スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

サッカー

夏休み最後の国立競技場サッカー観戦は「VS台風」「VS浦和」の2連戦を1勝1分で乗り切ったFC町田ゼルビアの実質勝利だった件。

08:00
台風には勝ちました!

いよいよ夏休み気分の終わりが見えてきた8月31日。僕は国立競技場にいました。こちらで行なわれるJ1リーグ・FC町田ゼルビアVS浦和レッズ戦の観戦に赴いたのです。たまたまではありますが町田さんの国立開催の試合を連続観戦ということで、僕もすっかり町田サポーターかのような誤解を招きそうな雰囲気になってまいりましたが、全然違いますのでご安心ください。

さて、この試合を前に世間は大きな戦いに臨んでいました。ジョギング程度のスピードで九州から日本列島を舐めてまわっているという超大型の台風10号との戦いです。この週末は各地で公共交通機関が運休したり、イベントが中止になったりと「安全寄り」に舵を切った早め早めの判断が下されていました。なるほど、素晴らしい姿勢だと思います。

しかし、世のなかすべてがそっち側の判断をするはずはありません。可能性がある限り勝利を追求する、そんなマインドもあるのです。FC町田ゼルビアさんも「可能性を追求」する側のチームなのでしょう。台風情報が危機感を持って伝えられるなか、町田さんは「明日の試合は開催します」の姿勢を崩しませんでした。あらかじめ時刻を宣言しつつ、半日くらいごとに判断を更新するという発表は観衆の立場としても納得感があるものでした。国立開催の振り替えなどできるはずもないのですから、やれるものならやりたいは関係する全員の総意です。僕もできることならやらせてあげたい…そう思って判断を見守っていたもの。

↓2日間ほど都度判断を発表しながらついに開催当日の朝に開催を最終決定した町田!


さて開催を決定はしたものの、非常に強いと評判の台風10号を向こうにまわして、予定通りそのままというわけにはいきません。すでにこの国立開催のために用意したイベントのいくつかは前日の時点で中止を余儀なくされました。子どもたちが大好きなふわふわする巨大なトランポリンは撤収しましたし、よくあるキックターゲット的なミニゲームは取り止めにしました。残念ですが致し方ないところ。

しかし、それでも、この日のために用意した注力企画の数々は、国立の広い敷地と屋根を活用して、何とかかんとか実施すると町田さんは言うのです。この日のためのグッズ販売は場内で行ない、コロコロコミックさんとコラボしたクイズラリーやフォトスポットは軒下での実施に切り替え、そして、来場者1万人に配布するというプレゼントは駐車場の入り口みたいな通路を活用して配布を行なうのであると。うむ、その心意気は台風にも一歩も後退しない果敢な運営と言っていいでしょう。台風め!来るなら来い!人間の休日を楽しもうとする気持ちは天候になど負けないのだ!僕たちはバーベキューパーティーをやると決めたら当日が鉄砲水でも食べ終わるまで止めない!そんな熱い気持ちを胸に秘めた開催当日の午後、国立競技場に降り立った僕が見た光景は……

↓あれ?意外と晴れてました!
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「おっ、おぅ…」と人々も拍子抜けする空模様。台風どころかまだ雨雲も国立には到達していません。未来の天気を知る術がなければ、何事もなかったかのように予定通りの開催をしていたかもしれないくらいの天気です。何にせよ天気がいいのは結構なことです。イベントなども一通り実施できましたしね。町田VS台風戦は当日までしっかりと天候を見極めた町田さんの粘り勝ちと言っていいでしょう!

↓コロコロクイズラリーはたぶん大盛況でした!
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↓フォトスポットも雨を気にせず撮影できる状況!
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↓今回は着ぐるみのゼルビーくんとも遭遇できました!
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↓サッカーの試合だけどベースボールシャツも元気に配布中!
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↓ちなみにベースボールシャツはこんなヤツです!

これはサッカーが野球に屈したわけじゃなくて、オシャレの一環ですからね!

野球選手が休日はバスケットシューズ履いてるみたいな話です!



ひとしきりイベントを冷やかしてまわると試合開始時刻が近づいてきました。すると、試合開始に合わせるかのように国立上空には雨雲が。ふぅー、何というタイミングでしょう。お客様が国立の屋根の下に移動して試合観戦を始める段まで、雨が待ってくれたのです。「よーし屋根の下に来さえすればあとはどうでもいい」「濡れるのは選手だけだからどうでもいい!」「何ならめちゃめちゃ激しく降ってほしい!」などと観衆のテンションも大いに上がります。

ただ、町田の戦いはここからが本番です。台風という自然との第1ラウンドは乗り越えましたが、国立ではもうひとつの強敵が待ち構えています。この日の対戦相手・浦和レッズです。「客のイメージが悪いチームVSチームのイメージが悪いチーム」のイメージ悪ダービーとなったこの対戦、浦和側は妙に燃えていました。順位争いをするほど勝点は近くないのですが、SNSではこの日のチケットを求める声が当日まで盛んに飛び交い、「ぶっ潰してやる!」的な投稿も噴出しています。台風よりもヤベー対戦相手がやってきたのかもしれません!

↓アーティストがライブ中に「ウチらスタンディング文化だよね」とか言ったら炎上しそうですが、立って応援する意気込みの浦和!
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↓堂々とした台風みたいなバナーで圧力を掛ける!
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↓どっちのホームなんだかわからないような巨大な赤の集団!
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浦和側はスタンディングからの大声で猛烈な攻勢を仕掛けてきます。ゼルビアパーティーナイトなどと言って楽し気な音楽でフェス気分を盛り上げようとしようものなら、その音楽をかき消してやれと爆音の合唱を被せてきます。自分たちの選手紹介には大歓声を上げ、町田側の選手紹介には「人を選びながら」大ブーイングを放ってきます。特に標的に選ばれた町田の昌子源さん・藤尾翔太さん・黒田剛監督は、浦和側理屈で言えば「実力を評価されて大いにリスペクトされている」といったことになるのでしょうか。ここまでブーイングされると逆に気持ちいいかもしれないなとは思いましたよね。

ちなみにこのブーイング、ちゃんと人を選んでやっているというか、状況を見極めて何らかの浦和的理屈のもとでやってはいるようで、「町田側を盛り上げよう」とする動きには猛烈に対抗してきますが、ニュートラルなゲストの登場に関してはある程度の分別もある模様。キックインセレモニーで元乃木坂46の秋元真夏さんが登場したときには、それまで「ブウウウウウウウウ!」くらいだった声量が「ぶぅ」くらいになったのでカワイイなと思いました。ハーフタイムのショーでも「何ぃ!?ハーフタイムショーだとぉ?」とイキり立つポーズは見せつつも、アーティストさんが歌い始めたら静まりましたからね。伊達に長年ブーブーやってないなと思いました!

↓黒田監督へのブーイングは声が非常によく出ていました!
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↓キレイな女性の登場には闘志も緩むのかもしれませんね!ぶぅ!
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そしていよいよ始まった試合。雨はかなり強まり、上空では稲光も見えるなかでの試合ですが、押し気味に進めるのは「水属性」のチームとしておなじみの町田です(※PKの前にボール濡らしたり、タオルで拭くフリして拭かないでフェイントかけたり、相手チームのタオル係と揉めたり)。町田のワイドに構えたサイドが常に空き気味になっており、そこからの個を活かした突破で幾度もチャンスを作ります。前半20分には右サイドの突破からスルッと抜けてきたクロスを藤尾翔太さんが叩き、ゴールに迫る場面も。浦和側は爆音のブーイングで「効いてないぞ」アピールをしますが、惜しい場面が幾度も生まれ、かなり苦しい嚙み合わせとなっている印象です。

しかし、チャンスが多ければ勝てるわけでもないのがサッカー。浦和は前半37分の直接フリーキックの場面で、ゴール前を全部飛ばして大外フリーで待ち構える関根貴大さんのところまで送り、それを関根さんが見事にダイレクトで蹴り込みました。「策を弄するのはお前だけじゃないぞ」という感じのデザインプレーでもぎ取った先制点。前半は浦和の1点リードで折り返すことになりました。

↓見事な浦和の先制点!町田は完全にやられました!
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↓ハーフタイムは町田側の光の演出と浦和側の声の演出でお祭り騒ぎとなりました!
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迎えた後半。町田は怒涛の攻勢に出ます。まず後半開始早々の49分、左サイドからのクロスにオ・セフンさんがヘッドで合わせて同点に。その後も、雨あられと浦和ゴールに襲い掛かり、次々に惜しいシュートを放ちます。後半はひたすら町田の攻撃がつづくような展開です。決定的な場面だけでも3回、4回はあったでしょうか。いつ逆転弾が飛び出してもおかしくない、そんな雰囲気だったのですが……

↓後半42分、DFが瞬間的に棒立ちになったところを浦和のチアゴサンタナさんに決められた!


↓浦和サポーターも大喜びです!
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いやー、この勝ち越しの場面の雰囲気はすごかった。「WE ARE REDS」の大コールで国立の屋根が吹き飛ぶんじゃないかとさえ思いました。どっちが勝ってもどうでもいい立場で見ている僕ですらも、あれだけの大歓声を聴くと特別な気分になります。夏休みの国立開催で今日が初めてのJリーグなんて人も多いだろうことを思うと、「いいものを見た」と感じてもらえるナイスな場面だったのではないでしょうか。僕の近くにいたサラリーマン風の集団もスタメン発表の時点では「ダメだ、今の選手ひとりも知らねぇ」って言っていたのに最後は「レッズすげぇぇぇ!」って叫んでましたからね。

試合決着を察した場内。「町田お疲れ」「試合をできただけでもよかったよ」「遠いから公共交通機関が動いているうちに帰ったほうがいいかも」と、周辺ではポツポツと席を立つ人も見られます。それでも町田は懸命に同点を狙いますが、浦和GKの西川周作さんが好セーブを連発し、どうしてもゴールが奪えません。後半アディショナルタイム3分にはGKも相手陣内に上げての攻勢を掛けますが、逆に浦和のカウンターを喰らう場面も(※追加点を決められたかのように見えるも、別のところでファウルがあってノーゴールに)。幻の3点目が決まったときには僕も席を立とうと思ったのですが、ドラマは最後の最後に待っていました。

浦和の幻の3点目が取り消しになったあとの後半アディショナルタイム8分、表示のアディショナルタイムが7分台ですので、もうこれで終わり、もうこれで決着となるという最後のプレーでそれは起きます。GKからドーンと蹴り込んだボールをヘッドですらしてサイドにつなぐと、折り返しのクロスがポッカリと空いたゴール前に入り、それを町田のエリキさんが蹴り込みました。まさかまさかラストプレーでの同点弾!ちょっと浦和DFは、ボールが流れて外に出ると決めつけるのが早かったかもしれません。内容では9割方町田が勝っていた試合は、9割方浦和の勝利で終わるはずだったところから、最後は同点痛み分けとなり、ホントどっちが勝ってもどうでもいい立場からすると最高に面白いナイスゲームでした!

↓最後までどうなるかわからない、国立開催にふさわしい熱戦でした!



↓48887名の大観衆も大満足だったと思います!
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まぁ、お互いに「勝てた試合だったなー」とは思うんでしょうが!

お互いに「負けなくてよかったー」という試合でもあるので、引き分けなら御の字ですね!



いやー、サッカーのなかでも大変面白い、「当たり」の試合を引かせていただいてとてもいい観戦になりました。浦和の応援はすごいし、町田のイベントは豪華で楽しいし、試合もチャンスがたくさんあって得点もたくさんあって、しかも最後にドラマまでありました。お客の立場としては台風の影響も帰り道がちょっと雨が強かったくらいで特にありませんでしたし、大成功の国立開催だったかなと思います。また機会があればぜひ見られたらいいなと思います。今度はベースボールシャツを全員に配ってくれたら嬉しいですね!


「事前に抽選に応募して当選者に配布」はイメージできてませんでした!

パリ五輪なでしこJAPANと無敵艦隊スペインとの世界一決着戦は、でかい・速い・強い・上手いのスペインが普通に世界一だった件。

07:00
でかい!速い!強い!上手い!

いきなりやってきた大勝負。パリ五輪開幕に先立ちスタートしたサッカー女子の競技で、日本のなでしこJAPANが初戦に臨みました。対戦相手は昨年のワールドカップを制し、現在世界のなかで圧倒的な強さを見せるスペイン。「無敵艦隊」の呼び名が煽りではなくリアルに通じる世界女王です。

しかし、日本も負ける気などありません。いやむしろ「勝っている」気持ちです。昨年のワールドカップでスペインに唯一の黒星、それも4-0という大勝での勝利を挙げたのがほかならぬ日本です。言うならこれは真の世界一決着戦。お互いにお互いを倒さずにはいられないという因縁の顔合わせです。

↓日本のスタメンは「スペインを倒した」精鋭と10代の若者とが融合!


↓熊谷キャプテンは「怖気づくような子はいない」「のびのびやってほしい」と若者の成長に手応えを感じている様子!




会場となるスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワールは1998年フランスワールドカップで日本代表がクロアチア代表と戦った思い出の地。26年前に流した悔し涙が時を超えてなでしこの後押しをしてくれるのではないか、そんな巡り合わせも感じます。スタンドの観衆はやや日本側が優勢か。能登半島からやってきたと思しき子どもたちの姿も勝利への意志を一層強めてくれるでしょう。

凛として入場してきたなでしこたち。国歌斉唱では男子の試合につづいてカメラワークがいまひとつで、日本のスタメンをしっかり舐めることができません。君が代を歌い終えたあと、長谷川唯さんが少し目元を拭ったように見えたのですが、それが涙なのか汗なのか確かめられなかったのは惜しまれます。

そして始まった試合。ボールを持って攻勢に出るのはスペイン。中盤で攻撃のタクトを振るうアイタナ・ボンマティさんとアレクシア・プデジャスさんのバロンドールコンビや、中央で構えて日本の守備に常に恐怖を与えるサルマ・パラリュエロさんは「個」としての強烈な迫力を放っています。日本はある程度押し込まれることは覚悟のうえで、4-4-2の形でよく整えられた守備ブロックから、なるべく高い位置でボールを奪ってカウンターにいきたい狙いです。

序盤は日本選手の動きも元気いっぱいで相手にしつこくアタックをかけられています。それが功を奏して前半2分には高い位置で奪ったところから裏に抜け出した藤野あおばさんがGKと1対1でシュートを放つ大チャンスも。しかし、ここはGKに防がれて得点ならず。うーん、どことなく1998年ワールドカップでの中山雅史さんの決定機を思い出すような場面でした。

そして迎えた前半11分。日本はDFラインから長いボールを裏に送ると、スペインのGKが飛び出してきてヘッドでクリアしようとしますが、これが後ろに浮いてしまいます。そこに詰める日本の選手たち。田中美南さんが先に落下点に入り、「GKが飛び出して無人のゴールに流し込めば先制点」という場面を作りかけますが、ここは後ろから倒されてゴールはならず。

ひとつ惜しい場面を逃したあとのフリーキック。日本は長谷川唯さんと藤野あおばさん、ふたりの名手がボールのそばに立ちます。ボールをセットしたのは藤野さん。おそらく蹴るのは藤野さんですが、長谷川さんが最後まで集中するポーズを作り「私が蹴ります」の煙幕をモクモクと立ち込めさせます。そしてその煙幕のなか藤野さんが蹴ったボールは、壁の外から鋭く曲げてゴールの隅へ!スペインGKも手には当てますがとても弾き返せる強さではありません。スーパーゴールで日本先制!

↓スペインの背筋を「また日本かよ…」と凍らせる衝撃弾!



これで火が点いたのはスペイン。地力十分、時間も十分。1点では焦ったり慌てたりはしてくれません。むしろ圧力を強めて日本のゴールに迫ってきます。スペインはひとりひとりのサイズも大きく、懐が深い。足を伸ばしても届きませんし、身体を押しても崩れません。さらに全員のボールまわしが正確無比で、まるでゲームのように狙った場所に狙った球質でボールが送られます。ちょっとズレてくれれば刈り取れるのですが、どうしても取れない場所に送られてしまいます。

それでも日本は二度・三度とアタックする覚悟を持って、何度かわされても次の選手がカバーし、またポジションを直しては再アタックをします。しかし、どうしても取れない。どうにもこうにも取れない。前半22分には日本の守備が個で剥がされたところから、最後は抜け出したボンマティさんに決められてしまいました。日本のGK山下さんも手には当てたものの惜しくも止められず、同点に。

その後もスペインの攻勢に押し込まれる日本。押し込みながらもバランスを崩すわけでもなく、ひたすら大きくて速くて強くて上手い押し込まれ方なので、ちょっとボールを取り返してもスペイン側に大きな崩れはなく、すぐさま追い込まれるor苦しくて日本がボールを蹴ってしまうという格好に。何とかボールを失わずにつなごうと、リスクを覚悟でGKからしっかりつなぐことで相手を剥がそうと試みるも、つないでいる間にピンチになることも多く、いかにも苦しい。

結局、前半はその後日本の目立ったチャンスもなく1-1で終了。前半40分にはエリア内でシュートを撃たれ、からくもGK山下さんが足でセーブするという危ない場面もありました。これだけ押し込まれて同点なら上々とも言えますし、後半どうしていこうかと少し思案する感じも。ハーフタイムでの戦術変更が注目される折り返しとなりました。

↓さて、ここからどうするか、後半に期待です!


迎えた後半、日本は少し守備の形を変えてきました。前半は中央のセンターバック2枚がパラリュエロさんを怖くて放すことができず、結果として常に両サイドが孤立する格好になっていました。そこを補うべく中盤からひとり最終ラインに落として、守備時は5-4-1の形に変更してきました。

これで最終ラインは埋めたものの、とは言え横幅60メートル以上あるサッカー場です。5バックでも選手の間は均等割りで10メートルほどはあるわけで、人間が通れないはずがありません。スペインは正確な技術と的確な動きで、日本がラインを埋めたことをさして苦にもしていない様子。むしろ、日本は相手最終ラインへのプレッシャーは基本的にかけられない形となったことで、中盤まではほぼフリーパスで抜けられてしまいます。これで前半以上のワンサイドゲームとなり、日本は自陣から出ることさえ苦労するように。ときおり田中美南さんが身体を張って相手をブロックし、ボールキープを見せますが、そこから次につなげるのがまた難しい。

後半7分にはゴール目の前からシュートを撃たれるも、倒れていた南萌華さんにたまたま当たってピンチを逃れる場面が。後半13分にはこぼれ球に反応したボンマティさんにエリア内でシュートを撃たれる場面が。後半17分にはクロスを蹴る前にゴールラインを割ったはずなのに主審がプレーを止めず、ゴール前で混乱が起きてヒヤッとする場面も。日本もよく耐えていますが、ちょっと反撃の糸口が見えません。

そうこうするうちにアクシデントが。後半21分、日本の清水梨紗さんが守備時に足を滑らせ、その際にヒザを痛めてしまった模様。清水さんはピッチに倒れて動けず、すぐにベンチにダメだというサインを送っています。しかもその際、日本はボールを蹴り出し、清水さんがまだピッチ内に倒れているというのに主審はスローインで試合を再開させたのです。先ほども副審の旗が見えていなかったようですし、ちょっと視野の狭い主審かもしれません。

これで日本は交代を余儀なくされ、高橋はなさんを投入し、最終ラインの配置も変えることに。それが影響したということではありませんが、ついに望まない形で試合が動いてしまいます。後半29分、日本の右サイドでフリーになったマリオナ・カルデンティさんが味方にボールを預けたあとするするとエリア内を横切り、日本が捕まえ切れずにいる間にボールを受けてシュート!これが決まってスペインが逆転します。

その後はスペインも少し試合を落ち着かせ、日本が前掛かりになったことでやや日本が押し返しますが、「前に進めない」という状況は大きく変わらず。アディショナルタイムに入ってカウンターのチャンスになりかけた場面も主審にボールが当たるという不運(※この日2回目/視野が狭い)があって、同点弾にはつなげられません。ワールドカップの再現といかず、なでしこJAPANは1-2で初戦を落としました。

↓自分が当たってちょっとロスしたのに、最後の攻撃をやり切らせてくれないなんて!そりゃ解説の矢野さんも一言言いますわな!

アンフェアというわけではないもののストレスフルな主審でした!

それを差し引いてもスペインは強かったので結果はしょうがないですね!



いやー、お強い。マジでお強い。これはちょっとどうやったらいいかわからないくらいスペインはお強かった。この負けはしょうがないかなと思います。ただ、それでも1-2。負けのなかでは最善と言えるスコアですし、ワールドカップの再現じゃありませんが、今度はここから日本が全部勝っていく展開というのもない話ではありません。

次戦はブラジル、女子サッカー界のレジェンドであるマルタさんはこれが最後の国際舞台だと言いますので、しっかりと勝って日本が新たな時代の旗手となりたいところ。金メダルを目指してここに来たのですから、スペインだろうがブラジルだろうがどこかで勝つつもりなのは変わりません。負けは許されないブラジル戦、勝って先へと進んでもらいましょう!

↓敗戦の直後ですが「落ち込んでいるヒマはない」とすでに気持ちを切り替えている熊谷キャプテン!

負けた場合の想定も含めてイイ準備をしてきたようですね!

グループステージは3戦で2勝すれば十分です!


決勝でやるときは疲労でグッタリしているスペインを日本が倒す展開に期待!

パリ五輪(みたいなもの)開幕!サッカー男子日本代表が日本選手団の初勝利を5-0大圧勝で飾り、メダルがクッキリ見えてきた件。

04:49
パリ五輪(みたいなもの)開幕です!

さぁ、ついに始まりましたパリ五輪。いつもより体感としては1年くらい五輪が来るのが早い気がしますが、世界の祝祭の前では記憶もおぼろげになって当然です。世界的名所揃いのパリの街並み、美しいはずのセーヌ川、天高くそびえるエッフェル塔、歴史と文化のなかで刻まれる新たな記憶。これから迎える素晴らしい17日間に期待したいものです。

日本時間の24日深夜から25日未明にかけては、開幕に先行して一部競技(サッカー男子、7人制ラグビー男子)が試合を開始しました。これはまったくけしからんことです。オリンピックの憲法と言える五輪憲章の規則32付属細則にはこのような記載があります。「オリンピック競技大会の競技実施期間は16日間を超えてはならない」と。本来であれば「26日の開会式+16日間の競技実施期間」で合計17日間のパリ五輪となるべきところなのです。しかし、「これと異なる期間を承認した場合は、その限りではない」という前半の文章がまったく意味ナシとなる無茶苦茶なルールによって、16日間ではおさまらない日程でもやっちゃっていいことにしているのです。くー、これが常時ルール変更闘争を繰り広げる欧州のやり方か。この柔軟さ、日本も少し見習っていきたいものです。

この本来ならルール外の実施期間に、すべての競技種目に先立って我らが日本代表も登場しました。先陣を切ったのはサッカー男子日本代表と7人制ラグビー男子日本代表。7人制ラグビー日本代表は初戦からラグビー界の盟主・ニュージーランドさまを引き当てるという誉れに恵まれ、日本選手団に最初の黒星を刻みました。奮闘実らず12-40で敗れたこの試合から始まる17日間+2日の大冒険。素晴らしい喜びと感動に満たされた、黄金の夏になるよう祈りたいと思います。

↓今大会はテレビ&TVerでほぼ全試合全種目がカバーされるそうですので、ご活用ください!



そして、大きな期待を背負って登場したのがサッカー男子日本代表。今大会はオーバーエイジの選出はせず、才気あふれる23歳以下の年代での出場です。直前にはDF半田陸さんが怪我のため代表を離脱するというアクシデントもありましたが、すぐさま鈴木海音さんを登録するなど対応にも抜かりはありません。スタメンにはU23アジアカップ(兼アジア予選)優勝の際にも大活躍を見せたGK小久保玲央ブライアンさんや、正確なパスで得点機を生み出すキャプテン藤田譲瑠チマさん、この年代のエースストライカー・細谷真大さんなど自慢の選手たちを並べました。

迎える相手は南米予選を1位で突破してきたパラグアイ。メンバーを見れば三笘薫さんのチームメイトであるフリオ・エンシソさんなども含まれており、相手にとって不足はありません。2004年アテネ五輪では小野伸二さんを中心とした日本代表が3-4で敗れ(※パラグアイは銀メダル獲得)、その後の2010年にはワールドカップのベスト16でもやはり日本が敗れた「ここぞで負ける」因縁の相手。今度は気持ちよく勝って、日本選手団最初の白星を刻みたいところです。

↓未来を担う日本の若き選手たち、悲願のメダルを目指して突き進め!


ワインみたいな名前のヌーヴォ・スタッド・ド・ボルドーに登場した日本代表は引き締まった表情をしています。色とりどりの椅子でビッシリと埋まったスタンドは5万大観衆が居並ぶかのような荘厳さを讃え、これから始まる熱戦の期待感に満ちています。流れる君が代。選手全員をスーッと映せばいいのに途中で止まったり戻ったりする謎のカメラワーク。笑顔で握手する両監督。見守る僕も緊張感で身震いしてきます。

そして迎えたキックオフ。日本はおなじみの4-3-3の布陣、パラグアイはどのシステムで来るかという部分も気になるところでしたが4バックを選択してきたようです。立ち上がりからゴール前を行き来してシュートが生まれるなど静かななかにも積極性が見られる入りで、早速の前半5分には日本がコーナーキックからすらしたヘッドでパラグアイGKをヒヤッとさせる場面も作りました。それと並行して味方のバックパスに日本のGK小久保ブライアンさんがちょっと慌てる場面などもあり、緊張感も垣間見える立ち上がりです。

試合が動いたのは前半19分、日本が左サイドを深くえぐったところからマイナスの折り返しを送ると、エリア内で受けた三戸舜介さんがしっかり態勢を整えてから右足でニアサイドを突き刺しました。出色だったのはそのゴールの際に、ブロックに行けそうなパラグアイの選手を細谷真大さんが身体でブロックして潰していたこと。まるでバスケットボールのスクリーンプレーのように味方を活かす影のアシストでした。

↓日本先制!細谷さんのアシストでフリーの時間が生まれた!

このスクリーンはやられたら腹立つでしょうな!

前に行きたいのに行かせてくれないし、押して倒すわけにもいかないし!



これでもともと高かったパラグアイのテンションは熱過ぎる方向にいってしまったか。直後の前半22分には、平河悠さんがアフターで突っ込んできた相手に右足を踏まれて倒れ込む場面が(※平河さんはその後前半33分で負傷交代)。スローで見れば右足首が踏まれてグニャリと曲がるかなり悪質なプレーで、当然ながらVARによってレッドカードと判定され、パラグアイは前半25分で10人となりました。1点リードで1人多い、これは日本としてはリスクは取らずに確実に仕留められそうな理想的試合展開となってきました。

↓ビデオで見れば大体退場!ルールを破る者は厳罰を喰らうべし!


その後、日本は攻勢強めるも「どうしても追加点を」というところまでは見せず、落ち着いた試合運び。前半の終わり際には、GKの小久保玲央ブライアンさんが大きなブーイングを浴びながら「ボールを蹴りそうで…蹴らない!」「拾いそうで…拾わない!」「投げそうで…投げない!」というハートの強いボールキープも見せ、主審から怒りの注意もいただきました。さらにはベンチから飛び出してパラグアイの荒っぽいプレーに怒りを見せた大岩監督も注意をいただくなど、プレーはパラグアイが荒いのに何故か主審は日本ばかりを注意するという謎展開のなか前半終了。まずは1-0で折り返しました。

迎えた後半、パラグアイは少し前に人数をかけて反撃を狙う構え。一方、守備の布陣としては前半と同じ4バックのままのようで、1人少ないなかでピッチの幅をはたして守り切れるのかどうか。最初の10分ほどは日本ゴールへのパラグアイの圧力も強く、後半10分過ぎにはサイドネットを揺らす場面も作られますが、反撃もそこまで。やはりひとたび日本がボールを持てば取り返すのにも苦心するようで、じょじょにパラグアイの勢いは失われていきます。

そして日本が試合を決定づけたのは後半18分。日本は波状攻撃でパラグアイゴールを脅かす流れから、左サイドでボールを持った斉藤光毅さんがエリア内のドリブルでさらにサイドを深くえぐり、最後は中央フリーで待つ三戸さんにクロスを送ります。誰も詰めてこない空白の数秒、三戸さんは確実にゴールに入れる美しいヘッドでこの日2点目。枠に入れさえすればいいという美味しい場面、しっかりいただきました!

↓パリ五輪に愛された男・三戸舜介さん!味方のお膳立てが完璧です!


この2点目で明らかにパラグアイは意気消沈し、ガクッと気迫も動きも規律も落ちました。後半24分には山本理仁さんの見事なミドルが決まって3点目。後半36分にはセットプレーから藤尾翔太さんの力強いヘッドで4点目。得点になったもの以外にも挙げればキリがないほど得点のチャンスが生まれ、「決まりさえすればビューティフルゴールだった」という場面が連続してつづきます。

日本は選手交代もしっかり行なって「五輪」の雰囲気を多くの選手に体験させるなど、勝利以外の目的も完璧に遂行しました。あまりに余裕があり過ぎてノッソリしたバックパスを相手FWにさらわれてGKと1対1なんてうっかりピンチもあったりはしましたが、それすらもGK小久保さんが相手の進めるコースを限定しながらサイドに追い込み、最後はキッチリ身体で防いで失点を許しません。

そしてトドメは後半42分、完全に規律を失ったパラグアイのDFラインの裏に藤尾翔太さんが抜け出し、しっかりと決めてチーム5点目。得失点差もこれ以上ないほどに稼ぎ出し、楽勝オブ楽勝、圧倒オブ圧倒の初戦となりました。日本5-0勝利で、幸先のいいスタートです!

↓藤尾さんはこの日2点目!町田から世界に羽ばたけ!



オーバーエイジの不在や直前の怪我人発生など不安も残るなかでの大会入りでしたが、南米予選1位を相手にこの圧倒ぶりであれば、もう何の不安もありません。申し訳ないですが11人対11人でも日本が楽勝だったのでは?と思うほど、個々のクオリティとチームとしての完成度に差を感じる試合ぶりでした。もしかしたら日本、相当強いかもしれません。公言する金メダルの目標にも可能性を感じます。メダルがクッキリと見える最高の初戦、相手が1人少ないことが「強さを隠すいい煙幕になったな」くらいの大圧勝でした!



パリ五輪日本選手団初勝利!眠れない17日間+2日を楽しみましょう!

話題のチーム・J1リーグFC町田ゼルビアの国立競技場開催試合を観戦し、「勝利から逆算された思考と実践」が少し理解できた件。

08:00
水かけPKじゃなく普通のPKを見ました!

本日はお出掛けの記録です。パリ五輪開幕を控え、「ここから3週間くらい出掛ける日がないなぁ」という思いから気楽なスポーツ観戦(※勝ち負けにやきもきしない系)に行ってまいりました。向かったのはみんなの国立競技場。今季J1リーグの首位を快走し、大学生とも真剣に試合をしたり真剣にアドバイスを送ったりするなど(※負けたからムカついて非難したみたいには取られない表現にしておきました)、いろんな意味で話題になっているあのチーム、FC町田ゼルビアの試合を見てきたのです。

国立競技場は折からの暑さもあって人の出足は控えめな感じ。満員ではなさそうだな、という手応えを感じながらノンビリと散策してまわります。まずは記念撮影などしようと思いましたところ、「国立競技場」の看板の前にゼルビアのマスコット・ゼルビーの立像が置いてあります。ほほぉ、この横に立って撮影したらいい思い出になりそうじゃないですか。まぁ、僕は自分の写真は残さないので像だけ撮ったわけですが…

↓ちょっと待てぇぇぇ!立像を熱写していたけど、奥に着ぐるみがいるではないか!
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着ぐるみを撮らずに置物を撮ってしまった…!

少しゼーとかビーとか声出してくれや!



気合の入ったフードの売店やここぞとばかりにグッズを販売するグッズの売店、子どもたちがキックターゲットやスピードガンコンテストで楽しむコーナーなど定番のブースが多数並んでいる場外。会場の一角にはなかに入ってトランポリンをして遊べる巨大なふわふわマスコットも設置されていました。町田から東京にやってきた子どもたち(?)も大変楽しそうに遊んでいます。

さらに場外を巡っていくと「Make a Great Machida Again」的なメッセージが書かれた大型のバナーが掲出されておりなかなか壮観です。よくよく見れば場外の柱に選手・スタッフの顔写真が1枚ずつ貼られており、国立が町田色に染まっているではありませんか。推しの選手を探して会場を一周するなんてのも楽しそうです。国立だから気合が入った運営なのか、サイバーエージェントさん(※私、サイバーエージェントの株主様をやっております)の仕切りだからエンタメ感が高いのかはよくわかりませんでしたがお楽しみ要素充実の演出ぶりです。

↓大きなバナーが貼ってありました!
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↓後ろに誰も通行人がいない場所を探していたらココでした!
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一周したあとは特に買い物などはせずササッと入場口へ向かいます。事前の下調べではチケットを読み込んだときの専用端末から流れる音がピコ太郎バージョンになっていると聞いていたのですが、いざ入場してみると…入場ゲートってほら…手荷物検査とかでガサゴソしてるし…後ろが詰まってるので急いで通過する感じだし…まぁぶっちゃけ聞こえなかったですかね…。やっぱり、どの運営さんも使わない国立の入場ゲート(※入場ゲートに改札の機械が用意されているのだが、どの運営さんもその機械を使わない運営をする)で映像でも出す感じにしてもらわないと気づかないかもしれないですね。ピコ太郎さんなんで、「ピ」の時点で視線は切るかもしれませんが…。

↓入場時にマッチデープログラムをいただきました!ほかは特にありませんでした!
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↓町田の哲学を貫くそうです!
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座席につきますと会場は6割ほどの入り。上層階はまばらな感じですが、低層階には多くの観衆が詰め掛けています。青と黒で染まったスタジアムは見栄えもよく、これから始まる試合への期待も高まります。しばし大型ビジョンなどを眺めておりますと、どうやら町田さんは一家言あるタイプのようで、次々に名言みたいなものが表示されてきます。「ほほぉ…アパホテルのアメニティみたいな感じだな…」と思って眺めていると、名言バリエーションはかなりある模様。町田の哲学、しっかりと傾聴してまいろうではありませんか。

↓谷晃生さんの哲学は「ゼロへのこだわりを持つ」です!
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↓昌子源さんの哲学は「勝つための逆算をする」です!
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↓黒田監督の哲学は「勝利から逆算された思考と実践」です!
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↓ちなみにアパホテルのアメニティはこんな感じです!
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キーワードは逆算のようですね!

「X×ゼロ=勝利」となるXを逆算で求めよ!



熱烈なスポンサー紹介などを見守っておりますと、どうやらこの日は国立開催らしくイベントデーだそうで、スポンサーのavexさんのアーティストさんが多数協力してくれるとのこと。何と試合前には、あのDa-iCEさんが登場してスペシャルライブをやってくださるというではありませんか。「若者の憧れa-nationを思い出すのぉ」などと平成老人風を吹かせて見守りますと、Da-iCEさんは大ヒット曲「スターマイン」を披露してくれました。

選手入場後にはコチラもavexさんから俳優の山谷花純さんが登場してキックインセレモニーをしてくださるとのこと。会場の案内がノンビリ構えていたのと、山谷さんが爆速でキックインをしちゃうという奇跡のマッチングによって、「キックインです!」的な紹介をしたときには山谷さんはすでにボールを蹴り終わって帰りかけているという珍しい形に。僕は山谷さんがどこにいるのか見つけられず、ようやく把握したときには後ろ姿を見るばかりでした。また機会があれば、今度はゆっくり溜めて蹴ってもらえると嬉しいなと思いました。

↓Da-iCEさんの「四の五の言うなよロクデモナイ」を聴きました!
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↓花火もあがって夏祭りの気分です!
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↓山谷花純さん、キックインありがとうございました!
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そして始まった試合。町田のほうは先日海外移籍した平河悠さんや、平河さんとともにパリ五輪代表に選出された藤尾翔太さんが不在ということで、前半戦を席巻したチームとは少し様相も異なる感じ。対戦相手の横浜F・マリノスもキューウェル監督が解任されてハッチンソン暫定監督が指揮を執るということで、どちらにどう転ぶかわからない感じの顔合わせです。

すると、ややマリノスが押し気味に進めていた前半30分、町田は相手のシュートをエリア内で手で弾いてしまい、PKを与えてしまいます。この展開には僕も「おっ」と腰が上がります。昨今、町田は「自分のPKのときにボールに水をかける」という謎行為で話題になっているのです。触ったときに滑るようにするためなのか、ボールを重くする効果でもあるのか、はたまた願掛けなのか洗浄なのか、効果はよくわかりませんがとにかくPKのとき水をかけているのです(※本人的には滑りをよくする意図だとのこと)。

「これはマリノス側も水でもかけるかな?」と注目していたのですが、特にそういった動きはなく普通に蹴る模様。「せっかくなら水掛け論でも始めてほしかった」と少し寂しく思う僕ですが、ここでPKを蹴るアンデルソン・ロペスさんは「嫌がらせに水など必要ない」とばかりに、助走の段階でギッコンバッタン相手GKのリズムを崩す動きを何度も繰り出し、最終的には相手GKの重心を崩してから冷静に逆方向に蹴り込んで見せました。うーん、水入らず!

↓パリ五輪でも水かけPKやってみてください!世界の反応を見て態度を決めます!
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リードしたマリノスはさらに前半43分、左サイドから突破すると相手DFラインとGKの間に低くて速いクロスを送ります。町田DFはちょっとお見合いなのかコミュニケーションの問題かこのクロスを見送ってしまうと、反対サイドまでボールが抜けていき、ここに詰めたマリノスの天野純さんに押し込まれてしまいます。ちょっともったいない失点でした。前半終えて0-2と町田は苦しい展開です。

↓マリノス2点目!勝利から逆算すると町田は3点が必要です!
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ハーフタイムには再びavexさんのアーティストさんたちが協力して、たくさんの応援コメントビデオを送ってくれました。「今日は行けないのですが…」「今日は遠方からですが…」「先日は行ったんですけど…」などなど現地に駆け付けたかったという熱い想いがあふれる心のこもったメッセージばかりで、これには町田サポーターも大興奮していたようです。ピコ太郎さん、SUPER☆GiRLSさん、僕が見たかった青空さん、生見愛瑠さん、本当にありがとうございました!

やがて、場内にはけたたましいラッパの音が。どうやらマスコットのゼルビーが後半開始に向けてラッパの演奏をしているようです。上空には黒い雲が広がり、激しい雷鳴がとどろき、強い雨が降り注いでいますがそんなことでサッカーに燃える熱い心は消えません。「もうボールに水かける必要ないな」「この雨でいつでもビチャビチャだ」「ラッパに雷落ちそうだから持たなくていいのでは」などと観衆も大盛り上がりのなかで後半戦スタートです!

↓PK水掛け論をうやむやにする天然の水!
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↓大雨のなか、僕が見たかった青空さんから応援コメントをいただきました!
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↓ゼルビー、魂のラッパ演奏です!
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後半に入ると町田も逆算3点を狙って懸命に攻めます。さすが最短距離でゴールを狙うという哲学だけあって、前への推進力が強く、一気にゴールへと向かう攻撃は魅力的。後半8分にはバスケスさんが左足で惜しいシュートを放ったほか、ドリブルで切り崩してゴールに向かう場面を幾度も作ります。相手陣内深くでスローインを得た際には、雨で濡れたボールをタオルでしっかり拭いてから投げ込むなど冷静さも見せる町田。国立開催に何とか勝利で花を添えようと懸命の攻撃がつづきます。

しかし、マリノスも暫定監督の采配でこの攻勢を跳ね返していきます。飲水タイムをきっかけに選手交代のカードを繰り出すと、左サイドに構えた宮市亮さんの走りやドリブルでサイドの攻防を押し返していきます。お互いに決め手を欠くまま時間は経過していき、気づけば残り10分を切るような時間帯に。するとここで最後にひとつ大きな盛り上がりが。

迎えた後半40分、町田は左サイドのスローインから「タオルでしっかりボールを拭きます」風の動きで相手守備を油断させたのち、実際はボールを拭かずに素早く投げ入れ、受けた選手がゴールに向けて素早くクロスを送ると、これをミッチェル・デュークさんが薄く当てて押し込みました。なるほど、これが「町田らしいゴール」なんでしょうね。「勝利から逆算された思考と実践」を感じました。理解理解。「なるほどー」と思いました。

その後、アディショナルタイム含めて残り10分ほどは勝負の行方がわからない大盛り上がりの攻防となりました。観衆もクラブ史上最多の46401名だったそうで、町田的には敗れこそしたもののいい国立開催試合となったのではないでしょうか。僕も大いに楽しませていただきました!

↓僕が行かなければキリの悪い「1」が消えてキレイな数字になったのだろうか…?
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↓試合後はどちらが勝者でどちらが敗者かわからないほど出し尽くしました!
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↓もうちょっとで同点まではあったかもですね!



何かと話題(!)の町田の試合でしたが、チームはとてもたくましくしたたか(!)で、イベントも盛りだくさんで、楽しい試合観戦となりました。ビジョンで出てくるちょっとした映像とかもこじゃれていい感じですし、サポーターの歌っているチャントの歌詞がビジョンで表示されたりするのも新規のお客さんを巻き込んでいこうとする姿勢が見受けられて好印象。東京から町田への遠征は簡単なことではありませんが、近くで試合が開催される機会があればまた拝見できればと思いました!また国立に来てくださいね!

↓歌詞カード出してくれるのはいいですね!
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↓帰り道では花火も見られて大満足のお出掛けでした!
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さぁ、週末はもうパリ五輪!

国立からフランスへ熱気が届きますように!


サイバーエージェントの株主様にはチケット送るようにしてください!

20年ぶりの広島開催に沸くサッカー日本代表のW杯アジア2次予選は夢のKDMスタメン共存により史上初の無失点全勝を達成の巻。

08:00
K・D・M!K・D・M!

昨晩は「きっと勝つだろう」と思って心地よく見守れるホッコリ試合、サッカーワールドカップアジア2次予選の日本VSシリア戦を見ておりました。スマホには並行して行なわれている「どうせ負けるんだろうな」のギスギス試合であるプロ野球埼玉西武ライオンズの試合も映っておりましたが、50:950の割合で心はサッカーに集中していました。

何故かと言えば、この試合のスタメンにはあの「KDM」が揃い踏みしていたからです。久保建英さんのK、堂安律さんのD、南野拓実さんのM、この3人が日本代表戦で3人同時にスタメン出場するのは何と初めてのことだと言うのです。「そ、そうなんだ」「3人並べろなんて誰か言ってたっけ?」「DAI語かと思った」など期待の声で日本は沸き返っていました。これは西武の試合など見ている場合ではありません!

↓KDMが初のスタメン共存!よくわからないけれど見逃せない!


ワールドカップ開幕を2年後に控えたこの日。すでに2次予選突破は決定していますが、この試合にはKDMをはじめとして遠藤航さんや冨安健洋さんをも含めた「ベストメンバー」と言える強力布陣が集いました。いよいよ森保監督も本気を見せてきたなと唸るしかない顔ぶれ。会場となる広島県はエディオンピースウイング広島には、その本気に呼応するかのように大観衆が詰め掛け、20年ぶりの日本代表戦広島開催を盛大に祝っています。放送席には小野伸二さん&松井大輔さんの豪華解説陣、スタンドには募金活動のために駒野友一さんも駆けつけてくれました。まさに「日本集結」といった様相。もはやこれはアジア2次予選などではなく、世界の0次予選とでも言うべき試合です。

大歓声のなかで始まった試合。日本はまずは3バックの布陣で臨みます。攻撃時にはセンターバックの両翼である冨安健洋さんと町田浩樹さんも積極的な上がりで攻撃に加わっており、かなり攻撃を意識したシステムである模様。美しい連携とボール回しが小気味よく、シリアはボールに触れることもできない時間がつづきます。開始5分で早くも「今日は勝つな」と確信できるくらいに日本の動きは冴えています。

そんななか中継側もこの歴史的な試合を盛り上げねばならないと使命に燃えていました。前半6分過ぎ、突如として画面右上隅に表示された「初のスタメン共存!久保・堂安・南野 #KDM」の字幕。あまりに突如のことだったのでしばし呆然としてしまいましたが、どうやらこのハッシュタグで歴史的なスタメンについて熱く語ってくれ、というメディアからの提案であるようです。もしかしたら事前にインフルエンサーにお金配って「タイミング見て#KDM使ってくださいね」くらいの盛り上げ施策も裏で走っていたかもしれませんが、ウチにはその提案は来なかったので自主的に使うことにしました。

↓日本がKDMを待ち望んでいた!SNSでは#KDMが小流行!

「ついに#KDMを使うときが来たか」
「あぁ、待望の#KDMだ」
「NMDトリオ以来の夢、だな」
「死ぬまでに#KMDを見られてよかった」
「この三本の矢は世界を貫く」
「世界よ#DKMに震えるがいい」
「KDM!KDM!」
「DMM!DMM!」
「TDK!TDK!」
「TKG!TKG!」
「KDDI!KDDI!」

ハッシュタグで検索してはいけないぞ!

知らないボードゲーム「キングダムデス:モンスター」とかが多めに出てくるから!



KDMの躍動のもと試合が動いたのは前半13分。Kがプレッシャーを掛けたところからチームの連動でボールを奪うと、ボールを受けたMが中盤から持ち上がり、左サイドに展開。そして、中村敬斗さんのクロスから最後に飛び込んだのは上田綺世さん!ゴール前を制圧する高い打点のヘッドは、クロスバーを叩いてシリアゴールへ。この流れで得点者がKでもDでもMでもないことには若干スッキリしない感じもありますが、日本早くも先制です!

↓ゴールを決めたUにDとKが駆け寄り笑顔の抱擁!

この流れなら言える!Iは元気かな!

Iはワールドカップに間に合わないかもですね!

解決まで時間掛かりそうだし!


勝たなければ予選突破が厳しくなるシリアは先制を許したことで前掛かりになってきますが、むしろこれは日本にとって追加点のチャンスか。素早い展開から左サイド中村敬斗さんまでつなぐと、相手は止めることができずにズルズル後退してはチャンスになることの連続。このベストメンバーにおいてほんのり寂しさを覚える三笘薫さんの不在すらも、埋め合わせて余りある躍動ぶりです。

そして迎えた前半19分。相手の攻撃を跳ね返したところからKがドリブルでカウンター気味に持ち上がると、右サイドに開いたDへ!Dは左足に持ち替えると鋭く振り抜いてゴールネットにズドン。左から右から攻撃を繰り出す日本の前に、シリアはなす術もありません。

↓申し遅れましたがDさんご結婚おめでとうございます!


↓その直後の前半22分にはKのパスを相手が自ゴールに蹴り入れて日本3点目!これは実質Kのゴール!


野球並みに得点が生まれる景気のいい試合に、心が荒んだ埼玉西武ライオンズファンあたりも「サッカー見よう」「コッチのほうが気分いい」「西武なんてこの1週間で6点しか取ってないぞ」とチャンネル移動で集まってきたことでしょう。その後も美しくて鋭い攻撃を連発する日本は、前半28分には上田さんがエリア内のターンで相手を剥がしての強烈なシュートを放てば、前半32分には左サイド中村さんからMへつないでの鋭いシュートと、美しくて惜しい攻撃を連発。さすがに追加点までは生まれませんでしたが、日本はしっかりと試合を進めて前半を3-0で折り返しました。もはやあとはMが得点を決めるだけ、という完璧な前半でした。

ハーフタイムには槙野智章さんがナレーションをつとめる映画「ツイスターズ」の特別CM映像を流す余裕もある日本。「この夏、巨大竜巻と人類の熱いバトルが開幕します!」「圧倒されるデカさ!」「竜巻に挑む人類の姿には大興奮しっぱなしでした!」などのメッセージで大作パニック映画をB級コント映画みたいに見せてくる槙野さんはさすがの一言です。最終的に「絶対に負けられない戦い開幕!」の字幕が出た段階には、僕も「面白そう!」と思いましたよね。ゲラゲラ笑って夏の熱さを吹き飛ばしましょう!

↓「んなアホな」「無茶やでぇ」「逃げればいいのでは?」みたいなツッコミが冴えそうな映画だと思います!


ダメだって!槙野さんの読ませたら全部面白そうにしちゃうんだから!

竜巻チェイサータイラーとか完全にコントの顔だし!



迎えた後半、日本は前半だけで満足するチームではありませんでした。このあたりが「世界の0次予選」という意識でしょうか、前半大活躍の中村さんはお役御免として、システムを4バックに変更してきたのです。システム的に相手と噛み合う布陣になったことで前半ほど鮮やかな突破というのは少なくなりますが、それでこそ実戦でトライする価値があるというもの。ベストメンバーが集った公式戦で、勝利を確定させたうえでなおトライができるというのは、素晴らしい強化の時間です。

システム変更への対応もスムーズな日本。後半15分には右サイド端からKがクロスを送ると全員飛ばした逆サイド大外で待ち構えるMが惜しいヘッドを放ち、つづけざまの後半17分にもKからMのホットラインでサイドネットを揺らすなど、しっかりと攻撃の形を作っていきます。残念ながらここでKが交代することになり夢のKDM共存は終わりを迎えますが、いい場面の連発で今後に向けてもいい手応えを得たのではないでしょうか。

↓後半23分のM⇒上田さんのシュートには解説の松井大輔さんも「プレイステーションみたいでしたね」と激賞!


↓さらにセンターバックの板倉滉さんはいろいろあって組体操風の逆立ちをすることに!

競り合いで相手の背中に乗ってしまって前に落ちたらこうなりました!

シリア戦だけに尻上がりですね!


後半27分には、前半・中村敬斗さん&後半・相馬勇紀さんの突破に苦しめられてきた相手の右サイドバックがついに対応できなくり、日本にPKを献上してくれました。PKをもらった相馬さんが自ら決めてこれで4点差。その後もセットプレーでデザインプレーを試してみたり、後半30分過ぎにはゴールキーパーも交代して貴重な出場時間を新たなメンバーに分け与えてみたりと、日本は無駄なく充実の強化時間を過ごしていきます。

そして、そして、ついにやって来た歓喜の時。後半40分、左サイドでの揉み合いからボールを奪った日本は、Mがこぼれ球をさらうと右足でゴール隅に流し込みました。ひとつオウンゴール扱いになったものこそありますが、史上初のKDMスタメン共存試合でKDMがゴールにつながるプレーで揃い踏みするという、まさに歴史的な一戦ではありませんか。今後の最終予選、本番へ向けても「KDM」という切り札があることは日本にとって大いに自信となることでしょう。ありがとうKDM!すごいぞKDM!

↓わずか2時間で「KDM」が希望の合言葉になりました!

日本サッカー史上初の2次予選無失点全勝をKDMが決めた!

Kこれで、D大丈夫だな、M森保JAPANは!



新しいスタジアムで本気のメンバーが集い、華々しい攻撃と充実の試合内容、そのうえ試合途中には板倉さんの組体操逆立ちみたいな誰も傷つかないただただ面白いだけの名場面も生み出した会心の一勝。森保監督が広島の地で勝利の挨拶をするところまで含めて出来過ぎ以上の試合となりました。パリ五輪でのメダル獲得(※願望)を経て若き日本代表が合流してくればさらなる充実も見えてくるはず。アジアカップでは「ん?」という雰囲気も若干ありましたが、これで堂々と最終予選に乗り込んでいけそうです。当然の予選突破、そして世界のベスト8以上へ、楽しみが広がる一戦でした!


素晴らしい選手がいて、それをアレコレ組み合わせることの喜びを感じました!

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婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)

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