を採用せざるを得なくなっている、にもかかわらずそれが罰としてそんなに有効に機能してもいない、というのがサッカーの現在地だと思うのです。「輩」同士では「ごめん」とか「和菓子」とかが通用しなくなって、お詫びのスタートラインが「小指」になってる、みたいなおかしな状況なんだろうと、外野視点からは思うのです。

↓罰で10人になったのにあんまり効いてません!



このおかしな状況の解決法として、僕はもっとファウルをちゃんと取って、もっとバンバン退場させるべきだと思います。その代わり、現状のように試合から取り除いて補充不可とか、次戦も出場停止みたいな無闇に重い罰ではなく、ラグビーのシンビンのように10分間の一時的退場とかの軽めの罰も用意し、もっとカジュアルに罰を行使できるようにすべきであろうと。ワールドカップの決勝で「開始5分でレッド出したら荒れそうだなー」とか主審が心配するようなことなく、気軽に退場させられるくらいに行使のハードルを下げるべきだと。

そうやって、試合中に自分たちの人数が1人多い(あるいは1人少ない)という状況が頻繁に発生するようになれば、パワープレーの練習をすると思うんですね。今は相手の退場を戦略のなかに組み込むのは難しいですが、毎試合どこかしらでパワープレーが発生するくらいになっていれば、ひとり多いときの崩し方とかをしっかり追求するようになるでしょう。あの広さを11人でやっているんですから、1人多いのは本来なら相当有利なはずなのに、それが結果につながってこないのはパワープレーが下手だからだと僕は睨んでいます。それを追求したり、練習するメリットが低過ぎて、ちゃんとやってないんでしょう、と。

パワープレーが当たり前の光景になり、そこにちゃんと研究と練習の労力を割けば、「1人少ない」がちゃんと罰として機能するくらいになるのではないでしょうか。同じ「輩」感を大事にするスポーツであるアイスホッケーでは、頻出するパワープレーの時間にしっかりスコアが動きますし、それがゲームの面白さにもつながっています。相手を殴ってスカッとすることと、それによる罰のバランスが取れていて、「輩」スポーツとしてうまく成立している。

1人少ないことがちゃんと罰として機能するようになれば、あんまり退場してもいられんなと抑止効果が生まれ、巡り巡って何試合も出場停止にするような無闇に重い罰を与えなくても済むようにもなると思うのです。よく「輩」が言う、「試合の最初に審判がちゃんとコントロールしないから試合が荒れるんだ」という「輩」ロジックがまさに正解で、普段から厳しくファウルを取ってコントロールしないから競技全体が年中荒れており、その結果として過剰な罰が採用される悪循環に陥っている、そういうことなのではないかと睨んでおる次第です。(※コントロールされないと無限に増長するのが「輩」なので…)

もっと厳しくファウルを取り、もっとカジュアルに罰を与える、それが罰の抑止効果を本来あるべき姿に戻し、「恒久的に1人少ないはほぼ負け」という重圧が生まれることで競技から「輩」感が払拭され、うっかり踏んじゃったという本当のアクシデントに「退場+次戦も出場停止」なんて無闇に重い罰を持ち出すまでもない未来がやってくるのではないかなと思うのです(※当該選手を当該試合から除くだけでも本来は十分重い罰のはず)。もしそういう未来がくれば、もともと「輩」感が乏しく、接触プレーにも弱く、規律だけはやたらある日本には有利に働くのではないか、そんなことも思ったりするのです。「日本、相手がふたり少なくなりました!」「狙い通りですね」「日本は満を持してパワープレーのスペシャルチームを送り出します!」みたいな話で。ちょっと世間の「常識」から離れ過ぎていてあんまり伝わらないんだろうなぁとは思いますが、そんな未来があれば日本優勝の可能性も高まるんじゃないかなと、自己都合など考えながら思うのです。

まぁ、それじゃつまらん、俺たちは「輩」感を大事にしたいんだ、ルールのギリギリ外側でいつも生きていたいんだ、殴り合って最後まで立っていたほうが勝ちなんだ、ということであれば、「上位輩」が介入してきて非道が通ることも「輩」世界観の一部として受け入れるのだろうと思います。それがサッカー有識者の言う「これがサッカーだ。これがイヤならサッカーを見るのに向いてない(キリッ)」ってことなんだと思うので、今こそ自分に向かって「これがサッカーだ」って言えばいいんじゃないかなと思いましたよね。何か、サッカー界隈がやたら「不正だ」って怒ってましたけど、その怒ってる部分こそまさに「これがサッカーだ」って出来事だと思うんですよね。一般視聴者がピュアに怒るのは普通としても、サッカー界隈は「トランプやるねぇ」「サポーターの鑑」「俺も偉くなって電話でサポートしたい」ってなるのかと思ったらそうでもないのが、すごい意外でした。もしかしたら、少しずつサッカー界隈からも「輩」感が払拭されてきているのであれば、それはそれでいいことだなと思います!

↓上位輩の介入も、上位輩を皮肉るのも、どちらもサッカーらしい出来事ですね!

それにしても、「客が文句言って現状変更しようとした」という意味では、サッカーではよくありそうな話なのに何でサッカー界隈から怒られたんでしょうね!

お貴族様がやるのはダメってことなんですかね!

サッカー界隈の匙加減がわかりません!



「退場+次戦も出場停止」がすごい重い罰だと思ってないのはサッカーだけ!

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