スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

陸上

正月のダラけた気分を律する国民の目覚まし・箱根駅伝を見守り、遅ればせながら「さて、自分も」と2025年のスタートを切った件。

08:00
今年も学生たちから元気と勇気をもらいました!

皆さま、あけましておめでとうございます。昨年は能登半島地震や航空機事故などとともに始まった新年でしたが、今年は今のところ昨年よりはおだやかな幕開けとなったようで、個人的にも「身の回りの平穏」という小さくて大きな幸せを噛み締めているところです。今年も一年間、穏やかな時間が流れ、生きていることを存分に楽しめるような日々になればいいなと思います。皆さまもどうぞ健やかにお過ごしください。

そんな新年の始まりの恒例行事として、日本に元気や勇気を湧き上がらせてくれるのが東京箱根間往復大学駅伝競走…箱根駅伝です。酒と煩悩にまみれたダラけた正月気分を「午前8時には起きねばならない…」という意気込みで律してくれる箱根駅伝は国民の目覚ましと言ってもいい、そう思います。好天にも恵まれ、今年も素晴らしい走りで国民に「さて、自分も」と思うキッカケを作ってくれた学生諸君には大いに感謝したいもの。新年から走ってくれて、ありがとうございます!





今年は1区から大きな盛り上がりがありました。連覇を狙う優勝候補の青山学院大を中心に、強豪・駒澤大学、大学駅伝3冠&初優勝を狙う國學院大学らが睨み合うなか、ポーンと飛び出したのは中央大学の吉居駿恭さん。お兄さんであり元箱根のランナーでもある大和さんも1区を2年次に大逃げして1区期間記録としたことがありますが、まさにそのお兄さんを尊敬するような超えようとするような独走です。SNSでは「パンサラッサ」だの「ツインターボ」だのとそれぞれの思い入れのある大逃げ型の競走馬の名前が並び、その果敢な独走ぶりを讃えています。

結局1区はそのまま吉居さんが押し切って、2位以下に1分30秒差以上をつけるという格好に。各校とも追って追えないことはなかったのでしょうが、先頭との差以上に他校との差をまずは意識したでしょうか。まさしく競馬の大逃げのように、強豪が後方の集団で睨み合う展開は、結果として中央大の往路2位という躍進を生んだかなと思います。勇気が思惑を上回って、大きなごほうびを呼び込んだ…そんな走りでした。こういう姿にもまた「自分も勇気をもって頑張ろう」という気持ちにさせられます。

↓レース後には「これ敬語でいいんですかね?」と兄弟の会話をテレビで始めた吉居兄弟!


つづく2区はまさに歴史的な区間となりました。各校のエースたちが集った豪華布陣となるのは例年のことですが、走りまでも「豪華」そのもの。史上最強の留学生とも呼ばれた東京国際大のイエゴン・ヴィンセントさんが2021年に作った1時間5分49秒の大記録を、何と3選手が超えていくというハイレベルなレースになりました。同じ東京国際大から先輩超えを果たしたリチャード・エティーリさん、今年も権太坂に朝日を昇らせた青学大の黒田朝日さん、そして創価大の吉田響さんはいずれも1時間5分台として大きくチーム順位も上げてきました。

それだけではなく後続のランナーもいずれもが素晴らしい走りで、参考記録である関東学生連合も含めて全ランナーが1時間8分台まででゴールしました。10分台以上はもちろん9分台もいないという全選手による快走は、技術・知識の向上はもちろんですが、日本の学生たちのこの日を目指した努力と鍛錬の日々を垣間見るような思いです。1位になれるとかなれないとか、区間記録を更新できるとかできないとかだけではなく、自分を自分で超えていくような努力の姿が思い浮かんで、こういう姿にもまた「自分も頑張ろう」という気持ちにさせられました。見ているだけで元気とやる気があふれてくる、素晴らしい行事です。

↓あのヴィンセントさんをも集団で超えていった!


3区、4区と走りを進めるなかでジワジワとチカラを見せてきたのは優勝候補の青学大。もともと往路には相当な自信があったようで、一部メディアにおいては「往路で負けたら原メソッドの終焉」とまで言い切ったとも聞きます。3区では中央大の本間颯さんが区間賞として再び突き放すも、4区に配置された青学大のエース・太田蒼生さんは区間賞のお返しで先頭との差を一気に45秒差まで詰めてきました。さぁこれで往路の勝負は5区山登りへ。「山での逆転」もありそうな白熱の展開です。

↓太田さんは区間賞(納得)よりも婚約(速っ!)のほうに注目が集まる余裕の走りでした!


そして迎えた5区。青学大はここに前回大会で従来の区間記録を更新した(※その後さらに上回られる)若林宏樹さんを配置しており、万全の構え。前半で先頭の中央大をとらえると、そのまま突き放し、最後は区間記録を更新する1時間9分11秒でのフィニッシュ。ほぼ同じコースで走った81回大会での山の神・今井正人さんの記録1時間9分12秒をも上回る、素晴らしいタイム、素晴らしい走りでした。これで往路優勝も決めた青学大。自らが持つ往路記録には及ばないものの、往路総合でも歴代2番目となる走りで、この時点で総合の勝負もつけてしまうようでした。

山で苦しみながらも2位に粘り込んだ中央大との差は1分47秒、ライバル・駒澤大との差は3分以上つけており、青学大・原監督の「復路はピクニックランで」という余裕の話しぶりにも「そうなりそう」と頷かざるを得ません。決して全区間で圧倒したわけではないのですが、要所要所でしっかりとチカラを出す青学のエースたちの走り、これが「王者」というヤツなんですね。

↓正式タイムで山の神・今井さん超え!見事に「若乃神」襲名!


↓5区の途中では近過ぎる中継バイクをランナーが払いのける場面も!

バイクもランナーに合わせて速度上げていきましょう!

ランナーは毎年速くなってますからね!



日付変わって折り返しの復路。青学大は復路でも見事な走りでした。6区・野村昭夢さんの区間新の力走たるや、すでについた勝負を念のためもう一発撃ってトドメを刺すかのよう。史上初の56分台の記録には、監督車から見守る原監督も「すごい記録が出るよ!」と興奮を隠せません。レース中には、取り立ててのぼりもなく集っている応援団を見逃さず、サッと手を挙げて見せるなど走りも心も終始余裕たっぷりでした(←本人はそうは言わないだろうが)。これでもう青学のピクニックランは確定的で、視聴者の関心はシード権争いへと移っていくことに。いやー、今年も青学の大会でした!(←早い)

↓「ここで少しでも詰めて…」というライバルの望みをナタで断ち切る圧巻の区間新!


7区では10ヶ月ぶりのレースとなった駒澤大のエース・佐藤圭汰さんが区間新記録となる走りで、8区中継の時点で先頭の青学大との差を1分40秒ほどに詰めました。タスキをもらった時点では3分以上あった差が一気に見える範囲まで近づく力走でした。ただ、いかんせん山での差が大き過ぎました。山でつける1分差も平地でつける1分差も同じ1分。このあたりが箱根の魅力であり、面白さであり、難しさかなと思う駒澤の猛追でした。

8区では再び青学大の塩出翔太さんが区間記録に並び掛けようかというペースの区間賞快走を見せ、駒澤をわずかに突き放します。勝負の9区、長い直線ではまだ2位駒澤からも先頭の青学が見えそうな距離でレースはつづきますが、お互いにしっかりチカラのある布陣で大きな動きはありません。青学大9区の田中悠登さんは横浜駅前の給水ポイントでは給水を担当してくれた仲間とボトルで乾杯してともに水を飲む場面もありました。4年間苦楽をともにした仲間と最後の箱根を目いっぱい楽しもうとする姿勢、とてもいいと思います。スポンサーのサッポロビールさんも「来年はこのふたりがビールで乾杯するCMを作ろう」とニッコリしているのではないでしょうか。

優勝争いはそのまま青学大がリードを守り切って2年連続の総合優勝を果たしました。総合新記録、復路も新記録となる素晴らしい走り。ただ、総合2位となった駒澤大も青学大を復路では上回り、復路優勝&復路新記録としました。出走メンバー中の4年生の数は青学大が6人で駒澤大は1人だけということを考えると、青学大のエース級がゴソッと抜ける来年は駒澤大の総合優勝奪還にも大いに期待が持てそう。この11年で青学大が8回総合優勝という状況には「強過ぎ」「つまらん」みたいな声も上がりやすい面がありますが、どんなに強い選手も4年で抜けるのが学生年代ならではの難しさであり面白さです。選手が入れ替わるなかで毎年強いチームを作ってくる各校の努力や工夫、そのあたりを楽しみながら来年以降にも注目していきたいものです。

そして10区では優勝争いよりもシード権争いが盛り上がりました。東京国際大、東洋大、帝京大、順天堂大の4チームが集団で並走しながら「1チームだけ」がシード権を逃すという競り合いは、最後まで白熱し、明暗のコントラストが浮き立つ印象的なものになりました。誰がチカラを残しているのかを探り合うような心理戦から、ラストのスパート合戦で競り落としていくバトルは優勝争い以上に熱かった。審査員特別賞的にもうひとつシード権をあげたくなるくらいのバトル、新年からいいものを観させてもらって感謝・感謝・感謝です!

↓青山学院大学が総合新記録で連覇達成!


↓順大も先に仕掛けてはいたので戦った結果の11位!頑張った!


終わってみて思うのは、やはり箱根は山だなということ。総合3位の國學院大などが顕著でしたが、平地では十分に競り合うことができており、実際そのチカラをもって出雲・全日本という全国大会を制しているチームでも山の特殊区間で互角以上の戦いができないと勝てないのが箱根駅伝というレースだなと思います。最終的に青学大と3位の國學院大は9分28秒差でしたが、そのうち5区・6区の山でつけられた差が6分41秒ありました。山のみで決まったわけではないものの、山でこれだけ差がつく状態では相手の大ブレーキでもないとなかなか競り合うのは難しいでしょう。

そうした特殊区間への適正の見極め・スカウティング・育成・選手層、特殊な区間へ適応した走りを磨いていくんだという選手たちの箱根に懸ける想い、レース当日だけではない部分に青学大の箱根での強さがあるのかなと思います。レース後のインタビューでは解説の瀬古利彦さんから「出雲・全日本も勝たないとね」と呼び掛けられ、青学大・原監督が「一応狙ってるんですよ!」と応じる場面があったように、三大駅伝と呼ばれる大会において青学大が箱根以外を制したのは2018年までさかのぼります。決して青学大が「強過ぎる」わけではなく、箱根の勝ち方を知っているチームなのかなと思います。

その意味では、本当の意味でチームが強い・弱いといった論評をするのであれば、全国大会を含んだ三大駅伝をトータルで見ていかないといけないのだろうと思います。三冠を達成した真に強いと評されるべきチームは、2016年の青学大を含めて過去に5校5例しかありませんが、そういうステージへの挑戦が青学大には求められているのかなと思います。どこかの大会を何連覇しようと、さらに高い目標に挑んでいるチャレンジャーであれば「強過ぎ」とか「つまらない」なんて話にはならないわけですから。箱根連覇を果たした王者として、11年で8度の箱根優勝を果たした国民的なチームとして、常に「三冠」を目指していく、そんなステージでの戦いを見守れたらいいなと思います。それが期待できる希少なチームだと思いますので。競走馬の世界でも、ダービーこそが最大の目標ではあっても、真のスターホースはクラシック三冠を獲った馬であり、そこを狙っていく馬であってほしかったりするように。史上初となる二度目の三冠、いつかどこかが成し遂げてくれたらいいですね!





ゴール後に寮母もつとめる原監督の奥様を胴上げしていたのが印象的でした!

1投に懸ける集中力をパリでは最初に発揮して、あとはゆったりカステラをいただいた陸上女子やり投げ北口榛花さんの歴史的金の巻。

07:00
一撃で期待に応え、不安を打ち消した歴史的「金」!

もう終わってしまうのか、そんな寂しさが少しずつこみ上げてくるパリ五輪の日々。しかし、そんな寂しさも日本選手団の大活躍による嬉しさで「寂しさがこみ上げる前に忘れる」ことができているのは嬉しい限り。大会18日目は「初」がこれでもかと並んだサプライズの一日となりました。

飛び込み種目では初となる飛び込み男子10メートル高飛込での玉井陸斗さんの「金を争った」銀。こちらも日本勢「初」となる近代五種男子での佐藤大宗さんの銀。そして陸上フィールド種目では「初」となる女子やり投げでの北口榛花さんの金。お家芸であるレスリングや卓球団体戦でもしっかりメダル獲得を果たしてくれ、これで自国開催を除けば日本勢の金メダル獲得個数&メダル獲得数は史上最多となりました。

大会最終日にもすでに「受け取り確定色決定待ち」となっているメダルがありますので、記録をさらに伸ばしていくこともほぼ間違いありません。東京五輪を目指した強化の日々は、レガシーとなってしっかりパリにも受け継がれたのだ…そんな思いで感無量です。もうちょっと日本勢に優しい大会であったなら、もっともっといけたんですけどねぇ!

↓スポーツクライミングも、もうちょっと優しくしてくれればねぇ…!

森さんにリード1位の金あげてください!

そしてルートセッターは「スタート地点で意味なく選手を振るい落とす」という興ざめなコースにしたことを猛反省してください!



それらの喜びのなかでもやはりこの日は陸上女子やり投げの北口榛花さんでしょう。大会前から世界陸上の女王として「金」を期待されてきた北口さん。しかし一方で、北口さんは前評判ほどに「金」確実な候補ではありませんでした。今シーズンの記録を見渡せば、北口さん以上の記録を出している選手が5人もいます。北口さんと同じ65メートル台まで広げれば北口さん含めて全部で7人。北口さんの安定して記録を残すチカラは傑出していましたが、「本物の一発」が出てきたときは跳ね返せないかもしれない、そんな危うい本命候補でした。

戦いぶりの面でも、金を取った世界選手権を含めて北口さんは最後の1投で大逆転というパターンが多く、素晴らしく勝負強い一面を持ってはいるものの、やはりその展開では苦しいところ。理想としては先に好記録を出して、他選手にプレッシャーをかけて力みを引き出し、試合を支配したいところです。相手にリラックスした状態で気持ちよく投げさせていては何が起こるかわかったものではありません。そんな不安要素を北口さんは跳ね返せるのか、期待と心配を胸に見守ります。

入場してきた北口さんはとっても素敵です。メイクもバッチリ決まっていますし、髪飾りもオシャレ。耳にはピアスなのかイアリングなのか金色のアクセサリーも輝いています。やりを投げに来たわけではありますが、ドレスに着替えればそのまま祝勝パーティーにでも行けそうな正装感です。そういう部分も含めて「いい準備」をしてきたことが伝わってきます。心が行き届いています。

そして、北口さんはさまざまな期待と不安に対して一発で満点快投を出して見せました。全体のなかで4人目で登場した北口さんは、1投目で65メートル80センチのシーズンベストを出してきたのです。65メートルを投げれば金メダルが見えてくるだろうと想定していた記録を文字通りの「一撃」です。この日は大逆転の北口ではなく、一撃の北口でした。試合の流れをいきなり支配しました!

↓1投に懸ける集中力を、今日は最後ではなく最初に発揮した!


この1投で他選手は俄然苦しくなりました。金を取るには自分の限界を超えるような会心の投擲が必要とされます。出そうと思って出せる記録ではなく、出そうと思えばむしろ難しくなるような記録です。2投目、3投目と投擲を重ねても65メートル台はおろか、64メートル台にも他選手は伸ばしてこれません。3投終えて2番手の記録は南アフリカのファン・ダイクさんの63メートル93センチ。3番手はチェコのオグロドニコバさんの63メートル40センチ。どちらかと言えば伏兵だった顔ぶれが上位に進出してきており、逆にメダル争いの強力なライバルと見込まれていたコロンビアのフルタドさんはメダル圏内にも入れず、オーストラリアのリトルさんは4投目以降にも進めませんでした。

↓インターバルではカステラを美味しそうにいただきました!

テレビ見てるオッサンと同じポーズですが、リラックス&身体を整えています!

オッサンも同じポーズと顔でテレビ見ていますが、一緒にしないでください!



その後、スタジアム上空ではかなりの風が吹き始めます。やり投げの方向に対して向かい風となっているようで、記録が出づらいコンディションに。疲労や焦りもあってか、各選手3投目までの記録を伸ばしていくこともできなくなりました。もしもいつものように「逆転の北口」の試合展開であったなら、非常に心理的にも追い詰められる形になったことでしょう。やはり勝負は先行逃げ切りに限ります。

そんな悪コンディションのなかでも北口さんは警戒を緩めることなく、5投目に全体2番目の記録となる64メートル73センチを投げて改めて全員を圧倒すると、金を決める最終第6投へと向かいます。ファウルや50メートル台の低調な記録がつづき、もちろん誰も北口さんを超えてはいきません。そして、北口さんの最終6投目を残して、誰も記録を更新するものはいなくなりました。北口榛花さん日本女子史上初の陸上フィールド種目での金メダルです!

↓歴史的な金をありがとうございます!


決着後、北口さんのもとにはライバルたちからも温かい祝福が寄せられました。コーチのもとに向かって喜びを分かち合っていると、そこには銅メダルとなったチェコのオグロドニコバさんがやってきました。自身も初の五輪メダルを獲得したオグロドニコバさんは、セケラックコーチと抱き合って「チェコファミリー」としてこの金と銅を互いに祝いました。

2019年から単身チェコに渡り、セケラックコーチに師事した北口さん。セケラックコーチは国内ではジュニア選手の指導などをしており、いわゆる代表監督的な存在ではなかったそうです。もっと大きなトレーニングセンターも、もっと高名な指導者もたくさんいたと言います。しかし北口さんは、やり投げの基本を教えてくれる指導者が自分には必要だという考えで自らセケラックコーチにアプローチし、やり投げ大国チェコの教えを基礎から吸収してきました。その行動力、決断力、考え方が北口さんを飛躍させ、セケラックコーチにとっても大きな大きな夢となった…人の「縁」の不思議さというものを感じます。お互いに「まさかそんな話が」と思うような出来事が、「まさかそんなことが」と思うような夢につながったのですから。「まさかオリンピックチャンピオンになろうとは」という。

日の丸をまとった北口さんがようやく本来の明るく楽しく元気な姿を見せてくれたのは、優勝者だけが鳴らすことができる鐘を打ち鳴らしたときでした。すべての重圧から解放されたかのように、北口さんは跳び跳ねながらジャカジャカジャカジャカと鐘を乱打しました。その喜びようがとても嬉しく、こちらまで楽しくなりました。なお、大会後その鐘はノートルダム大聖堂に据えられるそうですが、ノートルダムの鐘を商店街の福引の鐘みたいにジャカジャカしただなんて、おめでたさも歴史的ですね!

↓1等の景品は金メダルとポスターです!おめでとうございます!


↓それでもまだ「70メートル投げたかった」「悔しい」と向上心は尽きない!


東京世界陸上でも日本勢に金をもたらしてください!

そのときは70メートルでお願いします!



メインスタジアムで日の丸を揚げ、君が代を鳴らしてくれて感謝です!

日本のお家芸・陸上男子4×100mリレーは東京五輪の無念を雪ぐ「攻めた結果」で世界5位となり、マイル侍にいい流れをリレーした件。

07:00
リレー侍(100メートル)は「攻めた結果」の5位!

熱戦つづくパリ五輪。いよいよ佳境へと向かう大会17日目は、残念ながら日本勢は参加が叶わなかった各種団体球技の準決勝・決勝ラッシュに加え、アーバンスポーツのメダルマッチが行なわれました。日本の新お家芸となったスポーツクライミングでは、男子のボルダー&リードで17歳・安楽宙斗さんが銀メダルを獲得。前半のボルダーでは1位で、あと少しリードで伸ばせれば金も見えていたので惜しまれる部分もありますが、日本男子としては史上初のメダルです。この快挙を「ホールド」として、次なる高みへと向かっていってほしいもの。あと、それはそれとして「準決勝の課題の設定がおかしい」「リードの序盤にきついの置くしボルダリングは難し過ぎ」「ボルダー潰しか、だったら種目を分けろ」というご意見は送っておこうかなと思いました。

そして今大会の追加種目として採用されたブレイキンでは女子の種目Bガールが行なわれ、日本から出場したAMIさんが見事に初代金メダルを獲得。「めちゃ楽しそう!」という緩い解像度で拝見していただけではありますが、スケートボードなどとも重なる「互いの個性を尊重し合い、ともにチャレンジする」というポジティブな空気感が魅力的でした。ともすれば「勝ち負け」で死ぬの死なないのと自分を追い詰めてしまいがちな日本勢ですが、こういった競技の心持ちには大いに学ぶところがあるだろうと思います。「俺は挑戦した、お前も挑戦した、そしてお前が勝った、リスペクト、以上」で終わってもいいと思うのです。誰よりもメダルが欲しかった本人としてはそんな気持ちにはなれないかもしれませんが、負け方にも「時代」というものがあります。今は「死にたい」「申し訳ございません」「メダルがなければ私の価値はない」的な負け方はナシの時代だと思いますので、勝っても負けても元気に帰ってきてほしいなと思いました。

↓金が見える銀だったので悔しさも残るけれど、メダルがあってよかった!清々しい負けっぷりも見事ですね!


そして、この日活躍を見せたのは伝統のお家芸・リレーです。予選が行なわれた陸上男子4×400メートルリレー…いわゆるマイルリレーでは、中島佑気ジョセフさん、川端魁人さん、佐藤風雅さん、佐藤拳太郎さんの4人が予選を走り、日本勢としては20年ぶりの決勝進出を決めました。しかも、この走りで日本記録を更新し、全体4位の好タイムでの決勝進出です。個人種目の敗者復活戦を辞退してまでリレーに懸けた決断が見事に吉と出た格好。5月の世界リレーでも決勝4位となるなど、メダルに肉薄する走りを見せていた日本のマイルリレーですので、決勝での好走にも大いに期待したいものです。

↓トラック種目の最後を飾るマイルリレーに自国の代表がいるのはイイですね!



マイルリレーに先駆けて決勝に登場したのはメダル常連国として世界と堂々渡り合う4×100メートルのリレー侍たち。前回東京五輪では決勝で痛恨のバトンミスがあって途中棄権となっただけに、今回に懸ける想いはひとしおのはず。前回メンバーから唯一継続参加の桐生祥秀さんには、あの日走れなかった「東京の分」も思い切り走ってほしい、そんな気持ちで見守ります。

予選では日本チームの作戦は安定感重視でした。通例であればバトンパスが2回あり(※つまり長く走れる)、直線走路を走ることができる第2走者に強い選手を置くことが多いものですが、日本は走力で言えば最強であろうサニブラウンさんをあえて第1走者に起用しました。第4走者でも第2走者でもなく、あえての1走なのは「受ける」よりは「渡す」のほうがやりやすいからでしょうか。世界リレーでも同じような並びをやってはいたものの、一番速い選手を1走に置くのはセオリーではありません。

ただ、その起用の結果、予選では1走から2走へのつなぎではアメリカに先着するなど、予選2組分を総合しても全体トップの速さを見せることに。日本は3走の桐生さんも強く、予選では全体3位の好走を見せていますので、コーナー区間でだいぶ差を稼ぐことができました。着順での決勝進出こそ逃すも、全体4位のタイムで決勝進出はしっかり決めた日本。決勝ではもう一段上げてメダルを狙いたいところです。

↓強豪ぞろいの予選1組で4着!全体でも4位のタイムで決勝へ!


↓優勝候補アメリカは100メートル金のノア・ライルズさんがコロナ陽性で欠場のため、エクゾディアを召喚することにしたようです!

「俺のターン!ドロー!」
「オレの引いたカードは…!」
「感染せしノア・ライルズ!」
「今5枚のライルズが揃った!」
「ノア・ライルズは召喚される!」
「俺の勝ちだ!」

いや、コロナで召喚できないんだってば…!

じゃ、このデッキでは勝てないだろ…!



迎えた決勝。日本は3年前以上に攻めた選択をしてきました。日本のオーダーは第1走者に坂井隆一郎さん、第2走者にサニブラウンさん、第3走者に桐生祥秀さん、第4走者に上山紘輝さんというもの。2走に一番走力があるサニブラウンさんを起用するのはセオリー通りではありますが、サニブラウンさんはリレー合宿も基本的にパスするなど、ほかのメンバーほどバトンパスの練習をしていないはず。「受ける」と「渡す」が両方ある2走で上手くバトンをつなげるのかどうか。「受ける」だけの4走のほうでなくていいのか。もしロスなくつなげるならば、タイム的にはかなりのアップが狙えるはず。3年前の東京五輪で「攻めた結果」をやったチームが、もう一度この「ゴン攻め」をやろうとは思いませんでしたが、この勇気が結果につながってほしい…祈るような気持ちで見守ります。

日本は、グータッチで一丸となって入場。第3レーンから前を追って走り出します。1走坂井さんは出足鋭くほとんど差のない走りで2走のサニブラウンさんにつなぎます。サニブラウンさんはそこから区間1位の走りを見せると、3走の桐生さんへのつなぎもパーフェクトです。3走へのつなぎの時点で日本は1位。日本の賭けは当たりました。桐生さんはそこから区間2位の走りで、1位のままアンカーにつなぎます。一瞬ザワッとしました。見せ場十分でした。「この馬券当たる!」と思ったときの鼓動がドクンときました。チームとしての仕事は完璧にできた、そう思います。

しかし、リレーもかけっこですので足が速いほうが勝つのは道理。各国の強力なアンカーが追い上げてくるなか、バトンを受け取るときに「なかなかバトンが来ないので一瞬振り返って」いた上山さんの走りは伸びを欠き、残念ながら順位を守ることはできませんでした。「たられば」ですが「来ないなら来ないで構わん!」で全力で加速していればどうだったかなと思う、一瞬のロスでした。

結局日本は5番手で入線。アメリカの失格(※1走⇒2走でエリアオーバー/エクゾディア召喚失敗)などもありましたが、日本はアメリカよりも前でゴールしていますので見た目の順位と最終順位は変わらず日本は5位となりました。目指していたところには及ばないかもしれませんが、大きなチャレンジをして、シーズンベストを出しての5位ですので、これは「攻めた結果の世界5位」と受け止め胸を張ってもらいたいもの。いやー、あと1人個人で100メートルの準決勝に残るレベルの選手がいたら、アメリカもジャマイカも消えたので、金もあったと思いますね!

↓日本は素晴らしいリレーをするも、腕力でまくられました!


いい走りだったが…及ばず!

でも、見事な「攻め」でした!



順位的には過去の大会のような好結果ということではありませんが、内容としては非常に充実したいい走りでした。勇敢に攻め、見事につかんだ5位でした。東京五輪の無念を雪ぐ、文字通りの「攻めた結果」でした。この流れ、翌日の4×400メートルリレーにもぜひつながってもらえたらと思います。日本記録も出してしまって他国よりも予選⇒決勝での上積みが見込めない日本は、ここから上げていこうと思ったら「さらに速く走る」しかありません。個人種目を辞退しても大切に残したチカラを振り絞り、さらなる日本記録の更新で歴史を作ってもらえたらいいなと思います。今回のリレー侍は「400メートルのほう」に期待です!


力量的には苦しい状況でも世界で戦えるあたりが、「お家芸」なんですね!

五輪の華!陸上男子100メートルを制したノア・ライルズさんの勝負強さと大お祭り男ぶりに、東京世界陸上がさらに楽しみになった件。

07:00
世界最速の人類、決まる!

熱戦つづくパリ五輪、大会10日目は数々の偉業に胸躍る一日でした。日本勢ではゴルフ男子松山英樹さんの東京五輪プレーオフの雪辱を果たす銅メダル獲得や、連日のメダルラッシュに沸くフェンシング勢から今度は男子フルーレ団体による金メダルに沸きました。フェンシングは出場した団体競技すべてでメダル獲得ということで、侍の国としても鼻が高い大活躍です。選手たちへのごほうびリゾート、ぜひお願いできればと思います。

今大会は「みんなが見ている時間帯にやっているのが柔道くらいしかない」という事情もあって柔道にSNSインプレゾンビ勢が集中する傾向が感じられましたが、その柔道でモヤモヤしたぶんをフェンシングが晴らしてくれる好循環があったのは痛快でした。フランスの人の気持ちはわかりませんが、日本勢が直接フランス勢に立ちはだかる機会も多かったので、向こうは向こうで「こんなものはフェンシングではない!」「機械がぶっ壊れてる!」「あの面の圧は強過ぎる」とか言っていたりするんじゃないかなと思います(※嫉妬からくる言いがかりなど)。そこはお互い様ということで、ぜひ真の騎士道に励んでもらえたらいいなと思います。こちらの理解度としては「当たりゃいいんでしょ、当たれば」くらいの段階で恐縮ですが…!

↓準決勝、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」空飛ぶ一撃でフランスから45点奪取!


日本勢以外ではテニス男子シングルスのノバク・ジョコビッチさんの金メダル獲得は劇的でした。四大大会を24度も制するという生きるレジェンドでありながら、何故か五輪には縁がなく、過去4度の出場で銅がひとつというジョコビッチさん。37歳で迎えた今大会、会場はクレーコートのローラン・ギャロスということでものすごくやりやすいということはなかったかもしれませんが、見事にこのラスト(かもしれない)チャンスを活かしました。全仏オープンを途中棄権することになった右ひざ半月板の損傷からわずか2ヶ月。再びこの地に戻っての劇的な勝利は、さすがジョコビッチさんと唸るものでした。ジョコビッチさんほどの選手がコートに突っ伏し、指を震わせながら嗚咽する姿、それほどの思いをぶつけた戦い、見守れて大変いい思い出になりました。生涯ゴールデンスラム達成、おめでとうございます!

↓テニス好きの皆さんがジョコビッチさんの金メダルをお祝いする大喜利を開催中です!


漫画のような勝利でした!

これがスターだなと思いました!



そしてこの日は何と言っても五輪の華、陸上男子100メートルです。世界で一番足が速いのは誰なのか。その単純にして明快なロマンに、人類は魅了されてきました。今回も世界から集った韋駄天たちの走りを記憶に刻もうと思います。そして、サニブラウン・アブデルハキームさんら日本勢による、実現すれば92年ぶりとなる決勝進出にも期待したいところ。

前日4日の1次予選では、1組に東田旺洋さん、4組にサニブラウンさん、7組に坂井隆一郎さんが登場しました。そのなかで準決勝に駒を進めたのはやはりサニブラウンさんでした。サニブラウンさんは同組に入ったオブリク・セヴィルさんの走りを見つつ、最後は左右を確認して緩める余裕もある走りながら2着の着順で準決勝進出を決めました。無風ながら10秒02という「日本史上五輪最速」のタイムを叩き出すなど状態のよさがうかがえます。インタビューでも、ここは通過点という雰囲気アリアリで期待もグッと高まりました。

↓余裕の準決勝進出!日本歴代最速タイムにも「何も考えてないですハイ」の塩対応!

「ま、今日はホントにラクラクなんで」という頼もしい振り返り!

「(自分の走りをすれば)しっかりと決勝は行けると思ってる」という頼もしい展望!



迎えた準決勝、3組27選手が走って「各組2着+タイムで2名」が選ばれるという狭き門。サニブラウンさんが入った3組には前回東京銅のアンドレ・ドグラスさん、2023年世界陸上銅のザーネル・ヒューズさん、ジャマイカが送り込んだキシェーン・トンプソンさん、前回東京銀のフレッド・カーリーさん、高地記録ながら世界歴代10傑のベストタイムを持つゲニアのオマニャラさんなど、「このなかで2着に…?」と思うような厳しい顔ぶれが揃いました。まぁ、ほかの組も厳しいのでどこでも一緒なのでしょうが、これを勝ち抜くのは並大抵のことではありません。そして、その先にもう1本決勝を走ろうだなんて。はたしてサニブラウンさんには勝ち抜くチカラと決勝への余力があるのか。

↓サニブラウンさんは自己ベスト9秒96を出すも、決勝には届かず!


いやー世界は速い。サニブラウンさんは準決勝3組4着となり、タイムでも拾われず日本勢92年ぶりの決勝進出はなりませんでしたが、自己ベストを更新する9秒96の素晴らしい走りでした。これで届かないのは「相手が速かった」で致し方ありません。サニブラウンさんの組からはキシェーン・トンプソンさん、フレッド・カーリーさんが勝ち上がりました。ほかの組から決勝に勝ち進んだ、2023年世界陸上で100メートル・200メートル金のノア・ライルズさん、ジャマイカのオブリク・セヴィルさん、東京五輪金のマルセル・ジェイコブスさんらが「世界最速の人類」の座をかけて争います。

メインスタジアムが眩く輝くなかでセレモニーのようにして始まった決勝。ここまでやってきた選手はひとりひとりが人類のスターです。そのなかでもひときわ異彩を放つアメリカのノア・ライルズさんはトラックを飛び跳ねながら大観衆を煽っています。何やら叫びまくっています。ドーピングじゃない何らかのアレがアレしているくらいのテンションです。今日はかめはめ波したり遊☆戯☆王のカードを出したりはしませんでしたが「俺のターン!」というアピールは十分。勝てば新世代ボルト的な雰囲気さえまとっていきそうです。それぐらいのパフォーマンスをしてもいいだけの舞台、この五輪全体でももっとも大きな花火が上がる瞬間がついにやってきました。

そして、スタートした最速の人類たち。反応よく飛び出したのはジャマイカのトンプソンさん、しかし外からノア・ライルズさんが上がってくると、そのほかの選手もほぼ横一線でなだれ込むように入線しました。何と7位まで写真判定をするという紙一重の勝利を制したのは…アメリカのノア・ライルズさん!煽りまくって騒ぎまくって、そして金を獲る!しかも自己ベスト!このスター性、この勝負強さ、人類全体のスターにふさわしい大お祭り男です!

↓ノア・ライルズさんが最速の人類!最後ギリギリ差し切った!


いやー、すごかった。ここまでもつれるとは。競馬で慣れた目で見ても1着・2着がどうなったのかはよくわかりませんでした。それもそのはず、1着ライルズさんと2着トンプソンさんのタイムは9秒79で同じです。ここまでもつれる勝負はなかなかあるものではありません。レベルも高く、選手も粒ぞろい。今回も「華」を存分に楽しませていただきました。そして、今後に向けてさらに楽しみが増すような戦いでした。

何せ日本には2025年東京で開催する世界陸上があります。この選手たちが、もう一度本気の戦いを東京の国立競技場でやってくれるのです。東京五輪では十分に大お祭りにしてあげられなかったぶんも、世界陸上では超大お祭りで人類のスターを迎えたいものだなと思います。そして、そのときは日本勢からの決勝進出、表彰台といった大きな夢も見られるといいなと思います。その瞬間に立ち会えるよう、チケット取りも頑張らないとですね!



東京の世界陸上ではライルズさんの連覇を見ることも希望のひとつにします!

パリ・東京へと熱気を高めるべくセイコーゴールデングランプリ陸上を観戦し、国立競技場最寄り駅の改札は「北口」にすべきと感じた件。

08:00
逆転の北口、さすがでした!

本日はお出掛けの記録です。いよいよパリ五輪が近づいてくるにあたり、自分のなかの熱気をじょじょに高めていくべく、それっぽい現場に行ってまいりました。向かいましたのは聖地・国立競技場。こちらで開催されましたセイコーゴールデングランプリ陸上に行ってきたのです。

現地に降り立てばなかなかの出足のよさ。ほんのわずかに雨粒が落ちてくる気配もある空模様ですが、たくさんの人が国立競技場へと向かっています。聞けば今大会では試合のほかにもランニング教室的なイベントだったり、YouTuberさんと一緒に観戦する企画だったり、お祭りとしての盛り上げにも注力していた模様。

場外でもお祭り感を盛り上げるべく多数のブースが出展されていました。グッズやフードの売店はもちろん、砲丸や円盤など競技用の用具の展示、パラ陸上用のレーサー車いすに試乗できるブースや、10メートルダッシュのタイムを計時システムを使って正確に測れるブース、経緯はよくわからないもののJALのマイルに登録すると北口榛花さんのステッカーがもらえるブース(※地対空槍的な?)などなど盛りだくさん。

冠スポンサーであるセイコーさんも、男子100メートルの日本記録である9秒95を正確に腹時計で測るチャレンジだとか、この日の日付を表示した大時計の前で記念撮影すると豪華賞品が当たる抽選会などで盛り上げてくれていました。僕もいくつか参加させていただき、ステッカーやらクリアファイルやらをいただきました。ステッカーやクリアファイルはなんぼあっても困りませんからね。ありがとうございます、ありがとうございます。

↓やってまいりました国立競技場!
P5193294


↓本日のお目当てはセイコーゴールデングランプリ陸上です!
P5193275


↓セイコーさんらしいフォトスポットなどがありました!
P5193301


↓記念撮影をしてクリアファイルをいただきました!
P5193303


↓JALさんのブースで北口榛花さんのステッカーをいただきました!
P5193287


場内に入れば人・人・人で、陸上の会場らしからぬ雰囲気。トラックを取り囲む第1層はほぼ埋まっており、外周通路部分には立ち見のお客さんがあふれているではありませんか。まぁ、裏事情を言えば観戦ルールのほうで客席部分ではスマホ・タブレットでのみ撮影が許可されていて、カメラやビデオカメラでの撮影は通路からお願いしますという話になっていたため、カメラを構えた人は全員通路にいたということだったりはするのですが、それを鑑みてもかなりの客入りです。

トラック競技で決勝が始まるメインの時間帯には、もともとは一部しか開放していなかった2階席まで開放され、係員さんが通路を巡りながらそちらへの移動を促す一幕も。来年にはこの国立競技場で世界陸上の開催を控えていますし、陸上関係者的にも嬉しい手応えだったのではないでしょうか。6万人が世界のアスリートを出迎える夢の世界陸上、これならばあるかもしれまんね。

↓国立なのでわかりづらいですが1層はほぼギッシリです!

今年はパリ五輪シーズンということもあって、有力選手はパリから逆算しながらの参加となる今大会。選考においてもっとも重視すべき日本選手権を来月末に控えているということで、ここで100%を出し切るようなことは当然ナイわけですが、そんななかでどれぐらいできるのかというあたりに注目しながら見守っていきます。

まず女子1500メートルに出場した田中希実さん。すでに5000メートルではパリ五輪の参加標準記録を突破している田中さんは、1500メートル・800メートルとあわせて3種目での五輪出場を目指す見込み。今大会の出場選手たちを見渡せば自己ベストでは互角以上というところでもあり、ここは気持ちよく勝って日本選手権へと向かいたいところ…だったのですが。

序盤好位につけて流れに乗り、中盤から抜け出してレースを作るというイメージ通りの展開のはずが、終盤までライバルに後ろにつかれると、最後は集団に差されて4位という結果に。本番ではさらに前に本当の先頭集団がいるだろうことを考えると、手応えとしては微妙なレースなのかなと感じました。まぁ、今絶好調でも仕方ないことなので、夏に向けて気温とともにガンガングングン上げていってもらいたいところ。

↓自ら先頭に立つ積極的なレース運び!
P5193377


↓パリでは笑顔いっぱいのゴールを見たい!
P5193399


パリでも注目の種目のひとつになるであろう男子110メートルハードルには、すでに五輪内定を決めている泉谷駿介さんの参加はないものの、同タイムで日本記録を保持する村竹ラシッドさんが出場。村竹さんはスタートの反応鈍く出遅れるも、中盤から先頭に立つと最後はライバルを突き放し、パリ五輪の参加標準記録を突破する走りでさすがの優勝。最後はちょっとガッツポーズするくらいの余裕もあって、これは五輪へ向けても「日本勢」としての活躍に期待が懸かります。

↓五輪の決勝で日本記録を出せれば、夢が広がる!
P5193615


↓スポンサー様商品を積極的にアピールするぞ!

そして大観衆も熱い視線を注いだ男子100メートル。視線の先にはもちろん日本記録保持者のサニブラウン・アブデル・ハキームさんがいます。サニブラウンさんは2023年の世界選手権で日本選手最上位の6位入賞を果たしていますので、パリ五輪の参加標準記録10秒00を今年出せばその場で内定が決まる立場。かなり高いレベルの標準記録ではありますが、サニブラウンさんのチカラであれば、この日この場でパリが決まる可能性も大いにありました。

予選ラウンドは10秒07のタイムで勝ち抜けたサニブラウンさん。決勝ではさらにもう一段上のタイムを…と期待されたのですが、決勝ではスタート直後から遅れ気味でアヤしい気配を漂わせると、中盤以降はレースを止めてしまった格好で、10秒97で8位となりました。少し顔をしかめるようなところもあったのであるいは怪我でもしたかと心配されましたが、「足をつってしまった」ということだったので大きな怪我ではない模様。まぁ、サニブラウンさんが代表から漏れることはまずないでしょうから、リスクを取るのは本番だけで十分。しっかりパリに合わせてもらえればと思います。

↓途中から遅れ出したときはドキッとしました!
P5193668


↓パリ五輪の決勝、楽しみにしています!
P5193673


そして、国立の主役となったのはやはり、さすがの北口榛花さん。2023年世界陸上の金・銀・銅メダリストが一堂に会するハイレベルなメンバーのなかにあっても、金メダリストはやっぱり強かった。試合展開としてはなかなかトップに立つことができず5投目を終えてもまだ4センチ差の2位で世界選手権銀のルイス・ウルタドさんを追うという苦しい流れでした。

ただ、その間も5投中3投で60メートルを超える記録を出すなど、北口さんの高い水準での安定感は抜群でした。そして迎えた最後の6投目、国立の大観衆の期待を背負って投げたやりはグングン伸びて63メートル45センチの投擲に。最後の一投で逆転優勝というのはまさに世界選手権の再現のようでもあり、ここ最近の北口さんの勝ち方の定番でもあります。これはもう「逆転の北口」の二つ名襲名も待ったなしといったところ。パリ五輪、そして2025年世界陸上で素晴らしい結果を出してくれた暁には、敬意を表して国立競技場最寄り駅の改札に「北口」と名前をつけてもいいかもしれませんね。日本陸上界を背負う大黒柱としてパリでも大投擲を見せていただきましょう。

↓いつも参加してくれてありがとうございます!
P5193535


↓最後の6投目、逆転の北口が吠えた!
P5193686


↓63メートル45センチの好記録で逆転優勝!お見事!
P5193687


ほかにも男子400メートルハードルではパリ五輪参加標準記録突破済みの豊田兼さん・筒江海斗さん・黒川和樹さんの走りをまとめて見られたり、男子400メートルでは日本記録保持者・佐藤拳太郎さんの優勝を見守ったり、走り幅跳びの橋岡優輝さんのジャンプや、1万メートルの日本記録保持者である塩尻和也さんが出場した男子5000メートルなど充実のラインナップを楽しみ、グッと五輪への気分も盛り上がってきました。

東京五輪で見られなかった光景を2025年の世界陸上で見る、忘れ物をしっかりと取り戻すためにも、パリ⇒東京へとしっかり自分自身の勢いもつなげていきたいもの。会場ではひっそりと2025年世界陸上のロゴを紹介していたり、チケット購入のためのID登録を呼びかけていたりもしたので、チャンスを逃さずに楽しんでいければいいなと思いました!

↓2016年頃に見せられたら「こういうのでええんやで」って言われてた感じのロゴ!

2025年は6万人の大観衆で世界の選手を迎えられたらいいですね!

sports


































婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号

僕は自分が見たことしか信じない 文庫改訂版 (幻冬舎文庫)

girls
























































































books&DVD


























スポンサードリンク
フモフモの本が出ます!
<アマゾン> 自由すぎるオリンピック観戦術

新書判/224ページ/定価1260円
オール新作の駄文集が、五輪商戦を当て込んでやってきた! フモフモのことは嫌いでも本は買ってください!
サンプルページ…じゃないボツページはコチラ
記事検索
カウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
Twitter プロフィール
フモフモコラムの中の人です。


最新の社説
最新のコメント
今月のひとまとめ
スポンサードリンク
  • ライブドアブログ